日本ではあまり馴染みのない「スイスワイン」。消費量のほとんどが国内にとどまり、海外輸出が少ない傾向にありますが、最近はネット通販の普及によって入手のハードルは下がっています。なお、スイス国内では50種類以上のブドウが栽培されており、ワインの生産は盛んです。

そこで今回は、おすすめのスイスワインをご紹介。世界的に著名なワイン評論家から絶賛されている1本はもちろん、リーズナブルな銘柄もピックアップしたので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。

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スイスワインの特徴

スイスワインはフレッシュなタイプが多いのが特徴。果実味が感じられるため、フルーティな味わいが好みの方におすすめです。主張が控えめなので、さまざまな料理と合わせて楽しむことができます。特に白ワインは、スイスの伝統料理であるチーズフォンデュと好相性。白身魚を使った料理などもマッチします。

なお、スイスは山が多く、ブドウを栽培できる地域が限られているのに加えて、急斜面に作られたブドウ畑の手入れや管理が大変な土地です。そのため、品質を高く保つために、地域によって生産量が限定されています。

スイスワインの歴史

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スイスでワイン文化が根付いたのは約2000年前。当時のローマ帝国の軍隊がアルプスを越え、現在のスイスの領域を植民地化したときにワイン文化が発展したといわれています。

そのため、スイスワインの主な産地はローヌ川沿い・ジュネーブ周辺・ヌーシャテル湖周辺などが代表的。なお、スイスには26の州と4つの言語圏がありますが、特にワインを好んで飲むのはフランスに近い地域です。ブリークからジュネーブまでのフランス語圏で、スイスワインの7割が生産されています。

スイスワインの選び方

産地で選ぶ

ヴァレー州

ヴァレー州はスイスワインの生産量がもっとも多い州。総生産量の40%が同州で造られており、ジュネーブからツェルマットの間を列車で移動すると、車窓から一面に広がるブドウ畑を見渡せます。

ヴァレー州はスイスのなかでも特に乾燥した地域。標高が高く、晴れた日差しの強い日が多い地中海気候も相まって、ブドウの栽培に適した環境といわれています。テイストとしてはフルーティーで、まろやかな味わいを楽しめるのが特徴です。

ヴォー州

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ヴォー州はスイスワイン生産量第2位の産地。白ワインの生産は第1位です。アルプス山脈やジュラ山脈など、変化に富んだ土壌を持ち、多種多様なワインの味わいを楽しめるのが特徴。テイストとしては全体的に上品で、ミネラルの感じられる豊かな味わいも魅力です。

同州のスイスワインは、「3つの太陽」によって育まれると言われています。「3つの太陽」とは、空に輝く太陽と、それを受けたレマン湖の太陽光反射、そしてブドウ畑の石垣が蓄えた輻射熱です。ブドウの栽培に適した温暖な環境が調っています。

また、レマン湖の北岸には広大なブドウ畑が一面に広がり、その美しい景観は世界文化遺産に登録されているのもポイント。ワインの試飲ができる「カヴォー」と呼ばれる場所も点在しており、観光にもおすすめの地域です。

ヌーシャテル州

ヌーシャテル州のスイスワインは、多くがヌーシャテル湖畔のブドウ畑で造られています。ヌーシャテル湖が日光を反射し、ブドウの栽培に適した温暖な環境を保持。フレッシュな微発砲の白ワインが多く生産されているのが特徴です。

一方、ビール湖やムルテン湖周辺など、なだらかな丘陵地帯のブドウ畑では、ピノ・ノワール種の生産も盛ん。ワインの渋みに関わるタンニンや果実味が感じられる、辛口の赤ワインが豊富に揃っています。

品種で選ぶ

シャスラ

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「シャスラ」は、スイスで広く栽培されているブドウ品種。スイス土着のブドウ品種で、主に白ワインに使われています。著名なワイン評論家からも高く評価されており、ヴァレー州では「ファンダン」と呼ばれています。

