60℃前後で食材を調理する低温調理器。食材の柔らかさを維持したり、栄養素を逃さずに調理したりするのに役立ちます。

しかし、日本では一般家庭に浸透していないため、「本当に必要なの?」「どのような料理が作れるの?」と疑問に感じることも。そこで今回は、低温調理器の基礎知識と、おすすめ低温調理器をご紹介します。

低温調理器とは?

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低温調理器は、海外では広く普及している調理器具。その名の通り、通常では水を沸騰させて行う調理を、それよりも低い温度で行うアイテムです。

低温調理器を鍋にセットして加熱すると、0~100℃の間で水の温度を自由に調節しながら調理可能。水温を自動で維持するのは当然のこととして、タイマー機能を備えた機種も多く、調理中に目を離しても安心できるところがポイントです。

低温調理器の最大の特徴は、不思議なことにお肉や魚を柔らかく調理できる点。通常、肉や魚に多く含まれているタンパク質は、55〜68℃程度で凝固してしまいます。つまり、それを下回る温度で調理すれば、仕上がりが均一で栄養素を壊さない調理が可能。例えば、お店でしか食べられないようなローストビーフでも、低温調理器があればお気に入りのお肉を使って自宅で完成させられます。

低温調理器の選び方

日本式のコンセントか否か

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低温調理器を購入する上で最も気をつけなければならないことは、日本のコンセントに適合しているかという点。低温調理器は海外で普及している製品なので、選択肢を広げようとすると海外製も候補に挙がります。

しかし、海外での使用を想定されているモデルの電源プラグは、3本のピンを差し込む形になっていることが一般的。そのようなモデルを日本で使用するには、日本のコンセント向けに変換するアダプターを別途用意する必要があります。少しでも不安があるなら、日本メーカーが販売している低温調理器を購入するとよいでしょう。

スマホ連動機能

最新の低温調理器の中には、スマホと連動して操作が行えるモデルが存在。スマホと本体を接続してアプリを起動すれば、水温や設定時間を気軽に調整できます。また、接続可能距離にもよりますが、スマホで現状の水温を確認したり、完成を知らせてくれたりするため、キッチンから離れてほかの作業に集中できるところも便利です。

パックや真空にする機材が付属しているか

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低温調理器だけではなく、食材を入れるパックや、真空状態を作る機材が付属しているかも重要。必要な周辺アイテムが揃っていれば、追加で用意することなく、購入後すぐに調理を開始できるからです。

特に、パックを真空にできる機材は真空調理を始めたいならマストアイテム。真空調理は、「焼く」「蒸す」「煮る」に次ぐ第4の調理法と呼ばれていて、食材をパックの中に密閉して加熱するのが特徴です。旨み、風味、栄養素などを閉じ込めて調理でき、ほかの調理法では再現できない、食べやすく栄養価の高い料理を楽しめます。

加熱パワーは何Wか?

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低温調理器の加熱パワーも、用途による使い分けが必須。800W程度ならオーソドックスなモデル、1000W以上ならハイパワーモデルといえます。出力が高ければ高いほど、加熱スピードが速くなると考えてください。

800W程度のモデルでも、ファミリーで使用することは十分に可能。低温調理器は設定温度に到達してから、温度を持続させて加熱する時間のほうが長いからです。ただし、忙しいときでも時短で低温調理を行いたい場合や、大きな鍋で多くの食材を調理したい場合は、1000W以上の製品をおすすめします。

使いたい鍋のサイズと適合しているか

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低温調理器が、どのような鍋に対応しているかも確認ポイント。低温調理器の公式サイトや販売サイトごとに、鍋の推奨サイズが表示されていることが多いため、自分が使用するつもりの鍋と適合しているかを確認する必要があります。また、どうしても使いたい低温調理器があるなら、新たに鍋を購入するのも手段のひとつです。

さらに、低温調理器の対応水量もあわせて確認するのがベスト。通常の調理であれば15L程度の鍋で十分ですが、業務サイズの大きな食材の塊を調理するなら、20L以上に対応している低温調理器と鍋を用意したほうがよいでしょう。

