登山靴に装着することで、滑りやすい雪山の道でもしっかりとグリップできる「アイゼン」。登山のなかでも難易度が高いとされる雪山において必須アイテムです。
アイゼンは爪の本数や装着方法によって、さまざまな種類の製品が展開されています。そこで今回は、アイゼンのおすすめ製品をご紹介。選び方についても解説するので、購入時の参考にしてみてください。
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アイゼンとは?
アイゼンとは、雪山で雪道や氷の道を歩く際の滑り止めとして靴底に装着する、金属製の爪が付いた登山道具。アルプス山脈をはじめとした高山では積雪している場合が多く、登山を長くするうえでは欠かせないアイテムです。
アイゼンには、主に2つの種類があります。1つは、本格的な雪山を登る際に使用する「アイゼン」で、10〜12本程の爪を備えているのが特徴です。
もう1つは、傾斜の緩やかな雪道や比較的あたたかい山で使う「軽アイゼン」で、4〜6本の爪を備えているタイプ。また、素材や取り付け方法などさまざまな種類があるため、適切な製品選びが難しいのも特徴です。
アイゼンの選び方
登る山の状況に適した種類を選ぼう
低山登山にはコンパクトな「4本爪」
4本爪のアイゼンは、主に靴の土踏まず部分に装着するタイプ。コンパクトで軽量なため携行性が高く、持ち運び時にスペースを圧迫しないのが魅力です。雪が積もっている可能性の低い低山を歩く際の備えとしても役立ちます。
ただし、爪の本数が少なく接地面積も狭いためグリップ力は低く、傾斜のきつい場所やアイスバーンのある場所にはやや不向き。積雪量の少ない低山登山用に購入するのがおすすめです。
傾斜のある雪山には安定感のある「6本爪」
6本爪タイプは、4本爪タイプと同じく土踏まず部分に装着するタイプのアイゼン。より接地面が広く安定しているのが特徴です。つま先部分に爪がないので、傾斜のきつい場所には不向きですが、緩やかな雪道では活躍します。
道が凍結することのある冬の低山や、夏の高山での雪渓歩きなど、比較的難易度が低い場所での使用におすすめのタイプ。初心者のうちに使用する機会が多いアイテムです。
本格的な雪山登山には「10〜12本爪」
本格的な雪山登山をする場合は、足裏全体に爪がある10〜12本爪のアイゼンがおすすめです。つま先の2本爪が前に出ているのが特徴で、急な斜面を登る際に雪面へ食い込ませることで登りやすくします。
初心者のうちは、より接地面積の広い12本爪タイプが安定して歩きやすく便利。10本爪タイプは、靴のサイズが小さく12本爪ではバランスが悪い方におすすめです。
アイゼンの取り付けタイプをチェック
コバがない登山靴にはベルトタイプ
ベルトタイプは、アイゼンを装着する際に金具を引っ掛ける「コバ」のない登山靴でも装着できるのがメリット。ほとんどの靴に対応できるため、汎用性の高さを重視する方におすすめです。
着脱に時間がかかる点や、ベルトが緩むことがあるため本格的な雪山登山には不向きです。低山や雪の少ない場所での活動が多い方は、チェックしてみてください。
かかとにのみコバがついているならセミワンタッチタイプ
かかとにコバがある登山靴に装着できるタイプのアイゼンです。ベルト式と比べると脱着がしやすく、安定感にも優れています。
かかと部分だけを金具のレバーでロックして、つま先部分はベルトを使用しているのが特徴。フィット感が高く、幅広い登山靴に対応できるため、バランスのよいモデルです。使い勝手のよさを重視する方は、チェックしてみてください。
前後にコバが付いているならワンタッチタイプ
かかととつま先にコバがある登山靴へ、装着できるタイプのアイゼンです。対応している登山靴が限られてきますが、フィット感に優れているのが特徴。前後をしっかり固定するためずれが少なく、前足の爪に力を込められます。本格的な雪山だけでなく、急斜面のある場所でも活躍します。
固定力が高い分、靴との相性が大事なので、購入時にはサイズ感のチェックが必要です。
着脱のしやすさをチェック
行動時間が限られている登山では、着脱のしやすさもアイゼンを選ぶ際のポイントです。とくに初心者のうちに装着が複雑なモデルを選ぶと、手間取ってしまううえにしっかりと履けていないリスクもあります。
対応する登山靴を持っている場合は、ワンタッチ式が素早く着脱できるため便利。また、軽アイゼンもシンプルなモノが多く、スムーズに着脱を行えます。自分が行く山のレベルに合わせて、適切なモデルを選んでみてください。
アイゼンのおすすめ|4〜6本爪
モンベル(mont-bell) スノースパイクシングルフィット 1129611
冬の低山や夏の雪渓を歩く際に便利な、4本爪タイプのアイゼンです。素材には、硬くて耐摩耗性にも優れている、S55C炭素鋼を採用。安心して使いやすいのが魅力です。
