絶縁抵抗計は、電気機器の絶縁抵抗値を測定するのに必須のアイテムです。絶縁抵抗値を測定することで、電気機器の外部へ電気が漏れていないかを確認できます。電気が漏れていると火災などのトラブルを招くため、しっかり検査を行うことが大切です。

絶縁抵抗計にはさまざまな種類があり、豊富な機能を搭載しているので、どれを選べばよいのか迷いがち。そこで今回は、絶縁抵抗計の選び方とおすすめ製品をご紹介します。
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絶縁抵抗計とは?

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絶縁抵抗計とは、別名で「メガー」とも呼ばれるモノで、電気機器の絶縁抵抗値を測定する機器のことです。絶縁抵抗の「絶縁」とは電気を断ち切ること、「抵抗」とは電流の流れに抵抗する力を指します。

電気機器を使用する際、漏電による火災や感電などのトラブルを避けるために、必要な場所でのみ電気が使われるようにしなければなりません。通常、電気機器は必要な場所以外に電気が漏れないよう、導体を絶縁物で覆うなどして絶縁されています。

しかし、汚れや損傷などにより絶縁物の劣化が進むと、漏電のリスクを伴うのが懸念点。そのため、絶縁抵抗計を使用して、定期的に電気機器の絶縁抵抗値を測定することで、電気機器の異常がないかを管理することが大切です。

絶縁抵抗計の用途と使い方

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絶縁抵抗計は、電気機器に電気の漏れがないかを確認するためのモノ。測定する箇所に応じて、定格測定電圧を切り替えて測定します。

絶縁抵抗計の用途はさまざま。定格測定電圧が25Vや50Vの場合で電話回路電路の絶縁測定、125Vの場合で100V系の低圧配電路および機器の維持・管理、250Vなら200V系の低圧電路および機器の維持・管理といったように、JIS C 1302の規格で使用例が明記されているので、確認しておきましょう。

絶縁抵抗計を使用するには、始めに被測定物を無電圧状態にします。次に、絶縁抵抗計を、測定する場所に応じた電圧レンジへ設定。絶縁抵抗計のアース端子を被測定回路の接地端子に接続、ライン端子を測定対象に当てて、測定スイッチを押すことで測定結果が表示されます。

なお、絶縁抵抗計の詳細な使い方は、モデルによって異なるので要注意。安全かつ正しく測定するためにも、取り扱い説明書をよく確認してから使用するようにしましょう。

絶縁抵抗計の仕組みと原理

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絶縁抵抗計は、本体内部で定格電圧を発生させて、被測定物に電圧を与えます。電圧を与えると発生する電流を測ることで、抵抗値を算出する仕組みです。

絶縁抵抗計は主に、直流電源・電流計・電流保護素子・測定開始スイッチにより構成されています。本体にはライン(LINE)端子とアース(EARTH)端子があり、被測定物のライン端子に導体を、絶縁体にアース端子を繋げて、スイッチをオンにすることで測定できます。

絶縁抵抗計と接地抵抗計の違い

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絶縁抵抗計は、電気機器の電気の漏れにくさを表す、絶縁抵抗値を測定するための機器です。一方で接地抵抗計は、電気機器の漏れた電気が流れる逃げ道の通りにくさを表す「接地抵抗値」を測定する機器を指します。

電気機器は、絶縁抵抗と接地抵抗のそれぞれに対して規定値があるのもポイント。規定値の基準を満たしているかどうかを確認する際に、絶縁抵抗計や接地抵抗計を用いるのが一般的です。

絶縁抵抗計の選び方

定格測定電圧の数をチェック

単レンジ

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単レンジの絶縁抵抗計は、定格測定電圧の切り替えがないタイプです。定格測定電圧が切り替えられない分、本体価格が安い傾向にあります。また、用途が限られている場合に設定を変更する必要がなく、測定しやすいのがメリットです。

一方で、レンジの設定を変更できないのは懸念点。さまざまな電気機器の絶縁抵抗値を測定したい場合には不向きなので、留意しておきましょう。

多レンジ

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多レンジの絶縁抵抗計は、複数の定格測定電圧に対応するタイプです。多レンジの多くのモデルは、本体に搭載されたダイヤルを操作することで、レンジの調節が可能です。レンジの対応数はモデルによって異なり、少ないモノだと2レンジ、多いモノだと5レンジに対応します。

