これまで一般的だった平面型の形状と違い、画面の両端が前方に向かって湾曲している曲面ディスプレイ。通常の平面型ディスプレイと比較してより広い画面で迫力のある映像を楽しめることから、パソコンで映画鑑賞やゲームをプレイする方を中心に多くの注目を集めています。

曲面ディスプレイでは平面ディスプレイとは異なる映像体験が可能です。今回は、そんな曲面ディスプレイについての特徴や選び方を踏まえた上で、おすすめのモデルをご紹介します。

曲面ディスプレイとは?

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従来の平面ディスプレイとは異なり、曲面ディスプレイの画面は平面ではありません。画面の両端が視聴者を囲むように緩やかな弧を描いて湾曲しています。その製造方法は主に2種類。液晶面をガラスに圧着させた後に画面を曲げる作り方と、あらかじめ曲げたガラスに液晶面を圧着させる作り方です。

どちらの製造方法でも平面ディスプレイと比較して高い技術が必要なので、その分コストがかかってしまうのが難点。しかし、近年の技術進化に加えて大量生産によるコスト削減が進んだことで、現在では3万円を切るような低価格モデルも登場しており、徐々に普及が進んでいます。

曲面ディスプレイのメリット・デメリット

曲面ディスプレイのメリット

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まず、曲面ディスプレイは平面ディスプレイよりも広い面積で映像を視聴できるのが特徴。一般的な液晶ディスプレイの縦横比は16:9ですが、曲面ディスプレイは21:9のモノが主流です。

平面ディスプレイよりも横長なので、その分視界に入る情報量も多くなります。FPSなど、一度により多くの情報を見る必要のあるゲームや、写真や映像の編集など、複数のパレットを同時に表示させるクリエイティブ系のアプリを使用する際におすすめです。

また、より現実に近い臨場感と迫力で映像を楽しめることも曲面ディスプレイの特徴です。平面ディスプレイでは画面の端に近づくほどディスプレイと目との距離は開いてしまいます。

しかし、曲面ディスプレイは液晶画面の両端が視聴者に向かって湾曲していることで、画面の端でもディスプレイと目との距離がほぼ一定に保たれています。これによって、映像への没入感がより向上するため、まるで映像が画面から迫ってくるような臨場感を体感可能です。

曲面ディスプレイのデメリット

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曲面ディスプレイは平面ディスプレイと比較して横長であるため、その分サイズが大きくなってしまうのが難点。ディスプレイの面積が広がったことで一度により多くの情報を見れらるようになりましたが、一方で設置のためには平面ディスプレイよりも広いスペースの用意が必要です。

一般的には曲面ディスプレイの画面サイズは34インチのモノが主流ですが、平均的な横幅は85cmほどになります。近い画面サイズ(31.5インチ)の平面ディスプレイと比べても10〜15%のサイズ差があるため、曲面ディスプレイを設置する場合は通常よりも十分に余裕を持ってデスクのスペースを確保しておきましょう。

曲面ディスプレイの選び方

端子をチェック

まず、曲面ディスプレイの端子がPCのケーブルと適合するかをチェックしましょう。ディスプレイの背面には入力端子が搭載されていますが、PCの出力端子と合っていないと接続できません。

入力端子の種類としてはHDMI・DisplayPort・D-sub(VGA)が一般的。最近では、MacBook Proなどに搭載される最新規格のUSB Type-Cに対応したモデルも登場していますが、まだ数は多くありません。

ディスプレイとケーブルの端子が異なる場合は、変換アダプタを別途用意することで接続が可能になるケースもあります。しかし、すべての種類の端子を変換できるとは限りません。そのため、検討している曲面ディスプレイの入力端子が、PCの出力端子と一致するかをあらかじめ確認しておきましょう。

画面サイズをチェック

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デスクの大きさや用途を考慮した上でディスプレイの画面サイズを選びましょう。適した画面サイズのディスプレイを使用すれば、視認性を高く保てるので、作業効率も向上。また、視線の過剰な移動を防げるので、眼精疲労の抑制にも効果が期待できます。

ゲームや映画などを迫力ある映像で楽しみたい場合は35インチ以上のディスプレイがおすすめです。一方、デスクのスペースを広く確保できない場合や、ビジネスの資料作成や株取引などの作業に使いたい場合は、30インチ前後のモノを選ぶとよいでしょう。

