軒下や窓際で涼やかな音色を奏でる「風鈴」。風に吹かれておだやかにそよぐ姿を見れば夏の訪れを感じ、風にのってチリンチリンとやさしい音が聞こえれば涼を感じ心が和む、日本の夏の風物詩です。
今回は、重厚感のある南部風鈴や明珍火箸風鈴、美しいガラス製の江戸風鈴など多彩な風鈴のなかからおすすめをピックアップ。選ぶ際のポイントも詳しくご紹介します。お気に入りの風鈴を見つけて、癒しの空間を演出してみてください。
風鈴の選び方
種類で選ぶ
南部風鈴

By: amazon.co.jp
南部風鈴とは、400年余りの歴史を誇る岩手県の伝統工芸品「南部鉄器」で作られた風鈴のことです。溶かした鉄を型に流して成型する鋳物ならではの、重厚感と気品あふれる佇まいが魅力。風に揺られると、「リーン」と高く澄んだ美しい音色を奏でます。
シャボン玉や花火など夏を感じるモチーフが表面に刻まれたモノ、富士山や鐘をかたどったモノなど種類豊富に展開されているのも魅力です。
江戸風鈴

By: amazon.co.jp
江戸風鈴とは、江戸時代からの伝統的な製法で作られているガラス製風鈴のことです。音をより美しく響かせるため、風鈴の縁の部分をあえてギザギザのままに仕上げているのが特徴。風に揺れると、「チリンチリン」と軽やかに弾んだ音色を奏でます。
熟練した職人が「宙吹き(ちゅうぶき)」と呼ばれる手法によりひとつずつ形作り、ガラスの内側から手描きで絵付けしているので、できあがる風鈴はすべて1点モノ。同じ製品であっても形・大きさ・厚み・絵柄などにわずかな差があり、手にする風鈴ごとに個性豊かな表情と音色を楽しめます。
明珍火箸風鈴

By: amazon.co.jp
明珍火箸風鈴とは、兵庫県の伝統工芸品に指定されている「明珍火箸」を使った風鈴のことです。熟練した職人が鉄を鍛錬し、時間をかけて仕上げた火箸は、風にのって触れあうと「チリーン」と高く澄んだ音色を奏でて心地よい余韻を残します。
ほかの風鈴とは一線を画す、4本の火箸で形成されたシックでスタイリッシュな佇まいも魅力です。
素材で選ぶ
金属製

By: amazon.co.jp
金属製の風鈴は、どこかノスタルジックな雰囲気を醸す、重厚感のあふれる佇まいが特徴。風に揺られると、「リーン」と高く澄んだ音色が響くとともに、長めの余韻を楽しめます。
また、丈夫で割れにくく、使うほどに味わいが増していくのも魅力のひとつ。長く使い続けていける風鈴や、自分だけのオリジナルへと育てていける風鈴を探している方におすすめです。
ガラス製

By: amazon.co.jp
ガラス製の風鈴は、見た目から涼を感じる、可憐で透明感のある佇まいが特徴。風にのって、「チリンチリン」と繊細かつ軽やかな音色を奏でます。
素材には透明ガラスのみならず色ガラスも使用され、絵柄のバリエーションが豊富なので、好みのモノを見つけやすいのも魅力。軒下や窓際を鮮やかに彩りたい方におすすめです。
陶磁器製

By: amazon.co.jp
陶磁器製の風鈴は、土のぬくもりを感じる素朴でやさしい風合いが特徴。風に揺られると、「リンリン」とやや低音で短めのやわらかな音色を奏でます。磁器と陶器の違い、釉薬のかけ方などにより音色が異なるのも楽しいところです。
和と洋の雰囲気をあわせもつおしゃれなデザインのモノが多いのも魅力。吊るす場所を選ばないシンプルな風鈴を探している方におすすめです。
音色で選ぶ

By: amazon.co.jp
風鈴は、素材・大きさ・形などによって奏でる音色が異なります。金属製は「リーン」と高く響き渡る音、ガラス製は「チリンチリン」と短く軽やかな音、陶器製は「リンリン」とやわらかい音が特徴。
また、一般的に大きな風鈴は低くて余韻が長めの音色、小さな風鈴は余韻の短い高く澄んだ音色を楽しめるといわれています。吊るす場所などを踏まえて、ぜひお気に入りの音色を奏でる風鈴を見つけてみてください。
風鈴のおすすめ|金属製
岩鋳(IWACHU) 風鈴 シャボン玉 27166

