オーディオで音楽鑑賞するといえば、以前はスピーカーが普通でした。ところが、最近ではイヤホンやヘッドホンで音楽鑑賞する方も増えています。ポータブル機器の普及も背景にありますが、イヤホンやヘッドホンの高性能化も大きな要因です。
以前はなかったような数万円以上の高級イヤホン、ヘッドホンもあふれ、今では個人の好みに合った高音質でハイレベルな音楽鑑賞を楽しめます。
イヤホンやヘッドホンこそ、コンパクトかつハイコスパに音楽を楽しめる、最強のツールとなりつつあります。そこで今回は、最新の音楽鑑賞向けイヤホン、ヘッドホンの選び方と、おすすめ機種をまとめてご紹介!
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エティモティック・リサーチ(Etymotic Research) イヤホン BA型 ER4SR
高音質なイヤホンとして長年定番の座にあった、ER-4Sの後継機です。2016年に発売されたばかりの最新機。BA型ユニット1基ながら、低音から高音まで全ての音域において、極めて情報量の多いサウンドを聴かせます。
プロ用のモニター向けですが、自然なリアルさを持ち合わせており、音楽鑑賞用にも最適。3段フランジ型のイヤーピースを、耳の奥に入れ込む装着感は独特です。慣れが必要なこともあるので、試聴をおすすめします。
これぞイヤホン再生音の基準と言える存在。1台持っておいて損はありません。
ソニー(SONY) 密閉型インナーイヤーレシーバー XBA-Z5
ソニーのイヤホン最高級機です。ダイナミック型ユニット1基とBA型2基による、ハイブリッド型。独自のHDスーパーツイーターにより、ハイブリッド型では画期的な、40kHzのハイレゾ対応も達成しています。
超低音から超高音まで、イヤホンの枠を超えたワイドレンジ再生を楽しめます。モニター向けにも音楽鑑賞向けにも適した、バランスのよい豊かな高音質。より空間性の広い再生が可能な、バランス接続方式にも対応しています。幅広いジャンルでの音楽鑑賞用におすすめ。
デノン(DENON) カナル型イヤホン ハイレゾ対応 AH-C820BKEM
重低音再生能力の高さが特徴の、カナル型イヤホンです。ハウジングの中に、2基のダイナミック型ドライバーを対向配置。2倍の振動板面積を確保し、重量感と超低域の明瞭さを兼ね備えたベースサウンドを聴かせます。
高級オーディオ製品に定評のあるデノンの、サウンドチューニングもポイント。低音以外の音域も、高い質感と自然さとリアルさを備えています。違和感が生じやすい重低音重視のイヤホンとは、一線を画しています。
低音重視でも高品位に音楽鑑賞したい方に、大いにおすすめします。
アーカーゲー(AKG) カナル型イヤホン ハイレゾ対応 ハイブリッド型 N40
ハイブリッド型の高音質イヤホンです。ダイナミック型とBA型ユニットを、1基ずつ使用しています。世界で初めてハイブリッド型イヤホンを開発した、アーカーゲーの技術をフルに投入。繊細さと力感を両立した、ワイドレンジサウンドが持ち味です。
ハイブリッド型では難しい、ハイレゾ対応の40kHz再生もクリア。数値の上でも優秀です。音域の広いクラシック音楽のオーケストラも、素晴らしい臨場感で再現できますよ。
メカニカル・チューニング・フィルター機能により、3つのフィルターを付け替えれば、好みの音質に調整できます。音楽ジャンルも問いませんね。下出し、耳掛け両対応のケーブル設計も使いやすいですね。
シュア(SHURE) SE846 カナル型 高遮音性イヤホン SE846
4基のBA型ユニットを採用した、カナル型イヤホンです。BA型ユニットのみなので、ワイドレンジさとフラットな高音質を達成。同一の発音原理による、帯域間の音の繋がりの自然さは特筆ものです。
