りんごを原料とする「シードル」は、古くからイギリスやフランスで愛されている醸造酒です。日本でもりんごの産地を中心にシードルが発売され、人気を集めています。
そこで今回は、シードルの選び方を解説し、おすすめの銘柄をご紹介。アルコール度数が低く、お酒があまり強くない方でも楽しめるので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。
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シードルの特徴
シードルはフレッシュなりんご果汁を発酵させて造られるお酒。糖分やガスの添加はされず、りんご果汁を100%使用しています。発泡しているモノが一般的で、アルコール度数は2~8%程度。アルコール度数が低めなので、女性やお酒が強くない方でも飲みやすいのが特徴です。
フルーティーな香りやライトでさっぱりした飲み心地は、食前酒や食中酒としてはもちろん、デザートと合わせても楽しめます。
シードルの歴史
シードルは紀元前1世紀頃に造られたモノが起源ではないかといわれています。11世紀頃には、フランスのブルターニュ地方やノルマンディー地方で盛んに造られるようになりました。その後イギリスに伝わり、ヨーロッパ各地に広まります。
日本ではニッカやキリン、アサヒなどの大手メーカーがシードルの銘柄を製造。最近ではりんごの生産が盛んな地域で、小規模ワイナリーによる個性的な銘柄が誕生しています。
シードルの選び方
産地で選ぶ
国産
国産のシードルにはふじや紅玉のように、甘みが強い食用りんごが使われます。私たちがりんごの産地としてよく知る青森や長野で多く作られ、繊細ですっきりした味わいが特徴。1種類の品種から造られることが多いため、好きなりんご品種で造られたシードルからトライしてみるのもおすすめです。
外国産
「シードル」はフランスの名称で、イギリスやニュージーランドでは「サイダー」、スペインでは「シドラ」、アメリカでは「ハードサイダー」と呼ばれます。外国産のシードルは、酸味や渋みなどが強くて食用に向かないりんごを使用するのが一般的です。
複数の品種がブレンドされることも多く、銘柄によって多種多様な味わいが楽しめます。発泡していないモノや微炭酸のモノなど、発泡の度合いにも違いがあるのが特徴です。
味で選ぶ
甘口
発酵期間が短いと、りんごに含まれる糖分が発酵されずに残るため甘口のシードルになります。甘口タイプは、「ドゥー」「スイート」と表記されるのが一般的。ほんのりと甘い飲み口は、ダークチョコレートやアップルパイなどスイーツとの相性が良好です。
ほかに、チーズなどと一緒に食前酒として、または単品で食後のデザート酒としても活躍します。お酒があまり得意でない方でも飲みやすく、パーティーシーンに1本揃えておくと重宝するのでおすすめです。
辛口
発酵期間が長いと、りんごの糖分がアルコールに変わるので辛口のシードルになります。したがって、辛口タイプのほうがアルコール度数は高め。「ブリュット」または「ドライ」と表記されるのが一般的です。
すっきりした飲み口のため、白ワイン同様、前菜や魚料理、刺身などさっぱりした料理とよく合います。フランスの伝統料理、ガレットと合わせるのもおすすめ。甘口と辛口の中間にあたる中辛口「ドゥミ・セック」もあり、肉料理によく合います。
シードルのおすすめ
ヴァル ド ランス クリュ ブルトン ブリュット
フランス・ブルターニュ産のりんごを100%使ったシードルです。40種類以上ものりんごをブレンドし、一番しぼりのみの果汁を使用しているのが特徴。深い味わいとりんご本来のおいしさを感じられるのが魅力です。
ドライで爽やかな喉越しが味わえる辛口タイプ。豊かな香りとふくよかなコクのある味で、どんな料理ともよく合います。
クール ド リヨン シードル ブリュット
フランス・ノルマンディー地方で造られるシードルです。同ブランドは、りんごを原料とする蒸留酒「カルヴァドス」で有名。自社農園で栽培したりんごを使用し、蒸留からブレンドまで一貫して行っています。
口当たりがライトですが、りんごの果実味がしっかりと感じられるのが特徴。キレのよい辛口はさまざまな料理と相性がよく、どんなシーンにも幅広く合わせられます。国際的な評価も高く、辛口のお酒が好きな方に試してほしい1本です。
サッシー シードル
フランス・ノルマンディー産のりんごを使用したシードルです。完熟して自然に木から落ちたりんごのみを使用し、無添加で造られています。22種類ものりんごをブレンドし、すっきりとした中辛口に仕上げられた銘柄。肉料理やチーズとよく合います。
サッシーは2014年に創業し、伝統を大切にしながらも新しい時代に即したシードルを開発することをモットーにするブランド。都会的なイメージのシードルはパリやロンドンで話題になっており、おしゃれな手土産としてもおすすめです。
ダンカートン ドライ オーガニック
無農薬のりんごだけを使用したイギリス産のオーガニックシードルです。渋みや酸味が強い5種類のりんごをプレンドし、12ヶ月以上の長期熟成しているのが特徴。熟成で生まれる重厚な味わいと、キレのある辛口が楽しめます。
