好きな音楽を楽しんだり、レコーディングしたりする際に欠かせない「ヘッドホン」。豊かな低音から、繊細なサウンドまで聞き取りやすいオーディオ機器です。とはいえ、製品によってさまざまな違いがあるため、どのように選べばよいのか分からない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ヘッドホンの選び方を解説します。人気メーカーについてもご紹介するので、選び方で困っている方はぜひ参考にしてみてください。
接続方式で選ぶ
有線ヘッドホン

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有線ヘッドホンは、オーディオ機器と直接ケーブルで接続して音楽を再生するタイプのヘッドホンです。充電する必要がなく、時間を気にせず音楽を楽しめるのが特徴。また、音と映像に遅延が発生しにくいため、動画視聴や映画鑑賞、ゲームなどを楽しみたい方にもおすすめです。
一方、ケーブルでデバイスと直接繋がっているため、可動範囲が制限されてしまうのが難点。デバイスとの距離を考慮して、適した長さのケーブルが搭載されているかもチェックしましょう。また、ケーブル特有の絡まりや断線などのリスクがある点も注意が必要。ケーブルが着脱できるタイプなら、万が一断線してもケーブルを交換するだけで引き続き使えるのでおすすめです。
ワイヤレスヘッドホン

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ワイヤレスヘッドホンは、オーディオ機器とBluetoothで無線接続して音楽を再生するタイプのヘッドホンです。ケーブルによる制限がなく、自由に動き回れるのが特徴。通勤通学時などケーブルがあると邪魔になりやすいシーンにおすすめです。
なお、ワイヤレスヘッドホンは、本体にバッテリーを内蔵しており、定期的に充電が必要。長時間音楽を楽しみたい方は、連続再生時間を確認しておきましょう。また、ワイヤレスで接続すると多少なりとも音質が劣化したり、映像とのズレが発生したりします。高音質・低遅延で楽しみたい方は、対応コーデックにも注目してみてください。
なかには、ケーブルを付属し、有線ヘッドホンとして使えるモデルもラインナップされているので、シーンに応じて使い分けたい方におすすめです。
ハウジング構造の種類
密閉型

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ヘッドホンを選ぶ際は、ハウジング構造の種類にも注目。ヘッドホンのハウジング構造には大きく分けて、「密閉型」と「開放型」の2種類が存在し、それぞれ特徴が異なるので、把握しておきましょう。
密閉型は、ハウジングを閉じて耳を密閉するタイプ。スピーカーから鳴る音をしっかり閉じ込められるため、音漏れを低減できるのが特徴です。周囲に人がいる環境でも、気兼ねなく音楽を楽しめます。
また、遮音性に優れているのも魅力です。周囲の騒音を低減できる「ノイズキャンセリング機能」を搭載したモデルなら、より高い遮音性を実現。さまざまな環境で音楽に集中できます。
開放型

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開放型は、ハウジングにメッシュ状の網目を用いたタイプ。音がこもりにくく、広がりのある音場や、自然なサウンドをリスニングできるのが特徴です。ただし、構造上音漏れしやすい点には注意が必要。周囲に人がいる環境では音量に配慮しましょう。
また、遮音性もそこまで高くないため、周囲が騒がしい環境では音楽に集中しにくいのが難点。スピーカーで聴くような感覚に近いため、自宅でリラックスしながら音楽鑑賞や映画鑑賞をしたい方に適しています。
装着方法で選ぶ
オーバーイヤー

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ヘッドホンを選ぶ際は、装着方法にも注目。装着方法には、大きく分けて「オーバーイヤー」と「オンイヤー」の2種類が存在し、それぞれ特徴が異なるので、事前に確認しておきましょう。
オーバーイヤーは、名前の通り、耳全体を覆うように装着するタイプ。しっかり音を閉じ込められるため、遮音性に優れ、音楽に集中しやすいのが特徴です。また、音漏れもしにくい仕様なので、通勤・通学時など周囲に人がいる環境でも気兼ねなく音楽を楽しめます。
ただし、耳を覆うため比較的サイズが大きめ。持ち運ぶ機会が多い方は、サイズや重量などを考慮したうえで選んでみてください。
オンイヤー

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オンイヤーは、耳に乗せるような感覚で装着するタイプ。耳を覆うタイプのオーバーイヤーに比べると、圧迫感を抑えて装着できるため、耳が疲れにくいのが特徴です。比較的リーズナブルなモデルも多く、初心者でも手が出しやすいのも魅力。サイズが小さめで重量も軽めなので、長時間のリスニングにも適しています。
ファッション性が高い製品も多く、服のコーディネートの一部として馴染みやすいのもポイント。なお、オーバーイヤー型に比べると音漏れしやすい仕様なので、周囲に人が多い環境では音量に配慮が必要です。
発音形式で選ぶ
ダイナミック型

