透き通ったオレンジの液色がテーブルを鮮やかに彩る「オレンジワイン」。白ワインのフルーティなアロマに、赤ワインの渋みとコクをあわせ持つ厚みのある味わいで、赤・白・ロゼに続く第4のワインとして多くのワイン愛好家を魅了しています。
今回は、オレンジワインのなかからおすすめの銘柄をピックアップ。オレンジワインの基礎知識と、選ぶ際のポイントも解説します。ぜひお気に入りの1本を見つけてみてください。
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- 目次
- オレンジワインとは?特徴は?
- オレンジワインの製造方法
- オレンジワインの歴史
- オレンジワインが造られるエリア
- オレンジワインの選び方
- オレンジワインのおすすめ銘柄
- 番外編:オレンジワインの美味しい飲み方
- 番外編:オレンジワインに合う料理・おつまみ
オレンジワインとは?特徴は?
オレンジワインとは、白ぶどうを材料に、赤ワインの製法を用いて造られているワインのこと。名前からフルーツのオレンジを漬け込んだ果実酒と思われがちですが、伝統的な白ワインの一種で、赤・白・ロゼに続く第4のワインとして認知され人気を博しています。
白ぶどうを果皮ごと醸造するため、果皮に含まれる色素がワインに溶け出して、鮮やかなオレンジの色調に仕上がるのが特徴。口に含めば、白ワインを想わせるアロマティックな香りに、赤ワインのような渋みと濃厚さをあわせ持つ厚みのある味わいが広がります。
なお、「オレンジワイン」という名称はワインの液色にちなんで作られた造語。地方によっては「アンバーワイン」とも呼ばれています。
オレンジワインの製造方法
オレンジワインの原料には、白ワイン用の白ぶどう品種が用いられています。通常白ワインは潰した白ぶどうの果汁のみを発酵させて造られますが、オレンジワインの場合には、赤ワインと同様に果皮と種を果汁と一緒に漬け込んで醸造されています。
白ぶどうを赤ワインの製造方法にて醸したオレンジワインは、果皮の色素が果汁へ抽出されて、鮮やかなオレンジの液色に仕上がるのが特徴。果皮と種由来の香り成分やタンニンが溶け込むため、フルーティなアロマと、渋みのある複雑な味わいも引き出されます。
オレンジワインの歴史
オレンジワインのルーツは、世界最古のワイン産地としても知られるジョージア。歴史は約8000年前にもさかのぼり、卵型をした大きな甕「クヴェヴリ」のなかで白ぶどうを発酵させ、オレンジ色のワインを造っていたことがはじまりといわれています。
長らく国際市場に出回らず消えつつあったオレンジワインですが、1990年代後半に復活。イタリア・フリウリ州の生産者ヨスコ・グラヴナーがジョージアの伝統製法に着目してオレンジワインを造り、味わいが高く評価されたことから世界中へ知れ渡りました。
なお、クヴェヴリを用いた伝統的なワイン製法は、2013年にユネスコの無形文化遺産にも指定。近年では、ジョージアやイタリアをはじめ、日本・オーストラリア・アメリカなど各国の醸造家がさまざまな製法にてオレンジワインを醸しています。
オレンジワインが造られるエリア
ジョージア
8000年もの歴史がある世界最古のジョージアワイン。ジョージアの遺跡で見つかった約8000年前の土器の破片に、ワインを醸造していたとする痕跡が発見されたことから、現在ジョージアは「ワイン発祥の地」として知られています。
ジョージアのワイン造りは、クヴェヴリと呼ばれる大きな甕に潰したぶどうを入れて自然発酵させる伝統製法が有名。手間暇のかかる製法ながら、2013年に無形文化遺産に登録されたのを機に評価が見直され、オレンジワインとともに注目度を高めています。
オレンジワインに使われる主な白ぶどう品種は、ジョージアで最も栽培量の多い「ルカツィテリ」や土着品種の「ムツヴァネ・カフリ」など。クヴェヴリ製法にて、果実の甘みが活きる素朴でやさしい味わいに仕上げられているのが特徴です。
イタリア
白ワインの銘醸地としても知られるイタリア北東部、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州の自然派ワイン生産者たちによって現代に復活を遂げたオレンジワイン。そのためイタリアでは、現在もフリウリを中心にさまざまなオレンジワインが造られています。
使用されているぶどう品種は、フリウリを代表する「リボッラ・ジャッラ」や「ピノ・グリージョ」などが主流。口に含めば、芳醇な香りとともに、ミネラルのニュアンスを感じる味わいを堪能できます。
日本