アルコール度数7%でしっかりした飲みごたえがあるのもポイント。世界最大のシードルコンテストで、2017年に最高金賞を獲得したおすすめのシードルです。
ツータウンズ(2 Towns) ブライトサイダー
アメリカで人気のシードルです。同メーカーは幼なじみ3人により、2010年に小さなガレージで創業。アメリカ産の搾りたてりんご果汁を24時間以内に発酵させ、香料や着色料は無添加、銘柄ごとにワイン酵母を選ぶなど、さまざまなこだわりを持っています。
ニュータウンピピン種というアメリカ産のりんごを中心に数種類をブレンドして造られており、すっきりとした味わいが特徴。こってりした料理とも好相性です。また、おしゃれなパッケージで、ホームパーティーのラインナップや、ちょっとした手土産に適しています。
ザ ヒルズ サイダー カンパニー アップル シードル
2010年に創業した南オーストラリアの醸造所が造るシードルです。厳選された4種類のりんごを使用し、甘みや酸味、フレッシュさのバランスが取れた風味に仕上がっているのが特徴。少量生産で、りんごの新鮮さを保ったまま醸造されています。
やや辛口で、スパイシーな料理や肉料理、油っこい料理と好相性。よく冷やして飲むと、ほどよいアロマと丸ごとりんごをかじったような新鮮な味わいが楽しめます。素朴でかわいいパッケージデザインも魅力のひとつです。
アバヴァス ホップ シードル
少量生産で造られるラトビア産のシードルです。ラトビア産のお酒は日本ではあまり馴染みがありませんが、ヨーロッパでは人気の銘柄。りんご果汁を熟成させたあとに、シトラホップを加えているのが特徴です。
グラスを傾けるとほのかな柑橘系の香りとともに、ホップの香りが立ちのぼります。ホップの香りが独特なため、少し変わったシードルを探しているシードル上級者におすすめ。また、中辛口で、甘さ控えめのすっきりした味わいも魅力です。
アサヒ(Asahi) ニッカ シードル スイート
青森県の弘前工場で、厳選された国産りんごを使用して造られたシードルです。糖類や香料を使わず、りんごそのもののみずみずしい味わいが感じられます。インターナショナルサイダーチャレンジでは2014年から3年連続で受賞するなど、国際的にも評価されている銘柄です。
本製品はやさしい甘さのスイートタイプ。ピンクを基調としたかわいらしい見た目で、プレゼントとしてもおすすめです。
キリン(KIRIN) ハードシードル
キリンが製造するカジュアルなシードルです。国産を代表する人気銘柄のひとつ。飲み切りサイズかつリーズナブルなので、気軽に試せるのが魅力です。おしゃれな瓶タイプで、パーティーシーンや屋外のバーベキューなどでも映えます。
甘すぎずさっぱりした味わいで食事との相性もよく、飲み飽きないナチュラルな味わいがポイント。フルーティーなりんごの香りがほどよく感じられるおすすめのシードルです。
リュードヴァン ポム ドール
長野県産のふじを使用したシードルです。「ポム ドール」とは“金のりんご”という意味。完成まで約2年半もの手間をかけて完成するプレミアムなシードルで、グラスに注ぐと淡い黄金色の色合いを楽しめます。
ほんのりとした甘さがあり、すっきりとしていながら余韻のあるエレガントな味わいが魅力。シャンパーニュ製法で造られた高級なシードルを、ぜひ味わってみてください。
マンズワイン 酵母の泡 青森りんご
山梨県の老舗ワイナリーが造っているシードルです。青森県産のりんごを100%使用し、華やかな香りとフルーティーな味わいが特徴。国内では珍しく、二次発酵を密閉タンク内で行う「シャルマ方式」を採用しています。
特有の複雑な香りと、やさしくなめらかな泡の感触を楽しめるのが魅力。食前酒やデザート酒として重宝します。また、パッケージもおしゃれでプレゼントにもおすすめです。
タムラファーム タムラシードル SWEET
青森県弘前市にある醸造所で造られる甘口シードルです。自社農園で栽培されたりんごのみを使用し、フルーティーな香りと上品な甘さが特徴。日本人の好みに合う繊細な味わいを追求しているため、和食に合わせるシードルを探している方におすすめです。
ドイツで行われる国際シードルメッセでは、2016年にポムドール賞を獲得。アルコール度数は3%と低く、食前酒にも向いています。同ブランドには辛口タイプもあるので、ぜひチェックしてみてください。
喜久水酒造 キクスイ シードル スタンダード
南信州産のりんごを100%使用した、日本酒蔵が造るシードルです。ふじやシナノゴールド、紅玉、秋映、シナノスイートなど地元の農家から仕入れた数種類の原料をブレンドしています。発酵した後で炭酸ガスを加えることで、爽やかで甘みのある味わいが特徴です。
アルコール度数は6%と、シードルのなかではやや高め。リーズナブルなので、シードルをこれから試してみたい方もチェックしてみてください。
アルコール度数が低めでほのかな甘さがあり、お酒が苦手な方でも飲みやすいシードル。独特の渋みがあるタイプの銘柄もあるので、甘いお酒が苦手な方もトライしてみると選択肢の幅が広がります。ぜひ参考にして、最適な銘柄を探してみてください。