低温調理器のおすすめメーカー

ANOVA

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海外製の低温調理器の中で高い人気を誇っているのが「ANOVA」。BluetoothやWiFiを活用し、スマホと連動して操作できる機種を販売しているところが、ほかのメーカーにはない特徴です。人気の料理レシピサイト「クックパッド」にANOVAを活用したレシピが多数掲載されていることからも、日本での人気の高さがうかがえます。

貝印

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「貝印」は、調理用品や衛生用品を販売している日本の老舗メーカー。包丁から鍋まで、大手メーカーの規格品とは一線を画する、工夫を凝らした商品を販売しています。貝印による低温調理器は、本体だけではなくスタンド、パック、パックを真空状態にする機材がパッケージされた高級モデルです。

イーバランス(E-BALANCE)

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「イーバランス」はキッチン家電を販売するメーカー。大手家電メーカーにはないような、ニッチな商品を多数取り揃えていることで有名です。低温調理器の分野では、低価格でシンプルなデザインながら、ハイパワーで加熱できるモデルを用意しています。

低温調理器のおすすめ

ANOVA Culinary Precision Cooker PCB-120US-K1

スマホアプリと連動して鍋の水温をコントロールできる低温調理器です。設定温度に達したらスマホに通知するなど、便利な機能搭載。また、日本語対応はしていないものの、素材別の温度と時間の目安値や、プロによるレシピも多数アプリ内に掲載しています。

鍋の中をかくはんするためのポンプは360°回転し、毎分7~8L相当をかくはん可能とパワフル仕様。温度は25~99℃の間で調整できます。

なお、電源プラグは3本の海外仕様なので、日本のコンセントにつなぐときは、変換アダプターを使用しなければならない点に注意が必要です。

貝印 The Sousvide Machine 低温調理器 DK-5129

高級な低温調理器を探している方におすすめの1台。真空包装ができる専用シーラーや、専用スタンドを付属しています。さらに専用袋も、M・Lサイズともに10枚ずつ付属していて、購入後すぐに調理ができるところもおすすめです。

設定温度は1~95℃、設定時間は1分~9時間5分の間で調整可能。また、タイマーとアラーム機能も備えており、加熱しすぎを防ぎます。さらに、購入者特典としてオリジナルレシピを付属。12名のプロが考案したバリエーション豊富なレシピが63種類も手に入ります。

なお、使用可能な鍋は、高さ20×幅20cm以上、耐熱温度100℃以上、容量が20L以下のモノなので注意が必要です。

イーバランス(E-BALANCE) ROOMMATE 低温調理器ビストロ・リッチ EB-RM45D

低価格ながら、1050Wのハイパワー加熱が可能な低温調理器。さらに、本体底部のスクリューでお湯を循環させることで、加熱のスピードを高めます。

電源ボタンを押下して、+-ボタンを押すだけのわかりやすい操作性が魅力。温度設定は、室温~95℃まで対応しています。

さらに、異常な高温を検知する安全装置も搭載。長時間放置していても安心な低温調理器です。

BONIQ 真空低温調理器 BNQ-01

5~15Lの鍋に対応した低温調理器。小さな鍋から大きな鍋まで、さまざまなサイズで調理を行えます。

本製品の操作には、3つのボタンしか必要としません。温度と時間を設定したら、後はスタートボタンを押すだけ。ディスプレイも大きく文字が見やすいので、誰でも簡単に使えるのが魅力です。

曲線を取り入れたデザインはおしゃれなキッチンと一体感があり、上質な空間を演出できます。使用しないときはキッチンツールスタンドなどにしまっておける、コンパクトなところもおすすめの低温調理器です。

サンセイア(SANSAIRE) スーヴィードシェフ SA15jp

一定の安全基準を満たした製品として「PSEマーク」取得済の、日本向けに製造された高級低温調理器です。簡単料理ガイド付きで、購入後すぐに低温調理を楽しめます。

本製品の特徴は、0.0~99.9℃の範囲で、0.1℃刻みで温度調整が可能なところ。類似製品では難しい、微細なコントロールが行えます。

使い方も簡単。本体上部のグレー部分が温度設定用リングになっており、そこで好みの温度に設定するだけ。温度設定して数秒待てば、温度表示が現在の水温に切り替わるので、後は設定温度に達するまで放置してください。

