滑落や落石の多い山岳地帯での登山用ヘルメットの着用は必須です。登山用ヘルメットというと安全対策というイメージを強いですが、近年ではおしゃれなデザインかつ軽くて被り心地のよいヘルメットも増えてきています。
そこで今回は、登山用ヘルメットのおすすめモデルをメーカーごとに紹介。選び方も合わせて解説しますので、ぜひチェックしてみてください。
登山用ヘルメットって必要?
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登山用ヘルメットの役割は、登山中の滑落や落石が発生した際に頭部を守ること。長野県では日本アルプスの一部の山岳地域を「山岳ヘルメット着用奨励山域」に指定し、登山者に対して登山用ヘルメットの着用を呼びかけています。
険しい山を登る本格的な登山ではない場合も、しっかりと危険に備えておくことが大事。登山にお出かけの際はできるだけ登山用ヘルメットの着用をおすすめします。
登山用ヘルメットの選び方
安全規格で選ぶ
登山用ヘルメットには、一定の基準を満たした製品に認定される安全規格があります。これは、ヨーロッパ独自の「EN12492」と、国際山岳連盟の「UIAA」の2種類。
前者の規格を満たした製品には、「CE」マークの横にEN12492の文字が添えられています。一方、後者のマークは山の絵の中にUIAAの文字が目印です。登山用品店で販売されている登山用ヘルメットは、これらふたつのいずれか、もしくは両方の規格を満たしています。
重量で選ぶ
登山用ヘルメットを選ぶ上では、重量も非常に重要。ヘルメット持参が必須の山岳地帯に行かれる場合には、テントや寝袋、食料など多くの荷物をザックに入れる必要があります。ですから、ヘルメットの重量は少しでも軽くしたいところ。
もちろん軽ければよいというわけではありませんが、300gを切る重量がひとつの目安です。ただし、本格登山用のヘルメットは耐久性が高い分、当然重くなりますのでスペックとのバランスで選ぶ必要があります。
通気性で選ぶ
夏場の登山であれば、通気性の確保も重視したいところです。もちろん夏場に限らず登山中は汗をかきやすいので、通気口の数や内側の素材などをチェックしましょう。
フィット感で選ぶ
頭のサイズにフィットしないヘルメットを被ってしまうと、登山中にヘルメットがズレて、カバーすべき頭部を守れなくなります。また、あまりにもヘルメットのサイズが小さすぎると、長時間被っている間にストレスとなり、快適に登山を楽しめません。
種類(構造)で選ぶ
登山用ヘルメットの種類は、大きく分けて「ハイブリッド」と「インモールド」の2種類です。ハイブリッドとは、内側に衝撃吸収用として発泡ポリスチレン素材を配置し、外側にABS樹脂のような硬い合成樹脂素材を使用しているもの。工事現場や工場で作業者が被っているヘルメットに近いイメージです。
一方、インモールドとは、内側はハイブリッドと同様発泡ポリスチレンですが、外側に耐衝撃性の高いポリカーボネート素材を使用しています。
ハイブリッドは耐久性が高いうえにリーズナブルな価格で購入できますが、インモールドと比較すると重量があります。インモールドは、ハイブリッドと比較してやや高価であるものの、通気性がよく軽量で頭へのフィット感もあるのが特長です。
折りたたみ可能かどうかで選ぶ
ヘルメットというと、どうしてもかさばってしまうイメージがあるかと思いますが、実際のところ、多くの登山者の方もヘルメットをザックの外に引っ掛けて持ち運んでいます。しかし、ヘルメットがザックの外にあると枝や草などに引っかかって転倒するリスクにもつながりかねません。
持ち運びのしやすさで選ぶなら、折りたたみが可能な登山用ヘルメットがおすすめ。ザックの中にコンパクトに収納できるため、非着用時もかさばりません。折りたたみ可能なヘルメットはまだ種類が限られていますが、選び方のひとつとして考慮しておきましょう。
登山用ヘルメットのおすすめメーカー
マムート
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スイス発祥のアウトドアブランド「マムート」。機能面で優れているだけでなく、誰もが目を引くデザインが魅力的です。ハイブリッドとインモールドを限定せず、幅広いラインナップを揃えている点も特長。価格もリーズナブルなので、登山初心者の方にもおすすめです。
ブラックダイヤモンド
