布よりも滑りやすく分厚いレザーを縫えるレザークラフトミシン。小物だけでなくバッグなども作成可能です。しかし、家庭用や職業用など、さまざまなミシンがあるため、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、レザークラフトミシンの選び方とおすすめのモデルをご紹介。自分にぴったりのミシンを選びましょう。
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レザークラフトミシンとは?

レザークラフトミシンとは、その名の通り革製品の作成に適したミシンのことです。手縫いもひとつの楽しみ方ですが、ポーチやバッグなどの大きなモノになると時間がかかり、手も痛くなります。
そこで役に立つのがレザークラフトミシン。家庭用や職業用など、さまざまな種類や機能を持ったモノがラインナップされています。素早く縫製ができるうえ、正しく機種を選定して使用すれば、細かな装飾も手縫いよりキレイで丈夫に仕上げやすいのが嬉しいポイントです。
特に直線をキレイに縫えるのが魅力。手縫いならではの味わいを楽しむのもよいですが、作業スピードを上げたい方はレザークラフトミシンを使うのがおすすめです。
レザークラフトミシンと普通のミシンの違い

レザーはフェルトなどと違って硬く厚い生地なので、普通のミシンでは送っている最中にずれたり針が折れたりしてしまいます。しかし、レザークラフトミシンなら、厚くて硬い革もしっかりと送り、針も太いため安心です。
また、レザークラフトミシンはダイレクトに針を刺せるのも特徴。革小物を手縫いするときは針の通り穴を開けてから縫う必要がありますが、レザークラフトミシンなら普通の布と同じように縫えます。
ただし、レザークラフトミシンとはいえ厚い革を縫うとミシン針が折れてしまうこともあるため、太くて丈夫な11~16号のミシン針を使いましょう。また、革の厚みに合わせてミシン針を取り換えるのが長く使うポイントです。
レザークラフトミシンの選び方
ミシンの種類で選ぶ
ちょっとした作業なら「家庭用ミシン」

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破れてしまった革小物を直すときや、月に数回趣味で使いたい方には家庭用レザークラフトミシンがおすすめです。家庭用のレザークラフトミシンは布を縫うことを前提に作られているモノが多くありますが、なかにはレザーを縫えるモノもあります。
価格設定がリーズナブルなので手を出しやすいのもポイント。革小物を作りたい方はもちろん、ジーンズなど厚手の生地などに使いたい方にもぴったりです。
ただし、家庭用レザークラフトミシンは「レザー用」と表記されていても縫える革の厚さに制限がある場合が多いため、購入前によくチェックしておきましょう。
本格的に始めるなら「職業用ミシン」

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頻繁に革小物を作りたい方や、本格的に厚手のモノが作りたい方には、職業用のレザークラフトミシンがおすすめ。職業用のレザークラフトミシンは家庭用よりもやや高価ですが、パワーがあるため、レザーのカバンなどを作りたい方に重宝します。
ただし、本体サイズが大きいモノもあり、レザークラフトミシン専用の場所が必要なケースもあるので、購入前に費用や設置場所などを十分に検討しておきましょう。
厚い革もパワフルに縫える「工業用ミシン」

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工業用ミシンはほとんどが金属でできており、硬い革もしっかりと縫えます。縫製工場などで使用されており、長い時間稼働できる頑丈さが魅力です。また、1分で5000針と職業用レザークラフトミシンよりも3倍以上速く縫えます。
ただし、作業台に設置して使用するため専用の設置場所が必要なのが難点。また、運転音も大きいため集合住宅などでの設置には不向きです。
さらに、ミシンオイル潤滑方式を採用しているため、オイル交換など定期的なメンテナンスが必要なことにも留意しておきましょう。本格的にレザークラフトに取り組みたい方にはおすすめの製品です。
送り方で選ぶ
下送り

「下送り」は下の歯だけが動いて生地を送る方式です。上の押さえは動かず、生地が滑らないよう押さえているのが特徴。家庭用ミシンを含む多くのミシンで採用されており、普通の生地を縫う分には十分な方式です。
ただし、下送りの場合は縫いピッチが狂いやすいのが難点。滑りやすいレザーなどの厚手の布を重ねて送る場合はしっかりと送り切れず、縫いずれが生じやすくなります。下送りのミシンでレザーを扱う際は、薄手や滑りにくいモノを選ぶのがおすすめです。
上下送り

「上下送り」は上の押さえと下の歯が同調して生地を送る方式です。上下両方が動くため、分厚く滑りやすいレザーもしっかりと掴んで送っていきます。
上下の動きが連動するため、重ねて縫うときにも縫いずれが起きにくいのが特徴。職業用ミシンの多くがこの方式を採用しており、革などの厚手のモノを扱うのに向いている方式です。
総合送り

