自動車のホイールナットなどを締める工具「トルクレンチ」。最近はデジタル表示されたり、データ管理できたりと、便利な製品が増えています。作業シーンに合わせて使えば作業効率もあがりますが、種類が多く扱いやすさもモデルによってさまざまです。

そこで今回は、おすすめのトルクレンチをご紹介。選び方も解説するので、購入を検討している方はぜひチェックしてみてください。

トルクレンチとは?

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トルクレンチとはボルトやナットなどを規定のトルクで締め付けるための道具です。

バイクや自動車は、ボルトやナットなどの締め付けが弱いと、走行中にタイヤのホイールが外れてしまうことがあります。反対に、強すぎるとホイールを固定するボルトが折れる可能性があり、危険です。そのため、タイヤ交換の際などには、回す力を表すトルクを規定の数値内で作業することが必要があります。

トルクレンチには、本体にトルク値を表す目盛りが付いていたり、設定したトルク値に達すると音が鳴ったりするモノがあります。

なお、トルクの表記単位は「N・m(ニュートンメートル)」です。トルクレンチを購入する際は、製品情報に記載されているトルクの調節範囲を確認しましょう。

トルクレンチの種類

1. 直読式

直読式は、本体に目盛りが記載されており、数値を見ながら作業ができるトルクレンチです。設定したトルクに対し、どのN・mで締め付けたのかが分かるので、力の調節を行いながら作業できます。目盛りを外付けするタイプのモノもありますが、直読式のトルクレンチは主にダイヤル・プレート型とデジタル型の2種類です。

ダイヤル・プレート型

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ダイヤル型は持ち手部分に、プレート型はプレート部分にダイヤルが付いており、目盛りと針でトルクを目視できます。多くのボルトやナットをまとめて締めるような作業には不向きですが、パーツが緩んでいないかなどの検査や測定を行うときにおすすめです。

デジタル型

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デジタル型は、あらかじめトルク値を設定することで、ボルトやナットを締めていき、設定したトルク値になると電子音やデジタル表示で知らせてくれるトルクレンチです。

デジタル型も、ダイヤル・プレート型と同様に検査や測定に適しています。なお、製品によっては測定したデータをパソコンに転送できるタイプもあり、効率的に品質管理を行いたいときに便利です。

2. シグナル式

シグナル式のトルクレンチは、本体に目盛りが付いておらず、設定したトルク値に達したときに音や振動などの「シグナル」で通知するものです。シグナル式のトルクレンチは主にプレセット型とスパナ型の2種類。ただし、なかには目盛り付きのタイプもあります。

プレセット型

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プレセット型は、あらかじめ設定したトルク値に達すると「カチッ」といった音と手に伝わる衝撃で締め具合を知らせてくれるのが特徴。

また、通常のトルクレンチは回転する方向が決まっていますが、ラチェットタイプを使用すれば逆回転にすると空回りし、その反復運動で締めることができます。狭い所で作業する場合や、たくさんのボルトやナットを締める場合におすすめです。

スパナ型

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スパナ型は、設定したトルク値になると音や衝撃で知らせてくれるのが特徴。「アジャスタブルレンチ」とも呼ばれることもあります。

なお、複数のボルトやナットを締めるときに便利なアイテムですが、ボルトに触れる面積が狭いので、ボルトやナットの頭や角を傷つけやすい点には注意しておきましょう。

トルクレンチの選び方

用途で選ぶ

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1. 自転車整備

自転車整備用のトルクレンチを選ぶときは、最低トルクを確認することが大切です。一般的な自転車整備では、強いトルクよりも低めのトルクが使われることが多く、トルクの目安としては15~20N・m程度。最低トルクが高すぎると、自転車整備に向かないこともあるので注意しましょう。

また、自転車のペダルには通常とは逆の方向に回る逆ネジが使用されているので、両方向に締め付けられるトルクレンチを選ぶことも大切。室内や駐車場といった狭い場所で作業することを考慮すると、軽量でコンパクトなモノがよりおすすめです。

2. 自動車整備

メーカーや車種などによっても異なりますが、10~60N・m程度のトルクがあれば一般的な作業を行えます。例えば、エンジンオイルの交換でのドレンボルトを締め付けるためには30~40N.m程度の力が必要です。

3. タイヤ交換

タイヤ交換をする際のトルク値の目安は、普通車で90~110N・m、軽自動車では70~90N・m程度。タイヤ交換専用のトルクレンチは、各メーカーからさまざまな製品が展開されているので、ぜひチェックしてみてください。なお、専用のトルクレンチでなくても、プレセット型やデジタル型のトルクレンチでも対応可能です。

