本格的なクリエイティブ作業に欠かせないアイテムが「カラーマネージメントモニター」。一貫性のある正しい色合いや明るさでイラスト・写真・動画などの制作を行えるため、数多くのプロクリエイターが積極的に活用しています。

今回は、クリエイティブ作業におすすめのカラーマネージメントモニターをご紹介。導入する必要性や選び方も詳しく解説するので、カラーマネージメントモニターを選ぶ際の参考にしてみてください。

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カラーマネジメントモニターとは?

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カラーマネジメントモニターとは、色彩を正しく表現できる機能を持つ外付けディスプレイのことです。単に広い色域をカバーできるだけではなく、彩度・輝度・コントラストなどを細かく調節できるのが特徴。モニターやプリンターなど異なる機器間で、一貫した正しい色彩表示を可能にする「カラーマネージメント」にも対応します。

大半が工場出荷時に色彩出力を正しく揃える「キャリブレーション」が施されているのもポイント。また、経年によって色彩の再現度が低下しても、測色器を使えばユーザー自身で見え方を回復できます。色彩表現にこだわって、写真・動画・イラストなどの制作を進めたいクリエイターにおすすめです。

カラーマネジメントモニターの必要性

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制作時の色再現性を担保するうえで、カラーマネジメントモニターは欠かせません。市販のモニターは色彩の出力表示に個体差があるのが難点。特に、映画鑑賞用やゲーミング用のモニターは彩度やコントラストが強く、画面の青みがかったモノが多いため、データ本来とは大きく異なった色合いで画像や動画が表示されます。

表示の基準がずれたモニターで編集してしまうと、イメージした通りの色彩で最終的な出力を行えない場合も。例えば、モニターの画面とプリンターで印刷した写真とで色合いがかけ離れて見えるなどのトラブルが発生します。

カラーマネジメントモニターを導入すれば、色彩表示に関する問題に対処可能。複数台のモニター間はもちろん、プリンターやスキャナーとも基準の一貫した色彩表示で作業を進められます。仕事で制作物を納品する必要がある方にもおすすめです。

カラーマネジメントモニターの選び方

Adobe RGB対応モデルがおすすめ

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Adobe RGBとは、Creative Cloudソフトの開発元でもあるAdobeが1998年に定めたカラースペース規格のことです。一般的なデジタル機器が対応するsRGB規格と比べて、青色や緑色を中心に表現できる色の種類がより豊富なのが特徴。主に出版業界で採用されており、臨場感あふれる色彩表現の印刷物制作を可能にしています。

Adobe RGB規格で制作した画像やイラストでも、sRGBのみに対応するモニターでは豊富な色情報を活かしきれない点に注意。最終的な出力方法が印刷で、写真プリントやイラスト集の色彩表現によりこだわりたいのであれば、Adobe RGBのバー率が99%以上のカラーマネジメントモニターがおすすめです。

ハードウェアキャリブレーション対応モデルをチェック

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キャリブレーションとは、モニターの色彩表示を一貫した正しい状態に調整する較正作業のこと。ソフトウェアキャリブレーションとハードウェアキャリブレーションの2種類があり、カラーマネージメントモニターはどちらか一方に対応します。

測色器で得たデータを元に、PCからの出力信号を手作業で調整するのがソフトウェアキャリブレーション。ノートPCのモニターでも手軽に行えますが、画質がわずかに劣化し、ユーザーの練度によって精度にばらつきが生じるのがデメリットです。

モニター内部の設定で直接調整を行えるのがハードウェアキャリブレーション。測色器を使うのは同じですが、画質を劣化させることなく、高精度な色較正が行えます。やや高価なのが難点ですが、色彩再現の精度を重視するなら、ハードウェアキャリブレーション対応のカラーマネージメントモニターを選ぶのがおすすめです。

