新4K8K衛生放送が始まり、より鮮明な映像を楽しめるようになった「テレビ」。リーズナブルで購入しやすいエントリーモデルから、多彩な機能を搭載したハイエンドモデルまで、さまざまな製品が登場しているので、品定めに迷っている方も多いでしょう。
そこで今回は、失敗しないテレビの選び方と購入前に知っておきたいチェックポイントを解説します。主要メーカーの特徴についてもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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サイズから選ぶ
インチ・型・V型の違い
テレビは、インチ・型・V型と呼ばれる単位で大きさを表します。どれも似たような言葉ですが、測り方が異なるため、あらかじめ定義を把握しておくことが大切です。
インチ数とは、画面の右上から左下の対角線を測った長さのこと。1インチは約2.5cm換算です。測るときはテレビのフレームに隠れている箇所もサイズに含まれます。また、インチ・型いずれも意味は同じなので、32インチと32型テレビの大きさは変わりません。
V型のVは「Visual Size」の略。V型とは、実際に映像が映る範囲の対角寸法をインチで表現したモノです。インチはテレビのフレームに隠れている部分も含めたサイズですが、V型は実際に見えている範囲のみであることに留意しておきましょう。32インチ・32型と32V型であれば、V型の方が画面は大きく見えます。
部屋の広さに合ったサイズを選ぶ
リビングの広さに対し、小さいサイズのテレビを置いてしまうと画面が見にくくなります。そのため、テレビを選ぶときは部屋の広さに合ったサイズを選ぶことが大切です。
4.5畳なら32〜43V型、6畳なら37〜49V型、8畳なら40〜55V型、10畳なら46〜65V型、16畳なら52〜75V型が目安。ベゼルが削られて薄型化しているテレビなら、画面が大きくてもコンパクトに設置できます。
ただし、設置するシーンやメーカーによって異なるので、あくまでも目安として考えておきましょう。
適切な視聴距離を知ろう
テレビの適正な視聴距離とは、テレビ画面の粗さが目立たず、迫力のある映像を楽しめる距離のことです。各テレビの画面の高さを基準に計測します。
フルHDや2Kテレビであれば画面の高さの3倍、4Kテレビと8Kは画面の高さの1.5倍離れた場所が適切な視聴距離。例えば、高さ109cmの4Kテレビの適正視聴距離は「109×1.5=約1.6m」です。
ただし、算出された数値はあくまでも目安。快適にテレビを楽しむための距離は、映像の内容や周囲の環境、視聴する方の体調などによって異なります。また、適切な視聴距離だとしても、適度に休息を設けながらテレビを楽しむようにしましょう。
解像度から選ぶ
フルHD
フルHDまたはフルハイビジョンと呼ばれる解像度は1920×1080。約200万画素の映像を表示します。解像度1280×720で約100万画素のハイビジョンテレビに比べ、高画質の映像を楽しめるのが魅力です。
地上デジタル放送の最大解像度は1440×1080なので、フルHD対応のテレビでも十分に美しい映像を楽しめます。また、8Kや4Kテレビに比べてリーズナブルな製品も多いのが特徴です。
ただし、フルHDのテレビは、大画面のモノほど映像の粗さが目立ってしまうのがデメリット。フルHDのテレビを選ぶなら、大きすぎないサイズを選びましょう。子供部屋や書斎、寝室など6畳以下の狭い部屋なら、32型以下の製品がおすすめです。
4K
4Kの解像度は3840×2160で、約829万画素の映像を表示します。画素数が多いほど液晶パネルに映し出されるひとつひとつの点が小さくなるので、複雑な色合いを表現できます。
4Kは画面が大きくても画像の粗さが目立ちにくいのが特徴。リビングなどの広い部屋で映画を楽しみたい方は、4Kテレビがおすすめです。フルHDでは表現できない人の肌質や輪郭を忠実に再現します。
4K放送を視聴する方法は、「4Kテレビ」と「4K対応テレビ」の2種類です。4Kテレビとは、4K放送を視聴するために必要な4Kチューナーを内蔵したテレビのこと。一方で、4K対応テレビには、4Kチューナーが内蔵されていません。アンテナのほかにチューナーを導入する必要があるので留意しておきましょう。
