遭難や急な天候の変化など、登山での緊急時に身を守るのに適した「ツェルト」。自立式のモノやポンチョタイプなど、さまざまなモデルがラインナップされています。しかし、各メーカーから数多くのツェルトがラインナップされており、どれを選べばよいのか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、おすすめのツェルトをご紹介。選び方のポイントもあわせて解説しているので、ツェルト選びに迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
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ツェルトとは?
ツェルトとは、登山で遭難したり雨風がひどくて身動きがとれなかったりするときに、緊急的に外で一夜を過ごす「ビバーク」をするための簡易テントのこと。ツェルトはドイツ語で「テント」を意味しますが、日本では非常用として山に持っていく簡易的なテントがツェルトと呼ばれています。
ツェルトはコンパクトかつ軽量なので、ザックに入れて手軽に持ち運べるのがメリットです。なかには重量が100g台で、収納時サイズが手のひらに収まる程度のモノも。最小限のアイテムだけでキャンプを楽しむ「ウルトラライトキャンプ」にも適しています。
ツェルトとテントの違い
ツェルトは主に緊急用として設計されているため、テントほど居住スペースは広くなく、強度は低い傾向にあります。
一方で携帯性には優れており、持ち運びやすさを重視する方にはおすすめです。テントポールの代わりにトレッキングポールを使用して設営するモデルや、タープとして使えるモデルもあるため、荷物を減らせるといったメリットもあります。
緊急時にはかぶるだけで使えるモノが多く、一刻を争う事態ですぐに使えるのもツェルトの魅力です。
ツェルトの選び方
用途や目的に合わせて構造を選ぼう
軽さを重視するなら非自立式がおすすめ
軽さを優先したい方には非自立式がおすすめです。非自立式はフレームがないツェルトのことで、トレッキングポールやロープを使って設営します。重量は200~600gほどと軽量で、収納時にコンパクトにできるのが非自立式の魅力。ザックの隙間に入れやすいのもメリットです。
一方でツェルト内のスペースは狭いモノが多く、居住性が高くないのはデメリット。また、設営にはコツがいるので、登山の中級者から上級者向けのアイテムです。ツェルトのみ販売されている場合もあるので、付属品があるかなどもあわせてチェックしてみてください。
強度や居住性を求めるなら自立式がおすすめ
強度や居住性を求める方には自立式がおすすめです。自立式はフレームが付属しており、ツェルト内が比較的広いのが特徴。自立式のツェルトはドーム型のモデルが多くラインナップされています。
フレームを使用する分、非自立式に比べて耐風性能が高いのもメリットです。一方で、重量は1kg前後のモノが多く、かさばりやすいのは気になる点。そのほかの荷物の重量や、ザックの容量などを考慮して選んでみてください。
羽織るだけでレインウェアとしても使えるポンチョタイプ
レインウェアとして使えるポンチョタイプのツェルトもラインナップされています。ポンチョタイプは設営せずに、かぶるだけで使えるのがおすすめポイント。天候が急変して雨風をしのぎたいときや、寒さから身を守りたいときにぴったりです。
ポンチョタイプは軽量かつコンパクトなのも魅力。なかには重量が100g程度、収納時サイズが手のひらサイズのモノもラインナップされています。トレッキングポールや木の枝を利用して設営できるモデルもありますが、ほかのタイプと比べると居住性は低め。宿泊用としてではなく、一時的な使用がおすすめです。
軽さ重視なら300g以下を基準に選ぼう
ツェルトは緊急用として常に携帯することが推奨されています。できるだけ持ち運びの負担を減らしたい方は、300g以下のモデルを選ぶのがおすすめです。
300g以下であれば携行時に負担がかかりにくいほか、コンパクトなモデルが多いため、狭いスペースに収納できるのもメリット。非自立式やポンチョタイプのツェルトは、軽量なモデルが比較的多くラインナップされているのでチェックしてみてください。
使用人数に合ったツェルトを選ぼう
使用人数もツェルト選びの大切なポイントです。ソロ専用のモノや1~2人用、2~3人用が主にラインナップされています。複数人で登山をする場合はツェルトを複数持っていくなど、人数に合わせて用意するのがおすすめです。
なお、使用人数の基準は、スペース内に座れる人数・寝られる人数などメーカーによって異なります。JIS規格では、テントで1人が寝るためのスペースの基準は180×55cmです。緊急時に横たわって休めるツェルトが欲しい方は参考にしてみてください。
