パソコンの冷却性能に関わる「CPUグリス」。特にパソコンを自作している方にとっては必要不可欠な製品です。パソコンの性能の違いにより使い分ける必要があるほか、価格や種類もさまざまで、どれを選べばよいか迷う方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、おすすめのCPUグリスをご紹介します。種類ごとの特徴や選び方についても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

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CPUグリスとは?

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パソコンには、CPUを冷却するためのパーツであるCPUクーラーが搭載されています。そのCPUクーラーとCPUが接触する部分に塗るのがCPUグリスです。CPUグリスは潤滑剤の一種で、素材や性能が異なるさまざまな製品が販売されています。

CPUグリスを塗ることでCPUとCPUクーラーのわずかな隙間を埋められ、より効率よく冷却可能。CPUグリスの性能は、熱伝導率や熱抵抗値で表されます。熱伝導率が高く熱抵抗値が低いほど、より高い冷却性能を発揮します。

また、CPUグリスは塗り替えを行わないと冷却性能が落ちてしまう可能性があるので、注意が必要です。長年使用していてまだ一度も塗り替えたことがない方やCPUの温度が高いと感じている方は、塗り替えを試してみてください。

CPUグリスの選び方

種類をチェック

シリコングリス

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シリコングリスは、CPUグリスのなかでも定番の製品です。リーズナブルで気軽に購入できるのが魅力。耐熱性と耐寒性に優れており、潤滑剤としてさまざまな用途で使用されています。

標準スペックのパソコンでの使用におすすめ。文章作成やWebサイトの閲覧など、CPUへの負荷が少ない操作をメインに行う場合には、シリコングリスで十分対応可能です。今後、パソコンのスペックアップを考えている方は、シルバーグリスやダイヤモンドグリスなどのより高い冷却効果を得られる製品も検討してみてください。

シルバーグリス

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シルバーグリスは「銀」を使用したCPUグリスで、シリコングリスと同様に定番の製品です。銅・金・アルミニウムよりも熱の伝導性が高く、優れた冷却性能を発揮。標準スペックからミドルスペックのパソコンに適しています。

シリコングリスよりも安定して冷却性能を保つのも特徴のひとつ。長時間パソコンを起動していても快適に使用できます。また、軽めの3Dゲームや簡単な画像編集など、CPUに多少の負荷がかかる操作をする方にもおすすめです。

ダイヤモンドグリス

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ダイヤモンド素材を使用したCPUグリス。ダイヤモンドは金属よりも熱伝導率が高いのが特徴です。ほかの種類に比べて高価ですが、長期間保存ができるうえ、固まりにくいのがメリット。

Core i7以上のCPUを搭載したハイスペックなパソコンでの使用に適しています。最も冷却性能が高いCPUグリスなので、動画編集やオーバークロックなど、パソコンに負荷のかかる使い方をしている方におすすめです。

熱伝導率をチェック

CPUグリスを選ぶ際、押さえておきたいポイントのひとつが熱伝導率です。熱伝導率が高ければ高いほどより効率よく冷却することが可能。また、高性能なCPUクーラーを搭載していても、熱伝導率の低いCPUグリスを使用していると性能を最大限に発揮できないので注意が必要です。

熱伝導率とは物質の熱の伝わりやすさを表した量のことで、単位は「W/m・k」。数値が高いほど熱が早く伝わります。製品ページやパッケージなどにも記載されているので事前に確認しておきましょう。

絶縁タイプかどうかチェック

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CPUグリスには、絶縁性のモノと導電性のモノがあります。導電性の場合、塗ったときのグリスのはみ出しや液漏れにより、パソコンがショートしてしまう可能性があるので注意が必要です。

絶縁タイプのグリスであればそのような心配は不要。初めてグリスを交換する方や塗り慣れていない方におすすめです。また、絶縁タイプのグリスは熱伝導率が高く、粘度が弱めで塗りやすいという特徴があります。

さらに、絶縁が必要な箇所やゴム・プラスチックでできた部品の潤滑剤としても使用可能。CPUグリスとしてだけでなく、幅広い用途で使用できるのも嬉しいポイントです。

塗りやすさをチェック

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CPUグリスを購入するにあたり、塗りやすさも重要なポイントです。製品によって粘度が異なり、冷却性能が高いモノほど粘度が高く塗りにくい傾向にあります。

また、しっかりと均一に塗れていないと冷却性能が低下してしまう可能性があるので、注意が必要です。塗り慣れていない方やCPUグリスを初めて使用する方には、粘度の低いソフトタイプの製品がおすすめです。

