山奥の大自然でヤマメやイワナなどを釣る「渓流釣り」。エサ・テンカラ・フライなどさまざまなアプローチ方法がありますが、なかでもスプーンやスピナー、ミノーで釣る「渓流ルアー釣り」にはゲーム性が高く、リアクションバイトをいかに誘うかがキーになります。
そこで今回は渓流ルアーのおすすめをご紹介。選び方についても解説するので、トライしてみたい方はもちろん、改めて理解を深めたい方もぜひチェックしてみてください。
渓流ルアーとは?

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「渓流ルアー」とは名前の通り、渓流にいる魚を釣るためのルアー。トラウトルアーとほぼ同義ですが、トラウトルアーが管理釣り場(管釣り)で使う「エリアトラウト」用と、清流や渓流など自然フィールドで天然のトラウトを狙う「ネイティブトラウト」用とに分かれているのに対し、渓流ルアーにはそういった項目分けはありません。
対象魚はヤマメ・イワナ・アマゴなど。ルアーのタイプとしてはフラッシングで誘うスプーンや波動で誘うスピナー、小さなミノーが定番です。バイトとしてはリアクションの要素が高め。捕食を促すエサやテンカラなどに反応しないときでもバイトが期待できるのが渓流ルアーの特徴です。
渓流ルアーの選び方
種類で選ぶ
ミノー

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「ミノー」とは小魚をイミテートしたリップ付きのルアーのこと。渓流ルアーで狙う魚はそれほど大きくはなく、通すコースも狭いので、比較的小さめのモデルを使います。
水面に浮くフローティングや中層にとどまるサスペンド、沈むシンキングなどのタイプに分かれていますが、主流はシンキング。ウエイトがある分、小さくても飛距離が稼げるほか、キャスタビリティが高いのもポイントです。サイズとしては50mmが基準となるので、そうした点もおさえておきましょう。
スプーン

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「スプーン」とは小さな金属片のこと。ルアー全体における元祖で、キラキラするフラッシングやヒラヒラとした動きによってバイトを誘います。捕食はもちろん、反射で口を使わせることも可能。リーリングが基本です。
基本的な形としては楕円形を採用。なお、渓流ルアーとしてはあまり使われませんが、最近の管釣り(エリアトラウト)のボトム攻略では極小の金属片や真円などの豆スプーンと呼ばれるアイテムも使われます。気になる方はチェックしておきましょう。
スピナー

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「スピナー」とは、回転を意味する「スピン」の名詞形で、ブレード回転の誘うのが特徴です。ラインアイから線が1本伸びているほか、ビーズなどのフラッシング効果が期待できる装飾が付いています。
動きの特性上、糸絡みに配慮しているのもポイント。種類としてはブレードの固定にクレビスというパーツを使っているタイプ、ブレードを直接シャフトに装着するインラインタイプ、通常のブレードとフックのセットにミノーと組み合わせた製品などがあります。
なお、ルアーとしては瀬で強いのが魅力。巻き抵抗があるので、スピード調節の手応えが感じやすく、クイックにもスローにも誘えます。
時期で選ぶ

渓流釣りはほかの釣りと異なり、自然保護の観点から禁漁期間があります。釣りが可能な時期は河川によって異なりますが、おおむね3〜9月が解禁期間。釣りのピークは雪解け水(雪代)の影響がなくなる5〜6月がベストシーズンといわれています。
時期としてのルアー選びにはそれほど差異はなく、魚が上を意識していればフローティングミノーや浮き抵抗のあるスピナー、中層であればスプーン、底を意識する場合はシンキングミノーがおすすめです。
なお、ルアーを問わずシーズンの序盤はゆっくりと長く見せることが重要。終盤にかけては見切られることが多いので、騙し通せる早めのリトリーブスピードが釣果に繋がります。秋になればなるほど釣れるタイミングがシビアになってくるので、その点は留意しておきましょう。
カラーで選ぶ

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ルアーにはさまざまなカラーがありますが、渓流ルアーでベースとなるのがシルバー系、ゴールド系、ホワイト(パール)系の3つ。シルバー系はフラッシング効果の高い色合い、ゴールドは濁りなどでも目立つカラー、ホワイト系はややフラッシングを嫌っているときに効果を発揮します。
特に初心者の方は背中の色を確認しておくことが重要。ヤマメは縄張り意識でアタックしてくるヤマメカラー、イワナはチャートや黄緑色を好むなど、ある程度傾向があります。また、渓流は水質がよいので、アングラー側からすると背中のカラーが目立つことによって視認性が高まります。ルアーのカラーは操作性にも関わってくるので、ぜひ意識しておきましょう。
重さで選ぶ

