最高峰のワイン産地「ブルゴーニュ地方」と並ぶ、ワインの2大銘醸地として知られる「ボルドー地方」。生産されるワインは「ボルドーワイン」と呼ばれ、白や赤など、甘口から辛口までさまざまなスタイルが存在します。
また、ボルドーワインは原料のブドウを複数ブレンドすることが多いのも特徴。複雑で豊かな味わいが楽しめます。今回は、ボルドーワインのおすすめ銘柄をご紹介。選び方についても解説します。
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ボルドーワインの選び方
右岸と左岸の違いをチェック
ボルドーワインにおける「右岸」「西岸」とは、ボルドー地方を南から北へ流れる「ジロンド川」の上流から見た産地の位置のことを指します。
ジロンド川の東側から合流する「ドルドーニュ川」のある地域右岸は、冷たい粘土質で保水性が高い土壌なのが特徴。右岸で造られるワインは、早熟で糖分の蓄積が早い品種のブドウ「メルロ」を主要品種とし、フルーティーで芳醇な味わいが特徴です。
対して、左岸はジロンド川に対して西側から合流する「ガロンヌ川」ある地域のこと。小粒な実で成熟が遅い「カベルネ・ソーヴィニヨン」を主要品種とし、長期熟成型のワインとなるのが特徴です。
しっかりとした味わいで、典型的なボルドーワインの力強いイメージは「左岸」で造られたモノに多く見られます。
産地(アペラシオン)で選ぶ
ボルドーらしさを求めるなら「メドック」「グラーヴ」
ガロンヌ川周辺に広がる左岸のワイン生産地「メドック地区」と「グラーヴ地区」。ボルドーワインのなかでも特に上質なワイン産地として有名で、厚いブドウの皮に含まれるタンニン由来の重厚で複雑な味わいが特徴です。
また、「シャトー・マルゴー」や「シャトー・ラフィット・ロスシルド」などの名高いワイン生産者「5大シャトー」が位置している地域でもあります。
本格的なボルドー赤ワインを楽しんでみたいという方は、メドック地区やグラーヴ地区のワインを試してみるのがおすすめです。
味わい豊かな「サン・テミリオン」「ポムロール」
ボルドー東部、ドルドーニュ川周辺の右岸地域にある「サン・テミリオン地区」と「ポムロール地区」。複雑な土壌構成を有していて、醸造方法や生産者によって味わいがさまざま異なるのが特徴です。
ボルドーで最小のポムロール地区は高級ワインの産地として有名。なかでも「ペトリュス」は、ボルドーワインにおける高級品ワインの1つで、フレッシュで濃厚な味わいと長く続く奥行きのある余韻が魅力です。
そして、サン・テミリオン地区はメドック地区に匹敵するほどのワイン名産地。主にメルロ種のブドウを使用し、濃厚でフルーティーな味わいが特徴。タンニンが控えめの飲みやすいのも魅力の1つです。
甘口白ワインで有名な「ソーテルヌ」「バルザック」
ボルドー地方のグラーヴ地区より南に位置する「ソーテルヌ地方」と「バルザック地方」。ボルドーなどの産地名を名乗るために必要な「AOC(原産地統制呼称制度)」の認定を受けたブランド産地です。
ソーテルヌ地方やバルザック地方は、秋ごろに霧が発生しやすい気候が特徴。「貴腐ワイン」の生産に必要な「貴腐菌」の生育に適した産地です。
貴腐ワインは、貴腐菌の作用によって適度に水分が失われ、糖分が凝縮されてフルーティーな甘いワインとなるのが特徴。食後のデザートと共に飲まれることも多くあり、「デザートワイン」とも呼ばれています。
コスパに優れた「アントル・ドゥ・メール」
ガロンヌ川とドルドーニュ川に挟まれるように存在するワインの生産地「アントル・ドゥ・メール地方」。白ワインに用いられる「セミヨン」や「ソーヴィニヨン・ブラン」などのブドウ品種から造られた辛口ワインが有名です。
また、ボルドーワインのなかでは比較的手ごろな銘柄が多いのもポイント。フルーティーでフレッシュな香りの本格的なボルドーワインが楽しめ、コスパにも優れています。ボルドーワインを初めて試したい方におすすめです。