世界で造られるシャスラの8割をスイスが占めており、軽快な味わいでクセがないのが特徴。はじめてスイスワインを飲む方にもおすすめです。

また、シャスラは栽培された土地の影響を大きく受けるため、産地の個性が感じられるのもポイント。例えば、フルーティーな方が好みの方にはヴァレー州のスイスワイン、ミネラル感の強い方が好みの方にはヴォー州のスイスワインがおすすめです。

プティ・タルヴァン

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「プティ・タルヴァン」は、ヴァレー州のブドウ品種。「アルヴァン」と呼ばれることもあります。生産量が少ない希少なブドウ品種として知られており、辛口ワインにも甘口ワインにも採用されています。

プティ・タルヴァンは、ライムやレモンのような爽やかな柑橘系の香りと酸味、そして少し塩味が感じられるのが特徴。はじめてプティ・タルヴァンを飲む方は、爽やかさを感じやすい辛口のスイスワインがおすすめです。

アミーニュ

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「アミーニュ」は、ヴァレー州のブドウ品種。辛口ワインにも甘口ワインにも採用されていますが、そもそも生産量が少なく、同州以外では栽培されていないのが特徴です。

アミーニュは、グラスに開けたときの華やかな香りが魅力。果実味と酸味とがバランスよく味わえます。はじめてアミーニュを飲む方は、果実味と酸味を味わいやすい甘口のスイスワインがおすすめです。

スイスワインのおすすめ銘柄|コスパ良好な5000円以下

Cave Valcomble ファンダン・ドゥ・サン・レオナール AOC

Cave Valcomble ファンダン・ドゥ・サン・レオナール AOC

「シャスラ」の別名「ファンダン」が名前に入っているヴァレー州のスイスワインです。シャスラを使ったミディアムボディで、果実味あふれるヴァレー州のスイスワインらしい味わいが特徴。アプリコットのような風味と、アカシアの香りが感じられます。

柔らかな口当たりで余韻は長く、ミネラル感も豊富で、酸味のバランスも良好。合わせる料理としては、溶けたチーズを肉や野菜と絡めて食べる「ラクレット」などがおすすめです。

Jean-Rene Germanier アミーニュ ドゥ ヴェトロ AOC 

Jean-Rene Germanier アミーニュ ドゥ ヴェトロ AOC

ヴァレー州でのみ栽培されている希少種「アミーニュ」を使ったスイスワイン。高品質で糖度の高いモノのみを厳選して造られた甘口の白ワインで、オレンジのような香りがほのかに広がり、ハチミツのようなコクのある甘さが感じられます。

フォアグラや肉料理と好相性。アルコール度数が高いため、デザートワインとしてゆっくり楽しむのもおすすめです。

V&D Angelo Delea SA マレンゴ ビアンコ スヴィッツエラ

V&D Angelo Delea SA マレンゴ ビアンコ スヴィッツエラ

イタリア語圏のティチーノ州で造られたスイスワイン。「ティチーノ州」とは、日照時間が長く温暖な気候が特徴で、「スイスのトスカーナ」とも呼ばれるほど、ブドウ栽培に適しているといわれています。

本銘柄はよく熟したシャルドネとシャスラをブレンドして造られているのがポイント。フルーティーな味わいとブーケのような華やかな香りが楽しめます。辛口で爽やかな味わいが好みの方におすすめ。シャスラ種を使ったモノのなかでも独特の雰囲気があるワインです。

CAVE DU CHATEAU D’AUVERNIER ヌーシャテルブラン

CAVE DU CHATEAU D’AUVERNIER ヌーシャテルブラン

ヌーシャテル州のシャスラを使っているスイスワイン。フレッシュな微発砲が楽しめます。シャスラ種100%を使ったミディアムボディに、グレープフルーツのような爽やかな風味をプラス。ライムの木やハーブのような香りが楽しめます。

