自分が使用する目的に合わせてスペックを設定できる「自作PC」。ゲームをプレイしたり動画を編集したりする目的でハイスペックなパソコンが必要な場合はもちろん、低予算でパソコンを手に入れたい場合にも適しています。
ただし、パソコンを自作する際に必要なモノは、CPU・マザーボード・メモリなど多数存在。そのため、どれを選んでよいか迷ってしまいがちです。そこで今回は、自作PCに必要なパーツの選び方について解説します。
- 目次
- 自作PCに必要なパーツ一覧
- CPUの選び方
- マザーボードの選び方
- メモリの選び方
- ストレージの選び方
- グラフィックボードの選び方
- CPUクーラーの選び方
- 電源の選び方
- PCケースの選び方
- ケースファンの選び方
- OSの選び方
自作PCに必要なパーツ一覧
CPU

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「CPU(Central Processing Unit)」は、日本語で中央演算処理装置と訳される、パソコンの頭脳にあたる重要なパーツ。ハードウェアやソフトウェアから受け取る指示を処理する際に必要なモノです。自作PCの性能に大きな影響を与える部品なので、快適な動作を求める場合には高性能なモデルを選びましょう。
ただし、CPUは高性能なモデルほど価格が上がります。Webサイトの閲覧やメールの送受信程度であれば比較的低スペックなCPUでも十分処理できるので、自作PCの使用用途にあった必要なものを購入するのがおすすめです。
マザーボード

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「マザーボード」とは、パソコンのシステムの中核になるメイン基板のこと。CPU・メモリ・ストレージなどのパーツをつなげるために必要なモノです。
ただし、マザーボードは製品ごとに取り付け可能なパーツが異なります。購入する際は、導入を予定する各パーツに対応しているか、しっかりとチェックしておくのがおすすめです。
メモリ

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「メモリ」とは、自作PCで作業するデータを一時的に保存しておくために必要なモノのことです。メモリはデスクの広さに例えられることが多い部品。デスクのスペースが大きいほど作業を効率よく行えるのと同じく、メモリの容量が大きいほど快適な処理性能が期待できます。
メモリはマザーボードに差して使用するのが一般的。なお、CPUやマザーボードの種類によって導入できるメモリの規格は異なるので、事前にチェックしておきましょう。
ストレージ

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「ストレージ」とは、自作PCのデータを長期間保存しておくために必要なモノのこと。写真・動画など、自作PCのさまざまなデータを保存しておくために利用します。
最近では高画質な動画や写真、ゲームなど大容量なデータが増えているので、自作PCに採用するストレージも容量の大きなモデルを選ぶのがおすすめです。
また、容量だけでなく、ストレージは製品ごとにデータの転送速度が異なります。スムーズにデータの読み書きを行いたい場合はもちろん、OSをスピーディに起動させたい場合には、データ転送速度にもこだわって適切なモノを選択するのがポイントです。
グラフィックボード

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「グラフィックボード」は、ディスプレイに画像や映像を表示するために必要なモノです。
CPUやマザーボードにも映像を表示する部品は組み込まれていますが、グラフィックボードを搭載する自作PCであれば、より美しくなめらかな映像を処理することが可能。3Dグラフィックを採用したゲームや動画編集などの作業を自作PCで行う場合には、グラフィックボードを導入するのがおすすめです。
CPUクーラー

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「CPUクーラー」は、物理的にCPUを冷却するために自作PCに必要なモノです。パソコンの頭脳とも呼べるCPUは、処理を行う際に熱を発します。通常は40~50℃ほどの温度ですが、負荷の高い処理を行った場合には70~80℃まで上昇する場合も。100℃を超えるような状態が継続した場合には、熱暴走によって自作PCがシャットダウンしてしまう危険性もあります。
快適な処理性能を維持したい場合は、CPUクーラーの冷却性能にもこだわってパソコンを自作するのがおすすめです。
電源

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自作PC内部に搭載する各パーツに電力を供給するには、「電源ユニット」と呼ばれるパーツが必要。電源ユニットは製品ごとに電力容量が異なるので、購入する際は各パーツの消費電力を計算して電力容量に余裕のある製品を選びましょう。
例えば、グラフィックボードを搭載しない場合には、400Wほどの容量を備えた製品でも十分に使用可能。消費電力の高いグラフィックボードを導入する場合には、600W以上の電源ユニットを購入するのがおすすめです。
PCケース