最大の銘醸地である山梨をはじめ、山形・長野・北海道など各地域に優良なワイナリーが点在している日本。ワイン造りの歴史は浅いものの、本場ヨーロッパで高評価を得ている銘柄も多く生み出され、国内外で日本ワインへの注目度が高まっています。
日本産のオレンジワインは、日本固有の白ぶどう品種「甲州」を100%使用して醸造された銘柄が人気。日本人の味覚や日本食に合わせて仕上げられた繊細かつ上品な味わいで、煮物や焼き魚、すき焼きなどの和食と相性がよいのが特徴です。
オレンジワインの選び方
味わいをチェック
オレンジワイン特有の香味は、白ぶどうを使用して果皮ごと醸す工程・マセラシオンにて引き出されています。マセラシオンの長短によって抽出されるタンニンの量が異なり、仕上がるオレンジワインの味わいも変わるため、しっかりチェックしておきましょう。
短期間のマセラシオンで仕立てられたオレンジワインは、白ワインのような軽快さに、果皮由来の複雑味を程よく備える、ライトでエレガントな味わいが特徴。比較的クセが少なく飲みやすいので、とくにオレンジワイン初心者の方におすすめです。
一方、長期間にわたってじっくりマセラシオンを行った銘柄は、力強い渋みや深みのあるコクが魅力。オレンジワインならではの本格的な味わいを堪能したい方や、オレンジワイン通の方などにぴったりです。
ぶどうの品種をチェック
オレンジワインに使用されるぶどう品種は、リースリング・ヴィオニエ・ゲヴュルツトラミネールなど、アロマティックなモノが主流。果皮ごと漬け込んで醸すマセラシオンにより、香り成分が引き出されるため、芳しく華やかな味わいを堪能できるのが特徴です。
また、酸味の強いピノ・グリージョやグルナッシュ・グリなどもオレンジワインの定番品種。製造過程でどうしても弱まってしまう酸味を補えるため、酸とタンニンのバランスがよい洗練された味わいを楽しめます。
イタリア・フリウリを代表するリボッラ・ジャッラやジョージア固有種のルカツィテリなど、果皮に厚みのある品種を使った銘柄も要チェック。長期間のマセラシオンで仕上げられるため、しっかりとした渋みと複雑性を持ち合わせた厚みのある味わいが広がります。
ぜひ、ぶどう品種にも注目して、自分好みの1本を見つけてみてください。
オレンジワインのおすすめ銘柄
シャラウリ・ワイン・セラーズ(Shalauri Wine Cellars) ルカツィテリ
オーガニック栽培のルカツィテリを100%使用したオレンジワイン。ジョージア最大のワイン産地カヘティ地方にて、2013年よりワイン造りをスタートさせた「シャラウリ・ワイン・セラーズ」がクヴェヴリ製法にて醸すこだわりの銘柄です。
クヴェヴリに入れたぶどうを天然酵母にて自然発酵させ、果皮・果肉・種とともに6ヶ月間マセラシオンという工程を施します。さらに、種や果皮などの固形物を取り除いた上澄みワインを6ヶ月間熟成したのちにボトリングし、1年以上の瓶熟成を経てようやく世に出される贅沢な1本です。
ナッツ・アプリコット・ドライフルーツを想わせる甘美なアロマが魅力的。口に含めば、酸味とタンニンが織りなすリッチでふくよかな味わいが広がります。
飲み頃温度は14℃程度。飲みごたえのある伝統的なオレンジワインを探している方におすすめです。
クヴェヴリ・ワイン・セラー(Qvevri Wine Cellar) ルカツィテリ・クヴェヴリ
「ジョージア・インターナショナル・ワイン・アワード2017」にて最優秀ジョージアワイン賞を獲得した、実力派の「クヴェヴリ・ワイン・セラー」が造るオレンジワイン。ルカツィテリを100%使用し、伝統のクヴェヴリ製法にて仕立てた上質な1本です。
クヴェヴリ内でじっくりと醸し、熟成を重ねたワインは、濃い飴色の美しい液色が特徴。熟した黄桃やアプリコットを想わせる華やかなアロマが香り立ち、口に含めば、重厚感とミネラル感に凝縮した果実味が溶け込むエレガントな味わいが広がります。
15℃程度の冷やしすぎない温度で飲むのがおすすめ。ぶどうの栽培から醸造まで、手間暇かけて丹念に造られた味わいを、ぜひじっくりと堪能してみてください。
テリアニ・ヴァレー(Teliani Valley) ルカツィテリ クヴェヴリ
ジョージア産オレンジワイン初心者の方でも比較的飲みやすい、ライトボディの「ルカツィテリ クヴェヴリ」。伝統のクヴェヴリ醸造にてルカツィテリを果皮ごとじっくり醸し、熟成させて、ぶどう本来の素朴なおいしさを引き出したきれいな味わいの1本です。
ドライフラワーやナツメグ、トーストしたパンやイーストを連想させる複雑で芳醇なアロマが魅力的。熟した果実味に生き生きとしたタンニンが溶け込み、後口にはナッツの甘い余韻を残します。