有名なシャトーから選ぶ
ボルドーワインは、主に「シャトー(ワイン生産者)」ごとに格付けされています。そして、ボルドーには最高品質とされるシャトーが5つ存在し、「5大シャトー」とも呼ばれていることで有名です。
なかでも、「5大シャトーのなかで最も繊細でエレガント」とされる「シャトー・ラフィット・ロートシルト」に注目。絶妙なきめ細かい味わい、深みのある色と優雅な香りで気品にあふれ、「他に類を見ない」と称される、世界最高峰のボルドーワインです。
そのほか、圧倒的なタンニンのしなやかさで女性的な味わいとされる「シャトー・マルゴー」や、圧倒的な凝縮感で豊かな味わいが特徴の「シャトー・ラトゥール」、余韻に動物的なアロマを感じる「シャトー・オー・ブリオン」も有名です。
さらに、フルーティーで深みがあり、バラやプラムのような濃密な香りと力強い余韻が特徴の「シャトー・ムートン・ロートシルト」も5大シャトーの1つ。どれも世界が認める最高級のボルドーワインです。
ヴィンテージで選ぶ
ブドウの収穫年を意味する「ヴィンテージ」。そして、「ヴィンテージワイン」とは、ブドウの収穫年が特定可能なワインのことです。ブドウは屋外の畑で栽培されるので、気候の影響を大きく受けて生育状況にも差が生じます。
ヴィンテージは、ワインの味わいを左右する要素の1つ。高品質なワインに仕上がった年は「当たり年」ともいわれています。まったく同じ品種を使用した同じシャトーのワインでも、値段や味わいが大きく異なるのが特徴です。
これからボルドーワインを選んでみたいという方は、ヴィンテージを意識して選んでみましょう。また、ヴィンテージの古いワインは長期熟成により味わい深くなります。事前に当たり年を調べてから探すのもおすすめです。
ボルドーワインのおすすめ|5000円以下の良コスパ
カルベ(CALVET) カルベ サンテミリオン
ボルドーの右岸地域にある、サンテミリオン地区で造られたボルドーワインです。フランボワーズのような果実の、ソフトで優しい口当たりが魅力。原料のブドウはメルロとカベルネ・フランをブレンドし、個性的ながら優しい風味を感じられるのが特徴です。
気軽にボルドーワイン伝統の味わいを楽しみたい方におすすめ。コスパのよさを求める方に最適の1本です。
ミッシェル・リンチ(MICHEL LYNCH) シャトー・ヴィラ・ベレール・ルージュ
ボルドー左岸のグラーヴ地区で造られた、しっかりとした味わいが特徴のボルドーワインです。ブドウのタンニンとコクを感じる複雑な味わいが特徴。スミレやカシスなどのしっかりとした芳香と、バニラやオークのような風味を感じられます。
肉料理全般によく合い、安い価格で入手できるので、日常のレギュラーワインとしてもおすすめです。
ドメーヌ バロン ド ロートシルト(Domane Barons de Rothschild) ボルドー・ブラン
「シャトー・ラフィット・ロートシルト」を筆頭とするワイナリーグループのボルドーワインです。原料のブドウはソーヴィニヨン・ブランとセミヨンで、柑橘系の豊かな香りを感じられます。香り高いワインを心地よく飲みたい方におすすめです。
ブドウを圧搾した後に数日間の「低温浸軟」を行うことにより、フレッシュな酸味を引き出しています。洋食だけでなく、天ぷらなどの和食とも相性がよいのがメリット。気軽に飲める手ごろな価格の美味しいボルドーワインを探している方に適しています。
シャトー シトラン(Chateau Citran) シャトー シトラン 2013
フルーティーで豊かな味わいのボルドーワインを飲みたい方におすすめの製品です。メルロとカベルネ・ソーヴィニヨンにカベルネ・フランをブレンドして造られており、コクのある辛口の味わいを堪能できます。
樽で15か月間熟成させた後、1/3だけを新樽で熟成させて製造するのが特徴。ワイングラスに注ぐとオーク材の複雑な香りが感じられ、口にすると調和の取れたバランスのよい味を楽しめます。肉料理によく合うワインを飲みたい方にもぴったりです。