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「PCケース」とは、CPU・マザーボード・メモリ・ストレージなどの各パーツを収納するために必要なモノのこと。購入する際は、導入するマザーボードのサイズに対応しているモデルを選択する必要があります。
また、PCケースはデザインだけでなく、拡張性も製品ごとに異なるので注意が必要。将来的な機能拡張も想定し、搭載可能な拡張カードやドライブベイの数もしっかりと確認しておくのがおすすめです。
ケースファン

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「ケースファン」とは、PCケースの内部と外部の空気を入れ替えるために必要なモノのこと。PCケース内部の空気の温度は、CPUやグラフィックボードなどが発する熱によって高くなる傾向があります。ケース内部の温度を効率よく下げて、パソコンの正常な動作をサポートするのがケースファンの役割です。
ケースファンのなかには、LEDライトを搭載したデザイン性に優れたモデルも存在。性能だけでなく、見た目にこだわりたい場合にもおすすめです。
OS

「OS」は「Operating System(オペレーティングシステム)」の頭文字を取った言葉で、自作PCを動かすために必要なパーツです。市販されているパソコンには標準でインストールされていますが、自作する場合には別途購入する必要があるので注意しましょう。
OSにはWindowsやmacOSなどの種類が存在。自作PCに導入する場合のOSは、基本的に「Windows」が選択されます。購入する際は、Windowsのバージョンやリリースされた時期を事前に確認しておくのがおすすめです。
CPUの選び方
IntelかAMDか
Intelの特徴

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IntelのCPUは、「Xeon」「Core i」「Celeron」「Pentium」と呼ばれるシリーズで展開されているのが特徴。市販されている多くのパソコンに搭載されている傾向があります。
Xeonシリーズの特徴は、搭載されているコアの数が多い点。大容量の処理を行う際に便利で、4Kおよび8Kなどの高精細動画の編集やアプリの開発などの用途に適しています。
Core iシリーズは、「Core i」に続く数値が大きいほど性能に優れているのがポイント。Core i9・7・5・3などの製品が存在し、使用用途に合わせて必要なタイプを選択できます。ハイエンドモデルは、自作PCで3Dを採用したゲームや4K動画の編集などを快適に行いたい場合にもおすすめです。
CeleronやPentiumなどのシリーズは、コスパに優れているのが魅力。消費電力や発熱量が低いメリットもあります。購入する際は、自作PCで行う作業に必要なモノを選びましょう。
AMDの特徴

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「AMD」のCPUは、Intelが製造する製品に比べて価格が安く、コスパに優れているのが魅力。「Ryzen」と呼ばれるシリーズが展開されています。同シリーズには、Ryzen Threadripperのほか、Ryzen 9・7・5・3などが存在。Ryzenのあとに数字が続くモデルは、IntelのCore iシリーズと同じく値が大きいほど性能に優れています。
Ryzen Threadripperはコア数が多く、複数の処理を同時に行う場合に性能を発揮するのが特徴。デザイナーやプログラマーなど、クリエイター向けに設計されているCPUです。
3Dを採用したゲームをプレイする場合や動画編集などの作業を行う場合は、Ryzen 9やRyzen 7などのCPUが便利。負荷が高い作業でも快適な処理が期待できます。中位モデルのRyzen 5は、画像や動画の編集、Officeソフトを使った本格的な資料作成におすすめ。ライトユーザーには比較的リーズナブルなRyzen 3が適しています。
AMDのCPUを導入する際は、処理性能と自作PCで行う作業を比較して必要なモノを選びましょう。
目的や用途に合ったスペックのモデルを選ぶ
クロック周波数とは?

CPUの性能を把握したい場合は、まず「クロック周波数」を確認するのが重要です。クロック周波数とは、自作PC内の各回路が同期するために使用する信号が1秒間に何回発生するかを表すスペックのこと。「GHz」と呼ばれる単位で表記されており、数値が高いほど処理速度も高速になります。
ただし、クロック周波数は、数値が表す通り動作しているかわかりにくいのが難点。最大クロックは条件が合致した際に達する値で、高い負荷がかかった際には比較的低めのクロック周波数で動作するのが一般的です。
また、CPUには、ブーストと呼ばれる機能に対応しているモデルが存在します。ブーストとは、自作PCのシステムが問題ないと判断した範囲内でクロック周波数を上げる機能のこと。自作PCで3Dグラフィックを多用したゲームをプレイする場合や高画質な動画を編集する際に必要なモノと考えましょう。
コア数とは?

