パソコンで快適にゲームを楽しむためには、パソコンの頭脳ともいえるCPUの性能が非常に重要になってきます。一見どれも同じように見えるCPUですが、価格や性能、消費電力など、製品ごとにその特長はさまざま。CPUを選ぶ際には使う用途に合わせて適切なものをしっかりと選ぶ必要があります。
そこで今回は、ゲーミングPCにおすすめのCPUを特集します。選び方が分からない方向けに、CPUを選ぶにあたっての注意点やポイントも分かりやすく解説していきますので、参考にしてみてください。
CPUとは
私たちが普段使うパソコンは、CPUやメモリー、ハードディスクなど複数のパーツによって構成されています。その中でもCPUはコンピュータ全体を制御する役割を果たしており、人間で例えると頭脳に当たる重要なパーツになります。そのため、処理の重い3Dゲームや動画編集などを行う際には、早い速度で処理が行える高性能CPUが必須になってきます。
CPUの基礎知識
クロック
CPUはクロックと呼ばれる周波数に合わせて処理や作業を行っています。そのため、このクロックの数が多ければ多いほど、処理の重いゲームやソフトウェアをサクサク快適に動かすことができます。クロック数は、CPUの名前の後ろに「○.○GHz」のような形で表記されており、基本的にはその数字が大きくなる程、CPUの処理速度が速くなります。
目安として、高解像度でゲームをサクサク楽しみたい方には「4.0Ghz~」、標準画質でゲームをサクサク楽しみたい方には「3.0Ghz~」のクロック数がおすすめ。ちなみにCPUの種類よっては、通常の定格以上のクロック数で動作させる「オーバークロック」が可能な物もあり、最大3.0GHzのCPUを3.5GHzにオーバークロックさせて使うこともできちゃいます。
オーバークロックさせれば、その分パソコン全体の処理速度を向上させることができますが、同時にCPUの発熱量も増えるため、故障のリスクを軽減させるためにも、オーバークロックを行う際には、CPUクーラーの冷却性能も注意してみて下さい。
コア&スレッドの数
コアとは、人間の頭脳に当たる部分のことで、元々は1つのCPUに対して1つのコアしかありませんでした。それが技術の向上と共にどんどん数が増えていき、いまでは、デュアルコア(2コア)、クアッドコア(4コア)、ヘキサコア(6コア)、オクタコア(8コア)までコアの数が増えました。
基本的には、コアの数が多くなる程、処理速度が早くなるためゲームを快適に楽しみたい方は「クアッドコア(4コア)」以上のCPUを選ぶようにしましょう。また、各コアにはスレッドと呼ばれるものがあり、コア同様にこちらも数が多いほど、処理速度が早くなるため、ゲームを快適に楽しみたい方は「コアの数×2」をスレッド数の目安に選んでみて下さい。
CPUの選び方
メーカーで選ぶ
CPUを販売しているメーカーは主に、インテル(Intel)と、アドバンストマイクロデバイセズ(AMD)の2社になります。それぞれのメーカーごとにCPUの特徴が全く異なってくるため、選ぶ際には各メーカーのメリット・デメリットを踏まえてから、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
それぞれのメーカーの特徴として、インテルは低価格のCPUから、高価なハイエンドCPUまで、いろいろな製品を取り扱っており、現在流通している多くのパソコンやスマートフォンに搭載しています。CPU単体での性能では、AMDよりもインテルの方が優れているため、ゲームをサクサク快適に楽しみたいならインテルのCPUが良いでしょう。ただし、性能が高くなれば同じだけ価格も高くなるため、コストパフォーマンスを重視する方にはあまり向いていません。
一方でAMDは、インテルと比べると圧倒的にシェアの数は劣りますが、そこそこ高性能なCPUが低価格で買えるため、コストパフォーマンスと性能のバランスでCPUを選びたい方におすすめ。ちなみにAMDは、IntelよりもCPUに内蔵しているGPU(画像処理をするための装置)の性能が優れているため、別途ビデオカードが無くてもサクサク快適にゲームが楽しめるのも魅力ですよ。
グラフィックス性能で選ぶ
