登山やトレッキングといったアウトドアシーンであると便利なのが「方位磁石」。古くから使われているアイテムですが、正確な方位を即座に測定し、目的地の方角を調べたり、目標物の方角から自分の現在地を調べたりと、さまざまな情報を得るのに役立ちます。

そこで今回はおすすめの方位磁石をご紹介。一見どれも似たり寄ったりですが細かい部分に違いがあるので、必要とされている方はぜひしっかりチェックしてみてください。

方位磁石とは?

方位磁石とは磁石の作用を利用して方位を調べる道具。方位磁石のN極は北を指し、S極は南を指すため、使用地点における東西南北の方角を調べられます。

方位磁石はかつてから地図と共に進むべき方向を示す旅の必需品として用いられてきました。現在ではより使いやすく改良されたモノが開発されており、登山などのアウトドアシーンで活用されています。

方位磁石の仕組み

方位磁石はN極とS極がひとつずつ現れる磁石を自由に回転できるよう取り付けた道具です。磁石に、N極とS極は引き合い、同じ極同士は反発し合う性質があります。

地球には地磁気と呼ばれる磁界があり、北極点付近にS極、南極点付近にN極の磁極があります。磁石のN極は北のS極に引きつけられるので、この性質を利用して方位磁石は北と南を示しています。

方位磁石と方位磁針の違い

「方位磁石」と「方位磁針」は同じような意味合いで使われることの多い名称です。2つの名称は一般化された定義がある訳ではなく、厳密な違いはありません。

広い意味で磁石を用いて方位を調べる道具を「方位磁石」と呼び、内部の磁石が針の形状であるモノないし円板状など他の形状を取っているモノを「方位磁針」と呼びます。なお、他にも「コンパス」や「羅針盤」などの呼び方をする場合もあるほか、現在では磁石を使用しないデジタル式のアイテムも販売されています。

方位磁石の選び方

形で選ぶ

一般的な方位磁石

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一般に方位磁石として多くの方がイメージするシンプルな構造のタイプ。リーズナブルで入手しやすく、コンパクトなので持ち歩きやすいのが特徴です。

なお、製品の精度としてはベースプレートコンパスやレンザティックコンパスと比べるとやや落ちます。より厳しい環境下で使用する場合は注意しておきましょう。

ベースプレートコンパス

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別名「マップ用コンパス」とも呼ばれ、登山やトレッキングによく使用されるタイプです。定規のように目盛りが書かれた透明の台座に方位磁石が取り付けられています。

方位磁石に「カプセルリング」と呼ばれる360°の目盛りが書かれたリングが付いており、目的地の方角を正確に測ることが可能。台座が透明なので、地図の上に置いて方角を調べたり、台座の目盛りを用いて目的地との距離を測ったりと、いろいろな使い方ができるのもポイントです。

レンザティックコンパス

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元々軍隊用として使用されていた本格仕様のタイプであり、現在ではアウトドアでも広く使われています。方位磁石の蓋に開けられた穴から目標物を覗き込むことで、目標物の正確な方位を計測可能。方位の目盛りが細かく精密に書かれており、付属の拡大レンズを使って読み取ります。

上級者向けのタイプで、使用にはやや慣れが必要。精度の高い情報を必要とする場合に用いたいタイプの方位磁石です。

種類で選ぶ

ドライ式

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もっとも一般的な目にする機会の多い方位磁石です。磁石の針が容器の中央にピンで留められ宙に浮いているので、自由に回転しN極が北を指す仕組み。比較的リーズナブルで入手しやすいのがメリットです。

同じく磁石を利用した液体式は寒冷地で使えないモノもあるため、外気温によらず使えるのもドライ式の長所。ただし、針がブレやすく精度が下がるというデメリットがあります。

液体式

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方位磁石の容器の内部を水などの液体で充填している方位磁石です。多くの製品でオイルが使われているので「オイル式」と呼ぶこともあります。液体を充填することで磁石のブレを抑えて動作を安定させ、方位を読み取りやすくしているのが特徴です。

即座に精度の高い情報が必要とされる登山などアウトドアでの使用におすすめ。ただし、充填されている液体が温度によって変質してしまうことから、多くの製品では使用温度範囲が決められています。特に、寒冷地で使用する際は前もって使用温度範囲を確認しておきましょう。

