暗いシーンで撮影する際に便利な「高感度カメラ」。通常では撮影が困難な明るさでも鮮明で美しい画像を取得しやすいため、夜間に行う夜景・星空・花火などの撮影に使うカメラとして人気があります。
そこで今回は、高感度カメラのおすすめモデルをご紹介。高感度カメラの特徴や選び方についても解説するので、購入を検討している方は参考にしてみてください。
高感度カメラの特徴・メリット

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高感度カメラとは、優れた暗所撮影性能を有しているカメラのことです。通常暗いシーンの撮影では「ISO感度」を上げて取り込む光量を増やすことで対応しますが、一般的なカメラは設定できるISO感度の上限が抑えられています。
高感度カメラは、通常よりも高いISO感度を使用できるのが特徴。使用できるISO感度の上限に余裕があるため、一般的なカメラでは撮影が困難だった暗闇でもストロボを使わずに鮮明で美しい画像が撮影可能です。
なお、ISO感度には普段使う「常用感度」と、より幅広い感度域が使える非常用の「拡張感度」の2種類が存在します。拡張感度は画質劣化がより目立つので、高感度カメラを選ぶ際は、常用感度でISO 25600以上を使用できるモデルがおすすめです。
高感度カメラの選び方
大型のイメージセンサーを搭載しているかどうかで選ぶ

高感度カメラを選ぶ際に重要なのが、内蔵するイメージセンサーのサイズです。イメージセンサーとは、レンズを通した透過光から画像を生成する役割を持つデバイスのこと。サイズが大きいほど一度に取り込める光量が増えるため、暗所でもより高画質が得られます。
主なセンサーサイズは、1型・フォーサーズ・APS-C・フルサイズの4種類。スマホカメラのモノと比べると、各々の面積は4倍・8倍・13倍・30倍ほどあります。高感度カメラとしては、フォーサーズ以上のセンサーサイズを採用するモデルがおすすめです。
なお、センサーサイズが同じ場合、画素数は少ないほど暗所撮影で有利。高感度カメラを選ぶ際は、有効画素数が2000万程度までのモデルを選びましょう。
高感度耐性の高さで選ぶ

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高感度耐性の高さも高感度カメラ選びで欠かせないポイントです。ISO感度は上げるほどノイズの発生量が増えて、徐々に画像全体が不鮮明になるため注意が必要。高いISO感度を使用できても、画質劣化の進行度が早いと実用では厳しくなります。
サイズが大きくて低画素なイメージセンサーを内蔵するカメラほど、高感度撮影には有利。また、ノイズ処理で優れた性能を持つ画像処理エンジンや、専用装置「アクセラレーターユニット」の有無も高感度耐性に大きく影響します。
暗所画質を重視するなら、最低でもISO 6400以上が実用的な画質で使用できる高感度カメラがおすすめ。ただし、常用感度の上限では画質劣化が目立ちやすいため、設定上限には少し余裕を持たせて、ISO 25600以上が使えるモデルを選びましょう。
小型・軽量かどうかで選ぶ

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携帯性のしやすさも高感度カメラ選びで重要なポイントです。高感度撮影に特化したカメラは、ハイアマチュアやプロ向けの大きくて重いモデルが基本。暗所画質に優れていても重くかさばるカメラだと、持ち運びに多くの労力を費やしてしまうため、夜景や星空などの撮影で郊外や高山を長時間移動する際に不利です。
持ち運びを重視するなら、ボディ単体で600g程度の高感度カメラがおすすめ。レンズを装着した状態でも合計重量が1.5kg以下に収まるモノなら、重量を感じにくいので、移動時でも体力の消耗を軽減可能です。携帯性を最優先にするなら、固定式のレンズを搭載した高級コンデジもチェックしてみてください。
高感度カメラのおすすめ
リコー(RICOH) デジタル一眼レフカメラ PENTAX K-1 Mark II
暗所でもプロ仕様の高画質が得られるフルサイズ一眼レフ型の高感度カメラです。大型のフルサイズセンサーと「アクセラレーターユニット」を搭載。有効約3640万画素とやや高画素ながら最高ISO 819200を標準出力でき、ISO 25600の超高感度でも実用的な画質が得られます。夜景や星空の本格的な作品撮りにもおすすめです。
「アストロトレーサー」機能に対応したGPSを内蔵しているのもポイント。アクセサリーを追加することなく、高感度カメラを三脚に搭載するだけで手軽に星の天体追尾撮影を始められます。
アウトドアシーンに欠かせない防塵・防滴・耐寒構造や、手持ち撮影に役立つ5段分の手ブレ補正機構「SR II」も完備。また、本体各所にLEDの「操作部アシストライト」を搭載しているので、夜間でも素早く快適に撮影準備を進められます。
▼撮影イメージ

リコー(RICOH) コンパクトデジタルカメラ GR III
ナイトスナップでも活躍できる高級コンデジ型の高感度カメラです。重さ約227gの小型軽量ボディに、APS-Cセンサーと28mm相当 F2.8の広角単焦点レンズを搭載。一眼レフと同等以上の高画質がポケットサイズで軽快に持ち歩けます。
幅広い感度域でノイズ低減効果を向上させる、「アクセラレーターユニット」を搭載しているのもポイント。さらに、最高ISO 102400の常用感度に対応しているほか、ISO 3200でも高画質を維持できるため、夜間の街中をスナップ撮影するのにもおすすめです。
シャッター速度換算で、4段分の補正効果のある手ブレ補正機構「SR」を内蔵しているのも魅力。夜間でも手持ちで安定したシャープな画像が取得できます。また、動く星の光跡を記録するのに特化した「インターバル合成」機能を備えているのもメリットです。
▼撮影イメージ