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渓流の魚は警戒心が強いので、フィールドに立った際はいきなり近寄らず、狙うポイントから十分な距離をとってルアーをキャストするのが重要。当然ルアーは重たければ重たいほどよく飛び、よく沈むので、使い勝手はアップします。
一方で、ルアーのウエイトアップを図るとルアーサイズも大きくなり、喰わせ切れない場合もあるので注意が必要。なお、軽くなればなるほど浮きやすくなり、浅いレンジしか引けなくなるので、その点も意識しておきましょう。
渓流ルアーのおすすめ|ミノー
イトウクラフト(ITO CRAFT) ボウイ 42S

トラウトフィッシングに精通している「イトウクラフト」の渓流ルアー。「へ」の字、ないし「く」の字のボディラインを描いたミノーで、やや体高があるデザインです。
使い方としてはただ巻きのほか、トゥイッチやポーズを織り交ぜるのもおすすめ。素材はバルサを使っていますが、タイプとしてはシンキングで、サイズは42mm、ウエイトは2.8g、フックはトレブルフックの#12が付いています。
ウィルダネス(Wilderness) ホーキミノー 50s
作り手のこだわりが感じられる「ウィルダネス」の渓流ルアー。タイプとしてはシンキングミノーで、大きめのダートで魚の本能を刺激します。
ネーミングの「ホーキ」は、鳥取の伯耆大山(ほうきだいせん)が由来。開発にあたってはそれらのフィールドで釣り込まれ、耐久性に配慮されているのも魅力です。サイズは50mm、ウエイトは5g。カラーは8色をラインナップしています。
スミス(SMITH) D-コンタクト
渓流ルアーとして定番のシンキングタイプのミノー。比重18のタングステンウエイトを内蔵した、やや後方重心のモデルでしっかりと飛距離が出るモデルです。
また、より深場が攻めやすいのもおすすめポイント。ロッド操作に対するレスポンスもよく、特にジャーキングで誘うと、くねるような魅惑のスライドアクションでバイトを引き出せます。
パームス(Palms) アレキサンドラ
攻めの釣りを展開したい方におすすめの渓流ルアー。フラットサイドボディを採用したシンキングタイプのミノーで、ピンスポットでもしっかりと魚にアピールできます。
トゥイッチを入れるとキレのあるイレギュラーアクションで、魚を誘い出せるのがポイント。リップは薄めを採用しており、立ち上がりのよさも魅力です。
パームス(Palms) ベアトリス BT-45S

ジョイントタイプのシンキングミノー。フロントボディに固定重心のウエイトがあるほか、リアボディが抵抗となって、トゥイッチを入れると魅力的にヒラを打つのが特徴です。
サイズは45mmで、重さは2.9g。やや軽めですが、流れに乗せるドリフトも効果的なので、ロッドワークに反応がない場合はぜひ試してみてください。
デュオ(DUO) スピアヘッドリュウキ 50S

汎用性の高いシンキングミノーです。本製品はラインナップが豊富な「スピアヘッドリュウキ」シリーズのなかでもスタンダートなモデル。サイズは50mm、ウエイトは4.5g、フックはトレブルフックの#12が付いています。
しっかりと泳ぐ点に加えて、ロッドアクションに対するレスポンスも良好。キャスト時の姿勢が安定しているので、距離が稼げるのも魅力のひとつです。
ティムコ(TIEMCO) イメル 50S

背中部分に丸みを帯びたシンキングミノー。渓流ルアー全体としては浮力が十分にあり、50mm、4.3gというサイズ感ながらキビキビと動くのが特徴です。
「イメル」とはアイヌ語で稲光や雷という意味。ただ巻きはもちろん、ロッドアクションによるレスポンスもよいので、トゥイッチでヒラを打たせたり、シェイキングで小刻みに誘ったりするのもおすすめです。
ティムコ(TIEMCO) ラクス 50S

背中の盛り上がりが大きいシンキングミノー。渓流ルアーのなかでもアピール力が高く、捕食を促すほか、魚にスイッチを入れてリアクションバイトを狙えます。
リトリーブに緩急をつけたストップ&ゴーや強くトゥイッチによる左右へのダートで誘うのがおすすめ。また、フォール時にヒラヒラと落ちる「シミーフォール」も注目ポイントです。
メガバス(Megabass) グレートハンティング 45 フラットサイド

高品質なクオリティのルアーを数多くラインナップしている「メガバス」の渓流ルアー。フラットサイドボディを採用したミノーで、ロールはハイピッチと高い明滅効果が期待できるのが特徴です。
タイプとしてはフローティングの1.7gとファストシンキングの2.9gを用意。レングスは45mmで共通しています。リアルなカラーラインナップもおすすめポイントなので、ぜひチェックしておきましょう。
アムズデザイン(AMS Design) アイマ イッセン S