容量で選ぶ

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トルクレンチを選ぶときには、使用できる最大値の70%以内に作業対象の規定トルク値が収まるように選びましょう。例えば、普通車のホイールのボルトやナットの規定トルク値は100~120N・mなので、その場合に使用するトルクレンチの最大トルク値は142~171N・m以上が目安です。

なお、作業対象の規定トルク値とトルクレンチの使用最大値が同じだと、作業対象の規定トルク値まで締めるのに相当な力が必要となり、規定トルク値より緩く締まってしまうことがあるので、注意しましょう。

トルクレンチのおすすめメーカー

東日製作所

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手動式・機械式のトルク機器を主な事業としている「東日製作所」は、1949年から続く会社でアメリカなどにも関連会社があります。

DIY向けのアイテムから最大2800N・mのトルクレンチまでラインナップが豊富なのもポイント。プレセット型のトルクレンチの種類が多いほか、ダイヤル・プレート型やデジタル型といった測定・検査用のトルクレンチも扱っています。

京都機械工具(KTC)

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1950年から続く「KTC」は、トルクレンチをはじめ配管ツールや収納具など、1万点以上のアイテムを扱っているハンドツールメーカー。

デジタル表示による高精度トルクコントロール機能を備えた「デジラチェ」や、作業履歴を自動的に記録してデータをPCに転送できる「デジラチェメモルク」を取り揃えているのが特徴です。

トネ(TONE)

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「TONE」は、ホームセンターなどでも見かける機会が増えたメーカー。前身の前田金属工業を設立したのが1938年、そしてもともとブランド名だったTONEを現在の社名として変更したのが2013年です。

かつてからソケットレンチやトルクレンチなどが好評で、自動車やオートバイ関係者の間では古くから知られているブランドでした。最近は一般ユーザー向けのDIYツールも充実。トルクレンチに関してはプレセット型やスパナ型、モンキ型などさまざまなアイテムをラインナップしています。

トルクレンチのおすすめモデル

東日製作所 トルクレンチ QL140N

東日製作所の、締め付け作業用トルクレンチです。設定したトルクに達するとトグルが作動して、音声で教えてくれるプレセット型タイプ。頭部ラチェットは24枚刻みで、トルク値は30~140N・mに設定できます。

東日製作所が扱うトルクレンチのなかでもベーシックなタイプなので、初心者にも扱いやすいのが魅力。また、保証書や専用ケースも付いているため、長く愛用したい方にもおすすめのアイテムです。

東日製作所 モータースポーツ用トルクレンチ MTQL40

「1本のトルクで多くのボルトが管理できるように」と開発された、低トルク値専用のトルクレンチです。

トルク値の設定範囲は5~40N・mで、ロードバイク・競技用自転車の整備など、低トルクでの作業が多い方におすすめ。樹脂製のハードケースが付属しているため、持ち運びも便利です。

東日製作所 トルクレンチ QL50N-MH

設定したトルク値に到達するとトグルが作動して、締め付け完了をシグナル音で知らせてくれるプレセット型のトルクレンチです。トルク値の設定範囲は10~50N・m。頭部のラチェットは24枚刻みで、15°の振り幅があるため、狭い場所での締め付けに性能を発揮します。

持ち手がメタルグリップなので、油や薬品などを使用する環境でも持ちやすく、扱いやすい製品です。

東日製作所 トルクレンチ DB200NS

検査・締め付け専用のダイヤル式トルクレンチです。最大値の読み取りに便利な置針が付いています。

樹脂グリップで持ちやすく、手をかける位置が変わっても精度に影響が出ないように設計されているのも魅力のひとつ。トルク値の設定範囲は20~200N・mで、ダイヤルインジケーターは全周をプロテクターで覆っているため、測定物を傷つける心配なく作業が可能です。

京都機械工具(KTC) 9.5sq.デジラチェ GEK060-R3

搭載したセンサーによって、操作時にグリップに掛かる荷重を正確に感知し、分析するデジタルトルクツール。作業姿勢や習熟度にかかわらず、精度の高いトルク測定が可能です。

トルク値の設定範囲は12~60N・mで、作業中にソケットが外れることを防止するユニオン構造を採用。設定したトルク値に近づくと音声だけでなく、LEDの点滅でも知らせてくれるため、エンジンルームや車体底部など、暗い場所での作業におすすめです。

京都機械工具(KTC) 12.7sq.ホイールナット専用トルクレンチ WCMPA108

日産やホンダなど、ホイールナット締め付けトルク値が108N・mの車種にだけ対応する単能型トルクレンチです。

普段トルクレンチを使用する機会が少なく、愛車のタイヤ交換にのみ使用する方におすすめ。作業する際にトルク値を変更することなく、手軽に使用可能です。本製品は、日産やホンダ以外にも、トヨタ・ダイハツ・スズキ用のアイテムがラインナップされています。

