登山の醍醐味をしっかり味わいたいなら、やっぱり山小屋ではなくテント泊をしたいところ。しかし、ファミリーキャンプ向けのテントを流用しようと思っているとしたら考えものです。山の厳しい環境を考慮していないテントを登山に使うことは、時には危険でさえあります。

本記事では、登山を楽しむために、登山テントの選び方を解説。実績豊富なブランドと信頼性が高いおすすめの登山テントを紹介します。安全で快適なテント泊のための参考にしてください。

登山向けテントとは?

登山テントは、山の厳しい環境でも耐えられる耐久性と利便性、そして携行性を備えたテントです。軽くて携行性に優れていることが重要。最近では、1kgを下回る軽量モデルが主流です。

樹木のない、森林限界を超えた高山の稜線では、風をさえぎってくれるモノはありません。そのような環境において、雨や強風から身を守ってくれるのが登山テントです。そのため、登山テントは雨風に強い構造や素材を研究して作られています。山では風の向きも変わることが多いので、登山テントは全方向からの風に強い「ドーム型」という形状が主流です。

また、急な雨や雪の中、あるいは暗がりでも時間をかけずに設営できるように工夫されています。ドーム型登山テントは、支柱にあたる「フレーム」または「ポール」のみで設営できる「自立型」です。そのため、テントを固定するために使う「ペグ」というパーツを地面に打ち込むことなく設営できます。

登山向けテントとキャンプ向けテントの違い

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上述のように、登山向けテントでは耐久性、利便性、携行性が重視されます。この中でも特に重要なのが耐久性。天候の変化、そして温度の急激な低下にみまわれる山の環境では、テントが身を守るためのいわば”最後の砦”だからです。さらに、設営が簡単なことと、軽量で収納しやすいことがポイント。

一方、キャンプ向けテントは、主として居住性を追求しています。そのため、登山向けテントに比べて高さがあるのが特徴。そのために支柱であるポールが長く、重い傾向にあるとともに、収納性がよくありません。また、キャンプ場は整地されていることが多いので、耐久性も登山テントに比べて劣ります。

以上のように、同じテントといっても用途の異なる登山向けテントとキャンプ向けテントはまったくの別物。登山向けテントをキャンプで使うことはあっても、キャンプ向けテントを登山に流用することは基本NGと考えておくと安心です。

登山テントの選び方

登山テント選びでの最重要ポイントは耐久性

登山テントは耐久性、利便性、携行性を備えていることが必要ですが、この中で最も重視されるのが耐久性、すなわち丈夫なことです。

最近では登山テントの軽量化が進み、中には本体重量が500gを切るモデルも登場しています。しかし、耐久性や防水性の観点から、極端に軽いモノは避けた方が安心。このような登山テントは、軽量化を図って山での行動スピードを上げたいという上級者向けのモデルです。

登山テントの基本はフライシート付きダブルウォールテント

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登山テントには「ダブルウォール」タイプと「シングルウォール」タイプがあります。

「ダブルウォール」タイプとは、テント本体をおおう「フライシート」が付いているモノ。テント本体に防水性がなくとも、フライシートには基本的に防水加工がなされています。

フライシートでおおわれているので、テントの出入り口には「前室」とよばれる屋根付きのスペースができるのがメリット。トレッキングシューズやコッヘル、クッカーなどを置くことができて、テント内部の空間が広く使用できます。また、フライシートとテントの間に空気層ができるので、保温性が高いのも魅力です。

一方、「シングルウォール」タイプは、テント本体に防水性を持たせて、フライシートなしでも利用できるテントです。フライシートがないので軽量化されています。

形状はクロスフレームのドーム型が便利

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登山向けテントの形状で主流なのが、半球の形をしたドーム型です。全方向からの風に強い形状なのがメリット。支柱であるフレームをX型に交差させる「クロスフレーム」という構造を採用しています。

フレームの力によってテントが自立するのがメリットです。そのため、ヒモでつないだペグを地面で固定することなくテントを設営可能。設営が簡単であるとともに、ペグを打ち込むことのできない岩稜帯などでも対応できます。

素材の強さと軽さをチェック

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テントやフライシートの素材はナイロンが主流。軽量化を追求したテントには薄手のナイロンが使われることがほとんどです。テント本体の生地は薄くともよいのですが、地面と接触するボトムのグランドシートやテントに被せて直接雨風を受けるフライシートには、厚手の丈夫な生地を採用した登山テントを選ぶと安心。

