渋みが少なく親しみやすい味わいが人気の「白ワイン」。すっきりとした辛口にフルーティーな甘口など、さまざまな生産国から多種多様な白ワインが生み出されており、料理に合わせて選べば多彩なマリアージュを堪能できます。
そこで今回は、白ワインのおすすめ銘柄を辛口、甘口に分けてピックアップ。選ぶ際のポイントも詳しく解説します。ぜひ参考にして、ワインライフを豊かに彩るお気に入りの1本を見つけてみてください。
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白ワインと赤ワインの違いとは?
白ワインと赤ワインは、見た目で判断できる液色に加えて、主原料のブドウ品種と醸造方法に大きな違いがあります。
白ワインには、白ブドウ品種だけでなく黒ブドウ品種も使用できるのが特徴。果汁のみをアルコール発酵させるので、淡いゴールドの液色に、渋みの少ない軽やかですっきりとした風味のワインが仕上がります。
一方、赤ワインに用いられるのは黒ブドウ品種のみ。黒ブドウを皮ごと発酵させるため、果皮に含まれる色素成分によって赤く美しい色合いに仕上がり、果皮や種子に含まれるタンニンにより渋みのある深い味わいが引き出されます。
また、白ワインと赤ワインは相性のよい料理が異なるのもポイントです。基本的に、肉料理や赤身の魚などには赤ワインが、魚介料理や白身の肉などには白ワインが好相性。料理との組み合わせも意識すると、ワインの楽しみが一層豊かになります。
特別な日には高級な白ワインがおすすめ
白ワインは、日々の食事のお供として気軽に楽しめるモノから数万円をこえるモノまで、さまざまな価格帯の銘柄が展開されています。とくに、記念日やお祝いごとなど、特別な日に飲む1本を求めている場合には5,000円以上の高級白ワインに注目しましょう。
なかでも、世界最高峰の白ワインと称されるフランス・ブルゴーニュ地方の「モンラッシェ」や「コルトン・シャルルマーニュ」「ムルソー」などがおすすめ。世界最大のリースリング生産国であるドイツにも上質な白ワインが揃っています。
白ワインのおすすめ|辛口
ウィリアム・フェーブル(WILLIAM FEVRE) シャブリ 2020
ブルゴーニュ地方シャブリ地区の名門「ウィリアム・フェーブル」が手がける白ワインです。ブドウ品種には、シャブリに所有する自社畑のシャルドネを100%使用。丁寧に手摘みして仕込み、シャブリならではのミネラリーな辛口テイストに仕上げられています。
グラスに注ぐと立ち上がるのは、レモンなどのフレッシュな柑橘香と、洋梨や白桃を想わせる華やかな果実香。口に含めば、ふくよかな果実味ときれいな酸味がなめらかに重なり合って広がります。
ヴィンテージ(ブドウの収穫年)が、ブルゴーニュ白ワインの当たり年とされる2020年なのも本銘柄のポイント。高品質なうえ、2035年程度まで飲み頃が続くとされており、コレクションや贈答用などにもおすすめです。
ジャック・プリウール(JACQUES PRIEUR) ムルソー プルミエ・クリュ ペリエール 2020
特別な日の1本や大切な方への贈り物などにおすすめの高級白ワイン。18世紀末から続くムルソーの名門ドメーヌ「ジャック・プリウール」が、1級畑のシャルドネを贅沢に用い、繊細ながらも厚みのある味わいを引き出しています。ヴィンテージは2020年です。
グラスから漂うのは、スモモ・アプリコット・白桃を連想させるリッチなアロマに、あとから重なるミネラリーな石の香りとオーク樽由来の甘く香ばしい香り。口中には、豊かな酸味とミネラルに、フレッシュな果実味を備えた凝縮感のある味わいが広がります。
飲み頃は、2040年程度まで。すぐに飲まずに熟成を重ねれば、より複雑さを増した深みのある味わいを堪能できます。
ボノー・デュ・マルトレイ(BONNEAU DU MARTRAY) コルトン・シャルルマーニュ グラン・クリュ 2020
ブルゴーニュの歴史あるドメーヌ「ボノー・デュ・マルトレイ」が、世界最高峰と称される特級畑のシャルドネで造る高級白ワイン「コルトン・シャルルマーニュ」。リッチな果実味とふくよかなミネラル感を備えた、風格漂う1本です。
