若者を中心に最近人気なのがレトロなデザインの「コンパクトデジカメ」です。フィルム時代に流行したクラシックカメラをデザインのモチーフに採用しており、感性を刺激するおしゃれな外観で日々の撮影を楽しめます。

そこで今回は、コンパクトデジカメの選び方を踏まえたうえで、レトロな外観を持つおすすめのモデルをご紹介。初心者でも手軽に扱えるモデルもピックアップしたので、ぜひ参考にしてみてください。

レトロなデザインのコンパクトデジカメ

キヤノン(Canon) コンパクトデジタルカメラ PowerShot G7 X Mark III

手軽に持ち運べるポケットサイズのコンパクトデジカメです。昔ながらのレトロなデザインを採用しており、重さは約304g、約幅10.5×高さ6.09×奥行き4.14cmと軽量コンパクト。上方に180°回転可能なチルトモニターも備えており、自撮りに便利です。

一般的なコンパクトデジカメのモノより4倍も大きい1型センサーを搭載しており、小型ながら薄暗いシーンでも高画質に撮影できるのもポイント。また、24-100mm F1.8-2.8の光学4.2倍ズームレンズも備えており、幅広い撮影領域をカバーできます。

スマホのようなタッチ操作で明るさ・鮮やかさ・背景ボケを直感的に調節できる「クリエイティブアシスト」機能が利用できるのも魅力。Vlog撮影を簡単に楽しめる機能も充実しています。

▼撮影イメージ

キヤノン(Canon) コンパクトデジタルカメラ PowerShot G1 X Mark III

過酷な環境でも作品撮りに没頭できるコンパクトデジカメです。一眼レフのように上部を盛り上げたレトロで風格のある外観が特徴。本体は約399gと軽く、防塵・防滴構造が採用されているため、アウトドアで積極的に撮影を楽しみたい方にもおすすめです。

ミラーレス一眼にも多く採用されているAPS-Cセンサーを搭載しており、暗所画質やボケ味も一眼カメラと同等以上の品質が得られるのもポイント。加えて、使用頻度の高い画角が使える24-72mm F2.8-5.6の光学3倍ズームレンズを備えています。

独自の像面位相差AFシステム「デュアルピクセルCMOS AF」を採用しており、写真と静止画の両方で高速・高精度なオートフォーカスが利用できるのも魅力。自撮りや動画の撮影に便利なバリアングルモニターや、構図作りに集中できる電子ファインダーも搭載しています。

▼撮影イメージ

リコー(RICOH) コンパクトデジタルカメラ GRIII

「最強のスナップシューター」の異名を持つ人気のコンパクトデジカメです。大型のAPS-Cセンサーを搭載しながら重さ約257gと小型軽量。ポケットからサッと取り出して撮影できるため、日常のスナップ撮影におすすめです。

1996年に登場した初号機からレトロなデザインを大きく変えていないのもポイント。プロのスナップ写真家から高く評価されている28mm F2.8の広角単焦点レンズを採用しており、両目で見渡した光景を直感的に切り取るのに重宝します。

強力なボディ内手ブレ補正機構と最高感度ISO 102400を組み合わせることで、夜でも高画質で安定した撮影が可能。2種類のAFシステムを組み合わせたハイブリッドAFも採用しており、さまざまなシーンで優れた速写性を発揮できます。

▼撮影イメージ

リコー(RICOH) コンパクトデジタルカメラ GRIIIx

新感覚のスナップ撮影が楽しめるコンパクトデジカメです。基本的な仕様はGRIIIと共通していますが、本機ではシリーズ初となる40mm F2.8の標準単焦点レンズが採用されているのが特徴。自然な遠近感を保ちつつ広角よりも被写体に強くフォーカスできるため、人物や静物をテーマにしたスナップ撮影などにもおすすめです。

電源オンから約0.8秒で高速起動できるので、撮りたいときにすぐに撮影しやすいのもポイント。また、顔・瞳検出オートフォーカスにも対応しており、街角で人物のポートレート撮影を行う場合にも重宝します。

液晶の明るさを素早く調節できる「アウトドアモニター」も便利。日差しの強い日中でも構図や仕上がりの確認を快適に行えます。

▼撮影イメージ

富士フイルム(FUJIFILM) コンパクトデジタルカメラ X100V

クラシックなレンジファインダーカメラを彷彿とさせる人気のコンパクトデジカメです。光学式と電子式を自在に切り替えられる独自の「ハイブリッドビューファインダー」を搭載。上質なデザインと好みの撮影スタイルで作品撮りに没入できます。