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自作PCに搭載するCPUのスペックには、「コア数」や「スレッド数」などの表記が確認できます。コア数とは、演算処理を担うCPUの中核部分「コア」がいくつ搭載されているかを表すスペックのこと。基本的にコア数の多いCPUほど同時に行える作業の数が増加し、快適な処理性能が期待できます。
現在販売されている多くのCPUはマルチスレッドコアに対応しており、複数のコアを搭載しているのが一般的です。自作PCで3Dを採用したゲームをプレイする場合や動画の編集作業を行う場合には、6コアや8コアなどコア数の多いモデルを選択するのがおすすめ。ライトユーザーでコスパを重視する場合には4コア搭載のCPUを選択しましょう。
ただし、クリエイター向けに設計されているハイエンドCPUには、64のコアを搭載したモデルも存在します。コア数の多い製品ほど価格も上がるので、性能とコストのバランスを考慮して自作PCに必要なモノを選ぶのがおすすめです。
スレッド数とは?

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「スレッド数」とは、OS上で認識されるCPUのコア数を表すスペックのこと。現在販売されているCPUは、Intelの「Hyper-Threading Technology」やAMDの「Simultaneous Multithreading Technology」と呼ばれる技術により、物理的な数よりも多いコア数を自作PCに認識させることが可能です。
スレッド数が多いCPUほど効率よく作業が処理できます。例えば、IntelやAMDが製造するCPUは、1つのコアで2スレッドを処理することが可能。4コアのモデルであれば8スレッド、8コアのモデルであれば16スレッドの処理が行えます。
また、スレッド数が同じCPUであれば、基本的にコア数が多いモデルの処理性能が優れている点も把握しておきましょう。2コア4スレッドと4コア4スレッドの製品であれば、4コア4スレッドの製品の方が快適な処理速度が期待できます。
CPUを選択する際は、コア数と同じくスレッド数も自作PCに必要なモノを選びましょう。
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マザーボードの選び方
使用するCPUに対応したモデルを選ぶ

自作PCに搭載する「マザーボード」は、製品ごとに対応するCPUの規格が異なります。購入する際は、事前に導入予定のCPUを取り付けられるかをしっかりと確認しておきましょう。スペックの「ソケット形状」や「チップセット」をチェックすれば、マザーボードが対応するCPUの種類を把握できます。
ソケット形状が「LGA」と表記されている製品であれば、IntelのCPUが取り付け可能。ただし、同じIntelでも世代ごとに対応規格が異なる点は留意しておきましょう。一方、AMDのCPUを採用する場合には、「Socket AM4」と呼ばれる形状のソケットを選択するのがおすすめです。
また、CPUと各パーツ間を接続しているチップセットの種類によっても、使用できるCPUは左右されます。Intel CPUに対応するチップセットは、Z・H・Bシリーズなど。AMDの場合は、XやBシリーズというチップセットを備えている必要があります。
拡張性や欲しいスペックを考えて規格を選ぶ
ATX

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マザーボードの規格には、「Extended ATX」「ATX」「MicroATX」「Mini ITX」など複数の種類が存在します。各規格ごとにサイズや拡張性、機能性が異なるので、購入する際は注意しましょう。
305×244mmのATX規格を採用しているマザーボードは、最もスタンダードなタイプ。ラインナップも豊富に展開されています。Extended ATXに次いで基盤のサイズが大きく、拡張性に優れているのが魅力。一般的には、メモリスロットを4本と拡張スロットを6本を備えています。
自作PCに必要なモノを想定し、取り付けに対応できるマザーボードを選択しましょう。
MicroATX

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「MicroATX」規格のマザーボードは、244×244mmと比較的コンパクトな正方形の基盤を採用しているのが特徴。自作PCの設置スペースが限られている場合や、デスク上に置きたい場合に便利です。
サイズと拡張性のバランスに優れているのが魅力。一般的には、メモリスロットおよび拡張スロットを4本ずつ備えています。
ただし、MicroATX規格のマザーボードは、グラフィックボードを取り付けるPCI Express x16スロットを1本しか備えていないモデルが多いので注意が必要。自作PCで複数のグラフィックボードを使用する場合には、拡張性の高い製品を選択するのがおすすめです。
搭載しているスロットやインターフェイスをチェック