鍋の深さには16.5cmを推奨するほか、水量や水位など多くの項目を商品販売ページで指定していて、本製品に合った鍋を選択しやすいところもおすすめです。

サンコー(THANKO) マスタースロークッカー SOVDCOOK

重量1kg程度の軽量低温調理器。価格がリーズナブルな上に、日本メーカーが販売しており、初めての低温調理器としておすすめの1台です。

設定温度は25~99℃、設定時間は1分~99時間59分と幅広く調整可能。また、本体の底面についているプロペラで水を循環させることで、均一な温度を維持できるのもポイントです。

操作は側面のダイヤルとタッチパネルで行うだけの簡単設計。日本語説明書が付属しており、海外メーカー品を購入するより安心感があります。また、ハンディ真空パック器まで付属し、1セット用意するだけで、食材を低温調理する準備が整う点も魅力です。

グルーディア(GLUDIA) 低温調理器 GLU-INM01

1200Wのパワフル加熱が可能な低温調理器。20Lまでの鍋に対応していて、一度に大量の低温調理が行えます。コードの長さも2.1mあり、広めのキッチンでも扱いやすいところがおすすめです。

操作方法も簡単。電源ボタンを押下したら、本体のダイヤルを回して温度と時間をセットするだけで完了します。温度の上限は95℃で、0.5℃刻みの調整が可能です。

また、パソコンで使い方がわかるオンラインマニュアルコードを付属。このマニュアルには簡単レシピもついていて、料理のレパートリーを増やせるのも魅力です。

Razorri 水温制御クッカー RZ-09

Wi-Fi接続に対応して、スマホでリモートコントロールができる低温調理器。同時に複数台のRZ-09を接続可能で、大量の低温調理を行いたい方にもおすすめです。

本製品は、上部に搭載されたライトの色で状態確認が可能。ライトの色がブルーなら予熱、グリーンなら稼働中およびカウントダウン、レッドなら完成を表します。1100Wのハイパワーなので、加熱も高速で行えるのが魅力です。

また、スマホからも時間や温度を設定可能。設置時間と残り時間、設定温度、現在の水温がアプリ上に表示されます。さらに、アプリには7カテゴリに分類されたレシピが用意されており、レシピを選択すれば自動で最適な設定を行えるところもポイントです。

なお、電源プラグは3本の海外仕様。日本で使用する場合は、別途変換アダプターを用意してください。

Razorri 水温制御クッカー RZ-08

リーズナブルな価格ながら、高級感溢れるデザインの低温調理器。同社製の「RZ-09」とは違い、日本の電源コードに適合しているところもおすすめです。

最高設定温度は90℃、設定時間は最大99時間59分。800Wの加熱で、ポンプによるかくはんは毎分8Lとオーソドックスな性能です。

温度や時間の設定は、本体上部の金属製ホイールを回して行うスタイリッシュな設計。設定温度に到達するとタイマー機能が作動し、時間がくれば自動的に本体の動作が停止するので、目を離していても安心です。

ケーズメソッドジャパン ギンザオリバールスーヴィード・クッカー KMJ-SC-01

日本に真空調理を広めた第一人者である川平秀一シェフが監修した低温調理器。プロ監修の34種類もの低温調理メニューを掲載したレシピブックが付属しています。なお、レシピブックのメニューはすべて本体に内蔵されていて、レシピ毎に最適な設定をワンタッチでセットできるところもおすすめです。

低温調理器に多く見られる並行輸入品ではなく、日本で流通させることを目的に、日本メーカーが企画・製造した製品であるところもポイント。電気用品安全法に準拠した安全基準をしっかりと満たしています。

また、本体や説明書以外にも、専用クッキング袋を50枚も付属。購入後すぐに、大量の食材を調理できます。

AUKUYEE 低温調理器

オーソドックスな性能の低温調理器。並行輸入品ですが、日本語マニュアルが付属していて、操作に不安がある方でも安心です。

設定温度は25~99.9℃、設定時間は1分~99時間59分の範囲で調整可能。設定温度や設定時間を示す液晶ディスプレイが大型サイズであるところも、使い勝手を向上させています。

また、水を循環させるポンプがついていて、水温を均一に保ちつつ、動作音も静かなところがポイント。なお、電源プラグは3本の海外仕様なので、日本のコンセントにつなぐときは、変換アダプターを用意しましょう。