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ヘッドホンには、ドライバーユニットと呼ばれる音を鳴らす機構が備わっています。ヘッドホンのドライバーユニットには大きく分けて「ダイナミック型」「コンデンサー型」「平面型」の3種類が存在。それぞれ音の特性が異なるので、チェックしてみてください。
ダイナミック型は最も一般的なタイプで、ヘッドホンの多くに採用されています。迫力ある重低音を再生できるのが特徴。リーズナブルなモデルから、高価なモデルまで幅広いラインナップがあるので、機能やデザインなどさまざまな観点から自分に合ったヘッドホンを見つけやすいのも特徴です。
コンデンサー型

コンデンサー型は、基本的に高価なヘッドホンに採用されることが多いタイプ。専用のアンプで音を鳴らす仕様です。低音から高音までワイドレンジで優れた音質を実現しているのも特徴。音質にこだわりたい方にもおすすめのタイプです。
価格が高いため、初心者ではなかなか手が出しにくいのがやや難点。ラインナップも少なめなので、選べる製品が限られてくる点にも留意しておきましょう。
平面型

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平面型は、振動板全体に均一に力が加わるため、音の歪みが少ないのが特徴。ダイナミック型のひとつで、コンデンサー型と同様に高価な製品に採用されることが多い形式です。
一般的なダイナミック型に比べて、低音がやや弱いのが注意点。ただし、最近では低音をカバーした製品もラインナップされているので、気になる方はチェックしてみてください。
音の傾向で選ぶ
モニターヘッドホン

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ヘッドホンを選ぶ際は、音の傾向にも注目しましょう。ヘッドホンには大きく分けて、「モニター用」と「リスニング用」の2種類が存在。それぞれ音の傾向が異なるので、シーンに合ったモノを選んでみてください。
モニターヘッドホンは、音楽制作現場などで音の確認を目的としたタイプ。原音に忠実なサウンド特性を備えており、フラットなサウンドをリスニングできるのが特徴です。
一方、粗い部分など細部までしっかり聴こえるため、普通にリスニングしていると聴き疲れしてしまうことも。着色のない自然なサウンドが好みの方にもおすすめのタイプです。
リスニングヘッドホン

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リスニングヘッドホンは、一般的なヘッドホンで、音楽を楽しく聴けるようにチューニングが施されたタイプ。リスニングヘッドホンには、音楽鑑賞を目的としたモノだけでなく、ゲームを目的としたタイプ、映画鑑賞を目的としたタイプなどチューニングによって種類があります。
音楽用のモデルのなかには、音質を重視した高級機も存在。聴き疲れしにくいようにチューニングされたモデルなら、長時間でも快適に音楽を楽しめます。とはいえ、音の傾向は好みで分かれるため、一度聴き比べしてみて、モニター用とリスニング用で自分に合ったモノを選んでみてください。
ヘッドホンの人気メーカーと特徴
ソニー(SONY)

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「ソニー」は、東京都港区に本社を置く総合電機メーカーです。音楽再生デバイスの「ウォークマン」を販売していることでも有名で、ヘッドホンやイヤホン、テレビ・スピーカー・スマホ・パソコンなど幅広い製品を手掛けています。
ヘッドホンに関しては、高性能なノイズキャンセリングを搭載したモデルや、プロのレコーディング現場でも使われるモニターヘッドホンなど豊富な種類をラインナップ。ワイヤレスながらハイレゾ相当の音質で楽しめる「DSEE Extreme」を搭載したモデルも存在します。
また、迫力ある重低音サウンドを楽しめる「EXTRA BASS」シリーズも人気。ファッション性の高い「h.ear」シリーズは、屋外で使用する機会が多い方にもおすすめです。豊富なラインナップから自分好みのヘッドホンを見つけたい方はチェックしてみてください。
オーディオテクニカ(audio-technica)

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「オーディオテクニカ」は、東京都町田市に本社を置く、日本の音響機器・映像機器メーカーです。ヘッドホン・イヤホンをはじめ、マイクロホンやスピーカー、車載アイテムなど幅広く展開。プロ向けの製品も取り扱っており、品質面も良好です。
ヘッドホンに関しては、コスパよくリーズナブルに購入できるモデルから、プロが使うモニター用のモデル、音質や機能にこだわったハイエンドモデルまで多数ラインナップ。利用シーンを考慮してニーズに合ったヘッドホンを見つけられます。
原音再生を追求した「Sound Reality」シリーズや、迫力ある重低音サウンドを楽しめる「SOLID BASS」シリーズなども人気。ゲームに特化したゲーミングヘッドセットもラインナップしています。
ゼンハイザー(SENNHEISER)