8K
8Kの解像度は7680×4320で、約3318万画素の映像を表示します。フルHDテレビと比べ、画素数は約16倍。精細なディテールや高コントラスト、奥行き感は4Kテレビよりも優れており、美しい映像を楽しめます。
8Kは映像だけではなく、臨場感たっぷりのサウンドを楽しめるのも魅力です。8K放送は22.2マルチチャンネル音響システムを採用しています。対応するサウンドバーなどを接続することで、視聴している方の周囲を包み込むようなサウンドを実現。スポーツの映像なら、360度から沸き起こるような歓声を実感できます。
8K放送を8K画質で楽しむためには、8Kチューナー内蔵テレビまたは8K対応テレビと8Kチューナーが必要です。
パネルの種類と違い
液晶パネル
液晶パネルは、赤・緑・青の3色のカラーフィルターにバックライトを当てて映像を表示します。コンパクトサイズの10V型から大型の100V型まで、ラインナップが豊富。さまざまな種類から、部屋の広さに適したテレビを選択できます。
映り込みをおさえるために、液晶の表面をつや消し加工している製品も展開。また、LEDを採用しているテレビは、寿命が長いのも魅力です。
液晶パネルはバックライトを搭載しているため、薄型化には限界があります。背面には放熱スペースを確保する必要があることにも注意。狭い部屋では圧迫感がある点は留意しておきましょう。
有機ELパネル
有機ELは、自発光素子が発光して映像を映し出します。高コントラストで高精細な映像が特徴。応答速度も速いので、スポーツなどの動きの速い映像もきれいに表現できます。
バックライトを使用しないため、液晶テレビよりも薄いのが特徴。放熱スペースを必要としないので、壁にくっつけて設置できます。部屋の空間を広くしたいなら、壁掛けタイプがおすすめ。床から高い場所に設置すれば、キッチンやダイニングからも見やすい位置に調節できます。
有機ELは、液晶パネルのテレビと比べて高価な分、映像美に優れているのが特徴。液晶テレビと比較するとブルーライトが軽減されており、目がチカチカしたり輪郭がぼやけたりしにくいのが魅力です。
機能で選ぶ
スピーカーの性能
高画質を実現した製品でも、音質がイマイチだと臨場感を得られない場合があります。そのため、テレビを楽しむためには、スピーカーの性能も重視しましょう。テレビとは別にスピーカーやアンプを用意する方法のほか、音響性能の高いスピーカーが内蔵されたテレビを用意する方法があります。
テレビの内蔵スピーカーは、メーカーによって数・位置・向きに違いがあるため、それぞれの特徴をおさえておくことが大切です。音楽・映画鑑賞・スポーツ観戦・ゲームなど用途に合ったスピーカーを選びましょう。
上向きスピーカーは、音が頭上から振ってくる立体感のあるサウンドを楽しめます。ウーファーを搭載したテレビは、響き渡る重低音が魅力。立体音響が特徴のスピーカーは、音に包み込まれる感覚を楽しめます。
YouTubeやNetflixなどが見られる「VODサービス」
VODとは「ビデオオンデマンド」の略で、スマートフォン・タブレット端末・テレビなどで動画やテレビ番組を視聴できるサービスです。インターネット環境とアカウントさえあれば、好きなときに動画・番組を視聴できるのが魅力。YouTube・Netflix・Huluなど国内外問わず、さまざまなサービスを楽しめます。
さまざまなメーカーから、VODを内蔵したテレビがラインナップされています。テレビをインターネットに接続することで、動画・番組をテレビの大画面で視聴可能。わざわざ映画館などに足を運ぶ必要がなく、自宅でさまざまなコンテンツを楽しめます。
テレビによっては、対応しているVODサービスが異なるため注意が必要。また、ChromecastやFire TV Stickなどのストリーミングデバイスとの連携が必要なテレビもあるので、あらかじめ確認しておきましょう。
スポーツや動きの激しい映像視聴には「倍速駆動」
スポーツやゲームなど、動きが速くて激しい映像を視聴するなら、倍速駆動を搭載したテレビがおすすめ。倍速駆動とは、1秒間60コマの映像に補完フレームを挿入して、1秒間に120コマの映像を見せる技術です。パラパラ漫画の枚数が増える仕組みと同じで、動きの変化を追いやすく滑らかな映像を楽しめます。