往年の名フィルムが持つ色彩美を再現した「フィルムシミュレーション」に対応するのもポイント。全11種類のレトロな仕上がりが簡単操作で堪能できます。また、自然な粒状感を加えられるので、写真でフィルム調の風合いを演出したい方にもおすすめです。

重さ約478gと軽量コンパクトながら大型のAPS-Cセンサーと、スナップ撮影に使いやすい35mm F2の広角単焦点レンズを搭載しているのも魅力。別売りのコンバージョンレンズを装着することで、広角28mmと標準50mmの焦点距離も使用できます。

ソニー(SONY) コンパクトデジタルカメラ Cyber-shot RX1RII DSC-RX1RM2

フルサイズの描写が手のひらサイズで楽しめるコンパクトデジカメです。ミラーレス一眼のハイエンドモデルにも採用されている有効約4240万画素のフルサイズセンサーを搭載。プロユースの高画質が重さ約507gの軽量ボディで味わえます。

ドイツの名門レンズメーカー「カール・ツァイス」と共同開発した35mm F2の広角単焦点レンズを搭載しているのもポイント。設定でローパスフィルター効果をオフにすることで解像力をより向上できるため、スナップから風景までさまざまなジャンルの作品撮りにおすすめです。

昔ながらの絞りリングを持つレンズ鏡筒など、レトロなデザインを採用しているのも魅力。強い日差しの下でも優れた視認性を発揮できる上質な有機ELファインダーや、撮影アングルの自由度を高めるチルトモニターも搭載しています。

▼撮影イメージ

パナソニック(Panasonic) コンパクトデジタルカメラ LUMIX LX100II DC-LX100M2

レトロな操作性で上質な撮影が楽しめるコンパクトデジカメです。クラシックカメラのようにF値とシャッター速度を別々に調節できる専用のダイヤルを搭載。直感的な操作ができます。

1型と比べて2倍大きな4/3センサーを搭載しており、ミラーレス一眼と同等以上の画質が得られるのもポイント。さらに、ドイツの高級カメラメーカー「ライカ」と共同開発した24-75mm F1.7-2.8の光学3.1倍ズームレンズも備えています。

重さ約392gと軽量コンパクトボディに、屋外での撮影に便利な電子ファインダーを内蔵しているのも魅力。また、味わい深い「L.モノクロームD」などのモノクロ撮影機能が充実しているため、スナップ撮影用のカメラとしてもおすすめです。

ライカ(LEICA) コンパクトデジタルカメラ ライカQ2

クラシックなフォルムに先進の撮影機能が融合したコンパクトデジカメです。レトロながらも時代に左右されない洗練されたデザインを採用。前面にダイヤモンドパターンのレザー外装を使用するなど、高級感あふれる外観が魅力です。

優れた画質を実現する有効約4730万画素のフルサイズセンサーを採用しているのもポイント。加えて、28mm F1.7の大口径広角単焦点レンズを搭載しており、クロップ機能によって35mm・50mm・75mmの焦点距離も使用できます。

有機ELファインダーの画面内に撮影範囲を示すブライトフレームを表示できるのも魅力。レンジファインダーのようにシャッターチャンスを待ち伏せする場合に重宝します。本体は防塵・防滴構造なので、天候に関係なくスナップ撮影に没頭したい方にもおすすめです。

▼撮影イメージ

ライカ(LEICA) コンパクトデジタルカメラ ライカQ2モノクローム

モノクロ撮影に特化した高級モデルのコンパクトデジカメです。基本的な仕様はライカQ2と共通していますが、本機にはモノクロ撮影専用のフルサイズセンサーが搭載されているのが特徴。通常のイメージセンサーと比べて階調をより豊かに出力できるので、モノクロでのスナップ撮影を極めたい方におすすめです。

ライカらしいスタイルを追求したレトロで上質なデザインを採用しており、街中でもあまり目立ちにくいマットなブラックが配色に使われているのもポイント。加えて、操作部の印字を落ち着いたグレーとホワイトで統一したり、伝統の赤いロゴを省略したりするなど、モノクロ専用機としてのコンセプトが強調されています。

ヤシカ(YASHICA) デジフィルムカメラ Y35 コンボ YAS-DFCY35-P01

昭和的なギミックが詰まった個性あふれるコンパクトデジカメです。1965年に発売されたクラシックカメラの名機「YASHICA Electro35」をデザインモチーフに採用して現代に復刻。半世紀以上を経ても色褪せないレトロな外観で手軽に撮影を楽しめます。