ナイロンの厚さを示す単位は「デニール」で表されます。目安としては、グランドシートやフライシートに20D以上の厚さをもつ素材を採用したモノがおすすめです。

登山テントのおすすめメーカー

ライペン(RIPEN)

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「ライペン」は、1965年創業の日本を代表するアウトドア用品メーカー「アライテント」のブランドです。ライペンとはスペイン語で「熟練」という意味。居住性が高く直感的に設営できるテントに定評があります。

「エアライズ」や「トレックライズ」シリーズなどロングセラーモデルが多く、日本の登山事情に精通したブランド。テント選びの際には、まずチェックしたいブランドです。

ダンロップテント(DUNLOP)

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「ダンロップ」は1971年に、吊り下げ型ドームテントを世界で初めてリリースしました。その後、1976年には日本で初めて防水透湿素材「ゴアテックス」を使ったテントを発表するなど、技術力の優れたメーカー。有名な「プロモンテ」ブランドもダンロップの製品です。

ダンロップの主力テントは、2012年にリリースされた「VSシリーズ」。オールシーズン用のコンパクトな登山テントです。登山以外に、バイクや自転車のツーリング用テントも展開しています。

エスパース(ESPACE)

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現在主流の「ドーム型」テントを1970年に日本で初めて販売したのが「エスパース」。当時は、登山用品専門店のカモシカスポーツが担当していましたが、現在はヘリテージが企画開発を継承しています。

ヘリテージは1981年に東京で設立。基本的に社員全員が登山家という社風で、ユーザー目線から登山用品を開発しています。試作品を徹底的にテストするために、1997年には北アルプスのお膝元である長野県安曇野に移転。

登山家のノウハウを商品に反映させるのが得意な信頼のブランドです。エスパースの他に「ヘリテージ」ブランドも商品展開しています。

登山テントのおすすめ人気モデル|1〜2人用

ライペン(RIPEN) エアライズ1

「エアライズ」シリーズは日本を代表する登山テント。基本的には3シーズン用ですが、オプションを追加することにより冬山でも使用できるなど、システム化されて拡張性が高いのがメリットです。

重量はテントとフレーム、フライシート合計で約1360g。フライシート付きのダブルウォールタイプとして標準的な重さです。フライシートには30Dのリップストップナイロン、ボトムシートには40Dのナイロンタフタを採用。厚手の生地で耐久性に優れています。

また、フレームを通す袋状の生地である「スリーブ」は切れ目がないので、設営しやすいのもポイント。初心者も使いやすいおすすめの登山テントです。

ライペン(RIPEN) トレックライズ2

「トレックライズ」シリーズは、エアライズを軽量化したテントシリーズ。本モデルは約1680gで、2〜3人用モデルとしては軽量です。収納時には長さ32×直径16cm、フレーム38cmと携行性にも優れています。

出入口は大きな半月状をしていて、開放感があるのが魅力です。空気入れ替え用の大型ベンチレーターのほか、外側にはメッシュを装備しており、夏の昼間でも快適な居住空間を実現しています。暖かい時期に使いやすいおすすめの登山テントです。

ライペン(RIPEN) ドマドームライト1

ドマドームライトの「ドマ」は、日本の「土間」をイメージした言葉です。本モデルはメインルームと、高さがある前室を備えたツインルーム構造の1人用登山テント。前室のスペースは奥行60×入口部分110cmと、これまでのテントにはない広さが魅力です。

収納すると本体は長さ32×直径19cm、フレーム長38cm。総重量は約1790gと、1人用登山テントとしては重めです。居住空間重視の方におすすめします。

ダンロップテント(DUNLOP) VS-20A

ダンロップのオールシーズン対応の2人用登山テントです。フライシートとインナーテントには、厚手の30Dポリエステルリップを採用しています。さらに、グランドシートはより厚い75Dのポリエステルタフタ。通常のテントの2倍の強度を持つ丈夫な素材です。