「総合送り」は上押さえ・下の歯・針棒の3つを同調させて送る方式です。上下に加えて針棒も同調して動くため、分厚いレザーも滑りにくく縫えるのが特徴。工業用ミシンに多く採用されている方式です。
上下送りよりも強力なので、製品として売り出したり、複数の生地を重ねたりして特殊な使い方をしたい方は総合送りのモノを選びましょう。
形状で選ぶ
直線が得意な「平ミシン」

平ミシンは台座が平らなので直線縫いに適しています。扱いやすいためレザークラフトミシン初心者の方におすすめです。
直線で縫う箇所が多い場合作業時間が大幅に短縮でき、カバンやポーチなどの大物もスピーディに作れます。台座をアーム状にできるミシンも多いですが、基本的には直線縫い専用ミシンとして考えておきましょう。
袋モノにも対応できる「腕ミシン」

By: rakuten.co.jp
腕ミシンとは、筒縫い用のアームの先端近くに針が付いている形状のミシンのこと。バッグの底やマチなどの狭く立体的な部分を縫うのにも重宝します。平ミシンでは縫えないような箇所も縫えるので、なんでも作れる1台を探している方におすすめです。
腕ミシンのほとんどは工業用に作られており、入手が難しいのが難点。アームが伸びるようになっており、筒状のモノを縫える家庭用や職業用のモノも販売されているため、必要に応じてチェックしてみましょう。
対応している糸の太さをチェック

ミシン糸には番号が振られており、数字が小さくなるほど太くなります。レザークラフト用のミシン糸には20〜40番程度の太さが使用されるのが一般的ですが、対応可能な糸の太さはレザークラフトミシンごとに異なるため注意が必要です。
なお、糸の太さは、使用するレザーの厚みや作るモノに合わせて選ぶのがポイント。重厚な縫い目を表現したい場合や厚みのある生地を使いたい場合や、縫い目の強度を高めたい場合には、20番の糸まで対応している「職業用ミシン」を選ぶのがおすすめです。
本体サイズをチェック

レザークラフトミシンには家庭用・職業用・工業用とさまざまな種類があり、それぞれサイズが異なります。
工業用のミシンはパワフルで作業効率がよいのがメリットですが、工場への設置を想定しているためサイズが大きく、一般家庭への設置には適していない場合がほとんど。職業用ミシンも家庭用ミシンと比べややサイズが大きいため、購入前に設置場所を確保できるかチェックしておくのがおすすめです。
また、家庭用ミシンの本体サイズにも種類があり、ロングサイズ・フルサイズ・レギュラーサイズ・コンパクトサイズの4種類に大別できます。性能を重視するなら各メーカーの主力製品が多いフルサイズやレギュラーサイズ、価格重視ならコンパクトサイズなど、用途や目的に合わせて選んでみてください。
耐久性重視なら金属製パーツが多いモデルを

レザークラフトミシンの耐久性にこだわるなら、金属製パーツを多く使用したモデルを選ぶのがおすすめです。レザーの縫製にはパワーを要するので、ミシンに大きな負担がかかります。そのため、近年ラインナップされているプラスチック製パーツ中心のミシンの場合、使用頻度によっては耐えきれない可能性があります。
一方で、金属製パーツを多く使用したミシンは耐久性が高く、レザークラフトを楽しむ頻度が高い方にもぴったり。本体が重いほど金属製パーツが多い傾向にあります。重量のあるミシンは使用する際の安定感が高いのもメリットなので、レザークラフトミシンを選ぶひとつの目安にしてみてください。
新品or中古品?