自作PCに搭載するマザーボードは、製品ごとに備えている「スロット」の数や「インターフェイス」の種類が異なります。事前に取り付けるパーツや接続する機器を想定し、必要なスロットまたはインターフェイスを把握しておくのがおすすめです。
マザーボードの基板上には、メモリスロット・拡張スロット・Serial ATA・M.2・USB用のピンヘッダーなどが存在。導入を予定しているパーツへの対応はもちろん、将来的なアップグレードも想定して選ぶのがポイントです。
また、背面のパネルには、USB・映像出力・オーディオなどの端子を備えているのが一般的。自作PCを組み立てた際に外部機器として必要なモノを想定し、接続に対応できる端子を備えたマザーボードを購入するのがおすすめです。
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メモリの選び方
マザーボードとDDR規格を合わせる

自作PCに搭載するメモリを購入する際は、事前に規格を確認しておくのが重要です。規格ごとに端子の形状が異なるので、マザーボードのメモリスロットに対応する製品を選択しましょう。
メモリの規格にはDDR・DDR2・DDR3・DDR4・DDR5などが存在。一般的に「DDR◯-◯◯」とスペックに表記されており、DDRのあとの数字が規格の世代、ハイフンのうしろが動作周波数を表しています。末尾に付く数字が大きいほど新しい規格なので、予算に余裕がある場合にはDDR5対応のメモリがおすすめです。
現在の主流はDDR4規格のメモリ。DDR3と比較して約2倍の転送速度を備えているのが魅力で、消費電力も20%ほど低いといわれています。また、DDR5に対応したメモリは、DDR4の転送速度に比べて約1.87倍高速化されてるのがポイントです。
用途に合った容量を選ぶ
自作PCでは最低でも16GBがおすすめ

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メモリの容量は製品ごとに異なるので、自作PCで行う作業に必要なモノを選択するのが重要です。WordやExcelなどのOfficeソフトでビジネス資料を作成する場合やメールの送受信、Web閲覧程度であれば8GBでも作動しますが、自作PCで快適な動作環境を構築するためには、最低でも16GBのメモリを選んでおくと安心できます。
メモリの容量が不足すると、自作PCの作業で負荷がかかった際に動作が停止する可能性も。容量が大きいメモリほど価格も高くなりますが、スペックにある程度の余裕をもたせておくのがおすすめです。
よりハイスペックにしたいなら32GB以上あると安心

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ハイスペックな自作PCを組み立てたいのであれば、32GB以上の容量を備えたメモリを選択するのがおすすめ。メモリは基本的に2本1組で使用するので、16GB×2本のメモリを導入しましょう。
プレイするゲームの種類や編集する動画の画質にもよりますが、32GB以上のメモリを用意しておけば快適な動作が期待できます。ゲームの実況動画を配信する場合や本格的な動画編集には32GB、4K解像度以上の動画を編集する場合やRAW現像などに使う場合には64GB以上のモデルが便利です。
メモリクロック数をチェック

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メモリの規格や容量に加えて、「クロック数」もあわせて確認しておくと安心です。クロック数は、メモリのデータ転送レートを表すスペック。1クロックあたり8バイトのデータが転送できるので、基本的に数値が高いほど優れた転送速度が期待できます。
メモリのクロック数は、スペックに表記されている「DDR◯-◯◯」のハイフンあとにある数値で確認が可能です。ただし、メモリのクロック数は、マザーボードが対応していないと力を発揮できません。
DDR4-2666までに対応したマザーボードにDDR4-2800のメモリを取り付けても、DDR4-2666としてしか動作しないので注意しましょう。
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ストレージの選び方
ストレージの種類
HDD

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「HDD」はハードディスクドライブの略称で、自作PCのデータを電磁的に記憶しておくパーツです。HDDにはデータを保存する円盤「プラッタ」が内蔵されており、磁気ヘッドを利用してデータの書き込みや読み出しを行います。
使用中はプラッタが高速回転するので、衝撃には注意が必要。プラッタとヘッドが接触して傷が付いてしまうと、大切なデータの破損や消失などのトラブルにつながります。
ただし、HDDはSSDに比べてリーズナブルな価格で購入が可能。大容量モデルを比較的低価格で導入できるので、高画質な動画やゲームなどを複数保存しておきたい場合に便利です。購入する際は事前に自作PCに保存しておくデータの容量をチェックし、必要なモノを選択しましょう。
SSD