小型ボディに1/2.5型センサーと35mm F2の広角単焦点レンズを搭載しており、気軽に持ち歩けるのもポイント。また、本体には液晶モニターや削除ボタンがなく、SDカードに記録した画像をパソコンに移すまで確認できない仕様なので、フィルムカメラのように仕上がりを予想して待つ楽しみも味わえます。

本体背面の裏蓋を開けてフィルム型モジュール「digiFilm」を交換することで、仕上がりを全6種類から選べるのも魅力。フィルムカメラに近い感覚で撮影を楽しみたい方にもおすすめです。

コンデジの選び方

レンズの性能をチェック

倍率

By: panasonic.jp

コンパクトデジカメを選ぶ際に確認したいのがレンズの倍率です。ズームレンズを搭載している場合、倍率が高いモデルほど幅広い焦点距離を使用できるのが特徴。広角側を使ったダイナミックな風景撮影から、望遠側を使った印象的な人物ポートレート撮影まで1台のコンパクトデジカメでこなせます。

ただし、一般的にはズーム倍率が高くなるほど後述するF値が大きくなり、室内や夕方などの撮影で不利になるので注意が必要。光量の乏しいシーンでも画質を優先したい場合はズーム倍率が3倍程度のモデル、多彩な被写体に対応できる利便性を重視する場合は4倍以上のモデルを選ぶのがおすすめです。

焦点距離

By: fujifilm-x.com

焦点距離とは、被写体にピントを合わせたときのレンズの中心からイメージセンサーまでの距離のこと。レトロなデザインのコンパクトデジカメには、焦点距離を変更できない単焦点レンズを搭載したモデルも多いため、焦点距離はカメラ選びで特に重要な項目になります。

焦点距離は普段の視野に近い範囲を撮影できる50mmが基準になるのがポイント。50mmよりも短いモノが広角レンズで、広い範囲をダイナミックに記録することが可能です。一方、50mmよりも長いモノが望遠レンズで、被写体との距離がある場合にも寄りで撮影できます。

スナップ撮影には、28mmや35mmの広角レンズを採用するコンパクトデジカメが特に人気。ポートレートやテーブルフォトの撮影も楽しみたい場合は、50mm以上の望遠域にズームやテレコンで焦点距離を変更できるモデルがおすすめです。

F値

By: canon.jp

F値とは、カメラ内部へ通す光の量を調節する機能を持つ「絞り」の開き具合を数値化したものです。レンズの明るさを示す目安で、絞りが開くほどF値は小さくなり、絞りが閉じるほどF値は大きくなるのが特徴。なお、使用中の焦点距離で設定できる最小のF値のことを「開放F値」と呼びます。

F値が小さくなると多くの光を取り込めるので、暗所でも鮮明に撮影できるほか、ボケで被写体を立体的に浮かび上がらせた表現が使いやすくなるのが特徴。一方、F値が大きくなると取り込む光の量が制限されますが、画面の手前から奥までピントが広範囲に合った写真が撮影しやすくなります。

高画質な夜景撮影やボケを生かした表現を積極的に楽しみたい場合は、開放F値がF2.8以下の大口径レンズを搭載したコンパクトデジカメを選ぶのがおすすめ。ただし、開放F値が小さいモデルほど本体が大きく重くなるため、携帯性も考慮して選びましょう。

使い方に合った機能が搭載されたモデルを選ぶ

By: rakuten.co.jp

自分の用途に合った機能が搭載されているかもコンパクトデジカメ選びでは重要なポイントです。レトロなデザインに惹かれて購入しても、必要な機能が搭載されていないと、使いにくさでストレスが溜まりやすくなるので注意しましょう。

自撮りを楽しみたい場合は、チルト式やバリアングル式の可動モニターを搭載したコンパクトデジカメがおすすめ。液晶モニターを自分側に反転できるので、自撮りする際にも構図の確認が楽に行えます。

晴れた日の日中に使用する場合は、ファインダーが搭載されていると便利。強い日光を遮れるため、周囲が明るくて液晶モニターが見えにくいシーンでも、じっくりと構図や色作りの追い込みが可能です。

アウトドアでも積極的に使いたい場合は、防塵・防滴構造を備えたコンパクトデジカメが活躍。小雨や砂埃に遭っても故障しにくいので、天候や環境に関係なく作品撮りに没頭できます。