ワインは大きく赤・白・ロゼに分類されますが、第4のワインとして注目を浴びているのが「オレンジワイン」です。美しいオレンジ色をしているのが特徴で、アロマティックな香りと厚みのある深い味わいが魅力。

そこで、今回はオレンジワインとは何かについて解説し、おすすめの製品をご紹介します。オレンジワインを飲んだことがない方も参考にして、お気に入りを見つけてみてください。

オレンジワインとは?

オレンジワインは、簡単にいうと「白ブドウで造られた赤ワイン」です。そのため、白ワインのような芳醇な香りと、赤ワインのような渋みを合わせもった風味が楽しめるのが魅力。

厚みのある味わいは、香辛料をふんだんに使った料理など、これまでワインとあまり相性がよくないとされてきた料理にもマッチするのが特徴です。ソムリエから積極的にフードペアリングされ、人気が出ました。

オレンジワインの製造方法

オレンジワインは、白ワインと同じ原料を使用して、赤ワインと同じ製法で造られます。オレンジワインは、白ワインの原料である白ブドウから造られますが、白ワインとは異なる製法方法です。

白ワインはブドウの果皮や種を取り除いたブドウ果汁だけを発酵させますが、オレンジワインは赤ワインと同じく、ブドウの果皮と種を含んだ果汁を発酵させるのが特徴。白ブドウの果皮の黄色系色素が果汁に移ることでオレンジ色になり、果皮に含まれるタンニンが溶け込んで渋みのある赤ワインのような風味が生まれます。

オレンジワインが造られるエリア

ジョージア

オレンジワインの起源であり、ワイン発祥の地として有名なエリアです。ジョージアでは、オレンジワインは「アンバーワイン」と呼ばれます。このエリアで造られるオレンジワインは、ブドウの皮を漬け込む期間が長いため、タンニンが効いているのが特徴。

クヴェヴリというかめを使った製法が伝統的ですが、ヨーロッパ式の造り方を採用する生産者も増えています。

イタリア

イタリアでは、白ワインを多く産するフリウリを中心にオレンジワインが造られています。オレンジワイン醸造の歴史は浅いですが、地元産の「フリウラーノ」や「リボラジャッラ」といった品種を使用した製品が人気です。

日本

日本で造られるオレンジワインは、甲州という日本固有の品種で造られるモノがほとんどです。甲州は山梨県を中心に栽培され、世界的に認められた甲州ワインの銘柄もあります。日本産のオレンジワインは、和食と合わせるのがおすすめです。

オレンジワインの歴史

オレンジワインの起源は今から8000年近く前のジョージアです。ジョージアはワイン発祥の地といわれ、クヴェヴリという土器のかめに白ブドウの果皮と果汁を入れ、土中に埋めてワインを発酵させていました。このワイン造りの手法は、2013年にユネスコの無形文化遺産に指定されています。

フランスやイタリアで自然派ワイン造りに取り組んでいた生産者が、ジョージアの伝統的なワイン造りにインスパイアされて復活させたのが、現在のオレンジワインです。イタリアのヨスコ・グラヴナーがジョージアからクヴェヴリを取り寄せて造ったのが最初といわれています。

現在は、ジョージアやイタリアをはじめ、オーストラリア・南アフリカ・アメリカ・日本などさまざまな国で醸造され、注目が高まっているワインです。

オレンジワインのおすすめ銘柄

シャラウリ・ワイン・セラーズ ヒフヴィ

シャラウリ・ワイン・セラーズ ヒフヴィ

ジョージアの希少品種であるヒフヴィを使用したオレンジワインです。ヒフヴィはやわらかな酸味が特徴。本製品は、竹を割ったような香りとともに広がるアンズや甘いアカシアのハチミツの香りと、タンニンの渋みが効いた濃厚な味わいが楽しめます。複雑な風味があるため、オレンジワイン上級者におすすめ。