多レンジタイプは、状況に応じて定格測定電圧を変えられるため、さまざまな場所の絶縁抵抗値を測定するのにおすすめ。ただし、対応していないレンジで測定すると、被測定物の破損の原因となるので、取り扱いに注意が必要です。価格も、単レンジに比べて高くなる傾向にあります。

表示形式をチェック

アナログ式

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アナログ式の絶縁抵抗計は、メーターに配置された針が左右に振れることで、絶縁抵抗値を確認できるタイプです。絶縁抵抗計の針の初期位置は∞、反対側には0が表示されています。測定の際は、針が初期位置の∞からあまり動かなければ、絶縁良好であることを表し、一方で針が0側にあるほど絶縁不良を表します。

アナログ式は、針の動きで電気機器の状態がすぐに分かる点がメリット。しかし、絶縁抵抗計本体の状態が悪いときに測定すると、正しく検査できているかが判別しにくい点はデメリットです。また、暗い場所で測定する場合、メーターと針の位置を確認しにくい点にも注意しなければなりません。

なかには、メーターをLEDライトで明るく表示できるタイプもあるので、アナログ式で視認性を重視する方はチェックしてみてください。

デジタル式

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デジタル式の絶縁抵抗計は、絶縁抵抗値をディスプレイに表示するタイプ。表示された数値をそのまま読み取るだけのため、数値の読み間違いが少なく、誰が測定しても分かりやすいのがメリットです。

また、ディスプレイにLED照明を採用しているモデルが多く、暗い場所でも視認性に優れています。対応するレンジや機能も豊富な傾向にあるので、さまざまな用途で活用したい方におすすめです。

電源をチェック

電池タイプ

電池タイプは、絶縁抵抗計の主流といえるタイプで、主に単三や単四乾電池などを電源として動作します。電池タイプは、対応する電池を所持していれば、AC電源を使えない環境でも測定できる点がメリットです。

しかし、電池残量が少なくなると、正確に測定しにくくなる点には要注意。絶縁抵抗計は、多くのモデルにバッテリーチェック機能が搭載されているため、測定前には電池残量をチェックしておきましょう。

AC電源タイプ

AC電源タイプは、名前の通りAC電源に繋いで測定するタイプ。主に、高圧対応の本格的な絶縁抵抗計に採用されています。電源が安定しているため、電池タイプのように電池残量を気にする必要がないほか、計測誤差がなく測定できる点がメリットです。

さらに、多くのAC電源タイプの絶縁抵抗計は、AC電源と電池の両方に対応しています。近くにコンセントがない場所でも、電池を使って計測できるので安心です。

絶縁抵抗計のおすすめメーカー

共立電気計器(KYORITSU)

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共立電気計器は、1950年に設立した、東京都に本社を構える電気計測機器メーカーです。共立電気計器の絶縁抵抗計は、製品ラインナップが豊富で、用途に応じたモデルを選択できます。

多くのモデルが軽量かつコンパクトなモデルのため、片手で持ったまま測定が可能。LEDライトを搭載しているモデルも多いので、暗所でもスムーズに測定できます。

日置電機(HIOKI)

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日置電機は、1952年に設立した、長野県に本社を構える電気計測器メーカーです。アナログ式とデジタル式ともにさまざまなタイプの絶縁抵抗計をラインナップしており、特にアナログ式のモデルを多く展開しています。

アナログ式では、単レンジから4レンジまで幅広く対応。デジタル式は5レンジに対応し、さまざまな箇所の測定で活用できます。

三和電気計器(sanwa)

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三和電気計器は、1955年に設立した、東京都に本社を構える電気計測器メーカー。三和電気計器の絶縁抵抗計は、コンパクトなモデルが多く、作業効率を向上させたい方におすすめです。

基本的にどのモデルも、測定終了後に被測定物に充電された電圧を放電する「ディスチャージ機能」を採用。ハイスペックモデルの場合は、防塵防滴機能や活線自動判別機能など、便利な機能を多く搭載しています。