リコー(RICOH) デジタル一眼レフカメラ PENTAX KF
アウトドアへも気軽に持ち出せるAPS-C一眼レフ型の高感度カメラです。エントリーモデルながら防塵・防滴構造を採用し、-10℃以下の耐寒動作に対応。重さ約684gと携帯性も良好です。
常用感度で最高ISO 102400に対応しているのもポイント。加えて、「アクセラレーターユニット」によってISO 12800の高感度でも実用的な画質が得られます。
別売りのGPSユニットを装着することで使える「アストロトレーサー」機能も便利。高価な赤道儀がなくても、動く星を点のまま描写する天体追尾撮影が手軽に楽しめます。
▼撮影イメージ

オーエムシステム(OM SYSTEM) デジタル一眼カメラ OM-1
優れた機動力と暗所性能を有しているミラーレス一眼型の高感度カメラです。新世代のフォーサーズセンサーを搭載しており、重さ約599gと小型軽量ながらプロ仕様の画質を取得できます。
新型画像処理エンジン「TruePic X」を採用しているのもポイント。また、常用感度は最高ISO 102400まで設定可能で、ISO 25600でも実用的な画質が得られます。
高解像画像を合成する「ハイレゾショット」を使えば、2段分の画質改善効果が得られるのも魅力。ISO 25600でもISO 6400時と同等の画質で記録できます。
星などの光跡を画面を見ながらリアルタイム記録できる「ライブコンポジット」も便利。暗い星にも合焦できる「星空AF」や、天の川も視認できる画面の明るさ調節機能「ナイトビューモード」も備えているので、星空の作品撮りにもおすすめです。
キヤノン(Canon) ミラーレスカメラ EOS R8
夜間でも高画質が軽快に楽しめるフルサイズミラーレス一眼型の高感度カメラです。大型のフルサイズセンサーを搭載しながら、重さ約461gと軽量かつコンパクト。また、キットレンズを装着しても合計重量が約671gと軽いので、携帯性を重視する方にもおすすめです。
高性能な画像処理エンジン「DIGIC X」を搭載することで、最高102400の常用感度を実現しているのもポイント。加えて、高感度撮影時は4枚の画像を合成する「マルチショットノイズ低減機能」によって、よりノイズを抑えた高精細な画像が取得できます。
▼撮影イメージ

ニコン(Nikon) ミラーレスカメラ Z 5
フルサイズミラーレス一眼型の高感度カメラです。有効約2432万画素のフルサイズセンサーを搭載。画質・機能・携帯性のバランスに優れながら価格が比較的安いので、コスパ重視の方にもおすすめです。
常用感度は最高ISO 51200まで対応しており、動画モードでもISO 25600が有効なのもポイント。また、「ローライトAF」を有効にすれば、朧月夜でもAFが可能です。薄暗い室内はもちろん、夜景を背景にしたポートレート撮影にも重宝します。
本体のみで重さ約675g、キットレンズを装着しても合計約870gと軽量かつコンパクトで持ち運びやすいのも魅力。さらに、アウトドアでの撮影に役立つ防塵・防滴構造を採用しているのもメリットです。
▼撮影イメージ

ソニー(SONY) デジタル一眼カメラ α7C ILCE-7C
携帯性とコスパを両立したフルサイズミラーレス一眼型の高感度カメラです。光量を効率よく取り込める、有効約2420万画素の裏面照射型フルサイズセンサーを搭載。さらに、常用感度は最高ISO 51200まで対応しており、優れた高感度耐性も備えています。
最高5段分の手ブレ補正機構を内蔵しているほか、ボディ単体で重さ約509gと軽量かつコンパクトなのもポイント。キットレンズを装着しても合計約676gにしかならず、長時間持ち歩いても疲れにくいので、ナイトスナップ撮影などにもおすすめです。
AF検出時の低輝度限界はEV-4を実現しているのも魅力。星空の下でも被写体に高精度なピント合わせが可能です。
ソニー(SONY) デジタル一眼カメラ α7S III ILCE-7SM3
プロも愛用する暗所撮影に特化したフルサイズミラーレス一眼型の高感度カメラです。高感度耐性を優先するために、有効画素数を約1210万画素に抑えた裏面照射型フルサイズセンサーを搭載。わずかな光の下でも鮮明で上質な画像が撮影できます。
新画像処理エンジン「BIONZ XR」を2基搭載しているのもポイント。常用感度の上限であるISO 102400でも十分に実用的な画質が得られます。また、5.5段分の手ブレ補正も内蔵しているので、手持ちでの夜景撮影はもちろん、夜間に開催される祭りの撮影などにもおすすめです。
動画モードでもISO 102400の超高感度が常用できるのも魅力。さらに、新設計の放熱構造によって4K 60fpsでも1時間を超える長時間録画を実現しており、4Kで5倍スローモーションなどの表現も可能です。
最近は、ISO 6400以上の高感度でも実用的な画質を実現しつつ、価格が抑えられたモデルも増えています。以前よりも高感度撮影に対するハードルが低くなっているので、初心者でもより気軽に夜景や星空の撮影に挑戦可能です。ぜひ気になった高感度カメラを入手して、夜間の撮影を存分に楽しんでみてください。