プロの調理道具というイメージが強い「鉄フライパン」。家庭で使いこなすにはハードルが高いと思われがちですが、基本的なメンテナンスをしっかりおさえておけば、長く使う続けることができる有意義なアイテムです。

そこで今回は鉄フライパンのおすすめ製品をご紹介。特徴や選び方についても言及するので、興味がある方はぜひチェックしておきましょう。

鉄フライパンとは?

鉄フライパンの特徴

By: amazon.co.jp

鉄フライパンは調理道具としての歴史が長く、メンテナンスを必要としないフライパンが主流となった現在でも、日本のみならず、世界各国のキッチンで愛用されています。使い込むほどに油がなじみ、焦げつきにくくなるのが特徴です。

本体が冷めにくい優れた熱伝導で、高温調理が基本の「焼く」「炒める」といったスタイルの料理に最適。傷にも強く丈夫で、長く付き合っていけるのが支持されている所以です。

鉄フライパンの選び方

重さで選ぶ

By: amazon.co.jp

鉄フライパンは重みがあり、直径30cmほどの大きいサイズでは2kg近い製品もあります。同サイズで一般的なアルミ製のフライパンは1000g前後なので、使い勝手を考慮すると重さは1200g程度までに抑えておくのがベスト。鉄板が薄い1000g以下の軽量鉄フライパンを視野に入れておくのもよいでしょう。なお、厚みとしては1〜2mmのアイテムが理想的です。

サイズで選ぶ

By: amazon.co.jp

プロが扱う直径30cm以上から朝食作りに便利な手のひらサイズまで、鉄フライパンのサイズはさまざまですが、家庭で使うなら必要人数分の料理が1度に作れるサイズを選びましょう。

たとえば直径24cmなら1〜2人分の調理に適しています。直径26cmなら、ハンバーグをちょうど4つ程度焼ける大きさで、4人家族におすすめ。また直径28cm以上なら、大きな食材も丸ごと入り、フライパンをあおる必要のない料理にも便利です。

持ち手の素材で選ぶ

By: amazon.co.jp

鉄フライパンの持ち手は大きく分けて、鉄製・鉄以外の金属製・木製・樹脂製の4種類。利便性を優先するなら、持ち手に熱が伝わりにくい木製や樹脂製がおすすめです。ただし、つなぎ目部分が劣化しやすいので、その点は留意しておきましょう。

長く愛用することを考慮するなら、持ち手は耐久性に優れた鉄製かステンレス製が候補。鉄製は長時間使用すると持ち手まで熱くなりやすいので、長めの持ち手や筒型に加工された形状がおすすめです。なお、ステンレス製は熱が伝わりにくく、見た目もスマートなので使い勝手は良好。購入する際はぜひ持ち手の素材もしっかりとチェックしておきましょう。

IH調理器対応で選ぶ

By: amazon.co.jp

鉄フライパンはIH調理器とも相性が良く、IHに対応した製品が多いことも魅力のひとつです。とはいえ、なかにはIHに対応していない製品もありますので、IH対応の鉄フライパンを求めている方はしっかりと記載を確認しておきましょう。

なお、IH対応の鉄フライパンは使いはじめに必要な直火で熱する焼き込み作業ができないため、焼き込み不要なタイプがおすすめ。表面にシリコン樹脂加工が施されているアイテムや窒化処理済みの製品なら、購入後すぐに使えて便利です。

直火が直接当たるガスコンロに比べ、IH調理器は加熱ムラが生じやすいため、IHのコイルからはみ出すほどの大きな鉄フライパンは注意が必要。ムラなく調理するには、なるべく小ぶりで底に厚みがあり、平らなタイプがベストです。

鉄フライパンのおすすめメーカー

リバーライト(RIVER LIGHT)

By: amazon.co.jp

世界中にユーザーが多い国産の鉄製フライパンメーカー。社名が刻印された木製の持ち手が特徴です。見映えだけを重視せず、ユーザーの健康やライフスタイルまで考慮した「質の高い道具」を作り続けています。

柳宗理

By: amazon.co.jp

柳宗理(やなぎ そうり)は、日本におけるインダストリアルデザンのパイオニア的存在。これまでさまざまなデザインを手掛けていますが、鉄フライパンもそのひとつで、特に左右が張り出した製品をリリースしているのが特徴です。

ターク(turk)

By: amazon.co.jp

ドイツの鍛冶職人、アルバート=カール・ターク氏が創業したターク。品質に定評があるのが特徴です。フライパンは鉄の板を高温で熱し、鍛造を繰り返しながら成形。継ぎ目のない一体型のフライパンをリリースしています。しっかりとメンテナンスを行えば半永久的に使えるのもポイント。熟練の職人が作る逸品を求めている方は要チェックのブランドです。