解像度をチェック

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ディスプレイの表示面では微小な粒(ピクセル)の集まりによって映像が構成されており、その粒の数によって解像度が決まります。HD(1440×1080)・フルHD(1920×1080)・4K(3840×2160)などと表記されますが、一般的に画面サイズが同じであれば、解像度の数値が高くなるほど細かい部分までより鮮明に描写された美しい映像を楽しめます。

曲面ディスプレイの解像度はフルHDよりもやや横長となる2560×1080のモノが主流ですが、より高解像度な3440×1440以上のモノも存在。とりあえず曲面ディスプレイを試したい方や、一般的な作業などで使いたい方には2560×1080のモノがおすすめです。

さらに高精細な4K対応の曲面ディスプレイは、種類はそれほど多くはありませんが、近年のゲームや映像の4K化に対応する形で徐々に普及が進んでいます。4K対応ディスプレイでは画像や文字をより高精細に表示できるため、単に映像が美しくなるだけではなく、一度に多くの情報を表示させる必要のある作業にも効果的です。

光沢をチェック

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ディスプレイの光沢仕様は、表面に光沢のあるグレアタイプと、光沢の抑えられたノングレアタイプの2種類が存在します。

グレアタイプはコントラストが高めなので、映像の発色が鮮やかです。また、黒の締まりもよく、重厚な色調の映像でも豊かな表現が可能。発色の鮮やかさや映像の美しさを重視するのであれば、グレアタイプがおすすめです。

ただし、グレアタイプは表面の反射率が高く、室内の照明や太陽光を反射しやすい性質があります。そのため、光の強い場所では画面が見えにくくなったり、長時間の視聴では目が疲れやすくなったりするので注意が必要です。

一方、ノングレアタイプは表面反射が抑えられているため発色の鮮やかさや華やかさはグレアタイプには劣ります。しかし、画面の反射を気にせず映像の細部まで確認できたり、目の疲れを軽減できたりするのがメリットです。細部をチェックする必要のある画像や映像の編集作業、長時間のデスクワークに使う場合は、ノングレアタイプがおすすめです。

リフレッシュレートをチェック

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映像は瞬間的に何十枚もの画像がコマ送りのように更新されることで表示されていますが、1秒間に画像が更新・表示される回数をリフレッシュレートと呼びます。カタログなどにはヘルツ(Hz)という単位で表記されていますが、この数値が高いほど滑らかな動きの表示が可能です。

リフレッシュレートで選ぶ場合、一般的には60Hzが基準。FPSなどの動きの激しいゲームやスポーツ映像を視聴する場合は、120Hz以上のモノを選ぶのがおすすめです。

応答速度をチェック

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どんなに高性能なディスプレイでも信号が伝わってから実際に映像が表示されるまでには遅延が発生します。これは曲面ディスプレイの場合も同様。この遅延に要する時間のことを応答速度と呼び、ミリセカンド(ms)という単位で表記されます。

映像の視聴やクリエイティブ作業などの一般的な用途では5msのモノで十分ですが、MMORPGやFPSなどの応答速度の速さが重要となるゲームでは1msのモノがおすすめです。

曲面ディスプレイのおすすめ人気モデル

MSI 曲面型ゲーミングディスプレイ Optix G24C

3万円を切る低価格ながら、充実した高性能が売りのエントリー向け24インチ曲面ディスプレイ。解像度はフルHDとやや控えめですが、 一般的なディスプレイと比較してコントラストが高く設定されているため、より鮮明で臨場感のある映像を楽しめます。

表示の滑らかさや遅延に関しても、リフレッシュレート144Hz、応答速度1msという充実したスペックを実現。また、PC内のグラフィックカードとの同期によって画面のチラつきや表示ずれを防ぐ「FreeSync」機能も搭載されており、瞬時に的確な判断が要求されるFPSゲームのプレイに最適です。

接続端子はHDMI・DisplayPort・DVIに対応。ブルーライト低減機能も搭載されているため、長時間の映像視聴や作業でも目が疲れにくくなっています。コストパフォーマンスが高いモデルなので、ゲームプレイに使用する方はもちろん、曲面ディスプレイを試してみたい方にもおすすめです。

LGエレクトロニクス(LG Electronics) 曲面型モニター 29UC88-B

5万円ほどで購入できる29インチ曲面型のエントリー向けディスプレイ。フルHDより3割以上も横に長い21:9の縦横比と2560×1080の解像度が特徴です。複数のパレットを表示させて進める作業はもちろん、瞬時に多くの情報を処理する必要のあるFPSなどのゲームも快適にプレイできます。