デジタル式

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磁石ではなく内蔵センサーで地磁気を検知し方位を示すタイプです。デジタル表示なので視認性が高く、方位を簡単に調べられるのが魅力。デジタル式は方位磁石としての機能以外にも温度計や高度計などを搭載しているモデルが多く、機能の豊富さもメリットです。なお、デジタル式は電池が切れると使えなくなるので、その点は注意しておきましょう。

目的で選ぶ

登山

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登山用に地図と併せて方位磁石を使うなら、ベースプレートコンパスがおすすめです。台座が透明なので、地図の上に乗せて目的地の方角や距離などを調べるのに適しています。

本格的な登山を行うなら軍隊仕様のレンザティックコンパスも候補。東西南北の方角はもちろん、目標物の正確な方角を調べられるので自分の現在地を把握するのに役立ちます。

方位磁石の種類としては「液体式」が視認性も高くておすすめ。特に難度の高い登山を行う場合は正確な方位情報を知る必要があるため、ドライ式より液体式を選ぶのがベターです。オイル式は使用温度範囲があるので、購入前にしっかりチェックしましょう。

比較的平坦な登山であれば、デジタル式も十分。電池切れのリスクはありますが、温度計や高度計、気圧計などの機能を搭載しているモデルが多いので、1台でさまざまなデータを取得できるので便利です。

方位磁石のおすすめメーカー

スント(SUUNTO)

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「スント」は1936年にフィンランドで誕生した精密機器メーカー。オリエンテーリング選手であったトーマス・ヴォホロネンが、レースに用いられるドライ式方位磁石の測定精度を向上させるべく、研究開発を行ったのが始まりです。

ヴォホロネンは世界で初めて液体式方位磁石を発明し、以来スントは優れた方位磁石を数多く生み出してきました。スントの方位磁石は軍隊やダイビング、登山、アウトドアなどの幅広いシーンで使われてきた長い歴史があり、それらの用途に特におすすめのアイテム。優れた機能性と用途別の多彩なラインナップが魅力のメーカーです。

YCM

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「YCM」は日本の方位磁石専門メーカー。大正14年に真鍮製の方位磁石を製造したことが始まりで、現在はさまざまなタイプの方位磁石をバリエーション豊かに開発しています。

YCMの方位磁石は自衛隊や測量関連の分野などで多く用いられており、高い品質が魅力。用途に合わせた豊富なラインナップがあるので、自分に適したモデルを見つけられます。歴史ある信頼の国内メーカーです。

方位磁石のおすすめ

スント(SUUNTO) A-30 NH Metric Compass SS012095013

登山やトレッキングにおすすめの方位磁石です。地図と併用しやすいベースプレートコンパスで、地図の細かな文字を読むのに便利な拡大レンズも搭載しています。

透明の台座にはマーキングホールが設けられており、方角を確認しながら容易に地図のマーキングが可能。液体式なので針の動作が安定しており、角度の目盛り部分に施された蛍光マーキングによって暗がりでも視認性のよいモデルです。

付属のストラップによって方位磁石を首にかけて携行でき、地図と共に使用する際はスナップロック機能で方位磁石だけを取り外せて便利。使用温度範囲は-30〜60℃で、登山を含む多くのアウトドアシーンで使えます。

スント(SUUNTO) MC-2 NH Mirror Compass SS004231001

スントのレンザティックコンパスです。本格的なハイキングを楽しむために設計されたモデルで、正確な方位を測るための照準穴を搭載。蓋の裏側がミラーになっており、非常時には救難信号を送るのに使えます。

液体式なので針の動作が安定しているのもメリットです。使用温度範囲が-30〜60℃と幅広く、さまざまなシーンで使用可能。方位の目盛り部分は蛍光マーキングが施されているため、暗がりでも方位を確認できます。

透明な台座には定規の目盛りが記されており、ベースプレートコンパスに近い使い方も可能。台座には拡大レンズを搭載しており、地図を見る際に便利です。また、登山で役立つ傾斜計が付いているのも魅力。自分が登っている斜面の傾斜を随時確認できます。

