気軽に高音質の音楽を楽しめる「ヘッドホン」。音楽や動画に集中したい際におすすめのアイテムです。しかし、一口にヘッドホンといっても、有線・ワイヤレス、密閉型・開放型など種類が多く、どれが自分にぴったりのモノなのか悩んでしまいます。

そこで今回は、ヘッドホンの種類や違いについて、それぞれのメリット・デメリットを解説。おすすめのアイテムもピックアップしているので、ヘッドホン選びの参考にしてみてください。

接続方法で分けるヘッドホンの種類

有線ヘッドホン

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物理的な配線で音楽データを伝送するのが有線ヘッドホン。ハイレゾ音源など、高精細な音楽データも圧縮せずに伝送できます。ハイエンドモデルや音楽作成用途などプロ向けモデルの多くは、有線接続方式を採用。データ転送時に遅延が起きないため、ヘッドホンでゲームや動画を楽しみたい方にもおすすめです。

リーズナブルな製品からハイエンドモデルまで、種類が豊富なことも有線ヘッドホンの魅力。音の好みや用途に合ったモノを選べます。また、ノイズキャンセリングヘッドホンなどを除き、バッテリーが不要なのもメリットです。

なお、有線ヘッドホンのプラグは、3.5mmステレオミニや2.5mmバランス接続など、いくつかの形状がある点には注意。接続する機器に応じて選ぶ必要があります。そのほか、有線ヘッドホンは断線すると使えないこともデメリット。長く使いたい方は、リケーブルが可能なモデルを選んでみてください。

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ワイヤレスヘッドホン

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Bluetoothなどで接続するのがワイヤレスイヤホンです。配線のわずらわしさから開放されるのが大きなメリット。混みあう電車内などでも、気軽にヘッドホンで音楽を楽しめます。また、配線と洋服などがこすれておこるタッチノイズが起きないことも、ワイヤレスヘッドホンの魅力です。

ワイヤレスヘッドホンはデータの転送量に制限があるため、音質は有線に劣るとされてきましたが、状況は変わりつつあります。ソニーが開発した「LDAC」など、Bluetoothのコーデック方式によっては、劣化を極力おさえつつ高精細な音楽データの通信が可能です。

ワイヤレスヘッドホンで高音質の音楽を楽しみたい方は、対応している通信方式についてもチェックしてみてください。

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ハウジング構造で分けるヘッドホンの種類

密閉型ヘッドホン

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ドライバーユニットがハウジングにすっぽりとおおわれているのが、密閉型ヘッドホン。クローズドヘッドホンとも呼ばれます。密閉型のポイントは音漏れが少なく、周囲の音も入りにくいこと。電車や飛行機内など、ノイズが多い環境でも集中して音楽を楽しめます。

また、耳に密着するため共鳴しやすく、しっかりとした低音が出ることも密閉型の特徴。迫力のサウンドを楽しめます。一方で、音がこもりやすく、高音が伸びにくい点はデメリットです。

密閉型ヘッドホンは種類も豊富で、サイズもさまざま。折り畳み可能な製品も多数あることから、通勤や通学などでヘッドホンを利用したい方におすすめです。ただし、アナウンスなどを聞き逃してしまう可能性があるため、音量には注意する必要があります。

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開放型ヘッドホン

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ドライバーユニットがメッシュなどでおおわれているタイプが開放型ヘッドホン。オープンエアー型とも呼ばれます。音の抜けがよく、クリアで自然なサウンドがポイント。また、伸びやかな高音も魅力です。

ただし、ドライバーユニットが密閉されていないため、音漏れが大きいことや、外部の音が入り込みやすいことには注意が必要。基本的には、家などプライベートな空間での使用が想定されています。

また、開放型の多くは大型のドライバーユニットを搭載しており、ヘッドホンのサイズが大きくなりがち。持ち運びを検討されている方はサイズや重さもチェックしてみてください。なかには、大型ドライバーユニットの性能を引き出すために専用の機材が必要な製品もあるため、購入時には注意が必要です。

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セミオープン型ヘッドホン

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密閉型と開放型の中間に位置するのがセミオープン型ヘッドホン。ハウジングの一部に穴があいたような構造です。セミオープン型の特徴は、しっかりとした低音と伸びやかな高音が楽しめること。音のバランスに優れており、さまざまなジャンルの音楽に適しています。