倍速駆動を搭載していないテレビの場合、動きがカクカクしたり輪郭がぼやけたりするため、長時間視聴していると目が疲れやすいのがデメリット。テレビ画面が大きいほど、残像感が目立つ傾向があります。
倍速駆動はメーカーによって性能が異なるため、あらかじめ特徴をおさえておきましょう。ソニーが手がけるBRAVIAシリーズでは、「モーションフローXR240」を搭載。画面を上下に分割してフレーム数を増やすことで、4倍速相当の表現を実現しています。
よりリアルな映像が楽しめる「HDR対応」
HDRとは「High Dynamic Range(ハイ・ダイナミック・レンジ)」の略称。HDRは、一般的なテレビに用いられてきたSDRよりも色深度を増やすことで、より豊かな色彩表現ができる技術です。
夜景・日陰・太陽光・反射光など表現が難しいシーンでも、リアルな質感に仕上げられるため、臨場感あふれる映像を楽しめます。
テレビの主要メーカーと特徴
ソニー(SONY)
数多くの高画質テレビを展開するブランド。高画質プロセッサー「X1 Ultimate」を搭載したモデルや、動きの速い映像を鮮明に映し出す「X-Motion Clarity」を搭載したモデルが人気です。4K有機ELテレビ「A90J」では、認知特性プロセッサーが生み出す立体音響で、映像と音の一体感を楽しめます。
画質や操作性にこだわりたいなら、代表的なモデルである「ブラビア」がおすすめ。Android TV機能やハンズフリー音声操作機能を搭載した製品もあります。テレビのON・OFFや音量調節、YouTube動画の再生・停止などを音声だけで操作することも可能です。
ソニー独自の「アコースティック技術」をスピーカーに搭載。画質だけではなく、サウンド性能に優れているのも魅力です。
パナソニック(Panasonic)
日本の大手電機メーカーであるパナソニック。高画質エンジンやIPSパネルを採用した高精細な映像を楽しめるモデルが人気です。10〜19V型のポータブルテレビや4K有機ELの65V型など、幅広いラインナップから好みのテレビを選べます。
代表的なモデルは「ビエラ」。上向きに配置されたイネーブルドスピーカーを搭載したモデルでは、天井に反射したサウンドが頭上から降り注ぐような立体感を楽しめます。また、映画館でも採用されているドルビーアトモスにも対応。ホームシアターを楽しみたい方にもおすすめです。
VODサービスだけではなく、インターネットサービスやビエラアプリも搭載。ゲームや知育、ニュースなどコンテンツの種類も豊富なので、子供から大人まで楽しめます。
パナソニック(Panasonic)テレビのおすすめモデルが知りたい方はこちら
東芝(TOSHIBA)
国内初の4Kチューナー内蔵テレビを手がけた東芝。「おまかせAI」モードを搭載した機種では、高画質化処理をおこなった映像を楽しめます。
代表的なモデルは「レグザ」。独自開発の「レグザエンジン」は、色彩表現に富んだ映像表現が可能。映像のノイズを低減する技術にも優れており、素材の質感をリアルに表現できます。
見逃した番組を後から視聴できる「タイムシフトマシン機能」も便利。過去の番組を予約なしで録画するため、録画予約を忘れても番組視聴を楽しめます。
東芝(TOSHIBA)テレビのおすすめモデルが知りたい方はこちら
シャープ(SHARP)
日本の住居環境を研究したテレビを開発しているシャープ。独自技術「リッチカラーテクノロジー」は、従来の3原色ディスプレイでは実現できなかった自然の色合いを表現します。高精細で臨場感あふれる映像を楽しみたい方におすすめです。
代表的なモデルは「アクオス」。前向きスピーカーによる2.1ch「FRONT OPEN SOUND SYSTEM PLUS」を採用した機種や、映像を切り取れる「静止画機能」を搭載した機種も手がけています。
動きの速い映像を見やすくするスポーツモードや、スタジアムの歓声を再現する「スタジアムサラウンド機能」を搭載するなど、用途に合わせた楽しみ方ができるのも魅力です。
シャープ(SHARP)テレビのおすすめモデルが知りたい方はこちら
LGエレクトロニクス(LG Electronics)
韓国のソウル市に本社を構える総合家電メーカー。自社グループで有機EL・液晶パネルの製造を手がけており、4K・8Kテレビや、コンパクトな48インチから超大型88インチまで、製品ラインナップも豊富です。