同ワイナリーは、ジョージア固有のブドウを自然農法で栽培し、醸造所の地下に埋めたクヴェヴリを使った伝統的な製法でワイン造りをする有名な醸造所です。発酵後はクヴェヴリで果皮とともに6カ月、その後果皮を取り除いて6カ月熟成されます。品質管理に必要な最低限の酸化防止剤のみを使用した高品質な一品です。

ヴァジアニ・カンパニー マカシヴィリ・ワイン・セラー ルカツィテリ

ヴァジアニ・カンパニー マカシヴィリ・ワイン・セラー ルカツィテリ

ヴァジアニ・カンパニーは1982年に創業されたジョージアのワイナリーで、世界各国のワインコンクールでの受賞歴があります。「マカシヴィリ・ワイン・セラー」シリーズは、120年以上前に作られたクヴェヴリで醸造されるワインシリーズ。現代のモノと違い、蜜ろう無加工の貴重なクヴェヴリで造られています。

無農薬で栽培されたルカツィテリを100%使用したオレンジワインは、タンニンが強めのヘビーな味わいが特徴。桃やカリンのような果実味と、ショウガのようなスパイシーで辛口の風味が感じられます。赤・白・ロゼのどれとも違う個性的な味わいで、本格的なアンバーワインを飲みたい方におすすめです。

クヴェヴリ・ワイン・セラー ムツヴァネ

クヴェヴリ・ワイン・セラー ムツヴァネ

ムツヴァネを使用した、伝統的な製造方法のオレンジワインです。同醸造所は、有名ワイナリーで活躍していた醸造家が独立し、2015年に新しく立ち上げたもの。早くも2017年には本製品が、国際ワインコンペで最優秀賞を受賞するという快挙を成し遂げました。

ムツヴァネはジョージアの固有品種で、果皮が薄くタンニンが控えめなのが特徴。クヴェヴリでの醸造により、完熟したアプリコットのような香りと、エレガントなスパイス感が添加されます。伝統と近代的な知識を兼ね備えた、ジョージアを代表する醸造家が造る飲みやすい名品としておすすめです。

ロンコ セヴェロ セヴェロ ビアンコ

ロンコ セヴェロ セヴェロ ビアンコ

イタリアのフリウリにある醸造所で造られたオレンジワインです。フリウラーノ・シャルドネ・ピコリット・リボラジャッラの4種のブドウをブレンドした豊かな香りと力強さのバランスが絶妙。ピコリット由来の完熟した果実味のアロマが立ちのぼり、シャルドネの透明感がフリウラーノのフレッシュさを引き立てます。

同醸造所の現在の当主はそれまでの方針と異なる自然派ワインを目指し、オレンジワインを復活させたグラヴナーや自然派の巨匠ラディコンをお手本にしてきました。本製品は、試行錯誤を繰り返して、よりよいブドウ造りにこだわった末に生まれたオレンジワイン。子供がイスの背でバランスを取るかわいいポップなラベルで、パーティーの手土産やプレゼントにもおすすめです。

ヨスコ・グラヴナー リボッラ アンフォラ

ヨスコ・グラヴナー リボッラ アンフォラ

オレンジワイン復活の立役者として、白ワイン生産者の間でカリスマ的存在のヨスコ・グラヴナーが造るオレンジワインです。フリウリの土着品種であるリボラジャッラを使い、アンフォラと呼ばれるクヴェヴリに似た素焼きのテラコッタの壺で発酵・熟成させています。

クヴェヴリと違い、アンフォラは地中に埋めることがないため、土の上で熟成されます。本製品は、ドライフルーツのようなアロマとハーブやナッツのスモーキーさが特徴です。人為的介入をできる限り排除した、独創的なワイン造りの個性が詰まったワインです。

ラディコン リボッラ ジャッラ

ラディコン リボッラ ジャッラ

ラディコンは自然派ワインの巨匠で、イタリアのフリウリで造られるオレンジワインの先駆者でもあります。常に探求心を持ってワイン造りに向き合い、誰とも違う独創的な製法や味わい生み出す類まれな醸造家として知られ、多くの醸造家から師とあがめられる存在です。