アップクロスへのキャストに特化して作られたシンキングミノー。レングスは45mm、ウエイトは3.7gとコンパクトサイズですが、遠投性が高く、手返しよくルアーを送り込めるのが特徴です。
フックはオーナーばり・カルティバのシングルフック「SBL-55M」の#10をセット。バーブレス仕様となっているので、その点はおさえておきましょう。
ジャクソン(Jackson) メテオーラ

信頼度の高いシンキングミノー。ラインナップとしては52mm・5g、63mm・7.5g、80mm・15.5gと3サイズあり、渓流ルアーとしてはまず52mmから試すのがおすすめです。
低重心のウエイトバランスを採用しており、動きが安定しているのが特徴。フラットサイドボディとも相まって、トゥイッチなどのロッドアクションを加えると口を使わせられます。使い勝手のよいオーソドックなスタイプなので、ぜひチェックしておきましょう。
ラパラ(Rapala) カウントダウン CD5

ロングセラーモデルのシンキングミノー。豊富なラインナップが揃う「ラパラ」の名作ルアーとして知られており、渓流ルアー専用ではありませんが、実績が高いのが特徴です。
バルサを採用し、キビキビとしたアクションが持ち味。本製品は5cm・5gの「CD5」ですが、ひとまわり小さい3cm・4gの「CD3」やひとまわり大きい7cm・8gの「CD7」も渓流ルアーとしてはおすすめです。
ラパラ(Rapala) オリジナルフローター F5

バルサ素材のボディによってなまめかしく泳ぐフローティングミノー。渓流ルアーのミノーは、ターゲットがボトムに執着している場合が多いのでシンキングのラインナップが豊富ですが、魚が上を意識しているときや夏場に効果を発揮します。
本製品は5cm・3gの「F5」ですが、ひとまわり小さい3cm・2gの「F3」やひとまわり大きい7cm・4gの「F7」も候補。ただし、いずれも同サイズのシンキングミノーと比べて軽く、飛距離が稼げないので、その点は注意しておきましょう。
ダイワ(Daiwa) シルバークリークミノー

オーソドックスな渓流ルアー。タイプとしてはシンキングミノーで、安定感のある飛行姿勢から生まれる遠投性、ロッド操作に対して的確に動くレスポンスのよさ、またそれに関係するリアクション要素の高さなど、トータルバランスに優れています。
カラーラインナップが豊富なほか、アルミフィニッシュによって艶やかさをまとっているのもポイント。単品購入はもちろん、色違いで買い揃えるのもおすすめです。
ダイワ(Daiwa) ドクターミノー ジョイント

ジョイントボディとワイドリップが特徴の渓流ミノー。流れの強弱を問わずしっかりと泳ぐのが特徴で、高速リトリーブからデッドスローにまで対応できるのが魅力です。
タイプとしては50mm・2.5gのフローティング「5F」と50mm・3.0gのシンキング「5S」の2種類。後者は赤目仕様となっているので、購入する際はしっかりと確認しておきましょう。
バスデイ(Bassday) シュガーミノー ボトムトゥイッチャー

リップの形状やラインアイの位置が独特なシンキングミノー。ただ巻きではタイトなウォブリングですが、製品名の通りボトムトレースによるトゥイッチでバイトを誘発できます。
メインウエイトは高比重のタングステン「MZ-19」を搭載しており、飛距離がしっかりと出るのもポイント。渓流ルアーとしては42mm・3.7gの「42ES」、50mm・5.7gの「50ES」、62mm・8.0gの「62ES」が候補になります。
渓流ルアーのおすすめ|スプーン
ダイワ(Daiwa) レーザーチヌークS

渓流ルアーのスプーンのなかでもロングセラーモデルとして知られる「チヌークS」。なかでも本製品はレーザーホログラム仕様で、高いフラッシング効果が期待できます。
種類としては35mm・4.5gのほか、53mmには7.0gと10gとがあり、サイズ×ウエイトのラインナップが豊富。フック有りのタイプはオーナーばり・カルティバのシングルフックが付きます。
スミス(SMITH) ピュアシェルII

同社のスプーン「ピュア」に高いフラッシング効果が期待できる天然のアワビシートを貼った渓流ルアー。本製品の「ピュアシェルII」はメキシコアワビを使用しています。
ウエイトのラインナップは3.5g・5g・6.5g・9.5gの4種類。なお、同シリーズには独特な輝きを放つ「ピュア日本アワビ」もあり、こちらは3.5g・5gの2種類があります。
スミス(SMITH) ドロップダイヤ

