ワインの名産国として知られるハンガリー。なかでもトカイ地方の貴腐ワインは世界的に有名で、甘みと酸のバランスに優れた奥深い味わいが魅力です。また、貴腐ワインだけでなく、トカイ地方固有のブドウ品種を原料とした、さまざまなタイプのワインが造られています。
そこで今回は、トカイ地方で醸造されているおすすめの「トカイワイン」をピックアップ。極甘口から辛口まで、バラエティ豊かなワインが揃っているので、参考にしてみてください。
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トカイワインとは、ハンガリー北東部のトカイ地方で造られている白ワインのこと。特に「トカイ・アスー」と呼ばれるタイプは、世界三大貴腐ワインのひとつとして有名です。一粒ずつ丁寧に収穫された貴腐ブドウを、ベースとなる白ワインに漬け込んで醸造されています。フルミントというブドウ品種を主体に、ハールシュレヴェルーやイエローマスカットなどをブレンドするのが一般的。芳醇な香りと濃厚な甘みが魅力の貴腐ワインです。
ハンガリーのワイン法によって細かくクラス分けされたトカイワインは、高品質で比較的リーズナブルな価格のワインも充実しています。また、貴腐ワインだけでなく、フルミントやハールシュレヴェルーなどの品種を単一で使用した辛口の白ワインも定番。爽やかな酸とフレッシュな味わいが楽しめる、コストパフォーマンスの高いワインとして人気があります。
トカイワインの選び方
種類で選ぶ
トカイワインは貴腐ブドウを使用したワインが有名ですが、その種類は大きく「トカイ・アスー」「トカイ・エッセンシア」「サモロドニ」の3つに分類されます。もっともバリエーションが豊富なのがトカイ・アスー。通常の白ワインに貴腐ブドウを加えて醸造されています。
また、トカイ・エッセンシアは、貴腐ブドウのみで醸造された貴腐ワインです。圧搾機にかけず、自然の重みだけで絞られた果汁を自然発酵させるため、アルコール度数が3~5%と低いのが特徴。1ヘクタールの畑から1L分しか生産できないとも言われており、希少価値の高いワインとしても有名です。
サモロドニは、房ごと収穫したブドウを醸造したトカイワイン。貴腐ブドウと普通のブドウを一緒に発酵させるため、貴腐ブドウが含まれている分量によって甘口にも辛口にもなります。さらに、ハンガリー固有種のフルミントなどを使用した辛口タイプが充実しているのもポイント。さまざまなタイプのワインが揃っており、好みやシーンに合わせて選択できるのが魅力です。
甘さの度合いで選ぶ
トカイ・アスーには「プットニュ」と呼ばれるトカイワイン独自の単位があります。プットニュとは、複数形ではプットニョシュとも記載されており、貴腐ブドウの収穫で用いる背負いかごを意味する言葉。ベースとなる白ワイン136Lに対し、プットニョシュ3~6個分の範囲で貴腐ブドウが加えられ、甘さを示す単位として表示されています。
現在では、ワイン法の改定により、1Lあたりの残留糖分が120g以上のワインのみをトカイ・アスーと規定。これに伴い、2013年以降収穫のブドウを使ったトカイワインでは、従来の5・6プットニョシュに相当するワインのみがトカイ・アスーに区分されています。
一般的に、蜂蜜のような濃厚な甘みのトカイワインはよく冷やして飲むのがおすすめ。また、常温で飲むと、華やかで複雑な香りが引き立ちます。食前酒やデザートワインとして好まれるトカイ・アスーやエッセンシア、食事と合わせやすい辛口タイプなど、さまざまなシーンにマッチするワインが揃っているのもトカイワインの魅力です。
トカイワインのおすすめ
エヴィノール トカイ・アスー 3プットニョシュ
コクのある甘さと豊かな果実味が魅力のトカイワインです。残留糖分が1L当たり60g以上の3プットニョシュのトカイワインで、貴腐ワインが初めての方にもおすすめ。ワイン法の改定により、現在ではトカイ・アスーに分類されないタイプとなりましたが、蜜のような甘みと爽やかな香りが調和したバランスのよいワインです。
濃厚な甘みを味わうには12~14℃が適温ですが、夏場は10~12℃に冷やして飲むと口当たりがよく、香りがさらに引き立ちます。デザートワインとしては味わうのはもちろん、アイスクリームにかけたり、ブルーチーズや甘みのあるソースを使った肉料理などと一緒に楽しむのもおすすめです。
シャトーエラ トカイ・アスー 5プットニョシュ
美しい琥珀色のトカイワインで、蜂蜜のような濃厚な甘みと柔らかい口当たりが魅力です。残留糖分は1L当たり120g以上の5プットニョシュで、厳選された貴腐ブドウがふんだんに使われています。フルミントを主体として、ハーシュレヴェルーとマスカットをブレンド。アプリコットを思わせる芳醇な香りが楽しめるトカイ・アスーです。
醸造するシャトーエラは、ハンガリー有数のワイン生産地であるティサ川流域に位置するワイナリー。ブドウ栽培に適した環境のなかで、ハンガリー固有の品種であるフルミントやハーシュレヴェルーなどが栽培されています。
シャトーパジョス トカイ・アスー 6プットニョシュ