最新技術を駆使した4K有機ELテレビ「LG SIGNATURE OLED TV R」は、画面を巻き取れるのが特徴。テレビを視聴しないときは、スタンド部に収納できるため部屋を広く使えます。
「LG SIGNATURE OLED TV R」は、画面を全て表示する「Full View」と、天気やスケジュールなどのシンプルな情報だけを表示する「Line View」、画面を全て隠してスピーカーを利用する「Zero View」モードを搭載。ほかのメーカーにはない革新的なデザインと個性的な機能を楽しめます。
三菱電機(MITSUBISHI)
日本の大手総合電機メーカーである三菱電機。代表的なモデルとして、HDDやブルーレイなどの録画機能を内蔵した「リアル」が挙げられます。また、大容量2TBのハードディスクを内蔵した製品もラインナップ。新4K衛生放送は最大約126時間、ハイビジョン放送は最大約2160時間録画できます。
コンパクトサイズが特徴の32V型や、リビングなどの広い部屋に適した52型も特徴。YouTubeなどのネット動画に対応した製品もあります。テレビ台に置くだけではなく壁掛けや壁寄せスタンドなど、さまざまな設置方法に対応。好みに合わせて取付方法を調節できるのも魅力です。
映像信号を独自のアルゴリズムで超解像度処理して、4K高画質にアップコンバートする高性能エンジンも搭載。4K映像はもちろん、フルハイビジョン放送やブルーレイディスクの映像も色鮮やかに表現します。
ハイセンス(HISENSE)
中国の大手電機メーカーであるハイセンス。コンパクトモデルの32型から大型モデルの75型まで、豊富なラインナップが魅力です。高画質なNEOエンジンを搭載したBC/CS4Kチューナー内蔵モデル、FPSや格闘ゲームに適した低遅延ゲームモードを搭載したモデルなども展開しています。
50V型の4Kチューナー内蔵テレビでは、YouTube・Netflix・U-NEXTをはじめとする11種類のVODサービスに対応。自宅で映画やコンテンツを楽しめます。
エリア別高精細復元機能も搭載。エリア別に映像解析することで、部分ごとに適した画像処理を施します。輪郭がくっきりした美しい映像を楽しめるのが魅力です。また、Amazon Alexaに対応したモデルも登場。音声検索や動画コンテンツの再生・停止などの操作をハンズフリーでおこなえます。
ハイセンス(HISENSE)のおすすめモデルが知りたい方はこちら
アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA)
家電・寝具・インテリア・園芸用品などの生活用品の製造と販売を手がけるアイリスオーヤマ。量子ドットLED技術「QLED」で色鮮やかな映像美体験ができるモデル「LUCA」をラインナップしています。
AIオート機能により、視聴コンテンツを分析して自動で音質と画質を調節。スポーツなど動きの激しいコンテンツでは臨場感たっぷりの映像を楽しめます。さらに、フルハイビジョン・2K・4K対応などラインナップも豊富。コンパクトな43V型から大型の75V型まで揃っています。
TCL
中国の電気機器メーカーであるTCL。広色域を採用しており、表現できる色彩が増えることで、さまざまなシーンを色鮮やかに美しく描けます。「マイクロディミング機能」では、画面を1296ゾーンに分割して映像情報を分析。繊細な部分までコントラストを分けることで、風景の奥行き感をリアルに映し出します。
「P725シリーズ」では、3次元のリアルな立体音響を実現するドルビーアトモスに対応。部屋の隅々まで音が響き渡り、包み込まれるような音響体験ができます。画質はもちろん、サウンド性能を重視している方にもおすすめです。
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ひとくちにテレビといっても、部屋の広さやテレビの解像度によって適したモノは異なります。また、高品質なスピーカーを備えたモデルや、YouTubeやNetflixなどをテレビで楽しめるVODサービスを内蔵したモデルなど、機能性に特化したテレビも魅力。本記事を参考に、ライフスタイルに合ったテレビを選んでみてください。