京都機械工具(KTC) 12.7sq.プレセット型トルクレンチ CMPB2004

トルク値をあらかじめ設定できるため、連続作業や目盛りが見えにくい場所での使用におすすめのプレセット型トルクレンチです。設定したトルク値になると音と軽い衝撃で知らせてくれるので、目で見なくても締め付け完了を確認できます。

トルク値の設定範囲が40〜200N・mと広く、普通車のタイヤ交換はもちろん、トラックやキャンピングカーなど、大型タイヤの締め付けにも使用可能です。

トネ(TONE) プレセット形トルクレンチ T4HC140

レースで使用されることがあるほど信頼性の高い、日本製の老舗工具メーカーが販売するプレセット型トルクレンチ。

差込角は12.7mmで、トルク値の設定範囲は40~140N・mです。タイヤ交換から工場での整備まで幅広いシーンで対応できるのが魅力。また、校正証明書が付属しているため、購入後も長く使いたい方におすすめです。

トネ(TONE) プレセット型トルクレンチ T3MN50

設定したトルク値になると音と衝撃で知らせてくれるプレセット型トルクレンチ。直接数値を読み取れる、メカニカル機構のデジタル表示値によってトルク設定を行うため、設定ミスの防止や締め付けトルクの管理に便利です。

重さは520gと軽量で、トルク値の設定範囲は10~50N・m。ロードバイクや自転車の整備など、低トルクでの作業に適しています。

トネ(TONE) プレセット形トルクレンチ(ダイレクトセットタイプ) T2MN13

従来のトルクレンチのように、主目盛り・副目盛りを読み取る必要がなく、デジタル表示で簡単に確認できるプレセット型のトルクレンチです。

グリップ後部の調整ノブを回すだけでトルク値を簡単に設定でき、設定範囲は3~13N.mと低トルクでの作業におすすめ。290gと非常に軽量なので、子供の自転車の整備など日常生活に重宝するアイテムです。

トネ(TONE) スパナ形単能トルクレンチ TSP55-26

エアコン・冷媒機器などのフレア管の継手とフレアナット締め付け専用の、単能型トルクレンチです。

あらかじめ標準締め付けトルクを設定してあり、トルク値の変更は不可。既定値になると音や衝撃で知らせてくれるプレセット型で、エアコンや冷媒機器のメンテナンスに適しています。

また、スパナ型なので狭い場所でも扱いやすいのがポイント。校正証明書も付属されており、長く愛用できるアイテムを探している方におすすめです。

トネ(TONE) モンキ形トルクレンチ(ダイレクトセットタイプ) TMWM50W

モンキタイプの締め付け専用トルクレンチです。下あご部分のがたつきを少なくして、ボルト・ナットの角が傷みにくい「バックラッシュレスウォーム機構」を搭載。

また、トルク値の設定範囲は10~50N・mと低トルクでの作業にも使用できます。17〜38mmのあらゆるボルト・ナットに対応している汎用性の高さが特徴。エアコンや自動車、バイクのメンテナンスなどさまざまな用途に使えるおすすめの製品です。

エマーソン トルクレンチセット EM-29

日本国内の工具ブランド、エマーソンのベーシックトルクレンチセットです。14・17・19・24mmの厚口ソケットと1mm薄口ロングソケット、エクステンションバーと専用ケースが付属しています。

トルク値の設定範囲は、2018年9月以降に発売されたモデルは40~200N・m、それ以前のモデルであれば28~210N・mと範囲幅が広く、ひとつのトルクレンチでさまざまな作業を行いたい方におすすめです。

大橋産業(BAL) トルクレンチ 2059

クロムバナジウム鋼でできた3種類の薄型ディープソケットが付いた、プレセット型ラチェット式のトルクレンチセットです。アルミホイール対応の17・19・21mmの薄型ディープソケットにエクステンションバーと専用のブローケースが付属しています。

トルク値の設定範囲は、30~180N・mでトルクは右回転のみ。自転車の修理やタイヤ交換におすすめのアイテムです。

東日製作所 トルクレンチ CDB100NX15D-S

軽量で扱いやすく、作業用途に合わせてヘッドを交換できる低コストなトルクレンチです。

トルク値の設定範囲は10~100N・mでバイクのメンテナンスなどにおすすめ。樹脂グリップで持ちやすく、プレート型に比べると変型量が少ないため、疲れることなく使用できる製品です。