及源(おいげん・OIGEN)

By: amazon.co.jp

及源(おいげん・OIGEN)は、岩手県奥州市の南部鉄器鋳造メーカー。溶けた鉄を鋳型に流し込んで作る鋳物製の南部鉄器で素朴な質感が魅力です。160年以上受け継がれる伝統技は、現代のキッチンにも調和。長く付き合えるフライパンを探している方はぜひ候補として検討しておきたいブランドです。

鉄フライパンのおすすめ

リバーライト(RIVER LIGHT) 極JAPAN フライパン

鉄の表面に窒化熱処理を加え、サビにくく通常の鉄の5倍の強度を持たせたタフな鉄フライパンです。使いはじめの焼き込み不要で扱いやすく、ガス以外の熱源を使用する方も安心して使えます。

適度な深さがあるベーシックな形状は炒め物にも便利。1000g以下と軽量で、あおりが必要な炒め調理もスムーズに対応できます。お手入れしやすいのもポイントなので、初めての鉄フライパンを探している方にもおすすめです。

柳宗理 鉄フライパン 121511080014

食材に熱が伝わりやすく傷にも強い、ブルーテンパ材を採用した鉄フライパン。表面に繊維状の凹凸を施したファイバーライン加工で、従来の鉄フライパンより油なじみがよく、焦げつきやこびりつきを軽減します。ガスはもちろん、IH対応なのもポイントです。

左右に張り出した個性的なデザインの注ぎ口は使いやすいと好評。付属のフタもフライパンと同様の形状なため、フタをズラせば左右の張り出しが蒸し焼き時の蒸気抜きにもなり、便利です。

和平フレイズ 燕三 手木柄フライパン EM-8129

鉄製品で有名な新潟県燕市発の鉄フライパン。耐久性の高い1.6mm厚の鉄材を使用しており、気兼ねなく高火力で焼いたり炒めたりできるが特徴です。

IH対応なのも魅力。食材がこぼれにくいようにやや深めに設計されており、揚げ物や煮物までオールマイティーに対応できます。木製の持ち手を採用しているのもポイント。扱いやすく、価格もリーズナブルなので「とにかく鉄フライパンが欲しい」という方におすすめです。

ターク(turk) クラシックフライパン

150年以上変わらぬ製法で作られるドイツの鉄フライパン。熱した鉄板を何度も叩いて作り上げる鍛造製法は、非常に手間がかかるうえ、熟練した職人でなければ作れないことから、年間の生産数はわずか8000本ほどに限られています。

加熱ムラが起こりやすいIH調理器でも、優れた蓄熱性でムラなく食材に火を通すことができるのもポイント。持ち手が長いのも魅力です。なお、鉄フライパンのなかでは比較的重めなので、その点は留意しておきましょう。

OIGEN フライパン CA8

素朴な肌質と重厚感が魅力の南部鉄器フライパン。160年以上も続く伝統の技術で作られた鋳物製で、蓄熱性に優れているのが特徴です。

小ぶりなサイズであれば、オーブンに入れることも容易。片側に注ぎ口を配した深めの形状で、ソースやオイルを器に移しやすいので使い勝手は良好です。使いはじめの焼き込み作業も不要なので、すぐに使える鉄フライパンを求めている方はぜひチェックしておきましょう。

de BUYER(デバイヤー) ミネラル ビー エレメント 5610.26

180年以上の歴史を誇るフランスの老舗調理器具メーカーの鉄フライパン。一流シェフからの信頼も厚く、まさに本格仕様と言える逸品です。

しっかりとした厚みがあり、使い込むほどに酸化皮膜が蓄積され色が濃くなっていくので、自分好みの鉄フライパンに育てることができます。

出荷時にはサビ防止のため、ニスの代わりに環境に優しいオーガニックビーワックス(みつろう)を塗布。熱湯で洗い流した後は油ならしだけで十分なので、使いはじめの作業も軽減されます。少々重くても、本格的な鉄フライパンを長く愛用したい方にはおすすめの製品です。

LODGE(ロッジ) スキレット 6 1/2インチ L3SK3

アメリカのキャストアイアン(鋳鉄)メーカーが作ったスキレット。キャンパーの間では知名度の高いメーカーですが、IHにも対応しているので、汎用性が高いのが魅力です。

直径は16.5cmとやや小ぶりで、1人分の調理や朝食作りに便利。持ち手が短いため、そのままオーブンに入れてハンバーグを仕上げたり、1皿分の餃子を作ったりする際にも、ちょうどよいサイズです。