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アメリカに本社を置く登山用品メーカー「ブラックダイヤモンド」。ハイブリッドとインモールド両方のヘルメットを用意しており、価格もリーズナブルなモノからハイエンド向けまで幅広いラインナップがあります。カラーバリエーションが豊富なのもポイント。初めての登山用ヘルメットにもおすすめです。
エーデルリッド
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ドイツの登山用品メーカー「エーデルリッド」。同メーカーの登山用ヘルメットの特長はデザイン性の高さです。カラーバリエーションの豊富さや個性的なデザインも注目ポイント。ハイブリッドとインモールド両方のラインナップがあります。
ミレー
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ロッククライミング用品が発祥のアウトドアブランド「ミレー」。現在は一般向けの登山用として優れた機能を持つヘルメットも取り扱っています。機能面だけでなく、曲線美を帯びたデザインも特徴で、おしゃれさを追求する方にもおすすめです。
モンベル
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国内最大級のアウトドアブランド「モンベル」。登山用ヘルメットの市場は海外メーカーが主流ですが、国内メーカーならモンベルがおすすめ。日本人の頭の形状にフィットしたデザインであり、軽くて被り心地のよいヘルメットラインナップされています。カラーバリエーションが多いのも特長です。
登山用ヘルメットのおすすめ
マムート(MAMMUT) スカイウォーカー2 2220-00050
マムートの登山用ヘルメット。ハイブリッド構造のため重量は380gとやや重めですが、計8箇所の開口部があるので通気性も良好です。ひもの長さを片手で簡単に調整できるのもメリット。色も4種類から選択でき、初めてヘルメットの購入を検討される方で、おしゃれさも追求したい方にはおすすめです。
マムート(MAMMUT) エルキャップ 2220−00090
細めのデザインが特徴的なマムートの登山用ヘルメットです。ハイブリッド構造を採用し、重量は350g。EN12492・UIAA規格に適合した耐久性の高さも魅力です。計12箇所の開口部により通気性は良好で、高さとサイズが簡単に調整可能なヘッドバンドにより被り心地も快適です。
マムート(MAMMUT) ロックライダー 2220-00130
登山はもちろん、本格的なクライミングまで使用可能なマムートの登山用ヘルメット。インモールド構造を採用しており、250gという軽さが特長です。後頭部にあるヘッドバンドを調整することでスマートにフィットします。
ヘッドバンドとあごストラップをシェル内に折りたためるので収納時もコンパクト。16個の開口部とエアチャンネルによる温度調節など機能性もよいので、安全面だけでなく快適性にもこだわりたい方におすすめのヘルメットです。
ブラックダイヤモンド(BlackDiamond) ベイパー BD12050
186gという軽さが特長の登山用ヘルメットです。インモールド構造を採用しており、両耳から後頭部にかけて大型のベンチレーターを多数備えているため、通気性も良好。取り外しが可能なヘッドランプクリップが付属するなど、本格登山におすすめのハイエンドモデルです。
エーデルリッド(EDELRID) マディーロ ER72031
ヘルメットの側頭部を内側に折りたためる便利な登山用ヘルメット。コンパクトに収納できるのが特長です。重量は380gと標準的ですが、シェルには耐衝撃性の高いABS樹脂を採用しています。かさばらずにザックへしまえる登山用ヘルメットをお探しの方には特におすすめです。
ミレー(Millet) エキスパートヘルメット MIS1991
クライミングに特化したミレーの登山用ヘルメット。側面と後頭部に丸型の開口部を複数配置し、通気性を確保しています。240gという軽さとサイズ調節システムにより、被り心地も良好。あごストラップをマグネットで開閉できる構造もポイントのおすすめモデルです。
モンベル(mont bell) L.W.アルパインヘルメット 1124639
インモールド構造を採用し、重量225gという軽量な登山用ヘルメット。EN12492とUIAA規格の両方に適合しています。日本人の頭部形状にフィットさせたアジアンフィットデザインで、被り心地も良好です。
落石や滑落の多い山岳地帯においてヘルメットの持参は必須です。とはいえ、登山の内容によっても適切な機能は異なります。もちろん安全面に考慮しつつも、デザイン性も重視したいところ。利用シーンを想定して最適なモノを選んでください。