鼻腔をくすぐるのは、洋梨や桃などの芳醇で濃密なアロマと、白い花・ナツメグ・ミントが織りなすスパイシーなニュアンス。あとから心地よく重なり合う、ハチミツやトーストのような甘い樽香が、飲用シーンを一層エレガントに格上げします。
口中に広がるのは、肉厚な果実の風味と酸味に、塩味をまとうミネラルの余韻。大切な記念日のために寝かせておくのもおすすめです。
イエルマン(JERMANN) ピノ・グリージョ 2022
イタリア生まれの白ワイン。世界的に有名なワイン誌で数々の高評価を獲得し、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州を「イタリア随一の白ワイン聖地」として世に知らしめた「イエルマン」が、ピノ・グリージョ100%で仕込む果実味豊かな1本です。
深く艶めく麦わら色の液色に、ドライローズ・白桃・リンゴ・アーモンド・ハチミツが織りなすリッチなアロマが好印象。口に含めば、フレッシュな果実味がまろやかに広がり、豊かな酸とミネラルが全体をすっきりと引き締めます。
洗練されたエレガントな味わいで魚介のスープや魚介のロースト、マッシュルームやポルチーニ茸を用いた濃厚な料理などがよく合います。
フォンタナフレッダ(FONTANAFREDDA) ガヴィ・デル・コムーネ・ディ・ガヴィ 2022
イタリア北部のピエモンテ州で古くから生産されてきた白ワイン「ガヴィ」。ピエモンテ原産の土着品種である白ブドウ「コルテーゼ」を100%使用して、柑橘系のすっきりとした風味に仕立てられる辛口ワインです。
「ガヴィ・デル・コムーネ・ディ・ガヴィ」は、「ガヴィ村で造られたガヴィワイン」を意味する生産地限定の銘柄。レモン、青リンゴを連想させるさわやかな香りとともに、シャープな酸味と豊かなミネラルが織りなすエレガントな味わいを堪能できます。
ペアリングには、魚介類をベースに用いた料理がおすすめ。とくに、レモンを添えた魚介のフライや生牡蠣と合わせると、互いのおいしさが引き立ちます。
モンテス(MONTES) モンテス・アルファ・シャルドネ 2022
チリのトップワイナリーのひとつ「モンテス」が手がける白ワイン。「モンテス・アルファ」シリーズは、「世界最高峰のチリワインを造る」という思いのもと、ブドウ栽培から醸造までこだわって造り上げられた、人気のプレミアムチリワインです。
本銘柄には、チリの上質なワイン産地であるアコンカグア・ヴァレーのシャルドネを100%使用。グラスに注げば、パイナップル・バナナなどのトロピカルなアロマがあふれ、豊かな果実味が口中をなめらかに満たしたあとにリッチな余韻を残します。
アルコール度数14%とやや高めなので、とくに、飲みごたえのある濃厚な白ワインを求めている方におすすめ。飲む際にはぜひ、クリームソースをふんだんに使った肉料理と合わせて優雅に堪能してみてください。
コノスル(Cono Sur) オーガニック ソーヴィニヨン・ブラン
安い価格と品質を兼ね備えたコスパのよさで、入門編にもおすすめの白ワイン。人気のチリワインブランド「コノスル」が、フランスの国際有機認証機関「エコサート」で認証された有機栽培ブドウ100%で造る、親しみやすいオーガニックワインです。
ソーヴィニヨン・ブランで仕立てた本銘柄は、淡いレモンイエローの繊細な液色と、ライムやグレープフルーツに白い花やハーブが重なるさわやかなアロマが魅力。口に含めば、ジューシーな果実味とフレッシュな酸、豊富なミネラルがバランスよく広がります。
ブレッド&バターワイナリー(BREAD&BUTTER WINERY) ブレッド&バター・シャルドネ 2022
2013年に設立された新進気鋭のワイナリー「ブレッド&バターワイナリー」が造る、アメリカ・カリフォルニア生まれの白ワイン。2015年には、当時のアメリカ大統領であるオバマ氏主催のランチミーティングで採用された実績を有する実力派です。