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「SSD」はソリッドステートドライブの略称で、HDDと同じく自作PCのデータを記憶しておくパーツです。SSDは半導体素子メモリを利用してデータを保存するのが特徴。HDDのように物理的に動く備品を内蔵しておらず、衝撃に強く静かに作動する点がメリットです。
また、データの読み書きを行う速度に優れているのもポイント。OSをスピーディに起動したい場合はもちろん、容量の大きいデータを素早く開きたい場合にも便利です。最近では大容量なSSDの価格が低下しているので、予算に余裕がある場合は自作PCのストレージにSSDを採用しましょう。
SSDには、2.5インチモデルとM.2モデルが存在。スタンダードな2.5インチタイプの製品は、マザーボードとケーブルで接続するのが特徴です。
M.2 SSD

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「M.2」タイプのSSDは、マザーボードのM.2スロットに直接取り付けて使用するストレージ。Type2242・Type2260・Type2280・Type22110など4種類の基板サイズが存在しますが、自作PC向けには主にType2280が採用されています。
また、接続方式には、NVMe接続とSATA接続の2つの種類が存在。NVMe接続はデータ転送速度に優れているのが魅力です。一方で、SATA接続は、M.2 SSDが普及を始めた時期に採用されていた方式。比較的古い製品が多く、NVMe接続に比べると転送速度は遅めです。
M.2のSSDは電力消費が大きく発熱が気になる場合もありますが、OSやゲームのインストール、高画質な写真や動画の保存など幅広い用途に使用できます。
最近はSSDとHDDの複数搭載が主流

性能とコストのバランスを考えて自作PCを組みたい場合には、ストレージにSSDとHDDの両方を導入するのがおすすめ。価格は高価ながらデータ転送速度に優れているSSDにOSや使用頻度の高いソフトを保存し、高画質な写真や動画など大容量なデータを記憶しておく媒体としてHDDを利用すれば、コスパの高い自作PCを実現できます。
また、なるべくストレージにかけるコストを抑えたい場合には、SSDの容量を必要なモノに絞るのがポイント。Windows11のストレージ要件は64GBなので、128GBや256GBのSSDでも保存できます。
保存するデータファイルに合わせて容量を選ぶ

自作PCに採用するストレージは、保存しておくデータの容量に合わせて選択するのがポイント。基本的にストレージは容量が大きいほど価格も高くなるので、購入時のコストを抑えたい場合には128GBや256GBほどのモデルがおすすめです。
標準的なストレージ容量を求めるのであれば500GBほどのモデル、動画・音楽・画像などを保存する場合には1TB以上の製品が便利。ただし、高画質な動画やゲームなどは比較的容量が大きいので、自作PCのストレージを購入する際は自分が保存するデータを事前に確認しておきましょう。
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グラフィックボードの選び方
NVIDIA GeForceとAMD Radeonの違い
NVIDIA GeForceシリーズの特徴

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GeForceシリーズは、グラフィックボードメーカーとして世界的にも有名なNVIDIAが手がける製品。ゲーム向けに設計されており、さらにRTX・GTX・GTなどのシリーズが存在します。
ハイスペックなRTXシリーズは、RTコアと呼ばれる光処理専用プロセッサーを搭載。リアリティあふれる光の表現や映り込み描写が可能で、臨場感あふれるゲームグラフィックを楽しめます。
RTXシリーズのグラフィックボードは、「RTX」と4桁の数字で表記されているのが一般的。前2桁が世代、後半が性能を表しており、数値が大きいほど高い処理性能が期待できます。
また、RTX◯◯◯◯のあとに「Super」や「Ti」などが付いた製品も存在。多数のモデルが展開されているので、自作PCで行うゲームや作業に必要なモノを選択しましょう。
AMD Radeonシリーズの特徴

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「AMD Radeonシリーズ」に属するグラフィックボードは、半導体で知名度の高いAMDが製造する製品。家庭用ゲーム機として高い人気を有しているPS5やPS4、Xboxシリーズなどにも採用されています。
AMD Radeonシリーズのグラフィックボードは、NVIDIA GeForceシリーズに比べてコスパに優れているのが特徴。グラフィックボードにかけるコストを節約して、CPUやメモリなどほかのパーツに予算を回したい場合にもおすすめです。
また、AMD Radeonシリーズには、さらにRX・R・HDなどのシリーズが存在します。自作PCに採用されることが多いRadeon RXシリーズは、RX6000・RX5000・RX500など「RX」と数字で表記されているのが一般的。数値が高いほど優れた映像処理性能が期待できます。
NVIDIA GeForceシリーズと同じく、自作PCで行うゲームや作業に必要なタイプを選択しましょう。
プレイしたいゲームの推奨スペック以上のモデルを選ぶ

