絶縁抵抗計は、電気機器の絶縁抵抗値を測定するのに必須のアイテムです。絶縁抵抗値を測定することで、電気機器の外部へ電気が漏れていないかを確認できます。電気が漏れていると火災などのトラブルを招くため、しっかり検査を行うことが大切です。

絶縁抵抗計にはさまざまな種類があり、豊富な機能を搭載しているので、どれを選べばよいのか迷いがち。そこで今回は、絶縁抵抗計の選び方とおすすめ製品をご紹介します。
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

絶縁抵抗計とは?

By: amazon.co.jp

絶縁抵抗計とは、別名で「メガー」とも呼ばれるモノで、電気機器の絶縁抵抗値を測定する機器のことです。絶縁抵抗の「絶縁」とは電気を断ち切ること、「抵抗」とは電流の流れに抵抗する力を指します。

電気機器を使用する際、漏電による火災や感電などのトラブルを避けるために、必要な場所でのみ電気が使われるようにしなければなりません。通常、電気機器は必要な場所以外に電気が漏れないよう、導体を絶縁物で覆うなどして絶縁されています。

しかし、汚れや損傷などにより絶縁物の劣化が進むと、漏電のリスクを伴うのが懸念点。そのため、絶縁抵抗計を使用して、定期的に電気機器の絶縁抵抗値を測定することで、電気機器の異常がないかを管理することが大切です。

絶縁抵抗計の用途と使い方

By: hioki.co.jp

絶縁抵抗計は、電気機器に電気の漏れがないかを確認するためのモノ。測定する箇所に応じて、定格測定電圧を切り替えて測定します。

絶縁抵抗計の用途はさまざま。定格測定電圧が25Vや50Vの場合で電話回路電路の絶縁測定、125Vの場合で100V系の低圧配電路および機器の維持・管理、250Vなら200V系の低圧電路および機器の維持・管理といったように、JIS C 1302の規格で使用例が明記されているので、確認しておきましょう。

絶縁抵抗計を使用するには、始めに被測定物を無電圧状態にします。次に、絶縁抵抗計を、測定する場所に応じた電圧レンジへ設定。絶縁抵抗計のアース端子を被測定回路の接地端子に接続、ライン端子を測定対象に当てて、測定スイッチを押すことで測定結果が表示されます。

なお、絶縁抵抗計の詳細な使い方は、モデルによって異なるので要注意。安全かつ正しく測定するためにも、取り扱い説明書をよく確認してから使用するようにしてください。

絶縁抵抗計の仕組みと原理

By: yokogawa.com

絶縁抵抗計は、本体内部で定格電圧を発生させて、被測定物に電圧を与えます。電圧を与えると発生する電流を測ることで、抵抗値を算出する仕組みです。

絶縁抵抗計は主に、直流電源・電流計・電流保護素子・測定開始スイッチにより構成されています。本体にはライン(LINE)端子とアース(EARTH)端子があり、被測定物のライン端子に導体を、絶縁体にアース端子を繋げて、スイッチをオンにすることで測定できます。

絶縁抵抗計と接地抵抗計の違い

By: sanwa-meter.co.jp

絶縁抵抗計は、電気機器の電気の漏れにくさを表す、絶縁抵抗値を測定するための機器です。一方で接地抵抗計は、電気機器の漏れた電気が流れる逃げ道の通りにくさを表す「接地抵抗値」を測定する機器を指します。

電気機器は、絶縁抵抗と接地抵抗のそれぞれに対して規定値があるのもポイント。規定値の基準を満たしているかどうかを確認する際に、絶縁抵抗計や接地抵抗計を用いるのが一般的です。

絶縁抵抗計の選び方

定格測定電圧の数をチェック

単レンジ

By: amazon.co.jp

単レンジの絶縁抵抗計は、定格測定電圧の切り替えがないタイプです。定格測定電圧が切り替えられない分、本体価格が安い傾向にあります。また、用途が限られている場合に設定を変更する必要がなく、測定しやすいのがメリットです。

一方で、レンジの設定を変更できないのは懸念点。さまざまな電気機器の絶縁抵抗値を測定したい場合には不向きなので、留意しておきましょう。

多レンジ

By: amazon.co.jp

多レンジの絶縁抵抗計は、複数の定格測定電圧に対応するタイプです。多レンジの多くのモデルは、本体に搭載されたダイヤルを操作することで、レンジの調節が可能です。レンジの対応数はモデルによって異なり、少ないモノだと2レンジ、多いモノだと5レンジに対応します。