一方で、セミオープン型は開放型同様に音漏れしやすいため、公共の場所で利用する際は注意が必要。一般的には屋内での使用が想定されています。

装着方法で分けるヘッドホンの種類

オーバーイヤーヘッドホン

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耳をすっぽりと覆うようなタイプがオーバーイヤーヘッドホン。環境音の影響を受けにくいため、音楽に集中したい方におすすめです。ヘッドホンの主流なので、製品数が多いことも特徴。リーズナブルなモデルからハイエンドモデルまで、好みに合わせて製品を選べます。

一方で、オーバーイヤーヘッドホンは構造上大型になりがち。快適に使用するためには音質に加え、大きさや重さも重要な要素です。オーバーイヤーヘッドホンを選ぶ際にはサイズもチェックしてみてください。

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オンイヤーヘッドホン

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耳を覆うのではなく、耳にのせて使うのがオンイヤーヘッドホン。比較的小型で軽量のモデルが多く、気軽に高音質の音楽を楽しめます。折りたためる製品であれば、持ち運びも便利です。

一方で、オンイヤーヘッドホンは耳が圧迫されるため、長時間の使用時に耳やこめかみが痛くなってしまうことも。快適に装着するためには、耳を圧迫し過ぎない製品を選ぶ必要があります。

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ヘッドホンの選び方

用途に合わせたモデルを選ぼう

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ヘッドホンを選ぶ際に重要なのが、用途に合わせたモデルを選ぶこと。通勤や通学など電車内で利用するのであれば、音漏れの少ない密閉型で小型の製品がおすすめです。

家での使用がメインで、クリアな音質にこだわるのであれば、開放型がぴったり。持ち歩かないのであれば、大型の製品も選択肢に入ります。

ゲームや動画など音の遅延が気になる方は、有線ヘッドホンを検討してみてください。快適性を求めるのであれば、ワイヤレスヘッドホンが便利です。利用シーンや楽しみたいコンテンツに応じてヘッドホンを選んでみてください。

音質重視なら「再生周波数帯域」をチェック

音質にこだわりたい方は、再生周波数帯域をチェックしておきましょう。再生周波数帯域はヘッドホンが出せる音の範囲を数値で示したモノで、音質の目安。基本的に範囲が広いほど、能力の高いヘッドホンです。

ただし、音のよさはスペックだけでは決まらない点には注意する必要があります。音の好みや、音楽ジャンルとの相性なども重要な要素です。再生周波数帯域は参考値として使用してみてください。

各種機能にも注目

雑音を低減する「ノイズキャンセリング」

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音楽に集中したい方におすすめなのが、ノイズキャンセリング機能。電車や飛行機など、周囲の音が気になる環境でも、音楽や映像に集中できます。

なお、ノイズキャンセリング機能を使用していると、社内アナウンスなど重要な情報を聞き逃す可能性がある点には注意。また、屋外では車や自転車などの音が聞こえにくいため危険なこともあります。必要ないときには機能をオフにするなど、安全に使用するための工夫が必要です。

高音質で音楽を楽しめる「ハイレゾ対応」

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高音質で音楽を楽しみたい方は、ハイレゾ対応の有無をチェックしてみてください。ハイレゾとは、CDよりも高精細な音楽データのこと。ハイレゾをサポートしたヘッドホンであれば、音源の魅力を最大限引き出せます。

なお、ハイレゾ音源を楽しみたい方は、プレーヤー側の対応状況もチェックしておきましょう。対応の製品にはハイレゾロゴマークが表記してあることが多く、判断する際の目安となります。

屋外で使用するなら「防水・防塵性能」をチェック

屋外で使用する方は、防水・防塵性能についてもチェックしておきましょう。防水・防塵性能はそれぞれ「IPX」「IP」というコードで示されます。IPX4以上の製品であれば、突然の雨で濡れてしまった場合でも、そのまま使用可能です。

ただし、ヘッドホンのスポンジ部分などを濡れたままにしておくと、汚れの原因となってしまいます。濡れてしまった際には水気をふき取り、よく乾燥させるなど、お手入れも重要です。

ヘッドホンのおすすめモデル

ソニー(SONY) ワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット WH-1000XM4

ハイレゾ並みの高音質で迫力のサウンドが楽しめる

ハイレゾ級の高音質が楽しめるワイヤレスヘッドホンです。ポイントはソニー独自開発の「LDAC」コーデックに対応していること。劣化を極力おさえつつ、高精細の音楽データをヘッドホンに転送できます。

また、MP3やストリーミングなど、圧縮された音源をハイレゾ並みにアップスケーリングする「DSEE Extreme」機能も搭載。YouTubeなどの動画も、迫力のサウンドで楽しめます。