カリフォルニア産のシャルドネが醸す、リッチでコクのある味わいが特徴。バニラビーンズ・アーモンド、クレームブリュレなどが重なる濃密な香りが立ち上がり、口中では果実味と酸味がクリーミーに溶け合って長い余韻を残します。話題性があるので、プレゼントやお呼ばれ時の手みやげなどにもおすすめです。
ラ・モット(LA MOTTE) ピアニーフ・ソーヴィニヨン・ブラン 2022
17世紀からの長い歴史を有する南アフリカの名門「ラ・モット」が手がける白ワイン。ソーヴィニヨン・ブランを主体にセミヨンをブレンドし、フランスの銘酒であるサンセールの伝統的なワイン造りをベースに醸造したこだわりの1本です。
エレガントな味わいは、食前酒にも食中酒にもおすすめ。新鮮な野菜たっぷりのサラダや魚介料理にはもちろん、スパイシーな料理に合わせても豊かなマリアージュを奏でます。
中央葡萄酒(GRACE WINE) グリド甲州
山梨県産甲州の旨みがつまった白ワイン「グリド甲州」。国際的な酒類品評会で賞を獲得し、甲州の名と日本ワインのポテンシャルの高さを世界に知らしめた「中央葡萄酒」が造る、飲み心地さわやかな日本ワインです。
白桃・洋梨・オレンジなどの果実香に、フローラルな花の香りと白コショウやクローブのスパイス香が重なる複層的なアロマが好印象。舌の上で転がせば、フレッシュな果実の旨みと酸味がまろやかに広がります。
白ワインのおすすめ|甘口
シャトー・ディケム(Chateau d’Yquem) シャトー・ディケム 2020
飲用シーンを格上げする、甘口の高級白ワインを探している方におすすめの銘柄です。ヴィンテージが2020年の本銘柄は、柑橘果実・白い花・マンゴーなどが織りなす複雑な香りが特徴。まるみのある口当たりで、バニラとキャラメルの風味をまとう果実の甘みと旨みを余韻まで長く堪能できます。
長期熟成のポテンシャルを秘めているので、特別な記念日のための1本にもぴったり。木箱入りの高級感あふれる佇まいは、大切な方への贈り物にも適しています。
フェルナン・エンジェル(FERNAND ENGEL) ピノ グリ ヴァンダンジュ タルディヴ ショーフィグ 2018
フランスのなかでも個性豊かなワインが生み出されるアルザス地方の白ワイン。有機栽培にこだわる家族経営ドメーヌ「フェルナン・エンジェル」が、遅摘みのピノ・グリ100%で造る高貴な甘口ワインです。
糖度の高いブドウと貴腐ブドウが独自の配合でブレンドされているのも特徴。ワインはオレンジがかった美しいゴールドの液色に仕上がり、ドライフルーツやレーズンに、バニラ、キャラメル、リコリスが重なる甘美な香りを放ちます。
イエルマン(JERMANN) ピコリット・ヴィーノ・ドルチェ・デラ・カーザ
フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州の名手「イエルマン」が手がけるイタリア産の甘口白ワイン。フリウリ地方の希少な白ブドウ品種「ピコリット」を使用しています。
鼻腔をくすぐるのは、アプリコット・桃・マンゴーなどの果実香にハチミツやドライフルーツが重なる多層的な香り。口に含めば、凝縮した果実の甘みと複雑味がとろりと濃密に広がります。
食事と一緒に飲むなら、ブルーチーズやドライフルーツなど、旨みのつまった食材とのペアリングがおすすめ。また、単体飲みで香味をじっくりと味わうのも乙な楽しみ方のひとつです。
エゴン・ミュラー(EGON MULLER) シャルツホーフベルガー・リースリング・シュペートレーゼ 2021
権威あるワイン評価誌で高評価を獲得している、世界最高峰の白ワイン生産者としても名高い「エゴン・ミュラー」の白ワイン。遅摘みした特別単一畑のリースリングを使用しています。
ライチ・ドライレーズン・ハチミツ・白い花にミネラルのニュアンスが溶け込む繊細なアロマが魅力。口中には、リッチな果実味と酸味、ミネラル感が重なり合うエレガントな味わいが広がり長く優雅な余韻を残します。
長期熟成のポテンシャルを備えているのもポイント。とくに、特別な記念日に開ける、とっておきの1本を探している方におすすめです。