岩手県盛岡市に本社を構える南部鉄器の老舗メーカー「岩鋳」が手がける南部風鈴です。アンティーク調のやわらかなライトブルーに、表面でやさしく映える可憐なシャボン玉デザインが魅力。
「チリーン」という南部風鈴の高く澄んだ音色とあいまって、ノスタルジックな雰囲気を演出します。シンプルな佇まいは、和室にも洋室にも、さまざまなテイストの部屋とも好相性。窓際や軒下を上品に彩りたい方におすすめです。
熟練の職人によりひとつひとつ手作りされた上質な風鈴を、ぜひチェックしてみてください。
壱鋳堂(ITCHU-DO) 風鈴 HANABI 67001

2009年に誕生した南部鉄器の人気ブランド「壱鋳堂」の南部風鈴です。風鈴の表面と短冊に花火の絵柄を施した、和モダンテイストのおしゃれなアイテム。短冊の表と裏には異なるカラーが取り入れられており、風でなびくたびに色彩の変化を楽しめます。
南部風鈴ならではの高く澄んだ音色に美しい余韻を堪能できるのも魅力。全5種類のカラーのなかから、好みや部屋の雰囲気に合わせてぴったりのモノをセレクトしてみてください。
明珍本舗 火箸風鈴 上

平安時代から続く「明珍家」の名工、第52代明珍宗理氏が手がける明珍火箸風鈴です。4本の火箸が打ち合って織りなす美しいハーモニーが魅力。風に揺られるたびに、「チリーン、チリーン」とやわらかな音色が重なり上品に響き渡ります。
軒下や窓際など、吊るした場所で存在感を放つスタイリッシュな佇まいも魅力。シンプルなデザインを好む方や個性的な風鈴を探している方におすすめです。
鋳心ノ工房(Chushin Kobo) 風鈴 新三角 727

900年余りの長い歴史をもつ山形の伝統工芸品「山形鋳物」の風鈴です。山形鋳物の特徴である、薄さときめの細かい鋳肌を活かしながら、現代の暮らしに溶け込むモダンな佇まいに仕上げられたアイテム。
鋳物ならではの味わい深い質感に、円錐形のすっきりとしたフォルムが端正な存在感を放ちます。
「リーン、リーン」と伸びのある軽やかな音色を堪能できるのも魅力。本体のサイズが幅5.5×高さ4.5cmと小ぶりなので、手軽に風鈴を飾りたい方におすすめです。
能作(NOUSAKU) 風鈴 ホルン e00064

日本を代表する鋳物の街、富山県高岡市に本社を構える鋳物メーカー「能作」が手がける風鈴です。素材に真鍮を採用し、職人がロクロ仕上げを施して、ひとつひとつ丁寧に手作りしているのが特徴。
ムダな部分をそぎ落としたシンプルな佇まいは、素材本来の美しさを引き立て、シックでエレガントな存在感を放ちます。風に揺られると、「チリーン」と伸びのある澄んだ音色を奏でるのも魅力。
カラーはピンクゴールドやゴールドをラインナップしています。好みやライフスタイルに合わせて、ぴったりのカラーをセレクトしてみてください。
能作(NOUSAKU) 風鈴 UFO e00074

UFOをモチーフにした、遊び心をくすぐる真鍮製の風鈴です。職人が手作業でひとつずつロクロ仕上げとミラー仕上げを施し、真鍮本来の美しさを引き出したアイテム。
風に揺られると、まるで本物のUFOが空に浮かんでいるかのようにゆらゆらとしながら、透き通った高音を響かせます。UFOからの光を浴びて今にもさらわれそうな人の姿を描いた、ユニークな短冊のデザインも注目ポイント。
美しい音色を楽しめるとともにインテリアとしても存在感を放つ、個性的な風鈴を探している方におすすめです。
柏木美術鋳物研究所(KASHIWAGI ART FOUNDRY) 小田原風鈴 鈴虫風鈴 寄木短冊付き 真鍮製