また、足の甲部分にあるバックルを留めるだけで固定できる、着脱のしやすさもポイント。さらに、靴ひもに引っ掛けられるフックが付いているため、歩行中のズレを予防できます。
本製品は、フリーサイズで21.5~30.0cmまで対応。幅広い層の方が着用できます。耐摩耗性や引き裂き強度の高いスタッフバッグ付きで、持ち運びに便利。コスパに優れたアイゼンを探している、初心者におすすめのモデルです。
M.walk 4本爪 アイゼン
低価格ながら使いやすい、4本爪タイプのアイゼンです。片足76gの軽量かつコンパクトな設計が特徴。重ねて収納できるためスペースをとりにくく、持ち運びの際に役立ちます。
立体形状の頑丈な爪は、雪や氷にしっかりと刺さり、雪道でも安定して行動が可能です。加えて、付属のスノープレートは、雪が張り付きにくいMポリエチレン素材を採用。靴裏で固まるのを予防して、快適な歩き心地を実現します。
また、ワイヤーとバンドを使って簡単に着脱できるため、初心者が安心して使えるのも魅力。さらに、フリーサイズ仕様なので、幅広い靴のサイズに対応をしています。使いやすさとコスパに優れたアイゼンを探している方に、おすすめのモデルです。
モンベル(mont-bell) スノースパイク6 1129619
安定感のある6本爪を採用した、コンパクトモデルのアイゼン。テープで留めるだけの簡単仕様で、素早い脱着をしやすいのが特徴です。素材は、耐摩耗性に優れて頑丈なS55C炭素鋼を使用。耐久性が高いため、長く使用できるのが魅力です。
裏面には、雪が付着しにくい独自形状のプレートを搭載。剛性やグリップ力に優れており、積雪地帯でも安心して歩けます。また、スタッフバッグが付いているため、不使用時はコンパクトにまとめて携行できます。
夏山の雪渓や雪山の軽登山に便利なアイゼンを探している方に、おすすめのモデルです。
エキスパートオブジャパン(EX’PERT OF JAPAN) SP超リトルベアー卍セット 6本爪 ST31
高級なクロモリ鋼や先端技術の焼き入れなど、こだわって作られた6本爪タイプのアイゼンです。重量は、505gの軽量設計で軽く、サイズもコンパクトなため持ち運びやすいのが特徴。加えて、さまざまな靴に合わせられる、汎用性の高さも有しています。
また、着脱が行いやすく、フィット感に優れているのもポイントです。赤と黒を組み合わせたカラーリングが、おしゃれなのも魅力。国産品で安心感もあり、デザインと使いやすさにこだわったアイゼンを探している方に、おすすめのモデルです。
ZAFIELD アイゼン 6本爪
つま先側に爪を配置することで、階段や斜面に強い設計をした6本爪タイプのアイゼン。グリップ力に優れており、安心して行動できるのが魅力です。
装着は、つま先とかかとをバンドで固定するだけの簡単仕様なので、初心者でも扱いやすいのがメリット。小型の爪でさまざまな靴に対応しており、登山以外のシチュエーションでも使用できます。
また、低価格で手に取りやすいのもポイント。ケース付きで携帯しやすく、不要時はリュックに収納できます。安定感のある6本爪タイプのアイゼンを探している、初心者におすすめのモデルです。
アイゼンのおすすめ|10〜12本爪
ペツル(PETZL) イルビス 10本爪 T03ALLU
雪上歩行用にデザインされた10本爪タイプのアイゼン。硬い雪面や氷の上でも安定した歩行ができるのに加えて、幅が広い2本のフロントポイントで、斜面にも対応します。
アイゼンの底面に雪が付着するのを予防するアンチスノーや、効果的に雪面を捉えられるポイント設計など、雪道で強さを発揮。重量も790gと軽量で、歩きやすいのが魅力です。
また、複数のパーツを組み合わせられる「アルペンアダプト」システムで、さまざまなシチュエーションに対応。安定性に優れる、10本爪タイプのアイゼンを探している方に、おすすめのモデルです。
グリベル(GRIVEL) エアーテックEVO・ニューマチック GV-RAATNME
通常の歩行時は10本、山でのトラバース時には12本の爪がきくように設計した、セミワンタッチタイプのアイゼンです。
本製品には、ブーツに合わせた高さ調節を簡単に行える「EVOバインディング」を採用。さまざまな靴を使って登山をする方におすすめです。さらに、緩みにくい「EVOバックル」で、しっかりと固定します。
また、氷や岩場での使用に適した短めの爪に加えて、セカンドポイントの後方には幅広な第3の爪を搭載。冬山登山で安定した性能を発揮します。
872gの優れた軽量性に加えて、コンパクト設計なので収納しやすく、無駄なくパッキングしたい際におすすめ。高性能で携行性にも優れた、12本爪タイプのアイゼンです。
グリベル(GRIVEL) G10EVOワイド GV-RAG10WNCEF