本製品はフリウリの土着品種であるリボラジャッラを使用し、樽と瓶内での熟成を合わせて約5年も熟成するという独自の製法で造られたオレンジワイン。長期熟成に由来する濃い色味と、すがすがしさと重厚感が共存する独特の味わいが特徴。個性的な味わいのオレンジワインを試してみたい方におすすめです。

プリモシッチ リボッラ・ディ・オスラヴィア

プリモシッチ リボッラ・ディ・オスラヴィア

イタリアのフリウリにある醸造所、プリモシッチで造られたオレンジワインです。グラヴナー醸造所の近隣に位置しますが、発酵・熟成にはアンフォラではなく、開放式の木樽を使用しています。

ブラッドオレンジやレモンバームなど、アロマティックななかにアクセントのある香りが特徴。オレンジピールをかじったようなビターな味わいが印象的です。とろりとした口当たりで、重厚な旨味がじんわりと口のなかに広がります。

ビン詰めの際にフィルタリングはしていませんが、上澄みだけをボトリングしているため、美しい透明感のあるワインが楽しめます。豚肉などの煮込み料理と好相性で、脂身・塩味・甘味などのアクセントがある料理と合わせるのがおすすめです。

ココ ファーム ワイナリー 甲州F.O.S

ココ ファーム ワイナリー 甲州F.O.S

栃木県にある創業30年の醸造所が造るオレンジワインです。「F.O.S」とは「Fermented on Skins(果皮に接触させた発酵)」の略。甲州という日本固有のブドウ品種は、軽やかで繊細な味わいが持ち味ですが、本製品は果皮とともに発酵させることで、旨みが引き出された飲みごたえのあるワインに仕上がっています。

複雑なアロマと渋みによる重厚な口当たりを楽しめる一本です。通常の甲州とはひと味違った味わいなので、飲み比べてみるのもおすすめ。旨みが強いため、発酵食品やだしを使った料理など、さまざまな和食とのペアリングに適しています。

マルス穂坂ワイナリー シャトー・マルス 甲州 オランジュ・グリ

マルス穂坂ワイナリー シャトー・マルス 甲州 オランジュ・グリ

鹿児島に本社を構える本坊酒造が、1960年に洋酒生産の拠点として山梨県に設立した醸造所で造られたオレンジワインです。甲州ブドウを使用したやや辛口な味わい。柑橘系をベースに桃や洋梨など、果実の香りが複雑に絡み合います。

フレッシュな果実の味わいと心地よい渋みで、味わいに立体感のあるワインです。透明感のあるほんのりオレンジ色に色づいたワインは、テーブルに華やかさをもたらします。鍋物と好相性で、そのほか白身魚のムニエルや酢豚など和洋中を問わずオールマイティーにあわせられる汎用性の高い一本です。

サドヤ 甲州醸し スモーク

サドヤ 甲州醸し スモーク

山梨県にあり、創業100年の歴史を誇るサドヤのオレンジワインです。サドヤはワイン用のブドウ栽培にこだわり、世界に通じる日本ワインを追求してきたパイオニア的存在です。「スモーク」の名は、いぶしたようなボリューム感のある香りと味わいを表しています。

2019年のインターナショナルワイン&スピリッツコンペティションでは銅賞を獲得し、世界レベルで評価される銘柄です。甲州ブドウの果皮を72時間漬け込んだ独特の深みが特徴で、果実味と伸びやかな酸味がエレガントな印象を与えます。個性的な国産オレンジワインを味わいたい方におすすめです。

ルミエール スパークリング オランジェ

ルミエール スパークリング オランジェ

1885年に創業した山梨県の歴史ある醸造所、ルミエールで造られるスパークリングタイプのオレンジワインです。甲州ブドウを100%使用し、瓶内二次発酵で造られた辛口の味わい。繊細で泡立ちが美しく、濃いオレンジイエローのワインとのコントラストが華やかです。