室町時代から続く神奈川県小田原市の伝統工芸品、「小田原鋳物」で作られた風鈴です。素材には、工房が独自に配合した真鍮を採用しており、響きよく仕上げられているのが特徴。
「リーン、リーン」という鈴虫のような可憐な音色に、長く響く美しい余韻を楽しめます。短冊には、小田原・箱根の伝統工芸「寄木細工」を使用。風鈴、短冊とも職人の手仕事で丹念に仕上げられており、ひとつひとつ色や柄が異なるのもポイントです。
涼を感じたい夏にはもちろん、夜長を楽しみたい秋にもぴったりの涼やかな音色と心地よい余韻を、ぜひじっくりと堪能してみてください。
風鈴のおすすめ|ガラス製
篠原風鈴本舗 江戸風鈴 小丸 花火

ガラスの表面に2つの打ち上げ花火をあしらった、夏を感じる江戸風鈴です。職人がひとつずつ形作る「宙吹き」に、縁の部分のギザギザ、ガラスの内側からの絵付けと伝統的な製法を忠実に受け継いで作られているアイテム。
江戸時代に伝わり長年にわたって人々を魅了してきた、「チリン、チリン」という軽やかかつ涼しげな音色が特徴です。手作りのため、同じ製品でも絵柄・形・厚みにわずかな差がある1点モノで、それぞれ独自の音を奏でるのも魅力。
職人技が光る、味わい深い風鈴を探している方におすすめです。
中川政七商店 江戸風鈴 透明

数少ない江戸風鈴の老舗、「篠原風鈴本舗」の職人が手仕事で丹念に仕上げた風鈴です。「宙吹き」という技法で膨らませた透明なガラス風鈴にアコヤ貝を吊り下げた、夏らしく涼しげな佇まいが特徴。
風に揺られるとガラスとアコヤ貝がぶつかり合い、「カラン、カラン」と軽やかな音色を奏でます。短冊や吊り紐には麻を使用しており、ナチュラルな雰囲気を演出できるのも魅力。
飾る場所を選ばない、シンプルなデザインの風鈴を探している方はぜひチェックしてみてください。
アデリア(ADERIA) 津軽びいどろ 風鈴 ねぶた F71181

青森県の代表的な伝統工芸品であるハンドメイドガラス、「津軽びいどろ」を使ったかわいい風鈴です。ぷっくりと厚みのあるガラスに、東北三大祭りのひとつ「ねぶた祭り」の風景を散りばめた彩り豊かなアイテム。
風に振られると、「カラン、カラン」とグラスに氷を入れたときのような軽やかで繊細な音を奏でます。風鈴に太陽の光が当たると地面がカラフルに色づき、フォトジュニックな影を堪能できるのも魅力。
インテリアとしても映える、華やかな風鈴を探している方におすすめです。
アデリア(ADERIA) FUJIUTSUSHI風鈴 F-71969

日本を象徴する名峰、「富士山」をかたどった涼やかなガラス風鈴です。色ガラスのフリットを使用し、華やかな佇まいに仕上げているのが特徴。青富士と赤富士の2種類がラインナップされており、好みに合わせてセレクトできます。
風鈴の音を奏でる舌(ぜつ)の部分に、富山県高岡市が誇る伝統工芸品「高岡銅器」の技術で作ったアルミ鋳物を採用しているのも注目ポイント。縁起物とされる「扇子」をモチーフにデザインされており、富士山ガラスとあいまって高尚な雰囲気を醸します。
風にのって奏でる軽やかな音色も魅力。化粧箱入りなので、大切な方へのプレゼントにもおすすめです。
能登島ガラス工房 のと風鈴 里音 さとのね マーブル

工房の職人が「宙吹き」によってひとつひとつ手作りしているこだわりの風鈴です。ガラスの表面にマーブル模様をあしらった美しい佇まいが魅力。濃淡のはっきりとした絵柄は、天候によらず空間を鮮やかに彩ります。
また、短冊に石川県の無形文化財に指定されている高級麻織物「能登上布」を使用しているのも特徴。透け感のある絣模様が風にのって上品に揺れ動き、風鈴の音色とあいまって涼しげな雰囲気を演出します。
マーブル模様のカラーは、青と紫の2種類。好みや飾る場所のテイストに合わせて、ぜひぴったりマッチするモノを選んでみてください。
風鈴のおすすめ|陶磁器製
長谷川陶磁器工房 風鈴 インテリア シングル