動画編集も行うなら4K以上の解像度がおすすめ

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4K以上の高解像度なカラーマネージメントモニターは動画編集に重宝します。4Kは3840×2160とも表記され、フルHDと比べて縦横合計のピクセル数が4倍も多いのが特徴。4Kで撮影した動画もデータを間引くことなく本来の解像度で表示できるため、仕事や趣味の創作活動で4K動画を扱うことが多い方に人気があります。

写真編集やイラスト制作でも4K以上のカラーマネージメントモニターが活躍。色乗りよく細部まで忠実に表示できるので、編集作業をより効率的に進められます。ただし、4K未満のモノと比べて価格が割高なのが難点。動画を扱わないコスパ重視のユーザーには、解像度を2560×1440に抑えたWQHDモデルもおすすめです。

モニターのサイズをチェック

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画面サイズもカラーマネージメントモニター選びで重要なポイントです。サイズが大きいほど画像や動画を迫力のある大画面で表示でき、細部の調整もスムーズに行えます。編集作業時の表示領域を広く取りたい方には、30インチ以上の大きいサイズも人気です。

ただし、メールや文書の作成といった事務作業を行う際は視線の移動量が増えるため、目に負担がかかりやすいのがデメリット。汎用性を重視するなら、24〜27インチのカラーマネージメントモニターを選ぶのがおすすめです。

機能をチェック

ムラ補正機能

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液晶パネルは、画面の部分ごとに輝度や色度のムラが生じるのが難点。中央付近と周辺部とでは見え方に差があり、端に行くほど表示が暗く落ち込むことが少なくありません。

画面の見え方にこだわるなら、「ムラ補正機能」を搭載したカラーマネージメントモニターがあると便利。ユニフォミティ補正回路によって画面全体を細分化しつつ、個別に明るさや色合いを調整するため、画面の隅々までムラを抑えた正確な色表現を可能にします。

HDR対応

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HDRとは、High Dynamic Rangeの略称。従来のSDRと違って、明暗差の激しいシーンでも白く飛んだり黒く潰れたりことなく、より肉眼の視界に近い自然な明るさで画像や映像を表示できます。

動画制作に活用するなら、HDR信号の入力と表示に対応したカラーマネージメントモニターが特におすすめ。カメラを使ってHDR方式で記録した動画を画面上でプレビュー表示できるので、仕上がり後の見え方を確認しながら効率的に作業を進められます。

なお、配信や放送などの用途ごとに対応するHDR動画の方式が異なる点は注意。出力先に適したHDR方式がサポートされているかもあわせて確認しましょう。

カラーマネジメントモニターのおすすめ

ベンキュー(BenQ) PD2506Q

ベンキュー(BenQ) PD2506Q

デザイナーのニーズを満たす25型WQHDカラーマネージメントモニターです。sRGBを100%カバーしており、HDR10にも対応。工場出荷時にキャリブレーション済みなので、ウェブ上で扱うイラストやアニメの制作などにおすすめです。

表示モードが多彩なのもポイント。明るさを落として細部を調整しやすくする「暗室モード」や、暗い領域の明るさだけを持ち上げる「デザインモード」などが使用可能です。「ePaperモード」に設定すれば、電子書籍などを快適に閲覧できます。

65W給電が可能なUSB Type-Cポートを搭載しているのも便利。ケーブル1本でノートPCと接続でき、充電しながら作業を進められます。ノートPCとモニターの色表示を瞬時に一致させられる「ICCsync」機能も使用可能です。

ベンキュー(BenQ) SW272U

ベンキュー(BenQ) SW272U

プロ向けの機能が充実した人気上昇中の27型4Kカラーマネージメントモニターです。Adobe RGBに加えて、映像制作で主流のP3色空間も99%カバー。表面には反射を抑える高品質なアンチグレア加工が施されており、紙上でプレビューするような使用感で作業できます。本格的な写真や動画の作品制作におすすめです。