絶縁抵抗計のおすすめ|アナログ

共立電気計器(KYORITSU) 高圧絶縁抵抗計 KEW 3123A

共立電気計器(KYORITSU) 高圧絶縁抵抗計 KEW 3123A

5000Vと10000Vの定格測定電圧に対応している絶縁抵抗計です。変電設備など、高圧機器の絶縁抵抗チェックにおすすめのモデル。防滴構造を採用しているため、屋外で作業中でも少量の雨であれば濡れても使えると謳われています。単3乾電池8本で動作し、コンセントのない環境で利用できるのも便利です。

丈夫なハードケースが付属。脱着式の測定コードを採用しているので、コンパクトに収納して持ち運べます。なお、電池を含め重さが約1kgある点はあらかじめ留意しておきましょう。

日置電機(HIOKI) アナログメグオームハイテスタ IR4011-11

日置電機(HIOKI) アナログメグオームハイテスタ IR4011-11

125Vの単レンジモデルです。耐衝撃設計がされており高い堅牢性を有しています。1mの高さからコンクリートに落下させても耐えると謳われているため、万が一手を滑らせても慌てる心配はありません。ハードな現場におすすめのタフな絶縁抵抗計です。LEDインジケーターを搭載しているので、おおよその電池残量がひと目で把握できます。

白色LED照明付きのメーターを採用しているのが特徴。目盛部分が光るので、暗所での測定作業にもしっかりと対応できます。測定ピンにもLEDライトを内蔵するなど、使い勝手は良好です。スイッチ付きのリードを採用しているため、絶縁抵抗の測定・停止が手元で操作できます。

日置電機(HIOKI) アナログメグオームハイテスタ IR4032

日置電機(HIOKI) アナログメグオームハイテスタ IR4032

シンプルなスケールを採用した3レンジタイプの絶縁抵抗計です。レンジを変更した際に、測定値の読み間違いが防げるおすすめのモデル。125V・250V・500Vに対応しているため、さまざまな設備の点検用途に使用できます。500VモードへはOFFを挟んで切り替えるなど、ロータリースイッチのグループ分けがされているのも安心なポイントです。

単3アルカリ乾電池4本で20時間の連続使用が可能。光るスケールとLEDライト付きのテストリードを採用しているので、暗い環境での測定作業が容易におこなえます。親指で押したり引き起こしたりすることで、単発測定と連続測定が切り替えられるなど、スイッチの使いやすさも良好です。

三和電気計器(sanwa) アナログ絶縁抵抗計 PDM5219S

三和電気計器(sanwa) アナログ絶縁抵抗計 PDM5219S

125V・250V・500Vと3つの定格測定電圧を選択できる、アナログタイプの絶縁抵抗計です。1つの目盛ですべてのレンジをカバーできるのが特徴。レンジを変えるたびに違う目盛を見る必要がないため 読み間違いのリスクが少なく済みます。スッキリとしたスケール盤レイアウトも採用するなど、見やすさと読みやすさを重視する方におすすめのモデルです。

軽量設計なので、さまざまな場所に気軽に持ち運べます。首掛けストラップが付いており、測定する際に両手が使えるのも便利なポイントです。測定ケーブルの取り回しがしやすいほか、記録用紙に測定結果が素早く書き込めます。

イチネンTASCO(ICHINEN TASCO) 4レンジ絶縁抵抗計 TA453CA

イチネンTASCO(ICHINEN TASCO) 4レンジ絶縁抵抗計 TA453CA

4つの定格測定電圧に対応している絶縁抵抗計です。125V・250V・500V・1000Vで測定でき、幅広い用途で活躍するおすすめのモデル。LEDライト付きなので、暗所での読み取りが容易におこなえます。抵抗状態を確認できるLEDを備えており、高抵抗なら「緑」低抵抗なら「赤」といった具合にひと目で判別できるのも便利です。

コンパクトなボディの重さは約430gと軽量。片手で持ったままで楽に作業がおこなえます。リモートスイッチ付きの測定プローブが標準で付属しているため、作業性は良好です。

絶縁抵抗計のおすすめ|デジタル

共立電気計器(KYORITSU) 高圧絶縁抵抗計 KEW 3128

共立電気計器(KYORITSU) 高圧絶縁抵抗計 KEW 3128

500Vから12kVの6つのレンジに対応した、デジタル式高圧絶縁抵抗計です。本製品は、高い定格電圧で測定する際におすすめ。本体は出力電圧の可変に対応するほか、大型LCDにより測定値の変化をグラフで表示できます。