グラフィックボードを購入する際は、実際にプレイするゲームタイトルやソフトの推奨スペック以上のモデルを選ぶのがおすすめ。推奨スペックは基本的にゲームソフトの公式サイトに記載されています。
人気の高いオンラインバトルロイヤルゲーム「Apex Legends」の推奨スペックは、NVIDIA GeForce GT 640またはAMD Radeon HD 7730以上。推奨スペックギリギリの製品を導入すると、プレイ中にカクつく可能性があるので注意しましょう。
また、一般的なディスプレイが対応している60fpsではなく120fps・144fps・240fpsの高リフレッシュレートでプレイする場合には、より高性能なグラフィックボードが必要です。1920×1080のフルHD解像度以上を求める場合にも同様に高い負荷がかかるので、自分がプレイする環境に必要なモノを選択しましょう。
サイズや占有スロット数に注意

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グラフィックボードは、製品ごとにサイズや占有スロット数が異なります。基本的にマザーボードのExpress2.0や3.0スロットに接続しますが、高性能なモデルは2~3スロット分のスペースを占有します。
まずは導入を予定しているPCケースに収まるかサイズを確認しましょう。自作PCを設置するスペースが限られておりコンパクトなPCケースを採用する場合には、省スペースに取り付けられるロープロファイル対応のグラフィックボードがおすすめです。
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CPUクーラーの選び方
タイプで選ぶ
空冷トップフロー型

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「空冷トップフロー型」のCPUクーラーは、CPUの上部から風を送り込むタイプ。CPUだけでなく、マザーボードの広い範囲に風をあてられることに加えて、メモリやM.2 SSDなどのパーツを同時に冷却できるのが魅力です。
また、比較的スリムなデザインの製品が多い点もメリット。コンパクトなPCケースを採用している場合でも収まりやすく、デスク上に設置する自作PCを組み立てる場合にも便利です。
ただし、CPUを冷却した空気がその場に留まりやすい点には注意が必要。熱を帯びた空気は、PCケースファンによって効率よく外部へ排出しましょう。さらに、CPU周辺のスペースを全体的に覆ってしまうのも留意点。自作PCのメンテナンスを行う際に手間がかかる点も確認しておきましょう。
空冷サイドフロー型

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「空冷サイドフロー型」のCPUクーラーは、CPUに接しているヒートシンクに風をあてて冷却するタイプ。PCケース内前部の空気を取り込み、後方に排出する方式を採用しています。
空冷サイドフロー型は、PCケース内のエアフローを向上させたい場合に便利。内部に留まりがちなあたたかい空気を効率よく排出できるのもメリットです。
ただし、空冷トップフロー型に比べて、サイズが大きくなりやすい点には注意が必要。購入する際は、導入を予定しているPCケースに収まるかしっかりと確認しておくのがおすすめです。
また、CPU以外の冷却性能も空冷トップフロー型や簡易水冷型が優れています。ハイスペックなCPUを使用する場合には、しっかりと冷却できているか定期的にチェックしておきましょう。
簡易水冷型

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冷却性の優れたCPUクーラーを求めるのであれば、「簡易水冷型」の製品がおすすめ。CPUの熱を吸収したクーラメントと呼ばれる冷却液をラジエーターに送り、冷却ファンでラジエーターを冷やすのが特徴です。
空冷トップフロー型や空冷サイドフロー型のCPUクーラーに比べて冷却性能が高く、高性能なCPUを採用している場合にも便利。自作PCで3Dグラフィックを採用したゲームをプレイする場合や動画編集を行う場合に導入を検討しましょう。
また、簡易水冷型の製品は、ラジエーター・冷却ファン・チューブ・ポンプなど必要なモノがセットになっており、導入しやすいのも魅力です。
静音性をチェック

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CPUクーラーには冷却ファンが搭載されているので、稼働する際にはどうしても音がします。自作のPCで集中して作業を行いたい場合には、なるべく静音性に優れたCPUクーラーを選ぶのがおすすめ。特に、大型の冷却ファンを備えているモデルは、比較的稼働する際の音が控えめです。
また、CPUクーラーのなかには、冷却ファンの回転数を制御できるモデルも存在。自作PCで作業を行う際の負荷に応じてファンの回転数を調節できます。
冷却ファンから生じる音の大きさは、スペック表を見ることで確認が可能。一般的に「dBA」という単位で表記されており、数値が低いほど静音性に優れています。できるだけでノイズを抑えたい場合には、最大数値が30dBA以下の製品を選択するのがおすすめです。
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電源の選び方
W数は全体の消費電力の2倍以上が目安

