陶器の優しい風合いと、趣のある形が魅力の土瓶。古来より受け継がれてきた伝統的な焼き物であり、日常生活とともに存在する実用的なアイテムでもあります。
豊富なバリエーションがあるなかで、使いやすさは土瓶選びの重要なポイント。そこで今回は、おすすめの土瓶をご紹介。選び方も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
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土瓶とは?
土瓶は、陶器で作られた日本の伝統的な食器のひとつ。江戸時代には一般庶民の家庭に広く浸透し、湯を沸かしたり、茶葉や薬草を煎じたりする容器として使われていました。当時、急須を使ってお茶を飲むのはごく一部の文化人のみ。庶民の間では、土瓶に茶葉を入れ、煮出して飲むのが一般的でした。
土瓶は茶器としてではなく、お湯を沸かす、煮出すことなどを目的として使われていた日用品。現在では、伝統的な食器としての高級感がありながら、馴染みやすくあたたかみのあるアイテムとして人気があります。
土瓶と急須の違い
土瓶と急須の大きな違いは、持ち手と素材。急須は、胴の横に棒状の持ち手が付いているのに対し、土瓶は胴の上部につる状の持ち手が付いています。また、土瓶は直火にかけられることも特徴のひとつ。本体が高温になるため、持ち手には一般的に、熱が伝わりにくい竹や籐などの別素材が使われています。
急須の素材は、陶器、磁器、ガラス製などさまざまですが、土瓶は文字通り、土を原料とした陶器製が主流。さらに、直火にかけやすい大きなサイズが充実しているのはもちろん、土瓶蒸しや急須など、用途に適したアイテムが選べるのも魅力です。ただし、土瓶と同じ形状をしていても直火にかけられないモノもあるので、購入前に必ずチェックしておきましょう。
土瓶の選び方
人数や量に合わせて容量をチェック
土瓶は比較的大きなサイズのアイテムが豊富です。急須として土瓶を使用する場合は、お茶を入れる人数や、使用する茶碗の大きさを考えて、適切なサイズを選びましょう。
来客用の小さな茶碗であれば65ml程度、大きな茶碗であれば120ml程度が一般的。茶碗の容量や人数、使用するシーンなどを想定し、土瓶の大きさを決めるのがおすすめです。
また、使う湯量は茶葉の種類によって異なります。低温でじっくりと抽出する玉露などの高級茶葉は、少なめのお湯を使用するので急須がおすすめですが、たっぷりの熱湯で入れる番茶やほうじ茶には土瓶がぴったり。大きめの土瓶で煮出すことでお茶の香りが引き立ち、カテキン由来の苦みや渋みが楽しめます。
重量をチェック
容量が1.5~2L前後の大きな土瓶は、煮出し用のお茶を作り置きしたり、やかんのようにお湯を沸かしたりするのにおすすめです。ただし、熱湯の入った土瓶は高温になるため、扱いには十分注意が必要。
陶器製の土瓶は比較的重量のあるアイテムが多く、さらにお湯が加わることでかなりの重さになることがあります。1Lの水を注ぐことで増す重量は1kg。大容量の土瓶を選ぶ際は、熱湯が入ることをふまえ、使いやすい重量であるかをチェックしておきましょう。
IHに対応しているかチェック
自宅の熱源がIHの場合、対応しているかを必ずチェックしておきましょう。IHは電磁波を使って接触面を発熱させるため、土瓶の底面は面積が広く、全体的に平たい形状であることが特徴。どっしりとした安定感のある形の土瓶で、比較的容量の大きいタイプが充実しています。
IH熱源に対応する土瓶の種類は限られていますが、電子レンジで使用できたり、IHとガス火の両方で使えたりと、汎用性の高いアイテムがラインナップ。実用的で、現代のライフスタイルに合ったスタイリッシュなデザインが揃っています。
土瓶蒸し用なら口が大きいモノを
土瓶があれば、懐石料理などで提供される「土瓶蒸し」が家庭でも楽しめます。土瓶蒸しを作るのに適したモノは、口の大きなタイプ。蓋を開けた瞬間に豊かな香りが広がり、具材も取り出しやすいのでおすすめです。また、土瓶蒸しは、弱火でコトコト調理することが多いため、直火にかけられるかどうかも確認しておきましょう。
土瓶の大きさは、1人分に適した小さめサイズがおすすめ。さらに、土瓶蒸し用として、受け皿や出汁を注ぐお猪口がセットになったアイテムもあります。器としての役割もあるため、ぜひデザインにもこだわって選んでみてください。
土瓶のおすすめ
白山陶器 白磁立筋 土瓶