極SONS COCOpan プレミア C103-002

持ち手が取り外せ、収納にも便利な鉄フライパン。鉄材は窒化熱処理を加えており、傷に強くて丈夫なアイテムです。

家庭での使いやすさにこだわり、鉄フライパンにありがちな重い・サビやすい・焦げやすいといったデメリットに配慮。オーブン調理でもスムーズに使えるのもポイントです。

ガスはもちろん、オール熱源にも対応。なお、持ち手はないので、別途取っ手パーツを用意することは考慮しておきましょう。

遠藤商事 鉄黒皮厚底フライパン AHL20026

サイズが豊富なスタンダートな鉄フライパン。自然に発生する黒い膜をおびた鉄材(鉄黒皮)を採用しているため実用性が高く、プロが愛用する鉄フライパンとしても知られている逸品です。

側面は薄く、底面は熱がムラなく広がりやすい2.3mm厚。厚さを変えることで扱いやすい重量に仕上げています。

IH調理器対応で、家庭でも本格的な料理が楽しめるのもポイント。リーズナブルな価格も魅力なので、お得感の高い鉄フライパンを探している方におすすめです。

FD STYLE 鉄フライパン 26cm

By: fdstore.cart.fc2.com

見た目の美しさと機能性を追求した鉄フライパン。オキシナイト加工を施し、サビに配慮しているのが特徴です。

鉄を延ばしながら丸めていくスピニング加工で軽量化を図っているほか、つなぎ目は熱が伝わりにくいステンレスを採用しており、使い勝手は良好。持ち手は繊維のラインが美しい、竹素材のスクエアハンドルで、作り手のこだわりが感じられるデザインも魅力です。3〜4人分の調理にちょうどよいサイズの鉄フライパンを探している方におすすめです。

岩鋳(IWACHU) 南部鉄器フライパン オムレット

南部鉄器の伝統技と温かみのあるデザインが相まって、キッチンにもマッチするアイテム。ゆるやかな曲線美で、デザイン性のみならず機能性も充実しているのが特徴です。

底面は平らな構造でIHにも対応。砂型によってできた小さな無数の穴が凹凸となって、非常に油なじみがよく、食材の焦げつきやこびりつきも軽減します。側面の立ち上がりもなだらか。製品名の通りオムレツを返しやすいのもポイントで、キレイな形に仕上げることができます。

山田工業所 鉄 打出片手中華鍋

横浜中華街でもプロの料理人が使う仕事道具として、信頼の厚い鉄製中華鍋。何度も鉄を叩いて作り上げる打ち出し製法は、鉄の強度が増し、高温調理にも耐えられるタフさが魅力です。

直径30cmと大型で、強い火力が必要な炒め物もスムーズに対応できるのもポイント。チャーハンもパラパラに仕上げることができます。家庭で本格中華を作ってみたい方におすすめです。

Vita Craft(ビタクラフト) スーパー鉄 フライパン 2002

船舶や航空機の製造に使われる技術を応用して独自の窒化4層加工を施した鉄フライパン。サビにくく強靱に仕上がっているのが特徴です。板厚を一定に保ったまま延ばして成形するへら絞り加工が施されているのもポイント。1本1本丁寧に作られています。

従来のフライパンに必須な焼き込みや油ならし作業さえも不要。持ち手は熱くなりにくいスタイリッシュなデザインのステンレスを採用。持ち手だけが先に劣化してしまうことがないので、長く愛用できる鉄フライパンを求めている方におすすめです。

番外編|鉄フライパンのお手入れ方法

使用前には焼き込みや油ならしが必要

鉄フライパンは、サビ防止のために出荷時はニスが塗られている場合がほとんどです。使いはじめには、サビ止めのニスを取り除いて、油をなじませるため「焼き込み」と「油ならし」作業が必須。

基本的にこの2つの作業は、どの鉄フライパンも同様に行いますが、製品の形状や各メーカーによって、微妙に作業手順が異なるため、購入する鉄フライパンのメーカーで推奨された手順に従いましょう。

直火にかけて高温で鉄フライパンを熱する必要があるため、IH調理器で直火が使えず作業が困難な場合は、あらかじめ焼き込み処理済みで販売されている鉄フライパンがおすすめです。

最初の1ヶ月は油返しをおこなう

油返しとは、調理前の熱した鉄フライパンにたっぷり油を注ぎ、全体になじませたら油ポットへと戻す方法です。鉄フライパンに油がなじみ、温度ムラを防いで焦げつきにくくする役割があります。

