電気もガスもいらない暖房器具として、アウトドアシーンで人気の「ロケットストーブ」。あたたかいだけでなく、熱調理器として煮炊きにも使えるので、非常用の防災グッズとしても注目されているアイテムです。

そこで今回は、ロケットストーブの機能や特徴、キャンプや災害時に役立つおすすめのモデルについてご紹介します。ロケットストーブの選び方も詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

ロケットストーブとは?

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ロケットストーブは、「煙突効果」を利用して燃焼効率を高めた、シンプルな構造のキャンプ用ストーブ。煙突効果とは、炎であたためられた煙突内の空気に、外気との温度差によって浮力が生じた結果、煙突下部から外気を取り込み、上昇気流を生み出す現象のことです。

煙突がなくても熱源があれば上昇気流は起きますが、煙突があることで暖気と外気が遮断されて温度が下がりにくくなり、上昇気流の勢いが増加。狭い煙突の中を暖気が吹き上がってゆくと、負圧によって下から外気が吸い込まれます。

結果、燃料の炎に多量の酸素が供給されて燃焼効率が一気に高まり、煙突内で未燃焼の排煙が再燃焼して、炎がゴーッと音を立てて噴出。火の勢いがロケットに似ていることから、ロケットストーブと呼ばれています。

薪ストーブとの違い

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ロケットストーブは薪ストーブの簡易型のようにも見えますが、構造と燃焼原理が異なります。薪ストーブは箱型の燃焼室と煙突で構成されたタイプ。燃焼室が大きいので、太めの薪を何本も入れて燃やせますが、排気の煙突効果はそれほど高くありません。上昇気流は控えめで、燃焼室に供給される酸素が少なく、燃料の薪を穏やかに長時間燃やせます。

一方、ロケットストーブは独立した燃焼室がないか、あったとしても薪ストーブほど大きくありません。薪ストーブと比べて煙突効果による燃焼効率が高いため、薪ストーブのように長時間燃料を燃やすのは苦手ですが、炎は強力です。

ロケットストーブの選び方

サイズをチェック

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キャンプなどで使う場合は工具不要で簡単に分解でき、専用のバッグや容器に収納し、手軽に持ち運べる軽量かつコンパクトなタイプがおすすめ。大きめのモデルを探している方は、車のトランクに収まるかどうかをチェックしましょう。

ロケットストーブは構造がシンプルなのでDIYに慣れた方なら自作もできますが、アウトドア用品店やネットショップで完成品を入手することも可能。最近は非常用の防災グッズとしても注目されており、製品のバリエーションも豊富です。

煙突の高さをチェック

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燃焼効率を考える際は、煙突の高さに着目しましょう。ロケットストーブは煙突があるタイプと煙突レスのタイプに分類できます。煙突があるタイプは煙突の高さが高いほど煙突効果が有効になるため、火力を求める方におすすめ。煙突レスのタイプは煙突タイプに比べ、燃焼効率は低いものの、煙突と燃焼部が内部に配置されているので、安全性が高いのが魅力です。

また、ロケットストーブは調理ができる製品も多く、調理の内容によって高さを選ぶのもおすすめ。ロケットストーブの安定性を重視する場合は、安定して地面に設置できるモデルを選ぶようにしましょう。

ロケットストーブのおすすめモデル

ビクトリーキャンプ(VICTORY CAMP) POKET DD ストーブ VCC-101


小型のロケットストーブで、暖房としてだけでなく、調理にも使えるモノを探している方におすすめの製品です。鍋やフライパンをのせて調理ができる五徳付きで、さまざまな調理に活用できるのが特徴。暖を取りながら調理ができるため、冬の寒い日に重宝します。

本体下部のオーブンスペースで調理が可能なのもポイント。オーブンスペースには幅12×高さ2.5cm以内のフライパンが入ります。キャンプだけでなく自宅の庭で手作り料理を楽しみたい方にもおすすめです。

薪はサイドから継ぎ足しできるため、初心者でも楽に扱えます。本体を収納バッグに入れてコンパクトに持ち歩けるのもメリット。重さも約2.5kgなので、車からの出し入れもスムーズにできます。おしゃれなデザインのモノを好む方にもおすすめです。

LucaSng ロケットストーブ

できるだけ安いロケットストーブを探している方におすすめの製品です。シンプルな構造で、短時間で組み立てできるのが特徴。使用後は分解してコンパクトに持ち運べます。小型・軽量で扱いやすいため、1つ持っているとキャンプや災害時に便利です。

本体上部に五徳を使って、やかんを乗せてお湯を沸かしたり、調理したりできます。寒い日は暖を取りながら調理できるのがメリット。焚き口に台があるので、薪や枝など燃料の継ぎ足しも楽にできます。本体下部の4本脚により安定感があるため、初めてロケットストーブを使う方にもおすすめです。

遊火人 ミニ焚火缶キャンパー4L

全てのパーツをスチール缶に収納できるロケットストーブです。スチール缶のサイズは直径19×高さ22cmと小型のため、持ち運びや車へ収納がしやすいモノを探している方におすすめ。スチール缶は、丸い一斗缶のようなデザインで、場所を取らずに使えるのもポイントです。