シャトー ラトゥール ド モン(Chateau La Tour de Mons) マルゴー 2012
エレガントで濃厚な味わいが特徴のボルドーワインです。メルロとカベルネ・ソーヴィニヨン、プティ・ヴェルド、カベルネ・フランをブレンドし、フレンチオーク樽で12か月間熟成して造られます。タンニンを感じられるクラッシックな味わいも魅力です。
コルクを抜くと果実やスパイスのようなアロマを感じられるのもメリット。芳醇なワインの香りを楽しみながら食事をしたい方におすすめです。食事との相性もよいので、友人を呼んで気軽に楽しむホームパーティーで飲むのにも適しています。
JPムエックス(J.P.Moueix) JPムエックス ポムロール
ボルドー右岸のポムロール地区で造られた「JPムエックス ポムロール」。「JPムエックス」は、右岸最高峰ともいわれる「シャトー・ペトリュス」の育ての親、ジャン・ピエール・ムエックス氏が1937年に創業しました。
風味は、リコリスやトーストが混ざったような赤いベリー系の魅力的な香りと、なめらかなタンニンの口当たりが特徴。エレガントな酸味も感じられる、バランスのよい味わいも魅力です。
シャトー ラグランジュ(Ch. Lagrange) シャトー ラグランジュ アントル ドゥ メール 2018年
アントルドゥメール地区で造られた、フレッシュですっきりとした味わいが特徴の辛口ボルドーワイン。原料のブドウにはソーヴィニヨン・ブランを70%、セミヨンを30%使用した、ほどよい口当たりのミディアムボディです。
空気圧式のプレス機でブドウを圧搾し、18~20℃で発酵。醗酵中に発生した澱を取り除かない製法「シュールリー」を採用しています。生産者のシャトー ラグランジュは、家族経営の特色を活かした丁寧なワイン造りを行っているのも魅力です。
ボルドーワインのおすすめ|プレゼントにも使える高級銘柄
シャトー・マルゴー(Chateau Margaux) シャトー・マルゴー 2003
5大シャトーのなかでもエレガントで女性的といわれる「シャトー・マルゴー」。圧倒的にしなやかなタンニンが最大の特徴で、口当たりのなめらかさ、繊細さを備えた味わいと持ち、「ワインの女王」や「ボルドーの宝石」ともいわれています。
2003年のヴィンテージは、90点以上で「傑出」とされるパーカーポイントを99点獲得。ブルーベリーやブラックカラントなどのフルーティーさ、春の花や甘草、ヴァニリンなどの芳醇な香りが魅力なので、女性へのプレゼントにもおすすめの1本です。
シャトー・オー・ブリオン(Chateau Haut Brion) シャトー・オー・ブリオン 2016
奥深い複雑なアロマが特徴のボルドー格付け1級ワイン「シャトー・オー・ブリオン」。プレゼント用のワインを探している方におすすめです。また、飲んだ時に、凝縮された果実の旨味となめらかでつなぎ目のないタンニンが口の中に広がります。
バラやライラックなどの芳醇な香りも感じられ、伸びやかな余韻が続くのも魅力。上品で複雑な味わいと、濃厚でフルーティーな風味を堪能できる、極上のボルドーワインです。
シャトー・ラフィット(Chateau Lafite Rothschild) カリュアド・ド・ラフィット 2021
メドックで第1級に格付けされる「シャトー・ラフィット」がセカンドラベルとして製造しているボルドーワイン。原料のブドウはファーストラベルと同じ畑の若木から収穫するため、ラフィットの特徴であるクラッシックで優雅な味を堪能できるのが魅力です。
マロラクティック発酵をした後に、フランス産のオーク樽で約16か月間熟成させて製造するのが特徴。ブラックベリーとブラックカラントのようなフレッシュな香りを楽しめます。力強いタンニンを感じられるのもメリット。お祝いの席にもおすすめのボルドーワインです。