シリコングリスは、やわらかく塗りやすい製品が多い傾向にあります。シルバーグリスに関しても、塗りやすい粘度の製品をラインナップ。粘度の高いグリスの方が乾燥しにくく長持ちするものの、しっかり塗れていないと意味がないので、よく検討してから購入しましょう。

CPUグリスのおすすめメーカー

アイネックス(Ainex)

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アイネックスは、パソコン周辺機器を幅広く扱う国内メーカー。CPUクーラーやケースファンなども扱っており、冷却機能にも力を入れています。CPUグリスの種類も豊富で、初心者から上級者まで、様々な層に合わせた製品を展開しているのが特徴です。

価格が安く、手に取りやすい製品が多いのも魅力のひとつ。コスパを重視する方にもおすすめです。

サンワサプライ(SANWA SUPPLY)

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サンワサプライは、パソコン周辺機器を扱う国内メーカー。オフィス向けデスクからケーブル、モバイルアクセサリーまで幅広い製品を販売しています。

CPUグリスにおいては、ダイヤモンドグリスを中心に熱伝導率の高いモデルを複数展開。種類は少ないものの、パソコンのスペックに合わせて使い分けも可能です。

オウルテック(Owltech)

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オウルテックは、パソコンケースやCPUクーラー、電源ユニットなどのパーツやパソコン周辺機器を数多く販売している国内メーカー。ゲーミングブランドも展開しており、自作パソコンを組む方に人気です。

CPUグリスの種類は限られていますが、高品質な製品を探している方におすすめ。塗り方の解説動画などもあり、初心者でも安心してグリスを塗れます。

CPUグリスのおすすめ|人気

サーマルグリズリー(Thermal Grizzly) Kryonaut TG-K-001-RS

パソコンが高温になりやすい方におすすめ

自作パソコンユーザーにも人気のハイエンドCPUグリスです。使い切りやすい1gモデルで試しに使ってみたいという方にもおすすめ。塗布用のヘラやグリスが余った場合に保存できるジッパー付き袋が付属します。

オーバークロック用に設計されたモデルで、80℃の高温下でも乾燥しにくい特殊配合が魅力。一度塗布すれば、長期間硬化せずに安定した性能を発揮します。ナノ微粒子構造により、12.5W/m・kの優れた熱伝導率を実現しているのもメリットです。

非導電性のため、ショートの心配がないのもポイント。120~170pasと粘度が高く、やや塗りにくさはありますが、ヘラで伸ばせば問題ありません。高スペックCPUクーラーを利用している方や、パソコンが高温になりやすい方におすすめです。

親和産業 SHIMI-LAB OC Master SMZ-01R

非導電性で安心して利用できるおすすめモデル

日本のオーバークロック第一人者である清水貴裕氏と新和産業のコラボによって開発されたCPUグリス。塗りやすく、よく冷えるのが魅力で、初心者から上級者まで幅広い層に人気の製品です。

13.2W/m・kという高い熱伝導率を誇りながらも、グリスの粘度は90~100pas。伸びやすい材質のため、初めてCPUグリスを使用する場合でも簡単に塗布できます。薄塗りも可能で、グリス膜の厚さで冷却力が低下する心配もありません。

使用温度範囲は-50~250℃。容量は約2gです。価格も比較的安く、性能を試してみたい方にも向いています。非導電性で安心して利用できるおすすめモデルです。

アークティック(ARCTIC) MX-4 サーマルコンパウンドペースト

幅広いスペックのパソコンをカバーできる

カーボン微粒子から作られており、熱伝導率の高さが魅力のCPUグリスです。耐久性が高く、一度塗布すれば最低8年間は塗り直す必要がないと謳っています。価格もリーズナブルで、コストを抑えたい方にもおすすめです。

非導電性でショートの心配がないのもメリット。粘度は870pasと低めで塗りやすいのもポイントです。連続使用可能な温度は-50~150℃。ミドルスペックからハイスペックパソコンまで幅広くカバーできます。

ノクチャー(Noctua) NT-H2 サーマルグリス NA-CW1

高性能CPUファンでお馴染みのノクチャーが販売しているCPUグリスです。グリス本体と拭き取り用のクリーニングワイプがセットになったモデルで、やや高価ながら根強い人気を誇ります。

本製品はNT-H1の次世代モデルとして開発されたモノで、長期間安定して利用できるのが魅力。室温で最低でも3年間は保存可能なほか、CPUに塗布した場合は約5年間使用できると謳っています。

