交換レンズの銘玉を数多く手掛けていることでも有名な「ペンタックス」。同社の一眼レフ用レンズは、優れたフィールド性能と独特な味のある描写を備えたモノが豊富に揃っており、数多くのカメラファンから根強い人気があります。
そこで今回は、ペンタックスのおすすめ交換レンズをご紹介。ペンタックスならではの魅力や交換レンズの選び方も詳しく解説するので、入門ガイドとして参考にしてみてください。
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ペンタックスのレンズの魅力とは?
ペンタックスのレンズの魅力は、軽量かつコンパクトなモデルが多い点です。特に、APS-C一眼レフ専用の交換レンズでは20本近くの充実したラインナップを提供。軽快なフットワークで一眼レフでの撮影を楽しみたい方にも人気があります。
一眼レフと同様の優れた防塵・防滴性能を持つレンズが豊富に用意されているのもペンタックスならではのメリット。急な天候や気温の変化を気にせず撮影を継続できます。登山やキャンプなどのアウトドアに持って行くレンズとしてもおすすめです。
また、独特な味のある描写が堪能できるレンズを展開しているのも人気のポイント。歪みや滲みなど描写のクセを単に補正するのではなく、あえて生かすことでペンタックスでしか味わえない感性を満たす撮影体験を実現しています。
ペンタックスのレンズの種類
Kマウント
Kマウントは、現在ペンタックスの主流になっているレンズ規格です。1975年から40年以上も続く伝統のレンズマウントで、APS-Cおよびフルサイズの一眼レフ用レンズに採用されています。
KマウントレンズをAPS-C一眼レフに装着した場合は、画角が焦点距離の1.52倍相当に変化。望遠撮影がより有利に進められます。
3種類のシリーズが展開されているのもKマウントレンズが持つ特徴。初心者向けのスタンダードレンズのほか、耐候性と描写性能の優れた★シリーズや、味のある描写が楽しめるLimitedシリーズも提供されています。小型軽量な一眼レフシステムを活用してフィールドで軽快に作品撮りを進めたい方におすすめです。
645マウント
645マウントは、ペンタックスの中判一眼レフ専用に設計されたレンズ規格です。中判センサーはフルサイズセンサーと比べて約1.7倍も大きな面積を持つのが特徴。同じF値のレンズを使ってもフルサイズよりボケやすくなるため、645マウントレンズは作品撮りにボケ描写を積極的に活用したい方にもおすすめです。
中判カメラ用のレンズシリーズとしては珍しく、優れた防塵・防滴性能を備えているのも645マウントレンズの魅力。風景撮影はもちろん、自然の草花や動物などをテーマにしたネイチャー撮影にも重宝します。
なお、使用時は画角が焦点距離の0.78倍相当に変化。フルサイズより広範囲を画像に記録できます。
ペンタックスのレンズの選び方
カメラのマウントやセンサーサイズに適したモデルを選ぼう
ペンタックスの交換レンズを選ぶ際は、使用するカメラのマウントやセンサーサイズに注意が必要です。主流であるKシリーズの一眼レフに使う場合は、同じKマウントのレンズを選びましょう。カメラ本体に直接装着でき、レンズに搭載された各種機能や描写性能も制限なく使用可能です。
また、KマウントはDAレンズとFAレンズ・D FAレンズの2系統に大別されます。DAレンズはAPS-C一眼レフ専用、FAレンズ・D FAレンズはフルサイズ一眼レフ対応で設計されています。レンズ性能を最大限に引き出したい場合は、手持ちの一眼レフが採用するセンサーサイズと合致するモデルを選ぶのがおすすめです。
なお、FAレンズはフィルム時代の設計を受け継ぐモデル。一方、DAレンズとD FAレンズはデジタル一眼レフ向けに描写が最適化されています。
撮りたい写真に合わせてレンズを選ぼう
奥行きのあるダイナミックな写真を撮るなら広角レンズ
広角レンズは、フルサイズ換算で焦点距離35mm以下に相当する画角を持つ交換レンズのことです。ペンタックスのAPS-C一眼レフでは23mm以下のレンズが該当します。
焦点距離が短くなるほどより画角が広くなるのが特徴。周囲を見渡しているときの視野と同等以上の広範囲を画面内に収められるので、眼前に広がる広大な風景・夜景・星空などを記録する場合にもおすすめです。
