一眼レフカメラを持ち始めると、望遠や広角などに対応する交換レンズにも興味が湧くもの。とはいえ、ラインナップが豊富で、「それぞれどんな特長や違いがあるか把握できず、結局何を買えばいいのかわからない」との声をよく聞きます。
そこで今回は、そんな数ある製品のなかでも、“シンデレラレンズ”と呼ばれるカメラ初心者から中級者におすすめのレンズをご紹介します。
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シンデレラレンズとは、F値が非常に小さく、明るい写真が撮れる単焦点レンズのことです。なお、単焦点レンズとはズームできないレンズのことで、大きく写真を撮りたい場合は自分から被写体に近づいて撮影する“接写”が基本となります。
シンデレラレンズのメリット
シンデレラレンズのメリットは、非常に明るい写真が撮れるということ。屋内などの光を取り込みづらい環境での撮影では、写真が暗くなりがちですが、シンデレラレンズなら、明るく鮮明な写真を撮ることが可能です。
F値が非常に低くて明るいということはシャッタースピードが速く、比較的手ブレを抑えることができます。写真は背景や全面をしっかりとボカして、被写体を強調した仕上がりになるのが特長です。
シンデレラレンズを取り扱っているメーカー
シンデレラレンズを扱っているメーカーとしては、キヤノン、ニコン、ペンタックス、ソニーなど。特にキヤノンとニコンのシンデレラレンズの人気は高く、クオリティの高い写真が撮影できるとあって評判です。
キヤノンEFマウントのレンズはフルサイズ専用の「EFレンズ」とAPS-Cサイズ専用の「EF-Sレンズ」に分かれています。なお、本体のセンサーサイズがフルサイズでもAPS-Cでもシンデレラレンズは使えますが、後者の場合だと実質的な焦点距離が1.6倍になるのでご注意ください。
一方、ニコンFマウントのレンズはフルサイズ専用の「FXフォーマット」とAPS-Cサイズ専用の「DXフォーマット」に分かれています。なお、本体のセンサーサイズがフルサイズの場合でもAPS-Cの場合でもシンデレラレンズは使えます。ただし、写る範囲が異なるので留意しておきましょう。
キヤノンのシンデレラレンズ
キヤノン(Canon) EF50mm F1.8 STM EF5018STM
20年以上ものロングセラーであった「EF50mm F1.8 STM」の後継機種として発売された、キヤノンを代表する単焦点レンズです。50mmという人間の視覚に近い画角でF値は1.8と非常に明るいのが特長。自然で鮮明なボケ感を出した写真を撮ることができます。
全長39.3mm、重量約160gと非常に軽量かつコンパクトでどこへでも気軽に持ち運ぶことができるサイズ感もポイント。また、静かでスムーズなオートフォーカス駆動ができるステッピングモーターが使われています。実勢価格は1〜2万円ほどながら充実したスペックなので、非常に魅力のあるシンデレラレンズと言えます。
キヤノン(Canon) EF-S24mm F2.8 STM EF-S2428STM
柔らかなボケ感を手軽に楽しむことができる薄型パンケーキタイプの単焦点レンズです。EOSシリーズのAPS-Cサイズ機種に対応しており、35mm換算で38mmとポートレート撮影にも対応可能。
F2.8を生かした大口径のレンズは背景や前面を柔らかくボカして、かつ非常に明るい写真が撮ることができるのが魅力です。また、単焦点で24mmという特長を生かして、被写体まで約9cmの距離まで近寄ることも可能なため、料理などをキレイに撮るのにはしっかりと接写するのがおすすめです。
ステッピングモーターによる静かな駆動音や、フルタイムマニュアルフォーカスなどの機能も装備しているほか、非球面レンズが採用され、球面レンズで生じる写真のゆがみが取り除かれているのも魅力。実勢価格は1〜2万円で、コスパ良好のシンデレラレンズです。
ニコンのシンデレラレンズ
ニコン(Nikon) AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
ニコンの大口径標準タイプのハイスペック単焦点レンズです。重量は約185gと軽く、小さめのカメラ本体に取り付けても安心、持ち運びにも重宝します。オートフォーカスの際に駆動する超音波モーターは、非常に音も静かで反応も早いのが特長。
オートフォーカス時にフォーカスリングを回すだけで、簡単にマニュアルフォーカスに切り替えられる「M/A(マニュアル優先オートフォーカス)モード」が搭載されているのもポイントです。貴重なシャッターシーンも見逃しを防ぐことが可能。また、非球面レンズが採用され、歪みを補正した写真が撮影できます。
DXフォーマットデジタル一眼レフに装着時は、35mm換算で焦点距離が75mmのレンズとしても使用でき、風景の撮影をはじめ、スナップ撮影やF値を生かした暗い状況下での撮影に至るまで幅広く使うことができます。
実勢価格は2万円台中盤とやや高価ではありますが、ニコンユーザーにとっては見逃せないハイコスパなおすすめレンズです。
ニコン(Nikon) AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G
ニコンDXフォーマットの単焦点です。F値が1.8という明るさは室内での手持ちの撮影にも適しており、背景や前景をボカして被写体を強調させた写真を撮ることに向いています。
また、画角44度というスペックは風景などのスナップ写真にも向いており、35mm換算で52.5mmと標準レンズとしても活躍してくれます。M/A(マニュアル優先オートフォーカス)モードとM(マニュアル)モードを使い分ければ、幅広い撮影に対応できます。
さらに、非球面レンズを用いた高い光学性能を持っており、夜景などの光もくっきり撮影することができます。レンズの大きさも非常にコンパクトのため、持ち歩く際にも便利です。
実勢価格は2〜3万円台とシンデレラレンズの中ではやや高価ですが、実際に手にして使ってみれば、それに見合う価値をしっかりと感じることができるレンズです。
シンデレラレンズは一眼レフカメラの楽しみを広げてくれる単焦点レンズです。カメラ初心者の場合であれば、標準ズームレンズを使いこなした方やビギナーから脱却して次なるステップを目指そうとしている方に試してほしいアイテムなので、ぜひ今回の紹介した製品を参考にして、満足度の高い撮影にトライしてみてください。