ストラップ付きで首にかけて持ち運べる携行性のよさもポイント。高い機能性を持つ方位磁石なので、本格的な登山におすすめです。

スント(SUUNTO) CLIPPER L/B NH Compass SS004102011

携行性に優れた人気の方位磁石。クリップで腕時計のベルトやリュックサックのベルト、マップなどに留めておけるのが特徴です。針の指す方角が読み取りやすい液体式で、基本方位を蛍光インクで印刷しています。

方位は10°刻みでベゼルに記されており、ベゼルは回転できるのでさまざまな方位計測が可能。使用温度範囲は-35〜60℃で、幅広いシーンで使用できます。また、水圧の影響を受けず耐水設計なのもポイントです。

YCM オリエンテーリングコンパス Type6

YCMの方位磁石です。ベースプレートコンパスタイプで台座が透明なため、地図を読みながら方位を見ることが可能。針に強磁性体の特殊鋼を使用しており、摩擦抵抗の小さい人工石軸受けを採用しているので、方位誤差がなく針がスムーズに動くのがポイントです。

台に3×4cmの大きな拡大レンズを搭載している点も特徴。3倍の倍率で地図を確認できて便利です。台座は定規としても使用でき、トップにセンチスケール、左辺に2万5千分の1の縮尺スケール、右辺にマイルスケールを記してあるので、さまざまな地図に対応できます。ストラップが付属しており携行性も良好。ベースプレートコンパスの定番モデルです。

YCM レンザティックコンパス NO.9000L

高い機能性を持つ人気のレンザティックコンパス。この方位磁石は陸上自衛隊でも採用されているハイスペックなモデルで、目標物に対し正確に標準を合わせるための覗き穴と方位の細かな目盛りを確実に読み取るための小型レンズを搭載しており、精度の高い方位測定ができるのが特徴です。

山道で迷った際もすぐに自分の現在地を調べられるのでアウトドアにおすすめ。液体式で安定した計測ができるのもメリットです。使用温度範囲は-20〜50℃と広く、さまざまなシーンで活躍します。

ミリタリーテイストの機能的なデザインも魅力。軍隊仕様の高性能な方位磁石を探している方は、ぜひチェックしてみてください。

YCM ポケットコンパス NO.880

シンプルで扱いやすい方位磁石です。カプセルが透明なので、そのまま地図に置いて方位を見られる利便性が魅力。軽い登山やハイキングなどのアウトドアに愛用者の多い製品です。

カプセルにオイルを充填した液体式で、正確な方位測定が可能。方位の目盛りを記したリングは回転可能で、応用してさまざまな計測が出来ます。付属のストラップで容易に携行できるのもポイントです。

シルバ(SILVA) No.3 Black ECH137

複数の軍隊で正式採用されているシルバの方位磁石。精度のよさと耐久性の高さから世界中に愛用者がいます。方位の目盛り部分にブラックカラーのリングを採用しており、視認性に優れているのが特徴です。

リングは回転できるため、地図と併用して正しい進行方向を調べることが可能。液体式で針の動作が安定しており、-40〜60℃の幅広い気温下で使えるので汎用性が高いのも魅力です。

透明の土台に拡大レンズを搭載しているのもポイント。高性能なベースプレートコンパスを探している方におすすめのモデルです。

ケンコー(kenko) 蓄光コンパス KC-03

シンプルな形状の方位磁石です。液体式で針がブレにくく動作が安定しており、正確な方位測定が可能。使用温度範囲は-20〜50℃と、幅広いシーンをカバーしているため安心して使えます。蓄光タイプなので暗がりでも視認しやすいモデルです。

余分な機能を省き、方位測定に特化した製品。価格がリーズナブルなので試しに方位磁石を使ってみたいという方にもおすすめです。

ラドウェザー(LAD WEATHER) SENSOR MASTER IV lad036

アウトドアウォッチの人気ブランドであるラドウェザーのアイテム。カラビナ付きで便利に携行できるのが特徴です。

方位磁石としての機能以外に、高度計や気圧計、時刻表示、天気予測、温度計、湿度計の機能も搭載されています。手軽にさまざまなエリア情報を入手できるので便利なモデルです。