Azrsty 低温調理器

重量わずか1kg程度の軽量低温調理器。操作パネルも大画面で、ひと目で設定時間と設定温度がわかります。上部にハンドルがついていて、扱いやすいところもおすすめです。

また、さまざまなサイズの真空パックが付属しているところも魅力。真空ポンプまで付属していて、購入後すぐに使用できます。

他社製品では1年保証が多い中、本製品は2年間の長期保証。さらに、一定の安全基準を満たしたことを示す「PSE」を含む、多くの認証や品質テストをクリアしています。安心して購入できるおすすめの低温調理器です。

富士商(Fujisho) Felio スーヴィードクッキング F9575

シンプルなデザインの低温調理器。本体重量は約1.27kgと、低温調理器の中では軽量なので、扱いやすいところがおすすめです。

設定温度は0~95℃まで0.5℃刻みで変更可能で、設定時間は0分~99時間59分で調整可能。加熱開始直後と終了1分前には、ビープ音で知らせてくれるため、目を離してほかの家事に集中できます。

さらに、簡単調理のレシピを付属。なお、高さ16cm以上の鍋を使用することが推奨されています。

OMorc 低温調理器

リーズナブルな価格の低温調理機。電気用品安全法に準拠した「PSEマーク」を取得していて、低価格ながら安全に使用できます。

設定温度は25〜99.9℃で0.1℃刻み、設定時間は1分〜100時間の範囲で調節可能。操作パネルも本体上部の見やすい位置にあり、簡単に操作できます。

設置が完了して電源ボタンを押すと製品のLED色が青色に変わり、ビープ音が鳴ると作業が始まる仕様。視覚や聴覚で操作性を高めているところもおすすめです。なお、電源プラグは3本の海外仕様なので、日本での使用には、変換アダプターが別途必要な点に注意してください。

VIVREAL 低温調理器

大きな取っ手を本体上部に搭載した低温調理器。大画面でスタイリッシュなコントロールパネルを採用していて、実用性に富んでいます。

設定温度は25~99.9℃の0.2℃刻み。また、PSE認証も獲得しており、安全性にも信頼が置けます。ステンレス製で耐久性も抜群なおすすめの低温調理器です。

低温調理器を使って作れるおすすめレシピ

ローストビーフ

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ローストビーフは、低温調理器を購入したら真っ先に作りたい料理。中心部をほどよくレアに仕上げた後は、表面だけをフライパンでサクッと焼いて焦げ目をつければ完成です。

完成したローストビーフは、和風だれから赤ワインソースまで、和洋問わずさまざまな味付けと相性抜群。さらに、適度に脂身と旨みがあるのがローストビーフの特徴なので、サラダの上にのせてもご馳走になります。

厚切りステーキ

厚切りステーキも、低温調理だからこそ簡単に調理できるご馳走。通常のフライパンで調理する場合、厚切りだと焼き加減が難しいものです。

そこで、低温調理器の出番。低温調理器で数時間加熱すれば、厚切り肉の中心部まで熱が通った状態になります。その後、殺菌のために表面だけに火を通せば、お肉の柔らかさを保った美味しい厚切りステーキの完成です。

さまざまな温度でのトマトの低温調理

低温調理器の特徴は、多くの機種で1℃単位での温度調整ができるところ。この特性を活かして、複数の温度で野菜を加熱すれば、温度ごとに違った味が楽しめます。

例えば、トマトを生に近い味で楽しみたいなら、50℃程度で加熱すればOK。生のトマトに少し甘さが加わったような味になります。さらに、60℃程度で加熱すれば、生とは全く違う、柔らかで甘みが増した味になるなど、自分にとって最適な温度を探すことも料理を楽しむポイントです。

低温調理かぼちゃの煮つけ

煮崩れしやすい料理は、低温調理器を使えば上手に調理できることも。例えば、かぼちゃの煮つけのように煮崩れしてしまいやすいモノは、一度低温調理器を試してみる価値があります。

作り方も簡単。パックの中に、かぼちゃ、出汁、しょうゆ、みりんなどを入れて真空状態にしたら、鍋に入れて低温加熱を行うだけ。加熱が完了したら、パックから取り出して器に盛りつけるだけで、簡単に煮つけが完成します。