ノイズキャンセリング機能も魅力のひとつです。「NCオプティマイザー」を利用すれば、眼鏡の有無や髪型など、ユーザーの特性に合わせノイズキャンセリング機能を最適化。また、気圧の変化なども検知するため、飛行機での移動中なども、適した設定を維持します。

車内アナウンスなどを聞きたい場合には「外音取り込みモード」が便利です。ヘッドホン外側に搭載されたマイクが周囲の音をひろい、音楽と共に再生するため、大切な情報を聞き逃す心配を減らします。

ボーズ(Bose) Noise Cancelling Headphones 700

付け心地がよく長時間使用したい方におすすめ

ノイズキャンセリングのレベルを細かく設定できるヘッドホンです。ヘッドホンを装着していないのとほぼ同じ状態から、周囲のノイズを極力おさえた状態まで、11段階に設定できます。電車のアナウンスが気になるときや集中して音楽を楽しみたいときなど、シーンに合わせてレベルの調節が可能です。

右のイヤーカップにはタッチセンサーを搭載しており、電話の着信などに素早く反応できます。また、SiriやGoogleアシスタントなどの音声コントロールにも対応しているため、スマホを取り出すことなくさまざまな操作が可能です。

プロテインレザー製のイヤーパッドや、ソフトシリコンカバー製クッションなど、付け心地のよさもポイント。長時間使用したい方にもおすすめです。

なお、ノイズキャンセリングのレベル調節など、細かな設定にはスマホ専用アプリ「BOSE MUSICアプリ」が必要なことは予め留意しておきましょう。

ソニー(SONY) ステレオヘッドホン MDR-ZX110

ヘッドホン入門として気軽に音楽を楽しめる

気軽に音楽を楽しみたい方にぴったりのヘッドホンです。簡単に折りたためるため、持ち運びに便利。また、リーズナブルな価格帯なので、ヘッドホン入門としてもおすすめです。

ドライバーユニットの直径は30mmと大型で、迫力のサウンドを生み出します。再生周波数帯域は12~22000Hzと広範囲をカバーしているのも魅力です。有線ケーブルは、表面に溝を付け摩擦を減らしたセレーションコードを搭載。絡みにくく、リスニング時のタッチノイズを軽減できます。

ゼンハイザー(SENNHEISER) プロフェッショナルモニターヘッドホン HD 25

世界中のクラブで使用されている、DJに人気の高いヘッドホンです。初代モデルが発売されたのは1988年。以来、定番としてロングセラーを記録しています。耳の上にのせて使うオンイヤータイプのアイテムです。

ポイントのひとつが遮音性の高さ。クラブやライブハウスなど大きな音が響いている現場でも、しっかりと音を聞き取れます。電車内などノイズが多い環境でも、気軽に音楽を楽しめるヘッドホンです。

交換パーツが豊富なこともメリット。断線してしまった際も簡単にリケーブル可能で、イヤーパッドも交換できます。長く使い続けたい方にもおすすめのヘッドホンです。

オーディオテクニカ(Audio Technica) ワイヤレスヘッドホン ATH-HL7BT

家で快適に音楽や動画を楽しみたい方におすすめの開放型ヘッドホン。有線とワイヤレスの両方に対応しているのが特徴です。ハイレゾ音源やゲームなどを楽しみたい場合には有線接続、ストリーミング音源を気軽に楽しみたいときにはワイヤレスといった使い分けが可能。付属しているコードの長さは2.0mです。

駆動時間の長さもポイント。フル充電時には最大で約20時間の連続使用ができます。また、急速充電に対応しており、約10分の充電で約150分間の連続駆動が可能です。有線接続であれば、バッテリーを気にすることなく音楽や動画を楽しめます。

Bluetoothは2台の機器に同時接続できるマルチポイントに対応。パソコンで動画視聴中にスマホに着信があった際など、スムーズな切り替えが可能です。

アーカーゲー(AKG) プロフェッショナルスタジオヘッドホン K240 MKII

セミオープン型のヘッドホンです。再生周波数帯域は15~25000Hzで、しっかりとした低音から、伸びのある高音までバランスのよさが魅力。音楽制作や放送などプロの現場でも評価が高く、多くのスタジオで使用されています。

ケーブルやイヤーパッドなどパーツの交換が可能で、長く使いやすいこともポイント。ケーブルはストレートとコイルタイプの2本が、イヤーパッドはベロアと合皮の2種類が同梱されています。

ヘッドバンドはセルフアジャスト式で、頭のカーブにしっかりとフィット。オーバーイヤータイプなので、耳を圧迫しにくく、長時間のリスニングも快適に過ごせます。