パソコンで快適にゲームを楽しみたいなら、CPUだけでなくGPUの性能も重要になってきます。GPUとは簡単に説明すると、CPUから命令された画像をモニターに映し出す装置のことで、GPUの性能が高いほど、きれいな映像でゲームが楽しめます。
なお、GPUの性能はインテルよりもAMDの方が優れているため、きれいな映像でゲームを楽しみたい方は、AMDのCPUがおすすめ。ただし、このGPUは別途ビデオカードと呼ばれるパーツがあれば、そちらできれいに映像を映し出すことができるので、高性能なビデオカードがある方は、CPUの性能が高いインテルを選ぶようにしましょう。
CPUの選び方:例
動作環境を見てみるとCPUの世代が記載されています。自分の使っている、あるいは使おうとしているCPUは、必須条件、推奨条件を満たしているのか、よく分からないということもあるはず。ストレスなくプレイできるかどうかにもかかってくるので、まずは基準を作っておきましょう。
例えば、FFXIVのCPUの必須環境はIntel® Core™2 Duo 3GHz以上。推奨環境はIntel® Core™ i5 2.66GHz以上となっています。
この際の必須環境である、Intel® Core™2 Duo 3GHz以上を満たすCPUは、コアが2つあるCPUで3GHzの動作周波数を満たしているCPUが必須ということになります。
ゲーミングPCにおすすめのIntel CPU 7選
インテル(Intel) Core i7 6950X Extreme Edition BX80671I76950X
インテルが販売するCPUの中でも最上位クラスにあたる「Core i7 6950X Extreme Edition」。コンシューマー向けのハイエンドCPUとしては初めての「10コア・20スレッド」を採用することで、従来のCore i7と比べて最大35%速度が速くなっています。
クロック数は、最大で約4.0GHzと非常に高速なため、高性能なビデオカードと組み合わせれば、4Kの高解像度でもゲームや動画編集をサクサク快適に楽しめます。ただし、高性能な分、価格は約20万円と非常に高価なため、コストパフォーマンスを重視する方には向いていません。
インテル(Intel) Core i7-6700K BX80662I76700K
手頃な金額でそこそこ高性能なCPUが欲しい方には、こちらの製品がおすすめ。約4万円で購入できるコストパフォーマンスにも関わらず、1つのコアで2スレッド同時処理が行える「ハイパースレッディング」に対応しているため、従来のCPUよりも10~15%程速度を向上させることが可能。
なお、クロック数の定格は4.0GHzですが、「ターボブーストテクノロジー」を使うことで最大4.2GHzまで高速化できるのもポイント。
インテル(Intel) Core i7-6700 BX80662I76700
数あるCPUの中でも特に性能に優れたCore i7シリーズは、価格が高いと言ったイメージがありますが、この「Core i7-6700」は、わずか3万円弱で購入できるため、安いCore i7が欲しい方におすすめ。
価格が安い分、クロック数は3.4GHzと、このクラスのCPUにしては少し低めですが、あまり処理の重くないゲームであれば快適に楽しめるので、最低限ゲームが楽しめれば良いという方にはピッタリの製品ですよ。
インテル(Intel) Core i5-5675C BX80658I55675C
Core i7は他のCPUと比べて性能が高い分、発熱量や消費電力が大きいと言った弱点があります。その点、このCore i5-5675Cは、グレードこそは1つ落ちてしまいますが、発熱量や消費電力が小さいため、冷却ファン不要で使うことも可能。
低電力ながら、クロック数は3.1GHz、コアの数は4コアとスペックはそこそこ高めなので、最新のゲームも画質にこだわらなければサクサク快適に楽しめます。
インテル(Intel) CPU Core i5-6500 3.2GHz LGA1151 BX80662I56500