耐水圧1000mm以上・透湿度8000g/m²以上を目安に素材を選ぼう
ツェルトを選ぶ際には耐水圧と透湿度もチェックしておきたいポイントです。耐水圧は防水性を示す数値のことで、数値が高いほど防水性能が高く、1000mmを基準にするのがおすすめ。一般的な傘の耐水圧が約500mmのため、1000mmであればある程度の雨に対応できます。
透湿度は8000g/m²を目安にするのがおすすめです。透湿度は生地が24時間で透過した水蒸気の量を数値化したモノで、数値が高いほど透湿性能が高いことを示します。透湿度が8000g/m²程度であればツェルト内に湿気がこもりにくく、汗などによるベタつきを防ぐのに効果的です。
なお、ツェルトは1枚の布なので、外気温の影響で内部が結露しやすい点は留意しましょう。結露をできるだけ避けたい方は、透湿度のほかに空気の流れを作りやすいベンチレーションが搭載されているかどうかもチェックしてみてください。
ツェルトのおすすめ|非自立式
アライテント(ARAI TENT) ビバークツェルト1 ロング 1~2人用
簡易テントとしても使用できるツェルトです。設営時のサイズは間口80×奥行210×高さ90cmで、2人が横たわって使用できる大きさ。かぶって使用する場合は3~4人がツェルト内に入れます。
収納時のサイズは16×7cm、重量は約240gです。ベンチレーターは顔を出せるほどの大きさで、設営したときにストックやポールはベンチレーターに干渉しません。床は紐で合わせるタイプです。
生地にはPUコーティングが施された15dnのリップストップナイロンを採用しています。格子状に40dnの糸が織り込まれているため、30dnリップストップの布地と同等の強度なのもおすすめポイントです。
アライテント(ARAI TENT) スーパーライト・ツェルト1 1~2人用
重量280gの1~2人用ツェルトです。オプションのポールセットを利用して、軽量テントとしても使用可能。ポールを使用して設営した際に、ベンチレーターと干渉しないのは嬉しいポイントです。床は紐で合わせるスタンダードなタイプを採用しています。
素材は28dnリップストップナイロンを使用。ウレタンコーティング加工が施されているため、多少の雨であれば使用可能です。サイズは設営時が間口90×奥行200×高さ90cm、収納時は10×10cm。非自立式のツェルトのなかでは安い価格もおすすめポイントです。
ファイントラック(finetrack) ツエルト1 FAG0122
重量230gのツェルトです。本製品はフロアー付きのモデルで、ストックやポールなどを利用して設営できます。設営時のサイズは奥行200×間口80×高さ90cmで、大人2人がなんとか寝られるほどの大きさ。座って待避・休憩する場合には3~4人でかぶれます。
ファイントラック独自の「テンションスリングシステム」を採用しているため、設営時に広い居住空間を確保できる点がおすすめです。ベンチレーションは2ヶ所搭載しています。耐水圧は1000mmとツェルトとして十分な性能を搭載。透湿度は8000g/m²と優れた性能を有しています。
ファイントラック(finetrack) ツエルト2ロング FAG0123
多人数パーティーでのビバークに適した2~3人用のツェルト。横幅が220cmと居住性が高く、テントの代わりとして積極的に使えるのは魅力です。ファイントラック独自の「テンションスリングシステム」を採用しているため、広い居住空間を確保できるのもメリット。居住空間を広げられるサイドリフターも搭載しています。
耐水圧は1000mm、透湿度は8000g/m²と優れた性能を有しているのはおすすめポイント。ベンチレーションは2ヶ所搭載しています。入口は2ヶ所で、入り口のファスナーは両サイドともフルオープンが可能です。
開閉可能なフラップ式のフロアー付きで、床を開放すればタープのように張ることも可能。袋込みの重量が340gと軽量なのもメリットです。
オクトス(oxtos) UL透湿防水タフツェルト 2976
ポールやストック、ロープを使用して設営できるツェルトです。設営時のサイズは間口100×奥行200×高さ100cm、天井部の奥行は145cmで1~2人が寝られる大きさ。出入口は前後2ヶ所に搭載しています。出入口のファスナーは前後ともダブルファスナーで、少し開けて換気したり頭を外に出したりできる仕様です。
ベンチレーターを前後2ヶ所に搭載し、透湿度8000g/m²で結露しにくいのがおすすめポイントです。耐水圧は1000mmで、防水性・防風性に長けている点も魅力。生地には15Dマイクロリップストップナイロンを採用しており、引裂強度に優れています。