中古品は新品に比べると安く手に入るのがメリット。なかには、メンテナンスや保証などが行き届いた中古のレザークラフトミシンも多数出品されています。特に金属製のレザークラフトミシンは、メンテナンスしながら長く使えるのが魅力です。
ただし、中古品は基本的に新品よりも短い期間しか使えないのがデメリット。モーターが消耗していたり、ガタつきがあったりというケースもあるため、基本的には長く使える新品のレザークラフトミシンがおすすめです。
しかし、工業用のレザークラフトミシンは市販品としてほとんど売り出されないので、新品を手に入れるためにはメーカーに直接連絡する必要があります。工業用のモノが欲しい場合は中古品も選択肢に入れましょう。
レザークラフトミシンのおすすめモデル
ジャノメ(JANOME) クラフト電動ミシン Black Edition LC7700K
頑丈な合金素材のアルミダイキャストを採用し、ボディの耐久性を高めたレザークラフトミシン。皮革を縫うのに必要なレザー押さえとレザー針を標準装備しています。強力な無段階押さえ圧調節に対応しているのもポイント。厚地縫いの際も素材がバタつきにくく安心です。
また、補助テーブルを取り外すとフリーアームになるのもメリット。袋モノを作ったり洋服を裾上げしたりするときに役立ちます。垂直半回転カマを搭載しており糸締まりがよいため、素材の表も裏もキレイに仕上げたい方におすすめです。
アックスヤマザキ(AXE YAMAZAKI) TOKYO OTOKOミシン OM-01
インテリアとしても活躍が期待できるレトロでおしゃれなレザークラフトミシンです。職業用ミシン並みの90Wハイパワーモーターを備えており、厚手のレザーや帆布も力強く縫いあげることが可能。約11.6kgの鉄製ボディを採用しているため、耐久性や安定感にも優れています。
さらに、工業用ミシンにも使われる鉄製送り機構を搭載しているのも特徴。一般的な家庭用ミシンにはない送り力を実現しています。また、縫い目送り幅調節や返し縫いが簡単にできるレバーが付いているなど、使いやすさにこだわりたい方にもおすすめの1台です。
シンガー(SINGER) プロフェッショナル 103DX
使い勝手とテクニックにこだわったプロ仕様のレザーも縫えるミシンです。ボタンを押すだけで上糸と下糸が同時に切れる自動糸切り機能や、返し縫い作業が楽にできる返し縫いレバーなど、さまざまな便利機能を搭載。縫い条件に合わせて微妙な押さえ圧調整ができるので、ジョーゼットのような薄物からジーンズのような厚物までキレイに縫いあげることが可能です。
また、幅620×奥行415mmのワイドテーブルを備えているのも嬉しいポイント。手元が広く使えるので、パッチワークなど大きなモノを作りたい方にもおすすめです。
シンガー(SINGER) モナミ ヌウ アルファ SC300
やさしい使い心地が人気のモナミ「ヌウ」シリーズの、レザーも縫えるミシン。模様縫いや文字縫いなど260種類の縫いパターンを内蔵しており、オリジナリティあふれるソーイングを楽しみたい方におすすめです。
生地や縫い模様に合わせて糸調子を自動制御するコンピュータ式自動糸調子に対応しているのもメリット。ほかにも、レバーの操作で簡単に糸通しできたりボタンをセットするだけで全自動でボタンホールができたりと、初心者にも安心の便利機能がそろっています。
ジューキ(JUKI) 職業用本縫いミシン シュプール30 TL-30
余計な機能が搭載されていない、シンプルで高性能なレザーも縫えるミシンです。工業用ミシンの技術を活かしたパワフルなモーターと機構を採用。厚地から薄地までどのような生地でも、キレイな縫い目と安定した縫い心地を実感できます。
針元を明るく照らせるランプを搭載しているのも便利なポイント。LEDランプのため熱くなりにくく、長時間の使用も安心です。また、ボビンケースが着脱しやすいのもメリットのひとつ。取り出し口が大きく開くのに加え、つまみが約90°立つので、下糸の交換も簡単です。
さらに、アルミダイキャストフレームを採用しているため耐久性が高く、振動が少ないのも魅力。長く使えるレザークラフトミシンを探している方にもおすすめです。
バードランド(BIRDLAND) 上下送りポータブル工業用ミシン レザークラフター LC-PZP

By: wixsite.com
横60×奥行31×高さ35cmの工業用レザークラフトミシンです。50〜5番の糸に対応しており、薄地なら0〜1番の糸も使用できます。パワーキャットモーターを搭載しているため、厚みのある生地でも極低速縫いで正確なソーイングが可能。さらに、上下送り装置がしっかり生地を送るので、薄地もキレイに仕上がります。
初心者からプロまで幅広く使えるレザークラフトミシンを探している方は、チェックしてみてください。
バードランド(BIRDLAND) 360度上送り細腕ミシン ラプター RP-2981LBPC
卓上にも設置しやすい省スペース設計の細腕ミシンです。360°自在に送れるので、素材を回すことなく袋モノや小物の修理・縫製に使用できます。バッグ内部の縫い付けやジーンズの修理などに活用したい方にもおすすめのモデルです。
また、平テーブルが付属しているうえ、送りだし固定機能により、普通の直線ミシンとしても使用できます。パワーキャットモーターを搭載しており、超スロー縫いにも対応。帆布バッグやデニムのような厚物でも強度の高い裁縫が可能です。
ネッキ(NECCHI) Creatorシリーズ 電動ミシン C35
革製品やジーンズのソーイングにぴったりのレザーも縫えるミシンです。パワフルなDCモーターを搭載しているため、安定した縫製が可能。家庭用ながら職業用のような使い心地を実現しています。
スムーズ押えにより、皮革・合成皮革・ビニールなど、送りにくい生地の生地づまりを防げるのもポイント。極薄生地から極厚生地までキレイに縫いやすく、初心者でもワンランク上の仕上がりが期待できます。
また、ボタンホール押えやファスナー押えなどの付属品が充実しており、ボタンホールづくりやファスナー付け作業を思いのままにこなせるのもメリット。多機能かつ高性能で比較的安いミシンを探している方にもおすすめです。
レザークラフトミシンにはさまざまな種類がありますが、一般家庭で本格的に革小物を作りたい方には職業用のレザークラフトミシンがおすすめです。静音性に優れているモノや素早く縫えるモノなど、製品によって異なった特徴を持っています。使用環境や扱う素材などによって適切な製品を選びましょう。