他社に先駆け、複数ユニットのBA型イヤホンを手掛けていたシュア。そのノウハウが活きています。取り外せるステンレスノズルと、交換式ノズルによって、好みの音質に調整できる機能も見逃せません。
幅広い音楽ジャンルに適応可能。クリアカラーによる外見のおしゃれさもポイント。
ジェーブイシー(JVC) カナル型イヤホン WOOD 01 inner HA-FW01
木製振動板の採用が特徴のカナル型イヤホンです。このダイナミック型ウッド振動板は、ジェイブイシーが世界で唯一実用化している独自技術。幅広い音域での自然なサウンドはもとより、木製楽器の再現性では右に出るものはないほど。
さらに、ハウジングも木製と徹底的に木にこだわっています。本機では、従来の80μmから50μmに薄型化した振動板を採用し、40kHzのハイレゾ再生対応も実現。美しい響きに加え、微細なニュアンスの表現にも秀でています。イヤホン自体の質感の高さもおすすめポイントです。
ゼンハイザー(SENNHEISER) カナル型イヤホン IE800
ダイナミック型ユニット1基ながら、卓越した高音質が特徴のカナル型イヤホンです。数万円を超える高級イヤホンは、複数ユニットかハイブリッド型が多数。その中で本機は、異質な存在です。
創業以来ダイナミック型にこだわってきた、名門ブランドならではの、こだわりと技術による選択。新開発の7mm径エクストラワイドバンドトランスデューサーを搭載しています。5Hz~46.5kHzの超広帯域再生を実現。
イヤホンの共鳴を相殺する新技術D2CAを搭載しています。音質劣化の元となる歪みを追放。ダイナミック型ならではのスケール感と、シンプル構成による自然な空間表現は、他を圧倒しています。大型ヘッドホンのような音を求める方にもおすすめです。
スタックス(STAX) コンデンサー型イヤースピーカー SRS-002
コンデンサー型であることが最大の特徴の、開放型イヤホンです。専用アンプが必要なことからポータブル化は難しい、という困難を克服し、実現。世界的なコンデンサー型ヘッドホン専業メーカーである、スタックスだからこそ成し得た快挙です。
据え置き用同等の、繊細な高音質をどこでも堪能できますよ。専用アンプも小型で、十分携帯可能。音漏れが大きいので、人前での使用では音量に注意しましょう。卓抜したクオリティーは、自宅での音楽鑑賞用にも最適です。
海外にも同様のイヤホンも出てきましたが、本機は飛びぬけて安価なことも魅力。一度はチェックしておきたい名品です。
音楽鑑賞におすすめのヘッドホン8選
ソニー(SONY) ステレオヘッドホン MDR-7506
長年、世界の音楽制作の現場で、モニター用ヘッドホンの定番として使われ続けている名機。ワイドレンジを意識させませんが、自然でリアルな高音質と豊富な情報量は、音楽鑑賞用のスタンダードにも相応しいもの。
オーバーイヤー機ながら、携帯にも便利な、折り畳み機構を備えています。補修部品の入手も容易なため、長く使える安心感も。幅広いジャンルを、場所を問わず、楽しみたい方におすすめ。2台目としてもおすすめですよ。
オーディオテクニカ(audio-technica) オープン型ヘッドホン ATH-AD2000X
国内メーカーによる開放型の名機です。徹底的に音楽鑑賞に向けた意欲的な音作りと、使い勝手を追求しました。海外の開放型モニター機のような、やや素っ気ない音を意識。聴いていて楽しい高音質を聴かせます。
大口径53mmユニットによる、豊富な情報量とワイドレンジさ。そして、リアルなだけでなく、美しさと艶を感じる音が魅力です。開放型ながら、演奏が近く感じられるのも特筆点。ボーカルの再現力も絶品です。
音源を多少調整してでも、素晴らしい音を聞きたい人におすすめ。