容量は3.5g。塗り広げる必要がなく、大型CPUの場合は最大3回、小型CPUの場合は最大20回使用できます。非伝導性のため素材を選ばず、さまざまCPUクーラーに対応可能なおすすめの製品です。

コルセア(Corsair) サーマルグリス XTM50 CT-9010002-WW

パソコンパーツを扱うアメリカの人気メーカーが手がけるCPUグリスです。長期間硬化せず安定した特性を維持できるのが魅力。価格はやや高めですが、定期的な塗り替えがほとんど必要ないため、トータルコストを抑えられます。

主成分には、微細な溝まで埋めやすい低粘度の酸化亜鉛を使用。5.0W/m・kの熱伝導率と低い熱抵抗値により、効果的に放熱を行えます。非伝導性のため、安心して利用できるのも嬉しいポイントです。

容量は5g。シリンジタイプの容器に入っており、必要な量だけ塗布できます。付属のステンシルを使用すればはみ出す心配もなく、初めてCPUグリスを塗る方でも簡単に作業可能です。

Novonest 高性能熱伝導シリコングリス PH-5

ナノサイズ微粒子構造を採用したシリコンCPUグリスです。アルミニウムと酸化亜鉛の配合により、優れた熱伝導率を実現。非導電性でショートの心配がないほか、揮発性の化合物を含まないため、安心して利用できます。

小型注射器タイプで扱いやすいのもポイント。押し出し式のため使い切ったタイミングも分かりやすく、最後まで無駄なく利用できます。やわらかく伸びやすい材質で、初心者にもおすすめ。ヘラが付属しているため、簡単に塗布できます。

容量は約5g。耐久性に優れており、200℃の高温で5年以上硬化しないと謳っています。ひび割れや材質変化のリスクも少なく、塗り替えがあまり必要ない便利な製品です。

CPUグリスのおすすめ|安い・コスパ重視

アイネックス(Ainex) シリコングリス 注射器タイプ GS-02

価格の安さが魅力のCPUグリスです。容量1gで使い切りやすいのもメリット。数多くのCPUグリスを販売しているアイネックスが開発しているため、性能にも安心感があるおすすめの製品です。

熱伝導率は1.8W/m・k。シリコングリスのため、文書作成やWebサイトの閲覧を主とする標準的なパソコンであれば、十分な性能を発揮できます。注射器タイプで扱いやすく、塗りやすいのもポイント。なお、本製品は自作パソコン用と明記されているため、ほかの機器には使用できない点に注意が必要です。

親和産業 SHIMI-LAB OC Master SMZ-03L-04

コスパを重視して開発された人気のCPUグリスです。容量は約4g。熱伝導率は9.37W/m・kと比較的高く、性能と価格のバランスに優れた製品です。

グリスの粘度が70〜80pasとやわらかく、塗りやすいのもポイント。専用のヘラが付属し、極薄塗布も可能です。非導電性でショートのリスクがほとんどない点もメリット。気泡の混入が起こりにくく、初心者にもおすすめの製品です。

ただし、定格運用を想定して作られているため、オーバークロックをしたい方にはやや不向き。同シリーズでパフォーマンス重視のモデルも展開されているため、あわせてチェックしてみてください。

ZALMAN サーマルグリス ZM-STC8

コスパに優れた注射器タイプのCPUグリスです。安価ながら熱伝導率は8.3 W/m・kで、高い冷却効果を期待できます。粘度は350~480Pasとやわらかく、塗りやすい製品。メモリ付きなのでひと目で残量を把握できます。

特定有害物質の非含有を証明するRoHS指令に準拠しており、安心して利用できるのもポイント。非導電性でショートの心配がほとんどないのもメリットです。

スターテック(StarTech.com) CPUヒートシンク用サーマルペースト SILVGREASE1

容量1.5gで4~6回の塗布が可能なシリコンタイプのCPUグリスです。熱伝導率は25℃以上で3.07W/m・k。安価ながら優れた性能を発揮するおすすめの製品です。Webの閲覧などを行う一般的なパソコンでの使用に向いています。