総重量は約1770gと重めですが、収納サイズは本体が長さ25×直径14cm、ポール長37cmとコンパクト。耐久性に優れたおすすめの登山テントです。

ダンロップテント(DUNLOP) VS-20T

ダンロップの2人用のオールシーズン対応登山テント。スタンダードモデル「VS-20」よりも間口を20cm広げて、居住性を高めたロングサイズタイプです。

フレームとテントを固定するパーツにはフックを採用。手袋をしていても脱着が簡単です。さらに、想定以上の圧力がかかると自然に回転して外れる機構を採用しています。強風の時にテント全体が倒壊することを防げるのがメリットです。

総重量約1935gで、収納サイズは本体が長さ25×直径15cm、ポール長は37cmとコンパクト。耐久性が高く、カップルでの登山にもおすすめの登山テントです。

プロモンテ(PUROMONTE) アルパインテント VL-26

「ライト&ファースト」をコンセプトにしたVLシリーズの登山テント。総重量約1550gと軽量ながら、シリーズ発売以来改良を重ね、高い強度を誇ります。風や雨に強いだけでなく、オプションの外張との併用で冬山にも対応するなど、オールシーズンの使用を想定した作りが魅力です。

収納サイズは本体が長さ25×直径15cm、ポール長は37cmと、コンセプトに沿った携行性の高い設計。また、生地や生産の全てをメイドインジャパンにこだわり、品質にも信頼が置けるおすすめのテントです。

エスパース(ESPACE) ソロ アルティメット

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本格的な単独登山を目指す方におすすめの1人用登山テントです。最大のポイントは、重量が約1340gと軽量な点。3シーズン用のテントですが、オプションのスノーフライシートを利用すれば積雪期にも利用できます。

グランドシートには厚手の30Dナイロン、フライシートには20Dポリエステルを採用。いずれもPU防水加工とシリコン撥水加工を施しており、雨に強い登山テントとしておすすめします。

ヘリテイジ(HERITAGE) クロスオーバードームf

軽量で、携行性を重視する登山中級者以上の方におすすめのアイテム。緊急時に簡易シェルターとして使う「ツェルト」とテントの中間のようなモデルです。総重量約600gと超軽量級。素材として、透湿PUコーティングを施した15Dのナイロンリップストップを採用し、軽量化を図っています。

ツェルトと違って2本のフレームを使用しているので、設営が簡単で居住性が高いこともメリット。透湿防水コーティング済で防水性も備えています。軽量化を再優先したモデルだけに、登山中級者や、トレイルランニングなどのアウトドアアクティビティをされる方におすすめの登山テントです。

ファイントラック(finetrack) カミナドーム1

超高強度素材を採用しており、2016年の登場以来注目を集める登山テントです。総重量は約1270gの軽量モデル。

超高分子量ポリエチレンを原料とした超高強度素材「ダイニーマ」を採用しているのが最大のポイントです。テントやフライシートのフレームが交差するクロスラインに配して、強度と耐候性を高めています。

また、上部と低部では、直径と弾性が異なるフレームを使用。テント全体が緩やかなカーブを描いているため、従来のテントに比べて頭上付近の空間に余裕があります。軽量でありながら居住性にも優れたおすすめの登山テント。オプションも充実しており、拡張性も優れています。

ニーモ・イクイップメント(NEMO) TANI LS 1P NM-TNLS-1P

アメリカのアウトドアギアメーカー「ニーモ・イクイップメント」が日本の登山シーンを考慮して作った、1人用のコンパクトな登山テント。同ブランドでベストセラーとなった前モデルに改良を加え、より高い耐久性と、最小重量約1090gという軽量を両立しています。

設営や使用の際に嬉しい、細やかな工夫が凝らされているのもポイント。内部からの開閉も可能な開閉式のベンチレーションは、開けば空気循環をよくし、閉めれば強風時の耐久性を更に高めてくれます。使い勝手に優れたおすすめの登山テントです。

ザ・ノースフェイス(THE NORTH FACE) ストームブレーク2 NV21805

デザイン性と機能性の高いアウトドア用品を数多く手がける「ザ・ノースフェイス」によるテントのエントリーモデルです。4面メッシュ素材と「ハイ・ローベンチレーション構造」により通気性に優れ、夏も快適に使用できます。

新デザインの大きなドアを備え、前室からのアクセスも快適。また、フライシートは75Dポリエステル素材を採用し、ポリウレタンコーティングで耐水性を高めています。レジャーシーンにもおすすめの2人用テントです。