フルミントを100%使用した6プットニョシュのトカイ・アスーです。良質な貴腐ブドウのみを選別し、丁寧に醸造。3年以上の熟成を経て濃厚で果実味溢れる豊かな味わいに仕上がっています。6プットニョシュは1L当たりの残留糖分が150g以上。芳醇な香りとともにとろけるような甘みが楽しめます。
本銘柄を醸造するシャトーパジョスは、ユネスコの世界遺産に認定されたセラーを所有。常に温度12℃、湿度95%に保たれたセラーは、トカイワインの熟成に最適の環境です。トカイ・アスーのほか、より濃厚な味わいのトカイ・エッセンシアや、爽やかな辛口タイプも醸造されています。
シャトーパジョス トカイ エッセンシア 2000
上質な貴腐ブドウのみで造られたトカイ・エッセンシアです。ブドウを圧搾せず、自然の重みだけで絞り出された果汁を丁寧に醸造し、ハンガリーオーク樽で3年熟成させています。アルコール度数は3%と低く、トカイワインのなかでも糖度が高い最高品質の貴腐ワインです。
濃厚な甘みが特徴の本銘柄は、チョコレートを使ったデザートや、熟成したチーズなどと合わせて楽しむのがおすすめ。蜜のような甘みは酸とのバランスに優れた上品な味わいで、フルーツや花のような複雑な香りが楽しめます。また、エレガントな輝きを放つ深い琥珀色は、トカイ・エッセンシアならではの美しさです。
トーレイ トカイ サモロドニ スウィート
畑のブドウを房ごと収穫して醸造されたサモロドニというタイプのトカイワインです。貴腐菌が繁殖したブドウの割合で、甘口の「エデーシュ」か辛口の「サラーズ」に分類されますが、本銘柄は甘口の「エデーシュ」タイプ。オーク樽で熟成され、マイルドな口当たりに仕上がっています。デザートワインとして楽しむほか、肉料理や香辛料を使った料理などと一緒に味わうのもおすすめです。
醸造するのは、ハンガリーの名門ワイナリーのひとつであるトーレイ。ハンガリー各地のワイン銘醸地に、自社畑や農家との共同畑を所有しています。脈々と受け継がれた伝統を大切にしながら、最新の技術も取り入れ、高品質なワイン造りを続けるワイナリーです。
セント・タマーシュ ペッチェ フルミント
トカイ地区のマード村で生産された辛口のトカイワイン。ペッチェは一級畑のなかでも特に小さな畑で、岩の多い流紋岩土壌です。岩の隙間には粘土鉱物が見られ、特に「ベントナイト」と呼ばれる粘土鉱物が、ワインに強い酸味を与えています。
酸が際立ったフレッシュな味わいが特徴ですが、爽やかさとコクのバランスがよく、穏やかな飲み心地が魅力。余韻もしっかりと楽しめます。数々の世界的なワインコンクールでも高い評価を得ており、お祝いの席にもおすすめの高級辛口ワインです。
マード ハールシュレヴェリュ
トカイ地区のマード村で、フルミントに次いで2番目に多く栽培されているブドウ品種がハールシュレヴェリュ。本銘柄は、豊かな土壌で育ったハールシュレヴェリュを100%使用したやや辛口のトカイワインです。アプリコットや蜂蜜のような果実味溢れる芳醇な風味と、爽やかな酸味が楽しめます。
口当たりがよく、甘みと酸味のバランスに優れた味わいでワイン初心者にもおすすめ。また、比較的リーズナブルな価格できる、コストパフォーマンスの高いトカイワインです。さまざまなジャンルの料理とともに楽しめますが、特に鶏肉や豚肉料理などと合わせると、より一層美味しさが引き立ちます。
ボグナール・ボル トカイ フルミント
淡い琥珀色が美しい辛口のトカイワインです。爽やかな飲み口ながら、梨のような香りや、蜂蜜のように芳醇な風味が楽しめるのが魅力。原料のフルミントは手摘みで丁寧に収穫され、ステンレスタンクで発酵されています。リーズナブルな価格でコストパフォーマンスが高いのもポイント。スタイリッシュなラベルで、ホームパーティーなどにもおすすめです。
醸造するボグナール・ワイナリーは、トカイ地方をはじめとするハンガリーワインの銘醸地に数多くのワイン畑を所有。土壌の特質を生かした質の高いワインを年間1,000万本以上生産し、世界中に輸出しています。
シムコーワイナリー トカイ サモロドニ ドライ
甘みと酸味のバランスに優れたやや辛口のサモロドニワイン。フルーティーな味わいで、ほんのりとオレンジの果皮のような苦みが感じられます。料理との相性がよい穏やかな飲み口ですが、特にチーズや前菜との相性は抜群。また、デザートと一緒に味わうのもおすすめです。
サモロドニとは、ポーランド語で「自然のままに」という意味。その名の通り、ブドウを一粒ずつ選別して収穫するトカイ・アスーなどに対し、サモロドニは房ごと収穫しています。本銘柄はそのなかでも貴腐ブドウの割合が少ない「サラーズ」と呼ばれる辛口タイプ。よく冷やすことで、より爽やかな風味が楽しめます。
トカイ・アスーのボトルサイズは500mlであるのが一般的。小ぶりな瓶に凝縮された貴腐ブドウの濃厚な味わいは、フランスのルイ14世が「王のワインにしてワインの王」と称えたと言われています。また、固有品種を使用した辛口ワインも充実。バラエティ豊かなトカイワインのなかから、ぜひお気に入りの1本を見つけてください。