タイムラプス動画が手軽に撮影できるのが「タイムラプスカメラ」です。流れゆく時間の経過を短い動画に凝縮して記録できるので、見慣れた街並みや星空も普段とは違った表情が見られます。
ただし、タイムラプスカメラがどのような用途に使えるか、初心者の方にはいまいちイメージがしにくいのではないでしょうか。そこで今回は、タイムラプスカメラが活躍するシーンを踏まえたうえで、おすすめのモデルをご紹介します。
タイムラプスカメラとは?

By: brinno.com
タイムラプスカメラとは、タイムラプス動画の撮影に特化したカメラのことです。タイムラプスは「Time(時間)」と「Lapse(経過)」を合わせた造語で、数時間や数日など長時間にわたる時間の経過を数分の短い動画に凝縮して記録できる撮影技法のこと。「微速度撮影」や「低速度撮影」とも呼ばれています。
タイムラプス撮影では一定間隔で撮影した複数の静止画を繋ぎ合わせて動画を制作するため、時間の経過を通常の動画撮影よりも高解像度で残せるのが特徴。固定撮影が一般的ですが、カメラを動かしながら撮影する「モーションラプス」や「ハイパーラプス」などのバリエーションも登場しています。
タイムラプスカメラを使えば、誰でも簡単にタイムラプス動画を作成できるのが魅力。特別な撮影テクニックや動画編集スキルを必要とせず、シンプルに扱えるので、初心者の方にもおすすめです。
タイムラプスカメラで撮影できるシーン
昇る朝日と沈む夕日

タイムラプスカメラを使った撮影で人気のシーンが、朝日が昇る瞬間や夕日が沈む瞬間です。日の出や日没では太陽は1時間ほどかけて地平線の向こうでゆっくり昇ったり沈んだりします。太陽の動きに応じて空の色が刻一刻と変化していくのがポイント。旅行や登山で訪れた場所も日中とは違った光景が楽しめます。
タイムラプスカメラを使えば、日の出や日没の劇的な瞬間も簡単に動画で記録が可能。日の出直前や日没直後の数十分だけ空が濃い青色に染まる幻想的なブルーアワーや、空全体がオレンジ色や黄金色に淡く輝くゴールデンアワーなども連続したひとつの動画として残せます。
星空の日周運動

夜空の星々もタイムラプスカメラを使った撮影では定番のシーン。「星の日周運動」とは、地球が自転する動きによって、時間の経過とともに星の位置が移動しているように見える現象のことです。
写真撮影では星々の軌跡は線としてしか残せないのが難点。しかし、タイムラプスカメラでは、点の形状を保ったまま星々が動いていく様子を動画として記録できるので、星空をより臨場感たっぷりに表現できます。また、地上にある街並みや自然の風景と絡めて撮影するのもおすすめです。
開花や羽化の瞬間

開花や羽化の瞬間もタイムラプスカメラが得意な撮影シーンです。自宅の庭やベランダで育てている花の蕾が開く様子や、公園などで見つけた昆虫の蛹が羽化して成虫になる様子は、見ているだけで生命の力強さを感じさせます。花好きや昆虫好きの方はもちろん、観察を通じて子供に自然や生物への興味を持たさせる場合にもおすすめです。
ただし、開花や羽化は数日かけて行われるため、確実に撮り納めようとすると通常のカメラを使った撮影では厳しいのが難点。タイムラプスカメラを使えば、撮影したい花や昆虫の側に設置して撮影を開始するだけなので、常に近くで待機しなくても感動の瞬間を手軽に記録できます。
街並みと夜景

時間によって表情を変えていく街並みもタイムラプスカメラが活躍するシーンです。代表的なのが都市の交差点をやや高い場所から映したタイムラプス動画。道路を行き交う人々や車の流れをミニチュアのように表現できるため、時間の経過によって移りゆく都会の様子をコミカルに伝えたい場合におすすめです。
都市の夜景を撮影したタイムラプス動画も人気のシーン。夜はビルの照明が点灯したり、走行する車のランプがビームのように映り込んだりするので、同じ場所で撮影した映像でも昼間とは全く違った様子が見られます。タイムラプスカメラ撮影を使えば、雰囲気がさらに増す雨の夜景撮影も手軽に可能です。
建築現場の様子