画面のチラつきやカクつきを低減する「FreeSync」テクノロジーや、表示の遅延を最小限に抑える「Dynamic Action Sync」も搭載。ゲームごとに画面の明るさや描写速度を最適化できる「ゲーミングモード」と組み合わせることで、充実したプレイ環境を実現できます。

また、sRGBの色空間で99%のカバー率がありカラーマネージメント環境が整えやすく、液晶も光沢が抑えられたノングレアタイプなので、厳密な色再現を必要とする写真や印刷物の制作にも最適。入力端子はHDMIとDisplayPortに対応しています。

LGエレクトロニクス(LG Electronics) 曲面型ゲーミングモニター 34UC79G-B

6万円ほどで入手できるコストパフォーマンスに優れた本格仕様の34インチ曲面型ゲーミングディスプレイ。解像度2560×1080、縦横比21:9とスペックは一般的ですが、リフレッシュレート144Hzに対応しているため、FPSなどのゲームに最適です。

また、応答速度1msに対応しているのも特徴。1コマごとに液晶のバックライトを点滅させることで表示遅延による動きのブレを低減する「1ms Motion Blur Reduction」機能によって、タイムラグをほとんど感じさせないプレイが可能です。

入力端子はHDMIとDisplayPortに対応。ディスプレイの傾きや高さを調整したり、マウスフックでマウスコードをまとめたりできるなどゲームプレイに配慮しています。プロゲーマーにも愛用者が多く、本格的な曲面型のゲーミングディスプレイを探している方におすすめです。

エイスース(ASUS) 湾曲ウルトラワイドディスプレイ MX34VQ

10万円程度で購入できる34インチの曲面型ウルトラワイドディスプレイ。フルHDの約2.4倍となる3440×1440の高い解像度を、縦横比21:9の広々とした画面で楽しめるのが特徴です。

ディスプレイ下部には8Wステレオスピーカーが2機搭載。専用スピーカーのような迫力のあるサウンド再生を実現する「SonicMaster」と曲面ディスプレイの組み合わせによって、ダイナミックな映像美と音響を同時に楽しめます。

また、「AudioWizard」によって、映画やゲームなど再生するコンテンツに合わせた最適なオーディオモードの選択やカスタマイズが可能です。

スタンド底部にはiPhone Xなどのスマホにも実装されているQi規格のワイヤレス充電ポートが搭載されており、対応スマホをポートに置くだけで充電ができます。液晶はノングレアタイプで、フリッカーやブルーライトの低減機能も備えているので、画像や映像の編集作業をするクリエイターにもおすすめです。

フィリップス(Philips) 4K対応曲面液晶ディスプレイ BDM4037UW/11

8万円台で購入できるリーズナブルな4K対応の40インチ曲面型ディスプレイ。縦横比は16:9と一般的なテレビと同じですが、3840×2160の高解像で映像を楽しめるのが最大の特徴です。

液晶の光沢はグレアタイプ。記憶色に近い色表示を実現する「Ultra Wide Color」機能によって、映像をより鮮明かつダイナミックに楽しめます。一方で、フリッカー低減機能が搭載されているため、画面のチラつきによる目の疲れも軽減可能です。

また、MHL接続にも対応。対応のAndroidスマホであればHDMIケーブルを介してディスプレイに接続することで、スマホ内の写真や映像、ゲームなどのコンテンツをディスプレイに表示してテレビのような大画面で楽しめます。

ジャパンネクスト(JAPANNEXT) 4K曲面液晶モニター JN-VC550UHD

約11万円とコストパフォーマンスに優れた大画面55インチの4K対応曲面型ディスプレイ。液晶はハーフグレアで、グレアとノングレアの性質を併せ持っており、画面の表面反射を低減しつつも鮮明な色表示を実現しています。

マルチウインドウ機能「PIP/PBP」にも対応し、最大4つの入力ソースを同時に表示可能なため、複数パレット使用時の作業が捗ります。また、10bitカラーパネルを採用し、sRGB色空間を99%カバーしているため、カラーマネージメントが必須なクリエイティブ作業にも最適です。

また、MHL接続にも対応しており、スマホ内のコンテンツをテレビのような大画面で表示できます。入力端子はHDMIに対応。充実した環境で快適にクリエイティブ作業を進められるので、クリエイターにおすすめのモデルです。