コンパクトかつ軽量な設計で、収納サイズは直径10×高さ18.5cm、重量は355g。底部は底割れ式で、紐で3ヶ所をつなぎ合わせる仕様です。
ジュウザ・フィールドギア(Juza Field Gear) エム・シェルター1ウルトラライト
初心者の方でも扱いやすいボックス型のツェルトです。使い方は本製品を頭からかぶり、向かい側のシートにザックを置くだけ。ザックを置く場所にトレッキングポールを立てたり、2人で向かい合って座ったりして使うことも可能です。
開口部には、風で飛ばされないよう固定したり、トレッキングポールを立てたりする際に便利なループを4ヶ所搭載。薄い1枚の袋ですが、悪天候でも外と隔絶された空間を得られ、ビバーク中でも安心感を与えます。
ボックス型のため、かぶった際に顔の周辺に余裕があり窮屈感が少ないのはおすすめポイントです。ベンチレーターは顔の横に配置されているため、息苦しさが少ないのもメリット。ベンチレーターはドローコードで調節可能です。
本製品の耐水圧は1700mm、透湿度は7500g/m²。素材にはPUコーティングが施された20Dナイロンリップストップを採用しています。使用後は丸めて押し込むだけで大丈夫なように、スタッフバッグが大きめに作られているのもメリットです。
キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) ソロツェルトUV UA-53
ステッキやポール、ロープを使用して設営できるツェルトです。使用するステッキやポールの長さは90cmで、設営時のサイズは約間口80×奥行210×高さ90cm。横向きに設営して日よけとしても使用可能です。
前後の出入口の上部にはベンチレーションを搭載しています。テントの中央にはフラップも搭載。フラップ用ガイドロープが付属しているのもおすすめポイントです。
収納に便利なバッグ付きで、収納時サイズは約23×10×10cm、重量は約620g。幕体の素材にはナイロンリップストップ20Dを採用しており、耐水圧は3000mmです。
モンベル(mont-bell) U.L.ツェルト
非常時のビバークにぴったりのツェルトです。重量はわずか270gと超軽量で常時携行が可能。収納時はコンパクトなので、荷物の増えるアウトドアシーンでも快適に持ち運べます。
防水加工された素材を使用しているほか、天頂部にシームテープ処理を施しているため、雨天時でも安心して使用できる設計。酸欠を防ぐためのベンチレーションも備えています。
入口のジッパーを全開にすることで、タープとしても使用可能。別売のポールセットやフライシートとの併用で、さらに幅広いシーンで活躍します。
ツェルトのおすすめ|自立式
アライテント(ARAI TENT) ライズ1 1人用
長期の沢登りやアルパインクライミングなどに適した、自立式のドーム型ツェルトです。本体の下部には2mのファスナー付きエントランスを搭載しています。床はL字型に開放できるため、緊急時には靴を履いたままでも出入りが可能。万が一フレームをセットできないときにはかぶって使用することもできます。
本体の素材にはPUコーティングが施された30dnリップストップナイロンを、シートにはPUコーティングが施された40dnナイロンタフタを使用。本体のPUコーティングは、若干の透湿性能を持った「エスフレッチャー」を採用しています。
設営時のサイズは間口100×奥行200×高さ95cm、収納時は23×14cmです。本体とフレームを合わせた重量は880g。主要な縫製部分に専用シームテープによる防水加工が施されている点もおすすめです。
ヘリテイジ(HERITAGE) クロスオーバードーム f 2G
10dnの高強度極薄素材を採用した自立式のドーム型ツェルトです。織糸に特殊な強力糸を使用することで、引裂強度を高めながらも540gの軽さを実現。本体の収納時サイズは8.5×16cmとコンパクトなため、持ち運びやすさを求める方におすすめです。
ベンチレーターには適度なコシがあり、フレキシブルなリング芯が入っていて潰れにくい仕様。ベンチレーターは入口パネル上部と後面パネル下部の2ヶ所に搭載されており、効果的に換気ができます。オプションでベンチレーター用のモスキートネットがラインナップされているのも魅力です。
パネル自体に通気性能を持たせることで結露を軽減。パネルの通気性能により空気が抜けやすく、スタッフバッグへの収納をスピーディーに行える点もおすすめです。
本製品の設営時サイズは奥行200×間口75×高さ95cmと1人用の大きさ。入り口を短辺側に配置することで、ツェルト内をのぞいたときに奥行きを感じられ、入る際の圧迫感を軽減しています。
ツェルトのおすすめ|ポンチョタイプ
アライテント(ARAI TENT) ビバークツェルト ソロ 1人用