本体の表面にダイヤカットを施したスプーン。乱反射によるフラッシング効果が高く、しっかりとバイトを誘発できるのが特徴です。
動きとしての振れ幅はやや小さく、細かいピッチで誘うのもポイント。渓流ルアーとしては29mm・3g、36mm・4g、42mm・5.5gあたりが候補になります。なお、管釣り(エリアトラウト)のレギュレーションに合えば25mm・1.8gも選択肢となるので、気になる方はチェックしておきましょう。
ティムコ(TIEMCO) ライトニングウォブラー

ヘッドからテールに向けて徐々に厚くテーパーさせる「テーパーブレードデザイン」を採用したスプーン。テール寄りの重心バランスによって飛行姿勢は安定、さらにわずかな水流でもしっかりとアクションするのが特徴です。
動きとしてはキビキビとしたウォブリングアクションが持ち味。高速リトリーブでもデッドスローでもバイトを誘発できます。サイズ・ウエイト・カラーなどのラインナップが豊富なので、そうした点も注目しておきましょう。
ツララ(TULALA) トレモロスプーン

やや細長い楕円形状をしたスプーン。ルアーの揺らぎのピッチを追求しているのが特徴で、通常のリーリングのほか、リフト&フォールでも魚を寄せられます。
ストライクの幅が広く、ピックアップ直前までバイトチャンスが長いのもポイント。ウエイトは11g、カラーは12パターンをラインナップしています。
フォレスト(FOREST) ネイティブ アワビ

知る人ぞ知るおすすめの渓流ルアー。タイプとしてはオーソドックスなスプーンで、なかでも本製品はネイティブトラウトに効果的といわれるアワビカラーがラインナップされています。
ウエイトとしては2.8g・3.5g・4.2gが候補。場所によっては肉厚でややウエイトのある7gも選択肢となります。渓流はもちろん、本流や湖などでも使いたい方はぜひチェックしておきましょう。
渓流ルアーのおすすめ|スピナー
ダイワ(Daiwa) シルバークリーク スピナー

立ち上がりの早さと糸ヨレの少なさが特徴のスピナー。使い勝手のよいクレビスタイプで、基本性能をしっかりと網羅しているのが魅力のアイテムです。
ウエイトは2g・3g・4g・6gの4種類で、いずれもフックは#12のブラックトレブルを採用。ラインナップとして11パターンを用意しているのもおすすめポイントです。
ダイワ(Daiwa) ブレットン

長年多くのアングラーが愛用しているおすすめのスピナー。フランス生まれの渓流ルアーとして知られており、ダイワは輸入販売を担っています。
クレビスタイプで、ティアドロップ型のブレードを採用。しっかりと水を掴むので、高速巻きからスローリトリーブまでしっかりと対応できるのも魅力です。
スミス(SMITH) ARスピナー トラウトモデル

バスフィッシングやトラウトフィッシングに大きな功績を残した本山博之氏プロデュースのスピナー。インラインタイプで、回転性能が高いのが特徴です。
低重心のティアドロップ型ボディを採用しており、一定のスピードで巻きやすいのもポイント。ロッドワークに対するレスポンスもよく、トゥイッチによる左右のスライドも効果的です。シリーズとしてはサイズラインナップも豊富なので、ぜひチェックしておきましょう。
スミス(SMITH) ニアキス

フィッシュボディを採用したおすすめのスピナー。ウィローブレードの回転とリアルなフォルムが相まって、より積極果敢なバイトを誘発できます。
シャフト自体にスイベル構造を持たせた「ローリングスイベル一体型シャフト」を使用しており、糸ヨレに配慮。ボディカラー・ブレードカラーのパターンが豊富なので、さまざまなバリーションから選べるのも魅力です。
ジャクソン(Jackson) エディ

フィッシュボディとコロラドブレードの組み合わせを採用したスピナー。ブレードの回転を3つの平面で構成された非対称偏平ボディで安定させることで、糸ヨレを軽減できるのが特徴です。
また、シャフトがボディにインサート成形されているのもポイント。動きに一体感があり、しっかりとバイトを誘発できます。ウエイトのラインナップは3gと5gを用意。ピンスポットで活躍するおすすめの渓流ルアーです。
渓流ルアー釣りは斜め上流に投げる「アップストリーム」、正面にキャストする「クロスストリーム」、下流方向へ斜めに投げる「ダウンストリーム」があります。なかでも基本となるのが「アップストリーム」。流れに乗せることで水馴染みがよく、深場も攻めやすいのがその理由です。一方、流れてくるエサを待ち伏せしている場合はトレースコースの湾曲を意識。ターゲットにルアーを追わせることをイメージしてリトリーブするのが重要です。ぜひ試してみてください。