艶やかな白磁に立筋のレリーフが添えられている土瓶。スタイリッシュで趣があり、上品さを備えているのが魅力です。本製品は1978年から製造されているスタンダードな茶器シリーズに属しているのが特徴。湯のみや急須のデザインに統一感をもたせたい場合にもおすすめの土瓶です。
注ぎ口の内側には磁器製の茶こしを搭載。白山陶器が製造するステンレス製のストレーナーにも対応しています。ハンドル部分にはポリ塩化ビニル樹脂素材を使用。ハンドルは別途販売もされており、劣化した際に取り替えが可能です。
本体のサイズは約直径12.5×11cm。満水時の容量は約700mlです。
白山陶器 ベーシック 土瓶 天目
白山陶器が製造する器の「べーシック」シリーズに属する土瓶。スタンダードで親しみやすいデザインの製品で、1970年代から長年にわたって製造され続けています。土瓶の外側には伝統の天目釉を使用。器の印象を引き締める縁錆も魅力です。
安定感のある形状で、たっぷりとお茶を入れておけるのもメリット。土瓶の内側は白磁での仕上げを採用しており、入っているお茶の量がわかりやすくなっています。本体のサイズは約直径13×9.5cmで、容量は満水時で約680mlです。
注ぎ口の内側には磁器製の茶こしを搭載。ポリ塩化ビニル樹脂製のハンドルが付いている点もおすすめの土瓶です。
土楽窯 伊賀焼 アメ釉土瓶
伊賀焼は三重県の伊賀市周辺で作られる陶器です。「土楽窯」は伊賀市の丸柱で7代続く窯元。土鍋をはじめとする、素材の自然な風合いを活かした器を作り続けています。
本製品は、直火にかけられる耐熱性の高い土瓶。「アメ釉」と呼ばれる、酸化焼成によって褐色になる釉薬を使用し、上品な光沢と深みのある色合いに仕上げられています。土瓶の内部には穴があいているので、大きめの茶葉であれば急須としても使用可能。
容量は、大人数にも対応できる800mlで、ぽってりとしたかわいらしいシルエットが魅力です。モダンなデザインで、コーヒーや紅茶用にもおすすめ。破損を防ぐため、ガス火にかけるときは釉薬がかからない程度の火加減(弱火〜弱めの中火)で使用しましょう。
山源陶苑 耐熱土瓶
シンプルでかわいらしいデザインの耐熱土瓶。あたたかみのある質感と、明るく優しい色合いが魅力です。容量は、湯沸かし用のやかんとしてはやや小ぶりの1.4L。大きすぎないので扱いやすく、広い口でお手入れしやすいのもポイントです。
カラーは明るいイエローをラインナップ。本体内部には茶葉が濾せる小さな穴が付いており、煮出し用の土瓶としてもおすすめです。モダンでおしゃれなデザインなので、テーブルに置くだけで華やかな雰囲気が演出できます。
かもしか道具店 陶のやかん
かもしか道具店は、三重県で植木鉢製造工場として設立された「山口陶器」のオリジナルブランドです。食器や調理器具など、食にかかわるさまざまな道具を製造。用途に適した上質な素材を採用し、機能的で実用性の高いアイテムを作り出しています。
本製品は、安定感のあるフォルムとぬくもりを感じるデザインが魅力の耐熱土瓶です。寒い冬の季節、ストーブの上に置かれたやかんから、白い湯気が湧き出る情景をヒントに作られた製品。
底面が広いため、実際にストーブの上でも使えます。すっきりとした真鍮製の持ち手が全体のアクセントになり、おしゃれでスタイリッシュな雰囲気に仕上がっています。
薬日本堂 IH セラミックケトル
シャープなデザインが目を引く耐熱土瓶。IH・直火に対応し、持ち手を外せば電子レンジでの加熱も可能です。洋食器にも合わせやすいおしゃれなデザインで、紅茶やコーヒーを入れるときにもおすすめ。
モノトーンのシャープな雰囲気と、カジュアルな藤の持ち手がアクセントになったデザインは、スタイリッシュでながら優しい雰囲気が感じられます。容量は使いやすい1.5L。高いデザイン性と機能性を兼ね備えた、汎用性の高い土瓶です。
SALIU 結 YUI 土瓶 急須 330ml 30581
あたたかみを感じさせる柔らかなラインが特徴の土瓶。マットな質感が愛らしく、和やかな印象を与えられます。また、職人の技術によって細かいところまで丁寧に仕上げられているのもポイント。水切れもよく、使い勝手にも優れています。
釉薬によるさらりとした手触りも魅力。ハンドルは木製で、ほっこりとしたデザインが採用されています。内部にはステンレスの茶こしを搭載。お手入れがしやすい点もメリットです。
ハンドルは横に倒すことが可能。洗浄しやすいだけでなく、収納の際にスペースを取りにくい点もおすすめポイントです。330mlと660mlの2種類の容量を展開しており、ライフスタイルに合わせて選べます。