また、表示画面データを保存できるプリントスクリーン機能や、最大約43000件のデータを格納できるメモリ機能を搭載しているのもポイント。測定したデータの表示値にふらつきがでにくいよう、フィルタ機能も備わっています。

本体はUSBを用いたPCとの接続に対応し、PCからリアルタイムでモニタリングが可能。電源はAC電源と充電式電池のどちらにも対応しています。

共立電気計器(KYORITSU) デジタル絶縁・接地抵抗計 KEW 6022

共立電気計器(KYORITSU) デジタル絶縁・接地抵抗計 KEW 6022

幅広い用途で活躍する5レンジ仕様の絶縁抵抗計です。バックライトに加えて蓄光式操作ボタンを採用しているのが特徴。暗所での作業がしやすいおすすめのモデルです。IP54の防塵・防滴構造を採用しているため、悪天候でも安心して持ち出せます。

交流電圧と直流電圧の測定に対応しているのも特徴。交流・直流を自動判別するので、手動で切り替える手間を省けます。簡易測定で接地測定がおこなえるなど、多目的に利用できるのが魅力です。

日置電機(HIOKI) 絶縁抵抗計 IR4051-11

日置電機(HIOKI) 絶縁抵抗計 IR4051-11

JIS認証の5レンジ対応絶縁抵抗計で、幅広い用途で活用したい方におすすめのモデルです。本製品は安定性に優れた設計かつ、高速測定に対応。作業効率の向上が期待できます。本体はハードケースと一体型になっていて、手軽に測定できるのもポイントです。

比較判定機能付きで、基準値を設定すると、測定の良否判定を画面と音で知らせます。測定スイッチの使い方によっては、単発測定と連続測定が可能。作業をスムーズにおこなえます。また、コンクリート上1m上からの落下にも耐えられると謳われている頑丈な設計も魅力です。

暗所での測定時には、本体のバックライトおよびライト付きのテストリードにより、デジタル表示部分と手元を明るく照らせます。テストリードにはスイッチを搭載しており、操作性は良好です。

三和電気計器(sanwa) デジタル絶縁抵抗計 MG500

三和電気計器(sanwa) デジタル絶縁抵抗計 MG500

アナログバーグラフ表示機能を搭載した絶縁抵抗計です。絶縁抵抗値の高さや低さ加減を直感的に判断できるおすすめのモデル。数値も大きく表示されるなど、視認性は良好です。バックライト付きの液晶パネルを採用しているため、暗所でもスムーズに測定作業がおこなえます。

最後に測定した値を自動でホールドできるのがポイント。IP54の防塵・防滴性能を搭載しているので、多少雨に濡れる程度なら使用できます。

横河計測(YOKOGAWA) ディジタル絶縁抵抗計 MY600

横河計測(YOKOGAWA) ディジタル絶縁抵抗計 MY600

コンパレーターを内蔵した絶縁抵抗計です。測定結果の良否判定が、直感的かつ素早くおこなえるおすすめのモデル。あらかじめ設定した基準値に対して、PASSなら「緑」に、FAILの場合は「赤」に画面の色が変わります。測定に要する時間も約0.5秒と高速です。

USB通信機能を搭載しているのが特徴。専用のUSB通信アダプタを利用することで、測定値や測定日時などのデータをパソコンに取り込めます。測定結果を手書きで記録する煩わしさがありません。

メモリ機能を内蔵しており、1000件分のデータが保存できるのも便利です。絶縁抵抗測定業務の効率化を検討している方はチェックしてみてください。

Jeffergarden デジタル絶縁抵抗計 BM500A

Jeffergarden デジタル絶縁抵抗計 BM500A

価格の安いデジタルタイプの絶縁抵抗計です。気軽に導入できる製品を探している方におすすめのモデル。低価格ながら250V・500V・1000Vと3つのレンジを備えているため、幅広い測定用途に利用できます。

コンパクトで持ち運びがしやすいのも便利です。しかし、電源に6F22の9V角形電池が必要な点は留意しておきましょう。