シャトー・ラトゥール(Chateau Latour) ポイヤック・ド・ラトゥール 2016
「シャトー・ラトゥール」のサードワインとして人気がある製品です。2016年に製造されたヴィンテージのボルドーワインで、ファーストワインと同一区画の畑にある若木のブドウを原料として使っています。ファーストワインよりメルロ比率が高いのが特徴です。
醸造に使われる樽は約20%が新樽で、4〜5年の時間をかけてじっくり熟成させます。豊かな果実味と深い味わいのボルドーワインを好む方におすすめです。シャトー・ラトゥールのボルドーワインに初めてチャレンジしてみたい方はチェックしてみてください。
シャトー・ディケム(Chateau d’Yquem) シャトー・ディケム 1996
ソーテルヌ地区にある歴史あるシャトーの「シャトー・ディケム」で造られたボルドーワインです。甘口の貴腐ワインで、特別第一級に格付けされています。リッチな甘さでふくよかな味わいのワインを好む方におすすめです。
厳しい基準をクリアしたブドウのみを使用し、30~42か月の長期熟成を行って製造されているのが特徴。甘美な味わいなので、食事後のデザートワインとして飲むのにもぴったりです。貴腐ワインを好む方へのプレゼントにも適しています。
シャトー・クリマン(Chateau Climens) シャトー・クリマン 2007
バルザック地区のシャトーとして有名な「シャトー・クリマン」のボルドーワインです。セミヨンを100%使用した貴腐ワインで、極甘口の濃厚な味わいを堪能できます。辛口のワインが苦手な方や、スイーツに甘いワインを合わせて味わいたい方におすすめです。
優雅な香りも特徴で、食卓に並べると華やかな雰囲気をプラスできます。甘口のボルドーワインにチャレンジしてみたい方はチェックしてみてください。
シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド(Chateau Pichon Longueville Comtesse de Lalande) シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド 1997
「シャトー・ピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランド」は、銘醸地として有名なポイヤックにあるシャトーです。原料にはカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロなどのブドウを使用しています。スパイシーでパワフルな味わいを楽しめるのが魅力です。
フローラルな心地よい香りも特徴の1つ。ボディがしっかりしたボルドーワインを肉料理に合わせて、味と香りをじっくり堪能したい方におすすめです。1997年に特別な思い出がある方へのプレゼントにも適しています。
シャトー・ムートン・ロートシルト(Chateau Mouton Rothschild) シャトー・ムートン・ロスチャイルド 2016
5大シャトーのなかで最も豪勢とされる「ムートン・ロートシルト」。ブラックベリーやプラム、スミレなどの濃厚で複雑な香りが感じられます。また、シナモンやエスプレッソ、アジアンスパイスなどが混ざり合った、絶妙なアクセントが魅力です。
米国に本拠を置くワイン出版物「ワイン・アドヴォケイト」にて、2016年のヴィンテージは100点満点を獲得。伝説のヴィンテージとされる1986年以来の当たり年です。
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ボルドーワインは、生産される地区によってその特色もさまざま。また、生産された年によっても大きく品質が異なります。プレゼント用で選びたいならヴィンテージやブランド産地のモノ、日ごろから楽しめるボルドーワインを探したい場合は安価なモノをチェックするのがおすすめです。