モンベル(mont-bell) ステラリッジテント 1型 1122475

軽量かつ高機能で、多くの登山家から支持を集める「ステラリッジ」シリーズ。モンベル独自の「オートセットアップ・スリーブエンド」を搭載し、悪天候や強風に晒されてもすばやく設営できます。オプションが豊富で、さまざまなシーンで使える汎用性の高さも魅力。

収納時は本体サイズが長さ30×直径13cm、ポール長が41cm。高機能ながら総重量約1440gと軽量です。また、素材には30Dのバリスティックナイロンとリップストップを採用。キャノピーには難燃加工を、フロア・フライシートには耐水性を高めるウレタンコーティングを施し、モンベルの技術を感じられる登山テントです。

ビッグアグネス(BIGAGNES) フライクリーク HV UL1 EX

日本の山岳気候に合わせた仕様が魅力の、フライクリーク「EX」シリーズの1人用テントです。通常モデルと違い、インナーテントにメッシュ素材を採用していないのが特徴。3シーズン快適に使用できます。

収納サイズは本体が長さ33×直径13cm、ポール長は45cmです。最大重量は約1040gと軽量で、持ち運びもラクラク。また、ドアをメッシュとナイロンの2重構造にすることで、外気に応じた使い分けを可能にしました。日本での使用に特化した、おすすめの登山テントです。

マウンテンハードウェア(Mountain Hardwear) ゴーストUL1テント OU9694

カリフォルニア発のアウトドアギアメーカーが手がける、スタイリッシュな登山テント。シンプルな吊り下げ式の構造で、簡単に設営できるのが特徴です。「完全防水テーピング処理」を施したフライや、コーナーやドアに溶着技術を採用するなど、耐水性も備えています。

また、「DACフェザーライトポール」などの軽量にこだわったパーツで、わずか約846gという最小重量を実現。収納サイズは長さ50×直径13cmです。軽量でおしゃれなので、女性にもおすすめします。

ファウデ(VAUDE) Lizard GUL 1P

1974年にドイツの登山家が創業した老舗アウトドアブランド「ファウデ」の1人用テント。歴史に裏打ちされた高い技術により、最大重量約690gという超軽量と耐久性を両立させたモデルです。

10Dのポリアミドを採用したフライシートは、両面にシリコン加工を施し、縫い目を目止めすることで防水性を高めています。収納サイズは長さ39x直径10cmとコンパクト。傾向性に優れながら、風雨にしっかりと耐えられる登山テントとしておすすめします。

パイネ(PAINE) G-LIGHT X

人気テント「G-LIGHT」を20%軽量化した1~2人用モデル。収納サイズも従来モデルの2/3程度に抑え、極限まで装備を軽くしての登山を想定した設計です。

素材には30Dリップストップナイロンを採用。軽く剛性に優れたスカンジウム「エアハーキュリー」のフレームと組み合わせることで、防水性能の高さも兼ね備えています。また、フレームは一方向から差し込むため、慣れれば独力でも設営可能。軽さと機能性を併せ持ったおすすめの登山テントです。

登山テントのおすすめ人気モデル|3〜4人用

エムエスアール(MSR) フリーライト

軽量かつ機能性に優れた3シーズン用テントを取り揃える「BACKPACKING TENTS」シリーズ中でも、特に軽量化を実現したのが「フリーライト」モデルです。本製品は最大重量約1560gの3人用登山テント。軽くてコンパクトながら、居住スペースをしっかりと確保したインナーテントの設計が特徴的です。

収納サイズは高さ46×直径15cm。3人でも快適に使用でき、かつ持ち運びの容易なテントを探している方におすすめします。

アライテント(ARAI TENT) ベーシックドーム4

「ライペン」ブランドも展開する「アライテント」の3人用の登山テントです。最大で4人まで利用できます。「ベーシックドーム」シリーズは、日本を代表するテントメーカーであるアライテントの中でも最もオーソドックスなテント。厳冬期の登山からファミリーキャンプまで、利用できるシーンの幅広さが魅力です。

最大4人を収容できるため総重量約3250gと重いですが、収納サイズは本体が長さ44×直径17cm、フレーム長50cmとコンパクト。また、両面に出入口を備えているのが大きなポイントです。メインの入り口にはモスキートネットが付属。反対側は積雪期に出入りしやすい「吹き流し式」を採用しています。ファミリーでの登山やキャンプにおすすめの登山テントです。