スズ木 サーマテック IHケトル 1.8L 72230590
直火だけでなくIHにも対応している土瓶です。モダンで洗練された和洋折衷のデザインを採用しているのが特徴。幅広いデザインの食器に合わせやすいのもメリットです。
また、遠赤外線効果でまろやかなお湯が沸かせるのもポイント。吸水率が低くニオイが付きにくいので、薬用土瓶として使用する場合にも便利です。
さらに、食品衛生法などの安全基準をクリアしているのも長所。人体に害のある重金属などが含有されておらず、安心して使用できます。取手の部分にはステンレス素材を採用。サビに強く、耐久性に優れている点もおすすめの土瓶です。
マスタークック けんこう土瓶 大サイズ
遠赤外線の効果が期待できる土瓶です。マイルドなお湯を沸かせるため、お茶が美味しくなると謳われています。金気臭さもなく、金属酸化を気にせず使用できる点もメリットです。また、薬草を煎じたい場合にも適しています。
IH非対応ながら、ガス火での使用が可能。約直径16×深さ12cmのサイズに設計されており、1.6Lの容量を備えています。本製品は日本製で安心して使用できるのもポイント。品質にこだわって土瓶を選びたい場合にもおすすめです。
デザインはシックなブラックで統一されており、和洋の食器を問わずマッチしやすい点も魅力です。
SAIKAI 水玉 10号土瓶
旅館などで見かけるような昔ながらの水玉模様が特徴の土瓶。飽きのこないデザインを求めている場合にも適しています。また、水玉柄が1つ1つ丁寧に手で彫られているのも魅力。職人の技術が込められた土瓶です。
本体のサイズは約直径17×13.5cm。容量は1.85L有しており、たっぷりのお湯が沸かせます。直火やオーブンでの使用は不可ですが、電子レンジには対応。食洗機での洗浄ができるので、お手入れに手間をかけたくない場合にもおすすめの土瓶です。
aito製作所 翠 土瓶 560ml
山の色や草・葉の香りにインスパイアを受けたテーブルウェア「翠」シリーズの土瓶です。単色ながら個性があり、深みを感じるデザインを採用しているのが特徴。細かな粒子によって奥行きが生み出されており、エッジラインの焦げやマットな質感なども魅力です。
外観はコロンとしてかわいらしく、容量は560ml有しています。来客の際や家族でお茶を楽しみたい場合にも便利です。持ち手のつるは取り外しが可能。お手入れや収納の際にも便利です。
また、電子レンジや食洗機に対応しているのもメリット。お茶をあたため直したい場合やお手入れにかかる手間を軽減したい場合にもおすすめの土瓶です。
ヤマキイカイ IH電磁調理器対応薬用耐熱土瓶
日本の六古窯の1つとして知られる愛知県常滑市産の土瓶です。食卓に置いた際に映えるかわいらしいデザインを採用。遠赤外線効果によってお茶を美味しく沸かせるほか、薬草を煎じる際にもおすすめです。
また、保湿力に優れ、金気臭さを感じにくいのもメリット。口当たりがマイルドなお湯を沸かせるため、お茶はもちろんコーヒーにもぴったりです。
美濃焼 土瓶蒸しセット
美濃焼は、岐阜県の東濃地方周辺で作られる陶磁器の総称。自由な発想で作られる多彩な様式の焼き物として有名です。本製品は、あたたかみのある質感と色合いが魅力の土瓶蒸しセット。出汁を楽しむためのお猪口と、土瓶を置く受け皿が付いており、本格的な土瓶蒸しが自宅で楽しめます。
直火で加熱できるほか、電子レンジでの使用も可能。また、食洗機にも対応しているので、お手入れが簡単なのもポイントです。比較的リーズナブルなのでセットで購入しやすく、ホームパーティーなどのおもてなし料理としても土瓶蒸しが楽しめます。
織部 平型土瓶蒸しセット
上品な光沢と深く濃い緑色が美しい土瓶蒸しセット。「織部釉」と呼ばれる釉薬を塗って焼成された土瓶で、深みのある色合いが特徴です。付属のお猪口と受け皿で、自宅で気軽に土瓶蒸しが楽しめます。
容量は小ぶりの200ml。1人分に適した大きさで、軽量で扱いやすいのもポイントです。さらに、直火のほか電子レンジでの加熱も可能。あたため直しも簡単にできます。
購入しやすい手頃な価格ですが、しっかりとした作りと高級感のあるデザインが魅力。おしゃれに土瓶蒸しを味わいたい方におすすめのアイテムです。
土瓶は急須と比べて幅広い用途で使用できるアイテム。ただし、直火にかける陶器製品は、使用前に「目止め」と呼ばれるお手入れが必要な場合があります。また、磁器製の土瓶など、素材によっては直火で加熱できない製品もあるので要注意。本記事を参考に、長く愛用できる便利でおしゃれな土瓶を見つけてみてください。