第6世代最新のi5シリーズのCPU。BTOのゲーミングPCでもミドルモデルとして登場するほどのスペックを持っています。コスト面から見ても、i7よりも2万円近く割安で済むのもポイント。最新の3Dゲームも動かせるので、あえてこのCPUにして他のパーツに予算を組み込むのもアリですよ。
逆にスペック的に不安があるのであればi7の購入を検討するといった流れにしても問題ないでしょう。このCPUは意外にもノート向けのi7シリーズよりもスペックが高いという話があるほど。人気も高く、使いやすいおすすめのCPUです。
インテル(Intel) Core i5-6400 BX80662I56400
ゲームが快適に動作するCore iシリーズの中で一番安いのが、こちらの「Core i5-6400」。その価格は19000円弱と非常に安いため、価格重視で選ぶなら間違いなくこちらがおすすめ。価格が安い分、クロック数の定格は2.7GHzと少し低めですが、グラフィックの低いゲームであれば、カクつくことなく快適にゲームが楽しめます。
ただし、グラフィックがそこそこ高いゲームをプレイする場合には、プレイ中に画面がカクつく恐れがあるので注意が必要です。
インテル(Intel) Xeon E5-2699 v3 00KF372
インテルが販売する高性能CPU「Core i7」よりもさらに高性能な「Xeon」。その中でもトップクラスの性能を誇るのが、この「Xeon E5-2699 v3」。他のCPUとは桁違いの驚異的なスペックを備えているので、どんなにグラフィック設定が高いゲームでもサクサク快適に楽しむことができちゃいます。
ただし、価格や消費電力が他のCPUよりも圧倒的に高いため、あくまでもスペックをとことん追求するヘビーユーザー向け。
ゲーミングPCにおすすめのAMD CPU 4選
AMD FX-8370 FD8370FRHKHBX
AMDが販売するCPUの中でも、トップクラスの性能を誇るのがこの「FX-8370」。クロック数4.0GHzに加えて、8コアを搭載しているため、最新のゲームもサクサク快適に楽しめます。なお、付属する冷却ファンには、静音性・冷却性能を飛躍的に向上させた、AMD次世代の高性能クーラー「Wraith Cooler」が付いてくるのも魅力の1つ。
インテルで同じ性能のCPUになると、価格は2~3倍ほど高くなるため、コストパフォーマンスを重視する方にもおすすめ。
AMD FX-9590 FD9590FHHKWOF
このCPUは、最大5GHzのクロック数で動作するコアを8個搭載しているため、ほとんどのゲームをサクサク快適にプレイすることができます。なお、これほどの性能にも関わらず、価格は3万円以下とコストパフォーマンスに優れているのも嬉しいポイントですね。
ただし、発熱量がかなり高めなので、安定させて使うためには別途高性能な冷却ファンを用意する必要があります。
AMD A8-7650K AD765KXBJABOX
約1万円で買える低価格CPUにも関わらず、最大10基(4CPU・6GPU)のコアや、高性能グラフィックカード「AMD Radeon R7シリーズ」を搭載しているので、別途ビデオカードを用意しなくても、軽いゲームであれば快適にプレイが楽しめます。
万が一、使用中にパワー不足を感じたら、ターボブーストで最大3.8GHz近くまで速度を上げて、処理速度を高速化することもできますよ。
AMD A10-7890K AD789KXDJCHBX
このCPUには、AMD史上最速のGPU「AMD Radeon R7 Graphics」を搭載しており、別途、高性能なビデオカードを用意しなくても、最新のゲームがサクサク快適に楽しめます。なお、オーバークロックが可能な倍率アンロックを採用することで、内蔵GPUの性能を一時的に向上させることも可能。
付属する冷却ファンには「125W AMDサーマル・ソリューション」を搭載しているため、従来の冷却ファンと比べて動作時の音がほとんどしないのもポイント。
パソコンを自作するにあたって、最もパーツ選びが難しいCPU。性能をチェックするにあたって、専門用語がたくさん出てくるので、初心者の方はいざ選ぼうと思っても、どれが良いのか分からないものです。そんな時には、今回解説したポイントを最低限チェックすれば、自分に合ったCPUを誰でも簡単に選ぶことができますよ!