遠近感が誇張されるのもポイント。近くの被写体が肉眼で見る場合よりも大きく、遠くの背景が小さく写るダイナミックな表現が可能です。後ろに下がれるスペースのない場所で室内を実際よりも広く見せたい場合にも重宝します。
肉眼に近い写真を撮るなら標準レンズ
標準レンズは、フルサイズ換算で焦点距離50mm前後に相当する画角を持つ交換レンズのことです。ペンタックスのAPS-C一眼レフでは35mm前後のレンズが該当します。
人間が対象に軽く注意を向けたときの視野に近い範囲を切り取れるのが特徴。広がる光景から主題を明確にして強調できるため、スナップ・風景・ポートレート・テーブルフォトなど多彩なジャンルの撮影に活用できます。
遠近感を自然に表現できるのもポイント。被写体や背景を歪ませることなく、肉眼で見たときに近い形状とサイズ比で撮影できます。状況記録や商品撮影など被写体の再現性を重視する用途にもおすすめです。
ポートレートや被写体までの距離がある撮影なら望遠レンズ
望遠レンズは、フルサイズ換算で焦点距離70mm以上に相当する画角を持つ交換レンズのことです。ペンタックスのAPS-C一眼レフでは46mm以上のレンズが該当します。
焦点距離が長くなるほどより画角が狭くなるのが特徴。限られた範囲にフォーカスすることで、遠くの被写体も引き寄せて画面一杯に大きく記録できます。スポーツ・動物・乗り物などの動体撮影にもおすすめです。
遠近感が圧縮されるのもポイント。近くの被写体と遠くの背景との距離感が消失してサイズ比がなくなり、迫力のある画像が撮影可能です。また、背景がボケやすくなるので、人物ポートレートの撮影にも人気があります。
小さな被写体を大きく写すならマクロレンズ
マクロレンズとは、マクロ撮影や接写に特化した特殊な交換レンズのことです。イメージセンサー上に写された像と実際の被写体の大きさとの比率である撮影倍率が最大で1倍以上になるよう設計されています。一般的なレンズと違って、小さな被写体も画面一杯に大きく記録できるため、花やアクセサリーなどの撮影にもおすすめです。
優れた接写性能を備えているのも魅力。ピントが合う最も近い距離である最短撮影距離が通常のレンズよりも短く設計されており、至近距離からでも被写体の撮影が可能です。ある程度離れた位置からでも十分に大きく写せるので、近づくと逃げてしまう昆虫や小動物の撮影にも活用できます。
用途に合わせてズームの有無を決めよう
1本で色々な画角の写真を撮るならズームレンズ
利便性を重視するならズームレンズを選ぶのがおすすめです。1本のレンズで複数の焦点距離をカバーでき、運動会や観光地など撮影位置が制限されている場合でも画角を変えることで柔軟に対応可能。また、レンズ交換の頻度を少なくできるので、換装中に一眼レフの内部にゴミが侵入するリスクも減らせます。
ただし、ズームレンズは開放F値が大きめに設計されているのが難点。開放F値が大きいと、暗い場所での撮影で画質が低くなってしまう傾向にあります。暗い場所での撮影が多い場合は、ペンタックスの★レンズに代表される、ズーム全域で開放F値が一定の高級ズームレンズを選びましょう。
シャープで綺麗な写真を撮るなら単焦点レンズ
画質と表現力を重視するなら単焦点レンズを選ぶのがおすすめです。対応する焦点距離を1つに絞ることで小型・軽量化を実現。加えて、開放F値が小さめに設計されているため、暗所でも手ブレを抑えつつ鮮明に記録でき、前景や背景を大きくぼかした印象的な表現も手軽に楽しめます。
また、ペンタックスではLimitedレンズに代表される単焦点レンズの銘玉を数多く用意。独特な味のある描写が楽しめるので人気があります。
ただし、ズーム操作による画角変更ができないのが難点。被写体が写る大きさや切り取る背景の範囲を変えたい場合は、自分の足で動いて撮影する位置やアングルを工夫する必要があります。
撮影シーンに適したスペックをチェックしよう
暗い環境での撮影には開放F値2.8以下がおすすめ
開放F値とは、レンズ内部の機構である絞りが最大で作れる穴の大きさを比率で表したもの。レンズの明るさを示す指標としても使われており、数値が小さいほどカメラ内により多くの光量を取り込み可能です。なお、F2.8のように開放F値の小さいレンズは、大口径レンズや明るいレンズとも呼ばれています。