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「ゼンハイザー」は、ドイツに本社を置く音響機器メーカーです。音楽制作現場や映画制作現場などプロフェッショナル用途に開発されたモデルが多いのも特徴。ヘッドホンやイヤホンをはじめ、マイクロフォンなど幅広い音響機器を手掛けています。
ヘッドホンに関しては、高性能かつ高音質なモデルを多数展開。ほかのメーカーに比べて高価なモデルが多めですが、品質面も良好です。なかには、さまざまな環境で繊細なサウンドに集中しやすいノイズキャンセリングを搭載したモデルも存在。自然で伸びのあるサウンドを楽しめる開放型のモデルもラインナップされています。
高級感のあるスタイリッシュなデザインのアイテムも豊富なので、音質だけでなく、見た目にこだわりたい方にもおすすめです。
アーカーゲー(AKG)

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「AKG」は、音楽の都としても知られるオーストラリアのウィーンで設立された音響機器メーカーです。ヘッドホンやイヤホンの製造・開発・販売をメインで行っているのが特徴。プロフェッショナル用途の高性能な製品も多数ラインナップしています。
ヘッドホンに関しては、DJ用ヘッドホンやノイズキャンセリング機能を搭載したモデルや、原音をクリアに再現できるモニターヘッドホンなど多数展開。いずれの製品も洗練されたサウンドと豊かな音場表現を可能にし、音楽が持つ本来の美しさをしっかりリスニングできるのが魅力です。
自宅でじっくり音楽鑑賞しやすいモデルや、ファッション性に優れた持ち運びに適したモデルなど用途に合ったヘッドホンを選べます。
シュア(SHURE)

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「シュア」は、高級音響機器の設計・製造を手掛けるアメリカの人気メーカー。イヤホン・ヘッドホンをはじめ、マイクロフォンやレコードカートリッジなど幅広く展開しています。
ヘッドホンに関しては、スタジオ品質の高性能なワイヤレスヘッドホンや、プロフェッショナルクオリティの有線ヘッドホン、レコーディング用のモニターヘッドホンなどをラインナップ。いずれも上質なサウンドをリスニングできるのが特徴です。
なかには、周囲のノイズを低減して音楽に集中できる「ノイズキャンセリング」を搭載したモデルも。とにかく音質にこだわりたい方もチェックしてみてください。
ボーズ(Bose)

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「ボーズ」は音響機器の開発・製造を行っているアメリカに本社を置く人気メーカーです。ボーズ基準の独自の音を追求し、高い評価を受けているのが特徴。ヘッドホン・イヤホンはもちろん、スピーカー、独自のオープンイヤーオーディオテクノロジーを搭載した「オーディオサングラス」などを手掛けています。
ヘッドホンに関しては、高性能なノイズキャンセリング機能を搭載したモデルが人気。周囲の音を自然に取り込める「Awareモード」も備えているモノもあるので、屋外でも安心して音楽を楽しめます。高級感のあるスタイリッシュなデザインもポイントです。
価格はやや高めですが、音質・機能性・デザインにこだわりたい方は検討してみてください。
ビーツ(Beats)

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ビーツは、音響機器を数多く手掛ける人気ブランドです。海外の有名アスリートやアーティストなどが愛用していることでも有名。2014年より「Apple」が買収したため、Appleの傘下として製品を製造・販売しています。
ヘッドホンに関しては、ファッション性の高いスタイリッシュなモデルをラインナップ。iPhoneやiPad、MacBookなど、Appleデバイス間の設定や切り替えをシームレスに行えるAppleのチップを内蔵しているのも特徴です。
手軽に装着できるオンイヤー型の「Beats Solo3 Wireless」も人気のアイテム。カラーバリエーションも豊富なので、デザイン性を重視したい方にもおすすめです。
ヘッドホンは、音楽鑑賞や映画鑑賞などをする際に欠かせないアイテム。音質にこだわりたい方や、音と映像のズレが気になる方は有線タイプ、ケーブルにとらわれず快適に音を楽しみたい方はワイヤレスタイプがおすすめです。そのほか、音の好みや用途などを考慮して、自分にぴったりのヘッドホンを見つけてみてください。