タイムラプスカメラは建築現場の様子を記録する場合にも重宝します。ショベルカーやクレーンなどの重機が動いて、柱や壁が徐々に建てられていく様は見応えのあるもの。特に、東京スカイツリーなど大きな建造物が建築されていく様子を記録した映像が人気を集めています。
これから自宅を建てる方にもタイムラプスカメラはおすすめ。建築現場に設置して撮影しておけば、念願のマイホームが建てられていく様子を後で家族と一緒に振り返られます。ただし、建築現場の撮影ではカメラは長期間雨ざらしの状態になるので、保護ケースなどでしっかりと雨風対策を行なっておきましょう。
タイムラプスカメラのおすすめ
ブリンノ(Brinno) HDRタイムラプスカメラ TLC200 Pro
臨場感のある映像が手軽に撮影できるタイムラプスカメラです。明るい箇所の白飛びや暗い箇所の黒つぶれを低減する「4.2μm HDRセンサー」を搭載。逆光や暗闇のシーンでも美しいタイムラプス動画が撮影できます。
操作が簡単なのもポイント。撮影間隔の設定、録画開始、録画終了の3ステップだけで、インターバル撮影した静止画がタイムラプス動画に自動変換されます。タイムラプス撮影初心者の方にもおすすめです。
省電力技術に優れているのも魅力。撮影間隔を5分に設定した場合は、約40日間継続して撮影可能です。また、「タイマー機能」を使えば、毎日同じ時間帯に自動起動して撮影できるため、日々の変化を記録するのにも重宝します。
ブリンノ(Brinno) フルHDタイムラプスカメラ TLC2020
高画質なタイムラプス撮影が楽しめるタイムラプスカメラです。フルHD解像度で録画可能。明暗差のあるシーンも、自然に近い見え方で撮影できるHDR記録に対応するため、画質重視の方にもおすすめです。
電源には単4電池4本を使用。優れた省電力技術によって、5分間隔に設定した場合、最長82日間連続で撮影が可能です。また、シーンに合わせてぴったりのフィルムを設定できる「クイックメニュー」や、撮影する時間帯や曜日を柔軟に設定できる「スケジュール機能」も備えています。
撮影モードが選べるのも魅力。タイムラプスに加えて、短い間隔でビデオクリップを記録する「ステップビデオ」や、コマ撮りアニメなどを手軽に作成できる「ストップモーション」などの撮影も楽しめます。
ブリンノ(Brinno) Wi-Fiダイレクト式ステップビデオ&タイムラプスカメラ TLC130
旅行のハイライトを印象的に記録できるウェアラブルタイプのタイムラプスカメラです。フルHD解像度に対応しながら、重さ74.5g、サイズ55×55×28.2mmと軽量コンパクト。IPX4の防水性能を備えているうえ、同梱するマウントを使ってバックパックや自転車などに取り付けられるので、旅行での使用もおすすめです。
タイムラプス・ステップビデオ・静止画からなる3種類の撮影モードが選べるのもポイント。旅先で訪れた風景や街並みの時間経過を定点撮影する場合はタイムラプス、移動中の様子をランダム撮影する場合はステップビデオというように使い分けられます。
内蔵バッテリーの寿命は、タイムラプスモードで5分間隔の撮影をした場合、約6日間。バッテリー切れの心配を軽減して使えるのも魅力です。専用のスマホアプリを使えば、Wi-Fiを介してカメラの操作、撮影データの確認、簡易編集などできます。
ハンファ(Hanwha) タイムラプスカメラ DVR-T1

コスパに優れた多機能なタイムラプスカメラです。手頃な価格ながらフルHD解像度に対応する「200万画素HDRスターライトセンサー」を搭載。星空や夜空もより鮮明に撮影できます。画角120°の広角レンズを備えているのもポイントです。
用途に合わせて4種類の撮影モードが選べるのもポイント。インターバル撮影した写真や動画をタイムラプスとして記録可能なほか、繋げずに個別のファイルとして保存もできます。なお、撮影データは本体背面の液晶ディスプレイで確認が可能です。
IP66の防水・防じん性能を備えているのも魅力。また、電源は別売のACアダプターのほか、乾電池や、ソーラーパネルによる太陽光充電に対応しています。
ブリンノ(Brinno) タイムラプス建築現場記録用カメラセット BCC2000

建築現場の撮影に特化したタイムラプスカメラのキットです。フルHDおよびHDR記録に対応したカメラ本体に、拡張バッテリー防水ケースとクランプマウントが同梱。建築撮影に必要なアクセサリーがセットになっているので、個人用途はもちろん、業務のプロジェクトで活用したい方にもおすすめです。
付属のケースは屋外撮影に耐えられるIPX5の高い防水性能を備えています。本体分と合わせて最大18個の電池を収納できるバッテリー拡張ケースも便利。数ヶ月から1年におよぶ長期プロジェクトで活躍します。また、プロジェクトの進捗に合わせて設定できる「スケジュール設定」が可能なのもポイントです。
同梱の調整式クランプマウントを使えば、平面や支柱など設置する場所に合わせてしっかり固定できるのも魅力。また、アーム先端のボールジョイントは360°回転するうえ、90°の角度調節も可能なため、適したポジションで撮影できます。
一眼レフやミラーレス一眼と比べて、機材がコンパクトで操作もシンプルなのがタイムラプスカメラの魅力です。初心者でも手軽にタイムラプス撮影が楽しめます。時間の経過を印象的に記録したい方は、ぜひタイムラプスカメラを試してみてください。