グラスに注いだ見た目がゴージャスなので、パーティーのウェルカムドリンクやお祝いの席の乾杯酒としてもおすすめ。一般的なスパークリングワインには感じられないタンニンの渋みがほのかに感じられるお酒という珍しさで、その場を盛り上げる効果もあります。柑橘系の香りとほどよい酸味とのバランスが絶妙です。

ローガン・ワインズ クレメンタイン ピノ・グリ

ローガン・ワインズ クレメンタイン ピノ・グリ

ローガンワイズは、冷涼な気候をもつオーストラリアの高地にあります。評論家の評価が高く、国際的な品評会での受賞歴も多い醸造所のひとつ。本製品はタンニンの渋みがやわらかいため、ライトな味わいを好む方やオレンジワイン初心者におすすめです。

ピノ・グリを使用し、桃・アプリコット・木苺のような果実の風味に加えて、バラ・シナモン・生姜のような個性の強い味わいが楽しめます。軽く冷やすと飲みやすいのでおすすめ。絵本のイラストのようなかわいいラベルが、赤みが強いワインカラーに映え、女子会のテーブルコーディデートにもぴったりです。

ローガン・ワインズ ウィマーラ・ピノグリ

ローガン・ワインズ ウィマーラ・ピノグリ

同醸造所の「ウィマーラ」シリーズは、アロマ豊かなワインがコンセプト。絶景を意味する「ウィマーラ」にちなんだ小鳥のラベルデザインがスタイリッシュです。本製品はピノ・グリを100%使用したオレンジワインですが、タンニンが控えめなので渋みが苦手な方にも向いています。

雑誌「ワイン王国」でのブラインドテイスティング企画「1,000円台で見つけた年末年始に乾杯したいワイン」にて最高評価を獲得するなど、コスパが高い一本としておすすめ。洋梨やナッツキャンディーなどのアロマに始まり、リンゴやパイナップルのような味わいが残ります。

ヴィンテロパー パーク・ワイン ホワイト

ヴィンテロパー パーク・ワイン ホワイト

ヴィンテロパーは、2008年に創業した比較的新しいオーストラリアの醸造所です。ブドウはすべて手作業で収穫し、醸造作業もできるだけ人為的介入を減らした自然派のワイン造りをしています。少量生産のため、入手が困難な場合もある人気銘柄です。

本製品には、オーガニックで造られたゲヴュルツトラミネールとソーヴィニヨンブランが使用されています。マスカット系のアロマを持ち、グレープフルーツやビターなレモンなどのフレッシュな果実味が感じられるライトな飲み心地が特徴です。

創設者の妻が描くラベルがアーティステックでおしゃれ。500ml入りの王冠タイプで、キャンプやピクニックなどアウトドアシーンへの持ち歩きにも向いています。

クラヴァン・ワインズ ピノ・グリ

クラヴァン・ワインズ ピノ・グリ

クラヴァン・ワインズはカリフォルニアで出会った夫妻が、南アフリカに移住して2014年に設立した醸造所です。歴史は浅いですが、南アフリカで注目される若手醸造所のひとつ。ナチュラルなワイン造りがこだわりで、ブドウ栽培に重きをおき、人為的介入をできるだけ省いた醸造をしています。

本製品はピノ・グリを使用したオレンジワインです。ロゼよりも赤く感じられるほど濃い色みが特徴で、軽やかでやわらかく飾らないカジュアルな飲み心地が魅力。フレッシュな果実感と果物の旨みが味わい深く、多少酸が強めな味わいです。

番外編:オレンジワインに合う料理

オレンジワインは白ワインのような芳醇な香りと、赤ワインのような渋みを合わせもった味わいが特徴です。そのため、前菜からメインまでオールラウンダーで使えるワインとも評されます。旨みが強いので、発酵食品やだしを使用した和食とも好相性です。

厚みのある味わいは、白ワインを合わせると繊細過ぎ、赤ワインの渋みとはぶつかり合ってしまうような料理とも合わせやすいのがポイント。タイ料理やエスニック料理などスパイシーな料理ともよく合います。