多レンジタイプは、状況に応じて定格測定電圧を変えられるため、さまざまな場所の絶縁抵抗値を測定するのにおすすめ。ただし、対応していないレンジで測定すると、被測定物の破損の原因となるので、取り扱いに注意が必要です。価格も、単レンジに比べて高くなる傾向にあります。

表示形式をチェック

アナログ式

By: amazon.co.jp

アナログ式の絶縁抵抗計は、メーターに配置された針が左右に振れることで、絶縁抵抗値を確認できるタイプです。絶縁抵抗計の針の初期位置は∞、反対側には0が表示されています。測定の際は、針が初期位置の∞からあまり動かなければ、絶縁良好であることを表し、一方で針が0側にあるほど絶縁不良を表します。

アナログ式は、針の動きで電気機器の状態がすぐに分かる点がメリット。しかし、絶縁抵抗計本体の状態が悪いときに測定すると、正しく検査できているかが判別しにくい点はデメリットです。また、暗い場所で測定する場合、メーターと針の位置を確認しにくい点にも注意しなければなりません。

なかには、メーターをLEDライトで明るく表示できるタイプもあるので、アナログ式で視認性を重視する方はチェックしてみてください。

デジタル式

By: amazon.co.jp

デジタル式の絶縁抵抗計は、絶縁抵抗値をディスプレイに表示するタイプ。表示された数値をそのまま読み取るだけのため、数値の読み間違いが少なく、誰が測定しても分かりやすいのがメリットです。

また、ディスプレイにLED照明を採用しているモデルが多く、暗い場所でも視認性に優れています。対応するレンジや機能も豊富な傾向にあるので、さまざまな用途で活用したい方におすすめです。

電源をチェック

電池タイプ

電池タイプは、絶縁抵抗計の主流といえるタイプで、主に単三や単四乾電池などを電源として動作します。電池タイプは、対応する電池を所持していれば、AC電源を使えない環境でも測定できる点がメリットです。

しかし、電池残量が少なくなると、正確に測定しにくくなる点には要注意。絶縁抵抗計は、多くのモデルにバッテリーチェック機能が搭載されているため、測定前には電池残量をチェックしておきましょう。

AC電源タイプ

AC電源タイプは、名前の通りAC電源に繋いで測定するタイプ。主に、高圧対応の本格的な絶縁抵抗計に採用されています。電源が安定しているため、電池タイプのように電池残量を気にする必要がないほか、計測誤差がなく測定できる点がメリットです。

さらに、多くのAC電源タイプの絶縁抵抗計は、AC電源と電池の両方に対応しています。近くにコンセントがない場所でも、電池を使って計測できるので安心です。

絶縁抵抗計のおすすめメーカー

共立電気計器(KYORITSU)

By: amazon.co.jp

共立電気計器は、1950年に設立した、東京都に本社を構える電気計測機器メーカーです。共立電気計器の絶縁抵抗計は、製品ラインナップが豊富で、用途に応じたモデルを選択できます。

多くのモデルが軽量かつコンパクトなモデルのため、片手で持ったまま測定が可能。LEDライトを搭載しているモデルも多いので、暗所でもスムーズに測定できます。

日置電機(HIOKI)

By: amazon.co.jp

日置電機は、1952年に設立した、長野県に本社を構える電気計測器メーカーです。アナログ式とデジタル式ともにさまざまなタイプの絶縁抵抗計をラインナップしており、特にアナログ式のモデルを多く展開しています。

アナログ式では、単レンジから4レンジまで幅広く対応。デジタル式は5レンジに対応し、さまざまな箇所の測定で活用できます。

三和電気計器(sanwa)

By: amazon.co.jp

三和電気計器は、1955年に設立した、東京都に本社を構える電気計測器メーカー。三和電気計器の絶縁抵抗計は、コンパクトなモデルが多く、作業効率を向上させたい方におすすめです。

基本的にどのモデルも、測定終了後に被測定物に充電された電圧を放電する「ディスチャージ機能」を採用。ハイスペックモデルの場合は、防塵防滴機能や活線自動判別機能など、便利な機能を多く搭載しています。

絶縁抵抗計のおすすめ|アナログ

共立電気計器(KYORITSU) 絶縁抵抗計 KEW 3441

共立電気計器(KYORITSU) 絶縁抵抗計 KEW 3441

測定スピードを最大限まで追求した、コンパクトなアナログ式絶縁抵抗計です。本体は軽量かつコンパクトなサイズで、片手で持ったまま測定したい方におすすめ。125V・250V・500V・1000Vの4レンジに対応し、幅広い用途で活躍します。