注射器タイプで塗りやすいのもポイント。再封可能なので、残ったグリスを保存しやすいのも魅力です。また、RoHS指令に準拠しているので安心して使えます。

3KS シリコングリス シルバーグリス 12.8W/M.K 4g

塗布用のヘラや指サックなどがセットになったCPUグリスです。容量は4g、熱伝導率は12.8W/m・k。性能とコスパを両立したおすすめの製品です。

-20~240℃の幅広い温度帯で安定して動作するのもポイント。非導電性のため、半導体やGPUなどにも活用できます。本製品は塗りやすさを重視した注射器タイプ。ジッパー付きの袋が付属するため、余ったグリスも劣化を抑えながら保管できます。

MoneyQiu HY-883

少量タイプのCPUグリスを求めている方におすすめの製品です。注射器のような要領で使えるオーソドックスなモデル。容量は2g、熱伝導率は6.5W/m・k、使用温度範囲は-30~280℃が目安です。

グリスは純度99.9%の超微粒子の純銀を含有し、硬化しにくいのもポイント。また、比較的安価なので、気兼ねなく使いやすいのも魅力です。お試しでの購入を検討している方はチェックしてみてください。

CPUグリスのおすすめ|性能重視

アイネックス(Ainex) ナノダイヤモンドグリス JP-DX1

冷却性能に優れたCPUグリスです。主成分にナノダイヤモンドを採用しており、熱伝導率は16W/m・K。ハイエンドパソコンでの使用にも適しています。

長期保存可能なのも嬉しいポイント。使用前であれば最長3年、CPUに塗布した後は最長4年使用できます。頻繁に塗り替えを行う必要がないため、トータルコストを抑えられるのがメリットです。

容量は3g。ダイヤモンドグリスのなかでは購入しやすい価格なので、CPUの温度が高く、グリスの塗り替えを試してみたいという方にもおすすめです。

アイネックス(Ainex) Arctic Silver 5 AS-05A

ゲームや画像編集などを行うミドルスペックパソコンにおすすめのCPUグリスです。純度99.9%の純銀を含んだシルバーグリスで、熱伝導性に優れているのが魅力。高密度かつナノサイズの微粒子によって、9.0W/m・kの熱伝導率を実現しています。

標準的なグリスと比較しても、全負荷時に3~12℃ほどCPU温度を下げられると謳っているのがポイント。通常許容温度が-50~130℃のため、80℃を超えるオーバークロックにも対応しています。ただし、最大発熱を行う前はならし運転を行うようにしましょう。

特殊なオイルを使用しており、長期間使用しても硬化しにくいのもメリット。冷暗所に保存すれば、成分が分離するリスクも低減できます。非導電性でショートの心配がなく、扱いやすいCPUグリスです。

サンワサプライ(SANWA SUPPLY) CPUグリス ナノダイヤモンド TK-P3D

ナノダイヤモンドパウダーを配合した高品質なCPUグリスです。容量は2.8g。ダイヤモンドグリスのなかでは価格が安く、コスパに優れています。シリンダータイプなので必要な量だけ塗布しやすく、グリス塗りが苦手な方や初心者にもおすすめです。

熱伝導率は8.3W/m・k。熱抵抗が低く、優れた冷却性能を発揮します。有害物質を含まないことを証明するRoHS指令に対応した製品で、導電性が低いのもポイント。絶縁タイプではないため、回路の間などに付着しないよう注意が必要です。

オウルテック(Owltech) EXTREME COOL+ OWL-SILG-OC01

ゲーミングパソコンにおすすめのCPUグリスです。ナノサイズの酸化金属とカーボンを配合しており、CPU負荷が高いときやオーバークロック時でも高い冷却効果を発揮できるのが魅力。熱伝導率は13.4W/m・kです。

非伝導性で、万が一マザーボードなどに付着しても、ショートの心配がない点もメリット。塗布用のヘラとクリーニング用のアルコールシートが付属し、初めてグリスの塗り替えをする場合でも安心して使えます。

容量は約2g。注射器タイプで塗りやすく、余った場合は保存もできます。高品質で塗りやすいCPUグリスを探している方はチェックしてみてください。

GELID GC-EXTREME 1GRAM

オーバークロックを行うユーザーから支持を得ているハイエンドなCPUグリスです。容量1gで試しやすいほか、CPUグリスを1回で使い切りたい方にもぴったり。価格も安く、手に取りやすいおすすめの製品です。

熱伝導性に優れており、CPUクーラーの性能をしっかりと発揮できるのが魅力。一方、粘性が高く、やや塗り伸ばしにくいのがデメリットです。グリスの塗り替えをしたことがある方や、パソコンパーツの扱いに慣れている方に適しています。

非伝導性でショートの心配がないのもポイント。RoHS指令に対応しており、環境にも優しい製品です。