ベイヤーダイナミック(beyerdynamic) 密閉型ヘッドホン T5p 2nd Generation
屋外でも高音質を楽しめる、密閉型ヘッドホンです。高級ヘッドホンの多くは、据え置き機器との組み合わせを想定しています。具体的に言うと、低能率・ハイインピーダンスのスペックになりやすい傾向にあります。
そのため、アンプ出力の少ないスマホ、DAPには荷が重くなりがち。十分な音量が出ないことも。しかし本機は、32Ω、102dBのスペックにより、幅拾い機器で低負荷使用が可能です。
強力な磁束密度を生み出す、独自のテスラテクノロジー。それによる、ワイドレンジながら温かみのあるサウンドチューニングも特徴。型崩れしにくいイヤーパッドは、屋外での長時間使用でも疲れにくいです。ケーブルも着脱式で、断線トラブルもありません。
家でも十分使える高音質も見逃せません。
パイオニア(Pioneer) DJヘッドホン HDJ-2000MK2
重低音重視の高音質ヘッドホン。プロDJ向け機でもあります。多くのプロDJに意見を聴き、DJ用途で必要とされる、ダンスミュージックのビートを明瞭に聴き取れる音質に調整。
巻き幅と巻き回数を最適に調整したボイスコイルと、高磁力マグネットを採用した大口径50mmドライバーユニット。それらの組み合わせによって、本格的なDJ仕様を実現しています。
大音量の中でも、曲をモニタリングしやすい、高い遮音性も特徴です。長時間のDJプレイでも疲れにくい装着性と、耐久性も見逃せません。タイトでディープな低音は、一般のヘッドホンにはないレベル。低音を重視して音楽鑑賞したい方におすすめ。
ジェーブイシー(JVC) 密閉型ヘッドホン WOOD 01 HA-SW01
木製振動板を採用した、密閉型ヘッドホン。イヤホン同様、ダイナミック型ウッド振動板はジェイブイシーが世界で唯一実用化した技術。本機は、ハイエナジー磁気回路により、大口径40mmウッドユニットを強力に駆動します。
他を寄せ付けない木製楽器の再現性の高さ。さらに、ヘッドホンならではのワイドレンジさと力感も備えます。振動板以外にも、随所に木製パーツを使用。温かみのある再現力を磨き上げ、音の余韻や奥行きまで、繊細に表現してくれます。
素材を生かした精緻な外観はモノとしても魅力的。所有する喜びの面でもおすすめです。
ソニー(SONY) ステレオヘッドホン MDR-1000X
多機能と高音質を高度に両立した、密閉型ヘッドホンです。ノイズキャンセリング機能とBluetoothワイヤレス機能を装備。スマホとのBluetooth接続時にはハンズフリー通話も可能です。屋外、屋内を問わず、あらゆるシーンで使用できる多才さが魅力。
大口径40mm径ドライバーユニットを装備し、40kHz再生を達成したハイレゾ対応機です。Bluetoothコーデックにも、ハイレゾ対応のLDACを採用。有線、無線を問わず、高音質で音楽鑑賞できます。機能性を確保しつつ、音楽をハイクオリティーに楽しみたい方におすすめ。
ゼンハイザー(SENNHEISER) オープン型ヘッドホン HD 800 S
世界で初めて開放型ヘッドホンを開発したメーカー、ゼンハイザーによる高級機です。従来からクラシック音楽を中心にした、アコースティック楽器音楽を得意にしていました。さらに本機では、幅広い音楽への対応力を高めています。
独自開発の56mm径トランデューサーと、金属素材による本体構造による大型設計を採用。開放型ならではの繊細さ、空間の広がりを維持したまま、あらゆる要素をハイレベルに再現します。
ロックのビートも、ボーカルの息遣いも、そしてシンバルの輝きもありのままに表現。ダイナミック型の完成形とも言われる名機は、全ての音楽愛好家におすすめです。