本体の目盛りは見やすい設計。被測定物の抵抗状態は、高抵抗のときは緑色に、低抵抗のときは赤色にLED点灯されるため、スムーズに確認できます。暗所ではスケールを自動点灯するほか、被測定物も照らせるので安心です。

本体には、リモートスイッチ付きプローブと専用ケースが付属。プローブは手元のスイッチにより、簡単に測定可能です。付属の専用ケースを使えば、絶縁抵抗値の測定に必要な道具を整理して持ち運べます。

共立電気計器(KYORITSU) 絶縁抵抗計 KEW 3412

共立電気計器(KYORITSU) 絶縁抵抗計 KEW 3412

定格測定電圧500Vの単レンジで使用したい方におすすめの、アナログ式絶縁抵抗計です。用途が限られている分、誤印加することがなく、安心して測定できます。本製品はJIS C 1302:2018認証品で、しっかりと絶縁抵抗値を測定したい場合にぴったりです。

本体は軽量かつコンパクトな仕様で、片手で持ったまま測定可能です。抵抗状態をLEDの色で即座に判断できるほか、目盛りが見やすいのも特徴。付属のリモートスイッチ付きプローブにより、手元で測定のオンとオフを操作できるのもポイントです。

また、直流・交流を自動判別する電圧測定機能や、暗所で被測定物やスケールを点灯する機能など、測定効率を向上する機能を多く搭載。携帯用ケースも付属しており、本体の取り出しや収納がスムーズに行えます。

日置電機(HIOKI) アナログメグオームハイテスタ IR4032

日置電機(HIOKI) アナログメグオームハイテスタ IR4032

堅牢性を重視する方におすすめのアナログ式絶縁抵抗計です。本製品は耐衝撃性に優れたモデルで、ハードな現場での使用にぴったり。コンクリート上1mからの落下にも耐えられると謳われている丈夫な設計です。

本体は125V・250V・500Vの3レンジに対応。目盛りは正確な数値を読み取りやすい、シンプルな表示です。また、白色LEDの搭載により、暗所の作業でも絶縁抵抗値を簡単に読み取れます。

電源は電池タイプを採用。電池の残量はLEDの色で判別できるため、現場で突然電池切れになる心配がありません。本体に搭載された測定スイッチは、そのまま押すと単発測定、起こして使用すると連続測定に対応し、状況に応じた使い分けができます。

三和電気計器(sanwa) 絶縁抵抗計 PDM5219S

三和電気計器(sanwa) 絶縁抵抗計 PDM5219S

低い絶縁抵抗値まで測定できる、アナログ式絶縁抵抗計です。本製品は125V・250V・500Vの定格電圧3レンジに対応。目盛りは最小限の表示で、見やすさと読みやすさを向上しています。

本体は絶縁抵抗測定スイッチ付きで、単発および連続測定が可能。連続測定は、複数の電気機器の測定を連続で行う場合におすすめです。また、ディスチャージ機能により、測定対象に充電された電圧を放電できます。

電池残量は、インナーバッテリーチェック機能で確認可能。突然電池が切れる心配が少なく済むのもメリットです。本体重量は軽量なので、持ち運びの負担を軽減します。付属の首掛けストラップを使えば、測定時に両手が使えて便利です。

絶縁抵抗計のおすすめ|デジタル

共立電気計器(KYORITSU) 高圧絶縁抵抗計 KEW 3128

共立電気計器(KYORITSU) 高圧絶縁抵抗計 KEW 3128

500Vから12kVの6つのレンジに対応した、デジタル式高圧絶縁抵抗計です。本製品は、高い定格電圧で測定する際におすすめ。本体は出力電圧の可変に対応するほか、大型LCDにより測定値の変化をグラフで表示できます。

また、表示画面データを保存できるプリントスクリーン機能や、最大約43000件のデータを格納できるメモリー機能を搭載しているのもポイント。測定したデータの表示値にふらつきがでにくいよう、フィルタ機能も備わっています。

