一眼レフのユーザーにとって、憧れとも言える「大三元レンズ」。カメラに興味がある方なら聞いたことがあるかもしれませんが、実際はどの交換レンズを指すのわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、2大メーカーであるキヤノンとニコンの大三元レンズをご紹介。思い切って3本まとめて買うのはもちろん、標準レンズから揃えて目的に応じて追加購入する際にも、ぜひ参考にしてください。
大三元レンズとは?
「大三元レンズ」とは広角・標準・望遠のズームレンズ3本を組合せた通称のこと。ちなみに語源は麻雀の役「大三元」から来ています。
キヤノン、ニコンともに該当するレンズは決まっており、レンズ1本あたりの実勢価格は20万円前後。カメラ初心者にはそう簡単に手が出せない高額のハイスペックレンズなので、購入する際は自身の撮影経験に加え、懐事情も考慮しましょう。
大三元レンズのメリット
大三元レンズのメリットとしては、3本ともF値が2.8。明るい高品質のレンズで統一しています。なお、それぞれのレンズは発売時期が異なるので、型落ち価格として流通しているモデルもあります。購入を検討している方は、価格変動にもしっかりとアンテナを立てておきましょう。
2大メーカーの大三元レンズ
キヤノン
キヤノンの大三元レンズは「EF16-35mm F2.8L III USM」、「EF24-70mm F2.8L II USM」、「EF70-200mm F2.8L IS II USM」の3つで、合計金額は実勢価格で60万円近くになります。
なお、キヤノンEFマウントのレンズはフルサイズ専用の「EFレンズ」とAPS-Cサイズ専用の「EF-Sレンズ」に分かれています。なお、大三元レンズはすべてEFレンズです。なお、本体のセンサーサイズがフルサイズでもAPS-Cでも大三元レンズは使えます。ただし、後者の場合だと実質的な焦点距離が1.6倍になるのでご注意ください。
ニコン
ニコンの大三元レンズは「AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」、「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR」、「AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VRII」の3つで、合計金額は実勢価格で60万円近くになります。
なお、ニコンFマウントのレンズはフルサイズ専用の「FXフォーマット」とAPS-Cサイズ専用の「DXフォーマット」に分かれています。なお、大三元レンズはすべてFX用のレンズです。なお、本体のセンサーサイズがフルサイズの場合でもAPS-Cの場合でも大三元レンズは使えます。ただし、写る範囲が異なるのでご注意ください。
キヤノンの大三元レンズ
キヤノン(Canon) 広角ズームレンズ EF16-35mm F2.8 L III USM
キヤノン大三元レンズの一角を担う広角レンズで、きれいなボケを出しながらも広大な写真を撮ることができます。従来モデルと比べると写真の中心だけでなく、周辺部まで非常に鮮明な高画質を表現できるのが魅力です。なお、手振れ補正機能がついていないという点は購入前に留意しておきましょう。
キヤノン(Canon) 標準ズームレンズ EF24-70mm F2.8L II USM
キヤノン大三元のメインを担う標準ズームレンズ。24-70mmという焦点距離は人物から風景まで幅広く対応でき、汎用性の高さがポイントです。画質の高さはもちろん、耐久性の高さも追及されているのが特長。写真の歪みを取り除く「非球面レンズ」が3枚、色にじみを取り除く「UDレンズ」が2枚採用されており、ズームと画面全域両方で高画質の写真を撮ること可能です。
各社のF2.8標準ズームレンズの中では小型かつ軽量なモデルで、解像度はトップクラス。しっかりとレンズを絞れば、ピントが合っている部分だけでなく、その周囲もパリッとした写真に仕上がります。
キヤノン(Canon) 望遠ズームレンズ EF70-200mm F2.8L IS II USM
最大200mmまで焦点距離をカバーする望遠ズームレンズ。これ1本あれば風景をはじめ、遠くにいる被写体の撮影も可能です。なお、望遠レンズにもかかわらず、F値の2.8という明るさは大きな魅力。
屋外使用を想定しているため、水やホコリの侵入を防ぐ高い防塵・防滴性能も備えており、屋外でも気にすることなく使うことができます。高精度の手振れ補正機能に加え、超音波モーターで素早いピント合わせにも対応する一方、静音性も良好です。
ニコンの大三元レンズ
ニコン(Nikon) 超広角ズームレンズ AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
ニコンの大三元を担う超広角ズームレンズ。新規光学設計、EDレンズと複合型非球面レンズ、大口径のガラスモールド非球面レンズ(PGM)が採用されているため、高い解像力と優れた収差補正バランスのある写真を撮ることができます。
モーターにはSWM駆動方式の超音波モーターが採用され、高速で静かなピント合わせが可能なのも魅力。レンズ重量は1000gとかなり重めですが、その分迫力ある写真が撮れます。
ニコン(Nikon) 標準ズームレンズAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR
VR機構が搭載されたフルサイズ対応の高級標準ズームレンズ。2015年にリニューアルし、より高い光学性能のレンズとなりました。電磁絞り機構が搭載により、安定性がアップした露出制御が高速連続撮影をサポート。プロによるハードな使用にも耐えうる高い堅牢性と耐久性、耐衝撃性をもっているので、汎用性の高いハイエンドクラスのレンズです。
とはいえ、レンズが長めで中望遠レンズ並みであることには注意。小さなカメラバックでは収まり切らないこともあるので、持ち運ぶ際には考慮しましょう。
ニコン(Nikon) 望遠ズームレンズ AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR
ニコンの大三元の望遠を担うズームレンズ。鏡筒の可動箇所をはじめさまざまな部分にシーリングを施されているので、ホコリや雨がしっかりガードできます。レンズにはフッ素コートが施されており、汚れにも非常に強いのが特長です。VR機構にはスポーツモードを搭載し、写真のみならず動画撮影にもおすすめ。
大三元レンズは一眼レフ好きな方にとっては憧れです。購入予算が許容範囲なら、ぜひその性能を体感してみてください。大三元レンズを手にした際には徹底的に使い倒して、風景やポートレート、スナップ、動きモノなど、さまざまな撮影を経験して大三元レンズ見合うカメラテクニックを磨いてください。