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自作PCに搭載する各パーツに電力を供給するには、電源ユニットと呼ばれる部品が必要です。購入する際は、各パーツの消費電力を合算し、2倍以上の余裕をもった電源容量を備えている製品を選ぶのがおすすめです。
電源容量は、スペック表を見ることで簡単に確認が可能。Web閲覧や動画の視聴程度であれば500W以下のモデルでも十分ですが、3Dゲームをプレイするなどグラフィックボードを搭載した自作PCに導入するのであれば、600W以上の製品を選択しましょう。
また、自作PCにグラフィックボードを複数搭載する場合は、800W以上の電源容量を備えたモデルが便利。安定した動作を実現するために、電源ユニットについてもしっかりと考慮して選ぶのがおすすめです。
搭載コネクタの種類と数をチェック

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電源ユニットは、メインコネクタ・CPUコネクタ・PCI Expressコネクタ・SATAコネクタ・ペリフェラルコネクタ・FDDコネクタなど、製品ごとに搭載しているコネクタの種類や数が異なります。
メインコネクタはマザ―ボード、CPUコネクタはCPUに電源を供給する際に使用。PCI Expressコネクタはグラフィックボードの補助電源用に使うコネクタです。
また、ストレージや光学ドライブに電源を供給する際にはSATAコネクタやペリフェラルコネクタ、フロッピーディスクドライブやカードリーダー用としてはFDDコネクタを使います。購入する際は、自作PCで使用する各パーツを想定し、必要なモノを備えた電源ユニットを選びましょう。
80PLUS認証に注目

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自作PCに使用する電源ユニットを購入する際は、電源変換効率もしっかりとチェックしておくのがポイントです。電源ユニットは、コンセントから流れるAC電流を自作PCで使用できるDC電流に変換するために必要なモノ。電源変換効率は、どの程度ロスなく電流を変換できるか表すスペックです。
電源変換効率に優れた製品を求めるのであれば、「80PLUS」の認証を得ているモノがおすすめ。電源変換効率が80%以上の電源ユニットには、80PLUSの認証が与えられています。
また、80PLUS認証を受けた電源ユニットには、Titanium・Platinum・Gold・Silver・Bronze・Standardの6つのグレードが存在。Titaniumが最も電源効率に優れています。
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PCケースの選び方
ケースサイズで選ぶ
フルタワー

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フルタワータイプのPCケースは、拡張性に優れているのが魅力。ケース内部のスペースが広いので、サイズの大きい空冷式CPUクーラーやラジエーターが付属する簡易水冷型のCPUクーラーを導入する際に便利です。
また、グラフィックボードを複数枚搭載したい場合にもおすすめ。高性能な自作PCを組む際に導入を検討しましょう。さらに、メンテナンス性に優れているのもフルタワータイプのメリット。ケーブルの配線をスッキリさせたい場合や各パーツの交換を頻繁に行う場合にも適しています。
ミドルタワー

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「ミドルタワー」型のPCケースは、自作PCを組む際に導入される頻度が高いスタンダードなタイプ。ミニタワー型よりも拡張性が高く、フルタワー型よりもコンパクトでバランスに優れているのが魅力です。
ミドルタワー型は、ATXやMicroATXとはじめとする幅広いマザーボードに対応できるのもポイント。マザーボードを交換して、自作PCのスペックを大きく変更する場合にも便利です。
また、フルタワー型と同じく、メンテナンス性に優れているのもメリット。ケーブル配線も比較的すっきりとできるので、見た目にこだわりたい場合にもおすすめです。
マザーボードの規格に対応したモデルを選ぶ

自作PCに使用するPCケースを選択する際は、マザーボードの規格に対応した製品を選択するのがポイントです。マザーボードの規格には、ATXやMicroATXなど複数の種類が存在。規格ごとに大きさが異なり、対応していないPCケースでは収まらない可能性があるので注意しましょう。
ATX規格を採用しているマザーボードは、ミドルタワーやフルタワー型のPCケースに収納が可能。MicroATXやMini ITXなどの規格には、ミニタワーやキューブ型などのコンパクトなPCケースに対応しています。
冷却性能をチェック