本体はUSBを用いたPCとの接続に対応し、PCからリアルタイムでモニタリングが可能。電源はAC電源と充電式電池のどちらにも対応しています。

日置電機(HIOKI) 絶縁抵抗計 IR4051-11

日置電機(HIOKI) 絶縁抵抗計 IR4051-11

JIS認証の5レンジ対応絶縁抵抗計で、幅広い用途で活用したい方におすすめのモデルです。本製品は安定性に優れた設計かつ、高速測定に対応。作業効率の向上が期待できます。本体はハードケースと一体型になっていて、手軽に測定できるのもポイントです。

比較判定機能付きで、基準値を設定すると、測定の良否判定を画面と音で知らせます。測定スイッチの使い方によっては、単発測定と連続測定が可能。作業をスムーズに行えます。また、コンクリート上1m上からの落下にも耐えられると謳われている頑丈な設計も魅力です。

暗所での測定時には、本体のバックライトおよびライト付きのテストリードにより、デジタル表示部分と手元を明るく照らせます。テストリードにはスイッチを搭載しており、操作性は良好です。

三和電気計器(sanwa) スマートスタイル 7レンジ式絶縁抵抗計 HG561H

三和電気計器(sanwa) スマートスタイル 7レンジ式絶縁抵抗計 HG561H

JIS C 1302規格で定められた定格測定電圧の、15Vから500Vの7レンジに対応するデジタル式絶縁抵抗計です。本製品は対応するレンジが幅広く、幅広い用途で使いたい方におすすめ。使用する印加電圧レンジだけを任意に設定できるのもポイントです。

ディスプレイには、暗所でも測定しやすいようにバックライトを搭載。小数点の位置が固定されているため、数値の読み間違いを防止します。また、測定対象を照らすLEDも搭載しており、測定作業がスムーズです。

本体は電気が導通しているとブザーが鳴るので、良否判定が簡単。活線状態のときに測定を開始しない「活線自動判別機能」や、測定対象に充電された電圧を放電するオートディスチャージ機能を搭載している点も安心です。

カイセ(kaise) デジタル絶縁抵抗計 SK-3500

カイセ(kaise) デジタル絶縁抵抗計 SK-3500

By: kaise.com

小型で機能性に優れたデジタル式絶縁抵抗計です。レンジは50V・125V・250V・500Vに対応。低圧回路から高圧回路まで、さまざまな用途で活用したい方におすすめです。ディスプレイはバックライトを搭載しているほか、ワイドな表示で視認性に優れています。

データ記憶機能により、測定データと日時を最大100個まで内部メモリーに保存可能。測定の記録漏れを防げます。基準値を設定することで、測定値が高いときは「HIGH」、低いときは「LOW」と表示させたり、ブザーでお知らせしたりできるのもポイントです。

活線警告機能を搭載しているので、安全性も良好。また、自動放電機能により、被測定物の残留電荷を自動で放電します。最終操作から約15分が経過すると、自動でパワーセーブされ、必要以上に電池残量を消費しません。

付属のケースで本体を保護できるほか、ショルダーベルト付きで測定時に両手が自由に使えます。

横河計測(YOKOGAWA) ディジタル絶縁抵抗計 MY600

横河計測(YOKOGAWA) ディジタル絶縁抵抗計 MY600

一目で測定結果が良好かを判断できるデジタル式絶縁抵抗計です。本製品は、任意の基準値を設定することで、測定結果の良否を素早く判断可能。良好なときはディスプレイが緑色に、不可のときは赤色に表示されます。

絶縁抵抗値の測定は、約0.5秒と高速なのもポイント。作業時間を少しでも短縮したい方におすすめです。付属のスイッチ付きラインプローブは、手元のスイッチで測定のオンとオフを操作可能。より作業効率の向上が期待できます。

そのほか、絶縁抵抗値を連続測定すると、抵抗値の増減から測定対象の絶縁劣化診断を行えます。また、別途で専用USB通信アダプタを用いれば、PCとの通信が可能。PCに測定日時や測定値などのデータを取り込めるようになります。

UNI-T 絶縁抵抗計 UT501A

UNI-T 絶縁抵抗計 UT501A

安い価格で絶縁抵抗計を導入したい方におすすめのモデルです。レンジは100V・250V・500V・1000Vと幅広く対応。ディスプレイにはバックライトを搭載し、暗い場所でも使用できます。

また、自動放電機能やブザーアラームなど、測定時に便利な機能を豊富に搭載。直流電圧や交流電圧などのパラメーターも測定できます。本体はストラップの取り付けに対応し、測定や携帯する際に便利。丈夫な保護カバーが付属しており、持ち運びにも適しています。