煙突の下にセットするアングル天板の上に鍋やフライパンをのせて調理が可能。小型の鍋を使って水も沸かせます。別売りのペール缶底ピザ窯グリル台座を使うとピザも焼けるので、料理が好きな方にもおすすめです。

缶にフタを被せるだけで簡単に消火できるのもメリット。薪などの燃えカスは全てスチール缶の中にまとまるため、後片付けも簡単です。コンパクトで扱いやすいモノを使いたい方はチェックしてみてください。

バイヤーストーブ(VIRE STOVE) Mini VIRE Stove VS002


携帯性の高い折りたたみ式のロケットストーブです。収納サイズが24×24×4cmで重さも0.9kgと軽量なため、ソロキャンプにおすすめ。収納ケース付きでリュックやカバンに入れて持ち運べます。冬のレジャーで手軽に暖を取れるので便利です。

本体下部から空気が入る構造で、燃焼効率が高いのが特徴。展開時のサイズは25×12×24cmとコンパクトで、場所を取らずに暖を取れます。冬の釣りで足元の暖房として使うのもおすすめ。十字型の五徳付きで料理にも使用可能です。

バンドック(BUNDOK) ロケットストーブ BD-497


家族で使えるロケットストーブを購入したい方におすすめの製品。本体は、67×15×70cm、重さ約3kgと比較的大きいサイズ感です。焚き口で3段階空気調節が可能で、火力の調節が簡単にできます。

本体と煙突の上の五徳にやかんや鍋をのせて同時加熱できるのが特徴。鍋で調理しながら水を沸かせるので、効率的に調理が可能です。組み立て式でコンパクトに持ち運びができるのもポイント。ファミリーキャンプなどを快適に過ごせる、大型のロケットストーブを探している方におすすめです。

テンマクデザイン(tent-Mark DESIGNS) マキコン3


キャンプやアウトドアに加えて、災害時にも利用可能な人気のロケットストーブです。蓄熱性が高い構造で立ち消えしにくい製品のため、暖を取ったり調理をしたりできます。米4合の炊飯と1.5L程度の汁物などを、同時に30分程度で調理できるので便利です。

薪だけでなく拾った木も燃料にできるため、コストのかからないモノを使いたい方におすすめ。収納サイズは約長さ45×幅15.7×高さ15cmで、車にも楽に積めます。別売りのマキコンケースを使えば楽に携帯が可能です。

IKplus ロケットストーブ iW-11


黒いボディーカラーが特徴のロケットストーブ。キャンプやアウトドアで落ち着いた見た目のアイテムを使いたい方におすすめです。底面のネジと煙突のパーツを取り付けるだけで組み立てできるので、手間をかけずに使えるモノを探している方にも適しています。

土台が太いため、安定して地面に設置可能。焚き口が斜めで薪の継ぎ足しが楽にできるのもメリットです。煙突の上に小さなやかんや鍋をのせて簡単な調理も楽しめます。安定感のある使いやすいロケットストーブを探している方におすすめの製品です。

ペトロマックス(Petromax) ロケットストーブ rf33


燃焼効果が高く、さまざまな調理に使えるロケットストーブです。燃焼室と燃焼筒での2つの燃焼が発生することにより、高い燃焼効果を実現。本体の上部でフライパンを使ってステーキを焼いたり、網をかけてバーベキューをしたりできるので、キャンプ好きの方におすすめの製品です。

本体サイズは直径23.5×33cmで、場所を取らずに使えるのが魅力。付属のステンレス板を焚き口に取り付けると、薪を安定して継ぎ足しできます。本体左右に持ち手があり安全に移動できるのもポイントです。

エコズーム(ecozoom) EcoZoom Versa


ダッチオーブンやスキレットなどを使用した調理が可能な製品です。おしゃれなモノや高火力なモノを探している方におすすめ。燃焼効率が高い構造のため、僅かな燃料でも調理が可能です。

木の枝なども燃料にできるため、コストをかけずに使えるのが魅力。暖を取ったり料理を作ったりできるので、災害時にも便利です。

また、燃料は焚き口から簡単に継ぎ足しできます。煙がほとんど出ないのもメリット。直径24×高さ29cmの耐久性に優れたロケットストーブです。

CGK ながぐつストーブ

長靴のようなデザインが個性的な製品。薄いステンレスで造られており、本体重量が約0.3kgと軽いのが特徴です。素材には耐熱性が高く、腐食に強いSUS304を採用。キャンプやアウトドアで、できるだけ軽いモノを使いたい方におすすめです。

コンパクトサイズで場所を取らずに使えるのもメリット。組み立て式で、使用後は小さくまとめて持ち歩けるため、ソロキャンプやツーリングに手軽に持ち運べます。また、煙突の上で水を沸かすことも可能。価格が安く、コスパのよいモノを使いたい方にもおすすめです。