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自作PCを組む際に採用するPCケースは、冷却性能も考慮して選択するのがおすすめです。PCケースのサイズが大きいモノほど内部のスペースも広がり、冷却ファンを多数搭載することが可能。設置する位置も比較的自由に設定でき、効率のよいエアフローが生み出せます。
一方で、コンパクトなPCケースは、CPUやグラフィックボードから出る熱によってあたためられた空気が内部に留まりやすいので注意が必要。高性能なCPUやグラフィックボードほど発熱量が高く、効率のよいエアフローが求められます。
自作PC用のケースを選ぶ際は、自分が組み立てる自作PCのスペックに必要なモノを選択するのがおすすめです。
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ケースファンの選び方
サイズで選ぶ

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自作PCのケースには、内部のあたたかい空気を効率よく排出するためにケースファンを搭載することが必要。ケースファンのサイズは製品ごとに異なるので、自分が組み立てる自作PCのケースに設置できるモノを選びましょう。
ケースファンの大きさは120mm角が主流ですが、ほかにも60mm角・80mm角・92mm角・140mm角などさまざまなサイズの製品が存在。厚みは多くのモデルが25mmに設計されています。なかには、20mmとスリムにデザインされている製品や風量を重視した38mmのモノも販売されています。
自作PCのスペックを検討し、効率のよいエアフローを生み出すのに必要なモノを選択するのがおすすめです。
回転数をチェック

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自作PCのケースに取り付ける冷却ファンは、製品ごとに回転数が異なります。回転数とは、ケースファンが1分間に回転する回数を表すスペックのこと。一般的に「rpm」という単位で表記されており、数値が大きいほど優れた冷却性能が期待できます。
ただし、回転数が多いほど騒音が大きくなる点には注意が必要。発熱量の大きい高性能なCPUおよびグラフィックボードを搭載している自作PCには、回転数の多いモデルや静音性を重視する場合には少ないモデルがおすすめです。
自作PCのスペックや行う作業を考慮し、ケース内の空気を効率よく排出するのに必要なモノを選びましょう。
静音性をチェック

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自作PCに採用するケースファンは、CPUファンと同じく静音性を重視して選ぶのがおすすめ。稼働時の音が大きいモノを使用すると、自作PCで作業を行う際に気になってしまう可能性があります。
ケースファンが発するノイズは「dBA」という単位で表記されるのが一般的。数値が低いほど優れた静音性が期待できるので、購入する際は事前にスペックを確認しておくのがおすすめです。
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OSの選び方
自作ならWindowsが主流

市販されているパソコンの多くは、OSに「Windows」または「macOS」が採用されています。 macOSはAppleが製造するパソコンのみに対応しているので、自作PCの場合はWindowsが主流。対応するアプリも多数開発されています。
市販のパソコンにはあらかじめインストールされているOSですが、自作PCの場合は自分で購入する必要があるので注意が必要。CPU・メモリ・ストレージなどに加えて必要なモノとして把握しておきましょう。
Windows 11かWindows 10か

現在、自作PCにインストールできるWindowsには、Windows 10とWindows 11の2種類のバージョンが存在します。
2015年にリリースされたWindows 10は「最後のWindows」としてアップデートが継続的に行われていく予定でしたが、2021年には6年ぶりに新しいバージョンのWindows 11がリリース。Windows 10からデザインが刷新されており、画面の構成や配置などが異なります。
基本的には新しいバージョンのOSを選ぶのがおすすめです。Windows 10のサポートは2025年までと予定されているので、長期間使用する場合にもWindows 11を選ぶのがおすすめです。
ビジネス用途でないなら「Home」を選べばOK

Windowsには「Home」と「Pro」の2つの種類が存在していますが、ビジネスシーンでの使用を想定しないないのであれば、比較的低価格な「Home」でも十分。顔認証や指紋認証が利用できる「Windows Hello」や、Webサイトやアプリから悪意のあるウイルスが侵入するの防げる「Microsoft Defender SmartScreen」にも対応しています。
動画の鑑賞やゲームプレイなどに利用する自作PCを組み立てる場合には、コスパに優れたWindows Homeを選択しておきましょう。
パソコン内部のパーツを自分で選べる「自作PC」。ゲームプレイや動画編集、Web閲覧や動画鑑賞など、使用用途に適したスペックに自分で設定できるのが魅力です。また、予算に応じたパソコンを組みやすいのも自作PCのメリット。導入を検討している場合には、必要なモノをしっかりと把握しておくのがおすすめです。