イニスキリン(INNISKILLIN) アイスワイン・ゴールド・ヴィダル 2019
新世界のワインを味わいたい方におすすめのカナダ産白ワイン。1974年に設立されたカナダ・オンタリオ州のワイナリー「イニスキリン」が、カナダで有名なブドウ品種「ヴィダル」を100%使用して醸造した高級なアイスワインです。
アプリコットやマンゴーなどの完熟果実とハチミツ・クローヴ・バニラが織りなす濃密なアロマに、口中をとろりと満たす、凝縮した甘みときれいな酸味が魅力。ブルーチーズやクレームブリュレなど、コクのある料理と合わせれば優雅なマリアージュが広がります。
なおアイスワインとは、樹上で自然凍結したブドウを凍ったまま圧搾して造る、貴腐ワインと並ぶ極甘口ワインのこと。天候の影響を受けやすいうえ、一房のブドウからとれる果汁はごくわずかなため、非常に希少で高価なワインとして知られています。
シャトー・エラ(Chateau Hellha) トカイ アスー・5プットニョシュ 2017
ハンガリーを代表する有名なワイン産地、トカイで造られている白ワイン。なかでも、貴腐ブドウで造られるトカイ地方の貴腐ワインは「世界三大貴腐ワイン」と呼ばれ、エレガントな香味が多くのワイン愛好家を魅了しています。
本銘柄は、ブドウ品種に「フルミント」「ハーシュレヴェリュー」「マスカット」を使用し、3年以上の樽熟成を経てリリースされた上質な貴腐ワイン。アプリコットやハチミツを想わせるリッチな甘みがなめらかかつ繊細に広がる、気品漂う1本です。
インドミタ(INDOMITA) レイト・ハーベスト
比較的リーズナブルでコスパのよいチリ産の極甘口白ワインです。造り手は、2001年に設立されたチリの新星ワイナリー「インドミタ」。収穫を遅らせて糖度を高めた遅摘みブドウで仕立てる、上品なデザートワインです。
ブドウ品種には、ゲヴュルツ・トラミネールとソーヴィニヨン・ブランを使用。さらに、約6ヶ月間熟成させたワインを20%ブレンドしており、ホワイトティーやライチを連想させる華やかな香りに、凝縮した甘みとおだやかな酸味を豊かに引き出しています。
飲み頃温度は12℃程度。ブルーチーズなどのクリーミーなチーズとペアリングして味わうのがおすすめです。
クレイン・コンスタンシア(KLEIN CONSTANTIA) ヴァン・ド・コンスタンス 2019
南アフリカの歴史あるワイナリー「クレイン・コンスタンシア」の白ワイン。「ヴァン・ド・コンスタンス」は、フランス英雄ナポレオンをはじめとする多くの偉人たちに愛された甘口ワインのひとつです。
ヴィンテージが2019年の本銘柄は、豊富な果実味に生き生きとした酸をまとう重厚な1本。白桃・白い花などが次々と重なる繊細な香りが立ち上がり、口中にはエレガントさと複雑味を感じる甘みが余韻まで長く続きます。
2050年程度まで飲み頃が続くとされる高い熟成ポテンシャルを備えているのもおすすめポイント。化粧箱入りなので、大切な方やお世話になっている方へ贈るギフトにもぴったりです。
エル・エステコ(EL ESTECO) ドン・ダビ トロンテス レイトハーベスト
アルゼンチンの老舗ワイナリー「エル・エステコ」が手がける、白ワインです。ブドウ品種には、トロンテスを100%使用。丁寧に醸造し、オークの新樽で熟成させて、親しみやすい甘口テイストに仕上げられています。
グラスからあふれるのは、バラ・パッションフルーツ・ハチミツに、樽塾由来のニュアンスもまとった芳醇なアロマ。果実味と酸味が心地よく調和した味わいがなめらかに口中を満たし、飲み込んだあとにも長い余韻を残します。
シャトージュン(Chateau Jun) クリオエクストラクション甲州 極甘口
山梨県産の甲州を100%使用した甘口白ワインです。造り手は、人気のファッションメーカー「JUN」が山梨県勝沼に構えるワイナリー「シャトージュン」。ブドウを凍らせてから果汁を絞る「クリオエクストラクション」製法で丹念に仕立てた贅沢な1本です。