ハードウェアキャリブレーションに対応しているのもポイント。専用ソフト「Palette Master Ultimate」を活用すれば、3ステップで高精度な色較正が可能です。「ムラ補正技術」も搭載。HDR10やHLGなどのHDR表示方式にも対応しています。

異なる色空間の画像を左右に並べて表示を比較できる「GamutDuo」機能も便利。使用頻度の高い表示設定を瞬時に切り替えられる「ホットキーパックG3」や、外光の入り込みを防ぐ「遮光フード」など付属品も充実しています。

エイゾー(EIZO) ColorEdge CS2731

エイゾー(EIZO) ColorEdge CS2731

品質の高さに定評のある国産の27型WQHDカラーマネージメントモニターです。工場出荷時に個別調整されており、個体ごとに表示のばらつきがないのが特徴。Adobe RGBのカバー率も99%と高く、デジタルユニフォミティ回路によるムラ補正機能も備えているので、プリント出力を前提とした写真編集におすすめです。

ハードウェアキャリブレーションに対応するのもポイント。付属の専用ソフトも充実しており、「Quick Color Match」を指定のプリンターと組み合わせれば、初心者でも簡単にモニターとプリンターの色合わせが行えます。

60W給電対応のUSB Type-Cポートを搭載しているのも便利。充電しながらMacBook Airなどで作業を進められます。スウィーベル・チルト・ピボット・昇降の可動範囲が広く、見やすいポジションで使用可能です。

エイゾー(EIZO) ColorEdge CG2700X

エイゾー(EIZO) ColorEdge CG2700X

プロクリエイター向けに開発された国産の27型4Kカラーマネージメントモニターです。Adobe RGBで99%、P3で98%の高カバー率に対応。さらに、HLG方式とPQ方式で特有のガンマ「EOTF」にも対応しており、HDR映像を正しく表示できます。写真と映像の両方を高品質に仕上げたい本格派におすすめです。

キャリブレーションセンサーが前面の中央上部に格納されているのもポイント。市販の測色器を使うことなく、高精度なハードウェアキャリブレーションが可能です。また、色較正の最中でも作業を中断する必要がないため、メール確認や文書作成などの事務作業が行えます。

ドッキングステーションとして活用できるのも魅力。MacBook Proにも有効な94W給電対応のUSB Type-Cと、合計4基のUSB Type-Aを搭載しています。LANポートも備えているので、カラーマネージメントモニターを介して有線LANによる大容量データの高速転送も可能です。

エイスース(ASUS) ProArt PA278QV

エイスース(ASUS) ProArt PA278QV

高精度な色再現が可能な27型WQHDカラーマネージメントモニターです。業界でも権威のある「Calman Verified」認証を受けられるよう、出荷前にキャリブレーション済み。sRGBとRec.709のカバー率は100%で、ΔE<2とトップクラスの色精度を実現しています。写真編集やグラフィックデザインにおすすめです。

読み取りモードや暗室モードなど、素早く切り替えられる6種類以上の表示パターンを備えた「ProArtプリセット」機能を搭載しているのもポイント。また、画面上で表示に関する各項目を手軽にカスタマイズできる「ProArtパレット」も備えています。

画面上にA4用紙と同じサイズの枠線や画面分割のグリッド線などを表示できる「Quick Fit」機能も便利。作品を印刷する前に仕上がりを実寸で確認できます。

エイスース(ASUS) ProArt PA329CRV

エイスース(ASUS) ProArt PA329CRV

大画面で映像制作が行えるプロ仕様の31.5型4Kカラーマネージメントモニターです。色域のカバー率はsRGBで100%、P3で98%。工場キャリブレーション時にCalmanによる認証も受けており、色精度も優れています。4K動画の編集に没頭したい方におすすめです。

HDR10に加えて、業界団体VESAが策定したPC向けHDR規格「DisplayHDR 400」に対応するのもポイント。4K HDRによる臨場感あふれる映像で作業が可能です。また、背面にはVESA規格の壁掛け機能も備えています。