スタックス(STAX) コンデンサー式イヤースピーカーシステム SRS-3100
ダイナミック型では得難い、繊細な高音質が特徴の、コンデンサー型ヘッドホンです。専用アンプが必須という使いにくさもありながら、高級ヘッドホンとして定着。スタックスの長年のノウハウもポイントです。
本機も、高品質振動膜と、プッシュプル・エレクトロスタティック型長円形発音体を搭載。高解像力で、バランスのよい高音質を堪能できます。ピアノ、バイオリンの弦の震えを、目の前で聴いているようなリアリティは感激の一語。
41kHzまでのワイドレンジさも備えるので、ハイレゾにも最適です。音楽鑑賞の最終兵器と言えるほどのおすすめ機ですよ。
音楽鑑賞に最適なヘッドホン・イヤホンって
ヘッドホンでもイヤホンでも、音楽鑑賞に適した機種とは高音質なものです。高音質とはつまり、実際に演奏される音楽をリアルに再現できること。高音質化の要因は、数値で表現できるものと、そうでないものに分かれます。
数値で表現できるのは、再生周波数範囲と周波数特性です。
高音質なのは、再生周波数範囲が広く(ワイドレンジ)、フラットと言われる、より凹凸が少ない周波数特性を持つイヤホンやヘッドホンです。高音質の指標として、40kHzを超えるハイレゾ対応の再生周波数範囲が注目されています。
数値で表現できない指標として、楽器の質感の高さや音の情報量の多さ、雰囲気感の再現力があります。そして、これらを総合したリアリティーと臨場感の高さが挙げられるでしょう。プロ用のモニター機なら、ジャンルに関わらず音楽鑑賞にも向いていると言えます。
ヘッドホンの場合
ヘッドホンの場合、密閉型と開放型のどちらを選ぶかが重要。密閉型は、細かい音の描写力と低音の再現性に優れます。一方、空間性の広さは感じにくく、閉塞感のある装着性が気になる方も。
開放型は、アコースティック楽器の自然な再現性に優れ、空間性も広く描写できます。コンサートのライブに向いています。
音に近い感じで、やや緊張感があるのが密閉型。適度な距離感で、リラックスして聴けるのが開放型と大ざっぱに言えます。音楽鑑賞に求める方向性によって選びましょう。ただ、開放型は音漏れの点から、屋外の使用を控えてください。
イヤホンの場合
イヤホンの場合は、ハイレゾ対応機を選ぶと無難です。ヘッドホンよりも、繊細さとワイドレンジさを実現するのが難しいイヤホン。この両立を比較的容易に成せる、ハイブリッド型イヤホンに注目です。
ヘッドホン以上に装着性による音質の違いが出やすいイヤホンでは、個人に合った装着感の機種を選ぶことも大事です。
ジャンルに応じた選択も重要
ワイドレンジでフラットなイヤホン、ヘッドホンこそ、高音質で音楽鑑賞できます。しかし、全ての音楽ジャンルに当てはまるわけではありません。
アコースティック楽器を中心とするクラシック、ジャズには向いています。しかし、低音強調の再現性も重要なロック、ヒップホップ、そしてクラブミュージックには向かないことも。
こうした低音が重要な音楽は、重低音イヤホン・ヘッドホンが向いています。重低音重視を打ち出した機種のことです。プロ用途でもある、DJ向けもおすすめ。幅広いジャンルを聴く方は、1つの機種で全てをまかなわず、複数機を使い分けることをおすすめします。
魅力的な音楽鑑賞向けヘッドホンの数々。どれを選ぼうか迷っていまいそうです。大きなポイントは、密閉型か開放型か。目の前で演奏されているようなリアリティー重視なら密閉型。ホール、スタジオの雰囲気感も含めた臨場感なら、開放型がおすすめ。
両方いいとこ取りの機種はなかなかないので、2種類使い分けるのもいいですね。なにより、素晴らしいイヤホン・ヘッドホンがあれば、いつでもどこでも音楽鑑賞を楽しめますよ! 自分にピッタリのヘッドホンを見つけてください。