微発砲ですが、口あたりはやわらかく、飲みやすいのもポイント。魚料理にマッチするほか、天ぷらや串カツなどの揚げ物ともマッチします。

アルコトレード シャスラ ヴァン スイス

アルコトレード シャスラ ヴァン スイス

ヴォー州のシャスラを使った辛口の白ワイン。フレッシュな果実味とミネラル感のある味わいが特徴で、グレープフルーツのような爽やかな風味とフルーティーな香りが感じられるのが特徴です。

ヴォー州らしいミネラル感を味わえるのもポイント。まろやかで飲みやすく、はじめてシャスラを飲む方にもおすすめです。和食や白身魚などともマッチします。

スイスワインのおすすめ銘柄|高級な5000円以上

シャルモア バーリック

シャルモア バーリック

ドイツ語圏のバーゼル・ランドシャフト州のスイスワインです。この地域はブドウ栽培地域のなかでも北側にあるため、平均気温が低く、酸味のあるワインが造られます。

本銘柄はシャルドネとシャスラをブレンドした1本。半年以上オーク樽で熟成させているため酸味が抑えられており、口当たりはまろやかです。

樽で熟成させたことにより、口の中にスモーキーな香りが広がるのもポイント。シャスラ種を使っているため、熟成していても飲みやすいのも魅力です。合わせる料理としては燻製肉などがおすすめ。気になる方はぜひ試してみてください。

プティ タルヴィン ヴァレー AOC

プティ タルヴィン ヴァレー AOC

ヴァレー州のブドウ品種「プティ・タルヴァン」を使っているスイスワインです。評価が高く、さまざまなワインコンクールで賞を獲得。同品種の爽やかさをしっかりと感じられる辛口のワインです。

熟した実を使っているため果実味が強く、爽やかな酸味が感じられるのもポイント。オーク樽で熟成しているため、ナッツのような香ばしい香りと濃厚なコクが楽しめるのも魅力です。合わせる料理としてはシーフードがおすすめ。食前酒としても適しています。

ヌシャテラ ピノグリ ビオ

ヌシャテラ ピノグリ ビオ

ヌーシャテル州のピノグリを使ったワインです。有機農法の「ビオディナミ農法」で栽培されたブドウを使用。同製法を採用したワインは「ビオワイン」とも呼ばれており、土壌や天候の変化のほか、天体の動きにも注目して栽培するのが特徴です。

果実味がしっかりとしているフルーティーな味わいで、酸味とのバランスも良好。ボディがどっしりとしているため白ワインではありますが、肉料理ともマッチするおすすめの1本です。

ドメーヌ・デュ・ダレイ(Domaine Du Daley) ル・ピノノワール トラディション

ドメーヌ・デュ・ダレイ(Domaine Du Daley) ル・ピノノワール トラディション

ピノ・ノワール種を使った辛口の赤ワインです。フレッシュなチェリーのような香りとほのかにスパイシーな風味が楽しめます。まろやかなタンニンを含んでおり、酸味がしっかりときいているのも特徴です。

そこにほどよく果実味とミネラル感を持たせることで、バランスよく仕上がっているのもポイント。チキンなどの肉料理などと合わせて飲むのがおすすめです。

ドメーヌ・デュ・ダレイ(Domaine Du Daley) ル・シャスラ グランド・レゼルヴ ヴィレット・グラン・クリュ

ドメーヌ・デュ・ダレイ(Domaine Du Daley) ル・シャスラ グランド・レゼルヴ ヴィレット・グラン・クリュ

スイス三ツ星レストラン「フィリップ・ソシャ」専用ワインとして知れている1本。シャスラ種100%、ヴォー州で造られた豊富なミネラルが感じられる辛口の味わいが特徴です。

シトラスの爽やかな香りとなめらかな酸味が口の中いっぱいに広がるのもポイント。バランスのよいボディとほのかに白胡椒を感じるフィニッシュも魅力です。ヴォー州らしいミネラル感豊富な味わいが好みの方はぜひチェックしておきましょう。