96W給電に対応するUSB Type-Cポートを搭載しているのも便利。DisplayPortによる「デイジーチェーン接続」にも対応しており、デュアルモニター環境も手軽に構築可能です。

ビューソニック(ViewSonic) VP2456

ビューソニック(ViewSonic) VP2456

優れたコスパで人気上昇中の23.8型フルHDカラーマネージメントモニターです。国際標準色である「Pantone」の認証を受けており、sRGBカバー率は100%。安い価格ながら出荷時のキャリブレーションでΔE<2を上回っているため、低コストでカラーマネージメント環境を整備したい方にもおすすめです。

スウィーベル・チルト・ピボット・高さの調節機能を備えているのもポイント。さらに、画像の向きをモニターと合わせる「オートピボット機能」にも対応しており、縦位置構図の画像も効率よく編集できます。

60W給電対応のUSB Type-CポートでノートPCとの接続も簡単。画面のレイアウト変更が手軽に行える「スプリットスクリーン」でマルチタスクも効率的に進められます。ポートレートモードや風景モードなど多彩な作業モードも使用可能です。

ビューソニック(ViewSonic) VP2785-2K

ビューソニック(ViewSonic) VP2785-2K

本格的な編集にも使えるコスパ良好の27型WQHDカラーマネージメントモニターです。業界権威の1つであるドイツの印刷関連団体「Fogra」による認証を取得。ΔE<2以上の色精度を持ち、Adobe RGB 100%とP3 96%に対応します。ハイアマチュアの写真家やSNS動画の投稿者などにもおすすめです。

手頃な価格ながらハードウェアキャリブレーションに対応するのもポイント。ユニフォミティ補正によって表示ムラも抑えられています。別々の色設定で画像を比較表示できる「PBP機能」も搭載。共同で編集を行う際の効率がアップします。

1組のキーボードとマウスで2台のPCを切り替えながら操作できる「KVMスイッチ機能」も便利。また、環境光センサーと人感センサーを内蔵しており、ディスプレイの明るさや動作状態を自動で調節します。

LGエレクトロニクス(LG Electronics) UltraFine Display Ergo 27UN880-B

LGエレクトロニクス(LG Electronics) UltraFine Display Ergo 27UN880-B

画面位置を自在に調整できる27型4Kカラーマネージメントモニターです。人間工学に基づいて設計されたアームスタンドを標準搭載。左右各280°、上下±25°、高さ0〜13cm、90°回転が可能なので、快適な姿勢で長時間の作業を進めたい方におすすめです。

工場出荷時に色較正済みで、ハードウェアキャリブレーションに対応するのもポイント。色空間はsRGBを99%カバーしています。業界団体VESAが策定したPC向けHDR規格「DisplayHDR 400」にも対応。HDR再生に適した画質が得られます。

USB Type-Cなど接続に使うケーブル類を全てスタンド内に格納できるのも魅力。猥雑になりがちなデスク周りを整頓できます。加えて、リフレッシュレート60Hzと応答速度5msにも対応。ゲーミングモニターとしても十分に活用可能です。

デル(Dell) UP2720Q

デル(Dell) UP2720Q

優れた色精度と機能性を兼ね備えた、プロ仕様の27型4Kカラーマネージメントモニターです。工場出荷時にキャリブレーションが施されており、Adobe RGBで100%、P3で98%と色空間のカバー率も優秀。ムラ補正機能も搭載しており、画面の隅々まで上質な色表示で作業を進められます。

画面の下部中央に測色器を格納しているのもポイント。カラーマネージメントモニター単体で高精度なハードウェアキャリブレーションが可能です。また、マグネットで簡単に脱着できる便利な遮光フードが付属します。

入力用と出力用にThunderbolt 3対応のUSB Type-Cポートを搭載しているのも魅力。接続したノートPCを最大90Wで充電できるほか、最大40Gbpsで外付けSSDやドッキングステーションと高速データ転送可能です。