甲州種が醸す、さわやかな和柑橘の香りが好印象。濃厚な極甘口タイプながら、軽やかな酸味が全体をさっぱりと引き締めるため、食前酒として軽めのおつまみと飲んだり食後のデザートに合わせたりと幅広いシーンでさまざまなペアリングを楽しめます。白ワイン初心者の方にもおすすめです。
白ワインの選び方
ブドウの品種をチェック
シャルドネ
白ワインの王様とも称される、フランス・ブルゴーニュ地方原産の白ブドウ品種「シャルドネ」。ブドウ品種そのものには個性が少なく、産地や気候風土、熟成方法の違いなどによりさまざまなスタイルの白ワインを生み出せるのが特徴です。
冷涼な気候の産地で育ったシャルドネの白ワインは、総じてシャープなキレとすっきりした口当たりが魅力。あたたかな産地のシャルドネからは、果実味豊かでコクのあるリッチな味わいの白ワインも造られています。
適応力が高い品種のため、フランスなどのヨーロッパ諸国をはじめ、アメリカ・オーストラリア・チリ・アルゼンチン・南アフリカ・日本など世界各国で栽培されているのもポイント。さまざまな産地から生まれた個性豊かで高品質なシャルドネワインを楽しめます。
ソーヴィニヨン・ブラン
「ソーヴィニヨン・ブラン」は、フランス・ボルドー地方やロワール地方で古くから栽培されてきた白ブドウ品種。比較的温暖な気候を好み、現在ではニュージーランド・チリ・北イタリアなどでも広く栽培され、各地で質の高い白ワインが産出されています。
小さめの果実で、柑橘系の香りに、清々しい酸味とみずみずしい果実味が織りなすフレッシュな味わいが特徴。育った地域の個性も反映しやすく、温暖な気候のソーヴィニヨン・ブランからは、南国フルーツを想わせるトロピカルな風味も楽しめます。
また、ソーヴィニヨン・ブランの白ワインは、シーフードや野菜をメインに使ったさっぱりとした味わいの料理に合わせやすいのもポイント。ハーブやレモンなどを添えれば、よりさわやかなマリアージュを堪能できます。
リースリング
冷涼な気候を好み、ドイツが栽培面積の約半分弱を占める白ブドウ品種「リースリング」。白い花・洋梨などを連想させるアロマティックな香りと、伸びやかな酸を備える繊細かつ上品な味わいから、高貴なブドウ品種として人気を集めています。
リースリングワインといえば以前は甘口が主流でしたが、最近ではドライな辛口タイプも豊富。また、甘口のリースリングワインには、柑橘果実などを使った甘酸っぱいデザートが好相性です。一方辛口のリースリングワインには、クセの少ない白身魚や貝類、豚肉などを用いた料理がよく合います。
ピノ・グリ
「ピノ・グリ」は、黒ブドウ品種であるピノ・ノワールの突然変異によって生まれたブドウ品種です。ハチミツのような芳醇な香りに、ふくよかな果実味とコクが特徴。急速に人気が高まり、世界各地で栽培面積が拡大されています。
ピノ・グリの白ワインは、ボリューミーなモノや、早摘みで柑橘系のさわやかなキレを引き出したモノなどの辛口タイプが主流です。
なお、ピノ・グリはフランスでの名称のひとつで、ブルゴーニュ地方ではピノ・ブーロ、シャンパーニュ地方ではフロマントーなどさまざまな呼び名を持つのもポイント。イタリアではピノ・グリージョ、ドイツではグラウ・ブルグンダーなどとも呼ばれています。
甲州
日本の白ブドウ品種「甲州」。原産地の山梨県を中心に日本各地で栽培されている土着品種で、2010年にはワインの国際的審査機関である「OIV」に登録されました。
和柑橘や梨、日本酒・甘酒・みりんなど、和を感じる繊細な香味が魅力。おだやかですっきりとした味わいの白ワインが多く、ペアリングする際にもだし・しょうゆ・砂糖などで味つけした煮物、刺身や寿司などの和食がよく合います。高品質な日本ワインを求めている方にもおすすめです。
好みの味わいで選ぶ
料理に合わせやすい「辛口」
発酵によりブドウの糖分がほとんどアルコールに変化している辛口白ワインは、酸味とキレのあるすっきりとした味わいが特徴。アルコール度数も、甘口白ワインと比べて高めの銘柄が揃います。
また、さまざまな料理と合わせやすいので、食中酒にもぴったり。軽めの辛口白ワインにはマリネやカルパッチョなどのさっぱりとした料理、厚みのある辛口白ワインにはクリーム煮などのこってりとした料理などと、多彩なマリアージュを楽しめます。