丈夫で信頼性の高い、クロームモリブデン鋼を使用した10本爪タイプのアイゼン。汎用性が高い横刃のフロントポイント仕様で、一般的な冬山の登山やミックスルートなど、幅広いシーンで活躍します。
サイズは、約23~28.5cmまで対応の、フリーアジャスト式。指で持ち上げられてスムーズにサイズ調節ができる、ヒールプレート付きです。
また、フロントハーネスの取り付け位置を外側にすることで、幅広の靴にも合わせられるのは嬉しいポイント。スノボ用のソフトブーツやテレマークスキー靴などにも対応します。
さまざまな用途に使える、ワイドタイプのアイゼンを探している方に、おすすめのモデルです。
ペツル(PETZL) バサック フレックスロック 12本爪 T05AL FL
急斜面やクーロワールのような険しい場所でも、高い安定感を発揮する12本爪タイプのアイゼン。幅が広く長さのあるつま先の爪で、硬い雪面でもしっかりと捉えます。
本製品は、パーツの自在な組み合わせによりさまざまな登山に対応する「アルペンアダプト」を採用したモデル。1つのアイゼンで幅広いシチュエーションに使えるのが魅力です。
素材には、高い耐久性を有するスチールを使用。加えて、さまざまなな雪質でも雪が付着するのを予防する、アンチスノーも採用しており、険しい雪山でも安心して歩行できます。
自由度が高い、本格仕様のアイゼンを探している方に、おすすめのモデルです。
グリベル(GRIVEL) G12EVO・オーマチックSP GV-RAG120MES
サイズの調節をスムーズに行える新型プレート「ザ・モレッタ」を搭載した、ワンタッチタイプのアイゼン。つま先とかかと部分にコバがある本格的な登山靴に装着できるので、厳寒期の登山にチャレンジしたい方におすすめです。
素材には、頑丈なクロームモリブデン鋼を使用。フロントポイントは横刃仕様で汎用性が高く、使いやすいのが魅力です。さらに、バックルは緩みにくい「EVOバックル」を搭載しており、安定した歩行を行えます。
また、フリーアジャスト式で、約23~28.5cmまで幅広いサイズに対応。フロント部は、スペシャルナローベイル仕様のため、つま先が細い靴にも対応しています。
冬山登山からアルパインクライミングまで、幅広いシチュエーションにおすすめの、12本爪アイゼンです。
ブラックダイヤモンド(Black Diamond) セラッククリップ 12本爪 BD33054
さまざまなシチュエーションに対応できる、高い汎用性を有した、セミワンタッチタイプのアイゼンです。本製品は、軽量で耐久性に優れるステンレススチール素材を使用。サビにも強く、雪山でも安心して使用ができます。
また、フロントポイントは横刃仕様で安定性が高く、汎用性に優れているのが特徴。使い勝手のよい、12本爪タイプのアイゼンを探している方に、おすすめのモデルです。
アイゼンの取り付け方法
アイゼンの取り付け方には、ベルト・セミワンタッチ・ワンタッチの3種類があります。ベルトタイプを取り付けるときは、巻く順番が決まっているため、間違えないように締めていきます。取り付け時は、しっかりと密着するようベルトにテンションをかけていないと緩むため注意が必要です。
ワンタッチ式やセミワンタッチ式のアイゼンは、登山靴のコバに金具を合わせて固定します。金具には調節機能が付いており、締め方が緩いとアイゼンが外れるので、きつめに締めるのがコツです。
とくに、ワンタッチ式は前後に金具が付いているため、しっかりと固定されているかを確認してみてください。
アイゼンを使う際の注意点
アイゼンは、雪道を歩くうえで便利な道具ですが、使い方に注意が必要。まず、雪山を歩行する際に起こりやすいのが、靴とアイゼンの間に起こる雪詰まり。隙間に雪が入り込むと歩き心地が悪いだけでなく、しっかりと踏み込めないため、トラブルを起こす場合があります。
原因としては、装着が緩かったりサイズが合っていなかったりなどさまざま。装着時は、しっかりと着けられているかチェックしてみてください。
また、歩行時では靴底に雪が張り付くこともあります。爪が雪に入りにくくなり、アイゼンの性能を発揮しにくいほか、体力も消耗します。張り付いた雪は、定期的にストックではたくことで対処が可能です。
また、アイゼンを使った歩行に慣れていないうちは、爪の引っかけに注意が必要。アイゼンを装着している分足を上げないと、岩場や段差に引っかかるため、いつもより一歩を高く上げるよう意識してみてください。
アイゼンは、雪山の登山をする際に必須といっていいほど便利な道具です。しかし、種類が多く、初心者のうちはどのモデルを選べばよいか迷いやすい場合もあります。まずは、使い勝手のよい6本爪や12本爪から揃えて、慣れてきたらほかのモデルを揃えていくのもおすすめです。