鉄フライパンは、使うごとに油がなじみ、焦げつきは徐々になくなっていきますが、使いはじめは油が十分になじんでおらず、食材が付着しやすい状態です。最低でも最初の1ヶ月間は使うたびに油返しを行うようにしましょう。

調理前にはフライパンを十分に予熱する

金属は温度が80°になるとタンパク質と結合する性質を持っています。鉄フライパンに食材が付着するのは、鉄の表面温度が80度に達する前に調理をはじめてしまうからです。

食材のくっつきを防止するためにはまず、油と鉄フライパンを煙が出る寸前くらいまで十分に予熱し、その後適正な火力に調節してから調理するようにしましょう。

また鉄の表面温度を80°以上に保つためにも、冷たいままの食材は入れず、食材を入れた後も温度が急激に下がらないよう、火力を調節してください。表面温度が200°まで上がると焦げつきの原因となるため、表面温度は120〜180°が理想です。

調理後の洗浄には洗剤を使用しない

By: amazon.co.jp

調理後に洗剤を使って洗ってしまうと、せっかくなじませた油の効果がなくなってしまうため、鉄フライパン洗いの基本は、お湯とタワシのみ。鉄フライパンはテフロン加工などと違い、何もコーティングされていませんので、思い切ってゴシゴシこすっても大丈夫です。

お湯で洗い流した後は、水気を火にかけて飛ばすか、十分に乾かした後に再度油を薄く塗ってから保管しましょう。油のヌメリが気になる場合は、新聞紙などに包んで保管するのがおすすめです。

焦げつきやサビはお湯でふやかしてから取り除く

通常洗いでは取れなくなってしまった焦げつきや長期間保管している間に発生したサビは、熱いお湯でふやかしてからタワシやヘラなどで取り除きましょう。サビた部分をヘラで取り除いた後、水を入れて火にかけてから汚れを浮かせるのもアリです。

普段はなじんだ油がはがれないよう洗剤は使いませんが、焦げつきやサビを落とす場合は、重曹やクレンザーを使って落とします。洗い終わった鉄フライパンは火にかけてしっかりと水分をとばし、再度油ならしをおこなうのが、鉄フライパンを長持ちさせるコツです。

番外編|鉄フライパンで作れるおすすめレシピ

餃子

外側はパリッ、中はジューシーな調理を得意とする鉄フライパンに、餃子は最適なメニューです。パリッとした焦げ目を作るには、ちょっとしたコツが必要。

まずはしっかりと予熱して油返しをした鉄フライパンに、餃子を並べていきます。表面温度が80度を下回ると皮が鉄板にくっついてしまいますので、蒸し焼きするときは水ではなくお湯を入れて、表面温度を下げないようにするのがポイント。

温度を保ったまま、水分がなくなったところにゴマ油をまわしかければ、おいしい餃子の出来上がりです。

パンケーキ

By: amazon.co.jp

鉄フライパンは高温調理が得意。熱伝導に優れているのがポイントです。温まったら冷めにくいので、一定の温度を保ってじんわりと火を通すことも比較的容易。そんな特性を生かしておいしく焼けるのがパンケーキです。

パンケーキにおすすめなのは、小ぶりで厚みのある鉄フライパン。南部鉄器やスキレットなどの鋳物製なら、蓄熱性に優れているため極弱火でじっくりと焼くのに適しています。

予熱した鉄フライパンを極弱火まで下げた後、パンケーキのタネを流し入れてじんわりと火を通していくのがコツ。外は黄金色、中はふんわりふっくらのパンケーキが焼き上がります。

チキンソテー

皮をパリパリに焼きたいチキンソテーも鉄フライパンならスムーズ。皮はパリッと香ばしく、中は肉の旨みを閉じ込めた味わい深い一品に仕上がります。

まずは、表面に塩コショウをした鶏肉を、十分に予熱したフライパンで皮目を下にして焼いていきます。この時はかなり強めで、皮を香ばしく焼いていきましょう。予熱や火力が不十分だと、皮が十分に焼けないので気をつけましょう。

焦げ目を付けるために、ミートプレスなどで上から鶏肉をおさえるとキレイに皮目が焼けて、肉自体も縮まらず便利です。皮目も焼きつつ加熱ムラを防ぐため、上からフタをして蒸し焼きにしましょう。焼き色がついたら、肉を返して反対の面も同様に対応。最後にもう一度皮目に火を入れると、さらにパリパリになり、旨みが凝縮されたチキンソテーに仕上がります。