室内や夜景などの暗いシーンを鮮明かつ高画質で撮影したい場合は、開放F値がF2.8以下の大口径レンズを使うのがおすすめ。ISO感度をあまり上げなくても高速シャッターが積極的に使えるので、手ブレを抑えて夜景をシャープに写したり、被写体の動きをぴったり止めて切り取ったりするのに重宝します。
屋外での使用が多いなら防塵・防滴機能付きを
アウトドアでも積極的に撮影を楽しみたいなら防塵・防滴構造が採用されたレンズを選ぶのがおすすめ。一眼レフ本体と同様にパーツの継ぎ目やスイッチ類の根元にシーリング加工が施されており、雨水やホコリが内部に侵入するリスクを低減可能です。登山やキャンプに持って行く場合にも重宝します。
ペンタックスのKマウントレンズには2等級の防塵・防滴構造が存在するのもポイント。キットズームにも採用される「WR」は簡易防滴構造を示しており、雨しぶきを手軽に防げます。★レンズに搭載される「AW」は防塵・防滴構造のこと。防滴性能がより強化され、防塵性能も追加されているため、過酷な環境にも対応可能です。
ゴーストやフレアの発生を抑えるHDコーティング
逆光のシーンでもクリアに描写したい場合はHDコーティングが採用されたレンズを選ぶのがおすすめ。通常は逆光下で撮影すると、レンズの表面反射によって光源の周りが淡いもやで覆われるフレアや、光源から色付きの光跡が伸びるゴーストが写り込みます。画質を劣化させる悩みの種ですが、HDコーティングで低減が可能です。
また、HDコーティングとは、ペンタックス独自の特殊製法で開発された反射防止コーティングのこと。高密度のコーティング膜をナノレベルで高精度に形成できるため、従来のマルチコーティングと比べてより高い反射防止効果が実現可能です。逆光で行うポートレートや、朝日や夕日を画面内に入れた風景の撮影でも高画質が得られます。
性能や描写にこだわった2つのシリーズをチェック
描写性能の優れた★(スター)シリーズ
★シリーズは、ペンタックスが誇る描写性能にこだわった最上位レンズです。全ての焦点距離や撮影距離で高画質が得られるように、歪みや滲みが良好に補正されているのが特徴。画質に妥協したくない本格派の方におすすめです。
また、開放F2.8通しズームや開放F1.4単焦点などの明るい大口径レンズで構成されているのもポイント。「HDコーティング」などの高性能な反射防止コーティング加工が施されており、高い逆光耐性も備えています。
味わいのある描写を楽しめるLimitedシリーズ
Limitedシリーズは、味わいのある描写が楽しめるペンタックスの人気レンズです。実写を通じた性能評価を重視することで、数値では測れないレンズの味まで追求。人間味あふれる上質な描写で作品撮りを楽しみたい方におすすめです。
高性能な単焦点レンズが多いのもポイント。また、フルサイズ換算で32mm・66mm・107mmなど、あえて定番から少し外した独特の焦点距離が採用されているため、ペンタックス独自の撮影体験が楽しめます。
鏡筒からフードやキャップに至るまで高品質なアルミ削り出し素材が使われているのもの魅力。外観の質感にもこだわって仕上げられており、触れるたびに愛着が増して撮影へのモチベーションが上昇します。
ペンタックスのレンズのおすすめ
ペンタックス(PENTAX) HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW
★レンズの銘を冠するペンタックスKマウントの大口径超広角ズームレンズです。APS-C専用設計で作られており、フルサイズ換算で超広角17〜広角27.5mm相当の画角に対応。ズーム全域で開放F2.8と明るいため、夜景はもちろん、一面の星空をダイナミックに描写する場合にもおすすめです。
大口径ながら重さ約704g、全長約100mmと携帯性も良好。AW仕様の防塵・防滴構造と-10℃までの耐寒性能も備えており、登山などのアウトドアでも気兼ねなく使用可能です。HDコーティングによって逆光でもクリアに撮影できます。
ピント位置を固定できる「フォーカスクランプ」も便利。星空の長時間露光中にピントが不意にずれるのを防げます。また、結露を防止するヒーターを装着できる専用のスペースを用意したほか、熱が効果的に伝わるようにレンズ鏡筒には金属を採用。星空撮影に役立つ機構が充実しています。