重量105gの超軽量ツェルトです。本製品にファスナーは付いておらず、かぶって使うことだけを想定し作られています。ベンチレーターは頭を出せる大きさで、ポンチョのように着用すればザックごとかぶれる仕様です。
収納時のサイズは9×7cmで、マグカップのなかに入るほどコンパクト。生地にはPUコーティングが施された15dnのリップストップナイロンを採用しています。格子状に40dnの糸が織り込まれているため、30dnリップストップの布地と同等の強度なのもおすすめポイント。比較的安い価格も魅力です。
ファイントラック(finetrack) ピコシェルター FAG0121
1~2人用のツェルトです。袋込みの重量はわずか120gで、収納時には手のひらに収まるほどのコンパクトさが魅力。素早くかぶれるフロアーレスタイプです。
本製品はベンチレーションを搭載しています。ベンチレーションから頭を出し、フロントファスナーを閉めればポンチョとしても使用可能。雨具の代わりとして使うほか、寒い日の簡易的な防寒着としてもおすすめです。
耐水圧は1000mm、透湿度は8000g/m²と優れた性能を有します。ファイントラック独自の「テンションスリングシステム」を採用しているため、広い居住空間を確保できるのも魅力。1枚でシェルターとして使えるほか、2枚合わせてより快適に過ごすことも可能です。
オクトス(oxtos) タフ ツェルトポンチョ 3041
機能性に優れたツェルトです。生地には15Dマイクロリップストップナイロンを採用しており、引裂強度に優れているのが特徴。耐水圧は1000mmで防水性・防風性に長けていながら、8000g/m²の優れた透湿性能も有しており、使用時の不快感を軽減します。
頭からかぶってポンチョとしても使用可能です。歩行中に枝などが引っ掛からないよう、内側にループを搭載しているのもおすすめポイント。付属のユニバーサルバンドを使用すれば、下山時の引きずりや強風時のバタつきを防げます。
つなぎ合わせをなくし、必要最低限の縫製で仕上がっているのも本製品の特徴。止水が必要な縫製箇所にはシームテープ処理が施されており、ベンチレーターにはガイラインを通すループを搭載しています。
サイズは設営時が幅121×奥行71×高さ101cm、収納時が縦14×横10×奥行4cm。重量は本体が約188g、収納袋が約5g、ユニバーサルバンドが約13gです。
オクトス(oxtos) UL 透湿防水ツェルトポンチョライト 3910
軽量かつコンパクトなツェルトです。生地に10D透湿防水リップストップナイロンを採用しており、付属品を含む平均重量は172g。収納時サイズは縦14×横10×奥行4cmです。
耐水圧1000mm、透湿度8000g/m²と性能の高さが本製品の魅力。防水性・防風性にも長けています。軽さと快適性を追求し、必要最低限の縫製で仕上がっているのもメリット。止水が必要な縫製箇所にはシームテープ処理が施され、ファスナーには「YKK止水ファスナー」を採用しています。
ポンチョとして使用する際に枝などが引っ掛からないよう、内側にループを搭載しているのがおすすめポイント。付属のユニバーサルバンドを使用することで、下山時の引きずりや強風時のバタつきを防げるのも魅力です。
ベンチレーターにはガイラインを通すループを搭載しています。設営時のサイズは幅121×奥行71×高さ101cm。カラーはグラファイトグレーとアシッドグリーンの2種類がラインナップされています。
モンベル(mont-bell) カモワッチテンチョ 1322003
簡易テントとポンチョの機能をあわせ持つアイテムです。簡易テントとして使用する際にはトレッキングポールを支柱にするか、天頂のループを枝などに吊るして設営します。
設営時サイズは幅260×奥行150×高さ120cm、収納時サイズは直径9×23cm。本体の重量は520gで、アルミペグと収納袋を含めた総重量は590gです。
ポンチョとして使用する際には、裾の内側のループをトグルにセットすることで着丈を短くでき、地面に擦れるのを防げます。適応サイズは150cm以上で、バックパックを背負った状態でも着用可能。生地にはウレタンコーティングが施されており、耐水圧は1000mmです。
生地には難燃加工も施されており、火が当たっても自己消火し、燃え広がらないのはおすすめのポイント。自然にとけ込むカモフラージュ柄も魅力です。
ツェルトの売れ筋ランキングをチェック
ツェルトのランキングをチェックしたい方はこちら。
軽量のモノや居住性に優れたタイプなど、さまざまなモデルがラインナップされているツェルト。緊急用としてすぐに使えるモノがよいのか、ツェルト泊を楽しむために居住性を重視するのかなど、使用シーンを具体的にイメージするのがポイントです。本記事を参考に、自分にぴったりのツェルトを見つけてみてください。