初心者でも飲みやすい「甘口」
ワインの甘口と辛口は、ワインに含まれる残糖量によって決まります。発酵過程でブドウの糖分がアルコールに変わりますが、途中で発酵を止めて糖分を多く残せば甘口に、発酵を進めて糖分をほぼアルコールに変えれば辛口に仕上がります。
甘口白ワインは、まろやかかつフルーティーで親しみやすい味わいが特徴。貴腐ワインやアイスワインなど、食後のデザート代わりや甘いスイーツとのペアリングを楽しめる極甘口タイプも産出されています。
また、辛口白ワインよりアルコール度数が低めの銘柄が多いのも注目ポイント。チャレンジしやすいので、白ワイン初心者の方にもおすすめです。
産地をチェック
上品さ重視ならフランスやイタリアなどの「旧世界」
ワインの生産国は「旧世界」と「新世界」の大きく2つに分類されており、旧世界とは、何世紀にもわたってワインを造り続けているヨーロッパ諸国のこと。とくに、フランスやイタリアなどが代表国です。
旧世界の白ワインは、テロワールを生かし伝統的な製法で醸造された、上品で重厚感あふれる銘柄が豊富です。フランスは、ブルゴーニュ地方が白ワインの銘醸地。シャルドネを100%使用した「シャブリ」や「ムルソー」など、上質なワインが数多く生産されています。
また、イタリアは、北東部のフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州が白ワインの聖地として有名。シャルドネやピノ・グリージョなどの国際品種はもちろん土着品種の栽培も盛んで、多彩な味わいの白ワインを楽しめます。
重いワインが多いチリ・アメリカ・南アフリカなどの「新世界」
新世界とは、大航海時代以降にヨーロッパ諸国の人々によってワイン造りが伝わり、新たに生産がはじまった国々のこと。チリ・アメリカ・南アフリカ・オーストラリア・アルゼンチン、さらに日本などが旧世界に該当します。
新世界のワインは、伝統的な醸造法に新たな技術を取り入れるなど、自由な発想と多様なチャレンジで造られたモノが豊富。使用するブドウ品種や製法に縛りもないため、造り手の個性が反映されたバラエティーに富む味わいを楽しめます。
アルコール度数をチェック
白ワインを選ぶ際には、アルコール度数にも注目です。厚生労働省によるとワインのアルコール度数は12%程度とされていますが、銘柄によって差があります。そのため購入時には、製品のラベルや説明欄などで正確な度数をチェックしておきましょう。
ワインのアルコール度数は、ブドウ品種や収穫時期、産地や醸造方法などによって決まるのが特徴。基本的にはブドウの糖度が高いほど度数も上がるため、遅摘みブドウの白ワインや、甘いブドウが育ちやすい温暖な地域の白ワインは度数が高くなる傾向があります。
また、発酵時間の長い辛口白ワインは、発酵を途中で止める甘口白ワインよりもアルコール度数が高め。お酒に弱い方などは、甘口白ワインからチャレンジするのがおすすめです。
番外編:白ワインによく合う料理は?
白ワインは、柑橘果実などがフレッシュに香る軽めの辛口からコクが豊かに広がる重めの辛口、ジューシーな甘口までさまざま。食中酒として飲む場合には、白ワインと料理の味の重さを合わせると、より豊かなマリアージュを堪能できます。
まず、軽めの白ワインには、あっさりとした魚介料理や白身肉の料理が好相性。例えば、カルパッチョや刺身、鶏肉のハーブ焼きなどがよく合います。
一方重めの白ワインを飲むなら、同じ魚介や白身肉でも、クリーム煮・ムニエル・グラタンなどこってりとした味つけの料理がぴったり。甘口白ワインには、フルーツタルトなどの甘酸っぱいデザートを合わせるのがおすすめです。
さまざまなシーンで幅広いペアリングが楽しめる白ワイン。料理や飲用シーンに合わせて辛口と甘口を飲み分ければ、一層豊かなマリアージュが広がります。品種や産地に注目して飲み比べしてみるのも乙な楽しみ方のひとつ。お気に入りの銘柄を見つけて、白ワインライフをぜひ優雅に格上げしてみてください。