ペンタックス(PENTAX) HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR
味のある描写がフレキシブルに楽しめるペンタックスKマウントの標準ズームレンズです。Limitedシリーズで唯一ズーム機構を搭載しており、フルサイズ換算で広角30.5〜中望遠61.5mm相当の画角をカバー。高画質で常用しやすいので、日常のスナップや家族の記録を残したい方にもおすすめです。
特殊な補正レンズを巧みに活用しているのもポイント。全ズーム域と周辺部でも色滲みを抑えた高解像な画像が撮影可能です。優れた逆光耐性を持つHDコーティングも適用。9枚羽根の円形絞りを採用することで柔らかなボケ味も実現しています。
鏡筒・キャップ・フードに高品位なアルミ削り出し素材が使われているのも魅力。APS-C専用設計のため、重さ約283g、全長約68.5mmと小型軽量で手軽に持ち運べます。WR仕様の防滴構造も備えており、小雨でも撮影の継続が可能です。
ペンタックス(PENTAX) smc PENTAX-FA 50mmF1.4 Classic
フィルム時代の写りを現代に復刻させたペンタックスKマウントの大口径標準単焦点レンズです。フルサイズ対応のレンズながら、重さ約216g、全長約37mmと軽量コンパクト。加えて、初心者でも扱いやすい標準画角なので、初めての単焦点レンズとしてもおすすめです。
オールドレンズで撮影したような描写が味わえるのも魅力。強い逆光下で開放F1.4を使用した際に虹のような円環状のゴーストが発生する「虹色フレア」が再現されています。F4以上では現代風のクリアな描写の撮影も可能。表現意図に合わせて効果を使い分けられます。
外観もレトロ風に設計されているのもポイント。90年代初頭に発売されたsmc PENTAX-FA50mmF1.4をベースにしつつ、Kマウント以前に製造されていたフィルム一眼レフ用レンズのデザインも採用されています。
ペンタックス(PENTAX) HD PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited
Limitedシリーズ屈指の描写が堪能できるペンタックスKマウントの大口径中望遠単焦点レンズです。フルサイズ対応ながら、重さ約270g、全長約48mmと取り回しが良好。モデルとコミュニケーションを取りながら撮影しやすい画角を採用しているので、ポートレートの作品撮りにもおすすめです。
白い被写体にある一番明るい部分の再現性にまでこだわってチューニングされているのもポイント。白ワイシャツのボタンの輝きまで緻密に描き出せます。
アルミ削り出しの高品質な外観も魅力。鏡筒には七宝焼きで作られたフィンガーポイントもあしらわれています。HDコーティングでも反射もしっかり低減。レンズの最前面には撥水・撥油効果を持つSPコーティングも施されており、水滴や指紋が付いても手軽にお手入れが可能です。
ペンタックス(PENTAX) HD PENTAX-DA 35mmF2.8 Macro Limited
標準レンズとしても活躍するペンタックスKマウントの単焦点マクロレンズです。APS-C専用設計のLimitedレンズで、最短撮影距離13.9cmで実寸と同じ大きさを描写できる等倍撮影に対応。自然の草花や卓上の料理・花・小物などを接写で大きく記録したい場合におすすめです。
フルサイズ換算で53.5mm相当の標準画角を採用しているのもポイント。マクロ撮影以外にもスナップ・風景・ポートレートなど多彩なジャンルの撮影に活用可能です。HDコーティングによるクリアな描写と、円形絞りによる美しいボケ味も楽しめます。
重さ約214g、全長約46.5mmと軽量コンパクトなのも魅力。スライド伸縮式の専用フードを内蔵しており、使用後はかさばらずに収納可能です。AFからMFへシームレスに移行できるクイックシフト・フォーカス機構も便利。接写時でもスムーズにピントの追い込みが可能です。
一眼レフ用として最近人気が上昇しているペンタックスの交換レンズ。単に高画質・高性能なだけではなく、過酷な環境にも耐える耐候性を持つレンズや、味わいのある描写が楽しめるレンズも豊富に用意されています。ぜひ気になったペンタックスのKマウントレンズを入手して、一眼レフでの作品撮りに活用してみてください。