長崎県諫早市の「長谷川陶器工房」が手がける磁器製の風鈴です。風鈴の表面には、作家の手仕事で日本の伝統技法である「千筋」が施されており、シンプルかつモダンな佇まいに仕上げられたアイテム。
縞模様をあしらったおしゃれな短冊が微風でもしっかりと風をとらえて、焼き物ならではの素朴でやわらかな音色を奏でます。和と洋の雰囲気を醸し出す、上品な風鈴を探している方はぜひチェックしてみてください。
さまざまなテイストの部屋やインテリアとも相性がよく使いやすいので、プレゼントにもおすすめです。
彩生陶器 有田焼 風鈴 小 錦花絵 赤

400年余りの歴史と伝統をもつ、有田焼の風鈴です。白磁に手描きされた花々が凛と映える上品な佇まいが魅力。縁の部分には花びらのような波模様が施されており、かわいらしい雰囲気も醸し出しています。
また、風鈴の音を奏でる舌の部分にはハート型の磁器を採用しており、見えない部分にこだわりが詰められているのも注目ポイント。磁器と磁器がぶつかり合って、「チン、チン」とやわらかな音色を奏でます。
磁器ならではの美しい光沢感に、手作りならではのやさしい風合いを楽しめるのも魅力です。
中川政七商店 有田焼の風鈴 1203-0370

生活雑貨を取り扱う老舗「中川政七商店」が佐賀県有田町の窯元「池田製陶所」と共同で作り上げた、有田焼の風鈴です。有田焼は焼成すると半ガラス質になるため、叩くと透き通った高音を奏でるのが特徴。
住宅が密集している地域でも使いやすいよう、舌には竹を採用しており、やわらかく控えめな音が鳴るよう考慮されています。白と藍色の縞模様を施したモダンな本体に、涼しげな麻の短冊を組み合わせた、清涼感あふれる佇まいも魅力。
インテリアとしても存在感を放つ、おしゃれな風鈴を探している方におすすめです。
ニーニーヨンポーセリン(224porcelain) neiro じゅうにかく

佐賀県嬉野市で開窯400年以上もの歴史をもつ肥前吉田焼のブランド、「ニーニーヨンポーセリン」が手がける磁器製風鈴。嬉野市は日本有数の茶処としても知られており、伝統的な茶道具の茶入をモチーフに取り入れた個性際立つアイテムです。
白1色のシンプルかつ上品なカラーリングに、つるんと滑らかな質感のフォルムが印象的。黄色と白の縦縞模様を施した短冊が、風にのって空間を明るく彩ります。モダンな佇まいは、和室にはもちろん、洋室や現代風のスタイリッシュなインテリアとも好相性。
磁器ならではの高く軽やかな音色を堪能できるのも魅力です。
風鈴のAmazon・楽天市場ランキングをチェック
風鈴のAmazon・楽天市場の売れ筋ランキングもチェックしたい方はこちら。
番外編:風鈴の吊るし方や飾る場所

By: amazon.co.jp
風鈴は、軒下や窓際などに飾り、風に揺られて奏でる音色を楽しむのが一般的。しかし、マンションや住宅が密集している地域では風鈴の音が騒音トラブルへとつながってしまうケースもあるため、飾る場所には注意が必要です。
周囲への音漏れに配慮して風鈴を室内に飾る場合は、エアコンや扇風機の風が当たりやすいカーテンレールなどに吊るしたり、玄関のドアに取り付けてドアベルのように使用したりするのがおすすめ。
また、室内に飾る場所が見つからない場合には、風鈴スタンドを使うのもおすすめです。フックに引っ掛けるだけで好きなところに手軽に飾れるうえ、風鈴のやさしい音色を季節を問わずに堪能できます。なお、風鈴を室外に飾る場合、音が響きがちな夜には外したり室内に取り込んだりしましょう。
日本の夏の風物詩である風鈴は、鉄・真鍮・ガラス・陶磁器などの素材によって、見た目の印象や響きわたる音色が異なります。シンプルなモノから伝統的な技術を用いて作られたモノまで、形やデザインも多種多様。ぜひ、お気に入りのデザインに心地よい音色を奏でる風鈴を見つけて、夏を快適に過ごしてみてください。