皇族一族の命により19世紀に設立された歴史あるワイナリー「テリアニ・ヴァレー」が生み出す上質な香味を、ぜひじっくりと満喫してみてください。ペアリングには、肉や魚のグリル料理、スパイスやハーブを効かせたエスニック料理などがおすすめです。
パパリ・ヴァレー(Papari Valley) スリー クヴェヴリ テラスズ チヌリ ルカツィテリ
ジョージアのカヘティ地方に設立された自然派ワインの新星、「パパリ・ヴァレー」が造るオレンジワイン。ルカツィテリとジョージアの希少品種チヌリをブレンドし、伝統のクヴェヴリにて醸造した、奥行きのある銘柄です。
グラスから立ち上がるのは、甘くフレッシュな果実のアロマにナッツの香ばしさが折り重なる芳醇な香り。口に含むと、濃密な果実味と上質な酸を豊富なタンニンが包み込む、クリーンで厚みのある味わいを感じられます。
フルーティな香味で、中華料理やスパイシーな料理などとのマリアージュを楽しむのがおすすめです。
ボルゴ・サヴァイアン(BORGO SAVAIAN) オレンジワイン アランサット
オレンジワインの入門編におすすめのリーズナブルでコスパのよい銘柄です。造り手は、イタリア・フリウリの家族経営ワイナリー「ボルゴ・サヴァイアン」。ピノ・グリージョをメインに、長期間のマセラシオンにて複雑味を引き出したドライな味わいの1本です。
グラスに注ぐとあらわれるオレンジがかった美しい黄金色の液色に、熟したオレンジやアプリコットを想わせる豊潤なアロマが特徴。口に含めば、ピュアな果実味とともに、丸みを帯びた酸味とタンニンが穏やかに広がります。
飲み頃温度は、渋みをバランスよく味わえる15℃程度。フードペアリングには、スパイシーな料理やチーズ系のソースを添えた魚料理などが好相性です。
グラヴネル(GRAVNER) リボッラ・ジャッラ 2012
イタリア自然派ワインの巨匠ヨスコ・グラヴネルが造るオレンジワインです。リボッラ・ジャッラを素焼きの壺「アンフォラ」に入れ、天然酵母で発酵。アンフォラ内で長期間熟成させたのち、さらに大樽で6年の熟成を経てボトリングされる高級銘柄です。
ぶどうの果実感と複雑味あふれる、滋味深い味わいが魅力的。しっかりとした旨味と豊かなミネラルを感じる力強い飲み口は、とくに、オレンジワイン上級者の方におすすめです。
12~18℃程度の温度で、ぜひじっくりと堪能してみてください。
ロンコ・セヴェロ(RONCO SEVERO) リボッラ・ジャッラ
リボッラ・ジャッラ100%で造られたオレンジワイン。星付きレストランにも採用される人気と実力を兼ね備えたイタリア・フリウリの自然派ワイナリー「ロンコ・セヴェロ」が手がける、ぶどうの旨味が詰まった銘柄です。
長期間のマセラシオンとスラヴォニア大樽での長期熟成を経て引き出されたワインの液色は、濃く艶めく黄金色。熟した果実やドライフルーツ、シトラスの濃厚なアロマが魅惑的に香り立ちます。
口に含むと広がるのは、リボッラ・ジャッラならではのきれいな酸と伸びのあるタンニンが支える奥深い味わい。カラスミパスタやシーフードドリアなどのように、複雑でコクのある料理とのマリアージュを楽しむのがおすすめです。
プリモシッチ(PRIMOSIC) リボッラ ジャッラ リゼルヴァ
イタリア・フリウリ東部のワイン生産地コッリオにて、はじめて瓶詰めワインを造った歴史あるワイナリー「プリモシッチ」のオレンジワイン。リボッラ・ジャッラを開放式の木樽にて醸し、スラヴォニア大樽で長期熟成させた、ボリューム感のある1本です。
透き通るように美しいオレンジの液色に、アカシアの花やブラッドオレンジを想わせる豊かなアロマが特徴。オレンジピールのビターな口あたりに酸と果実味がバランスよく溶け込んで、後口にアプリコットの甘い余韻を残します。
黒でシックにまとめた高級感あふれるボトルデザインは、ワイン好きの方へのプレゼントにもぴったりです。
ルナリア(LUNARIA) マルヴァジア・ビアンカ・オレンジ・アンセストラル・ビオディナミック・ナチュレ・ワイン
ビオディナミ農法を採用する、イタリア最大のワイン生産者協同組合「カンティーナ・オルソーニャ」が造る、ルナリアシリーズのオレンジワイン。ビオディナミ農法にて栽培されたマルヴァジア種を用い、添加物を一切使わずに仕上げた上質なナチュールワインです。
グラスから豊かに立ち上がるのは、香り高いマルヴァジアが放つフリージアやラベンダーの花のアロマや、熟したアプリコット・りんご・ピーチのフルーティなアロマ。口に含むと、ふくよかな果実味をほのかな苦みが引き締めるバランスのよい味わいが広がります。
合わせる料理やおつまみは、魚介類・甲殻類・フォアグラ・熟成チーズなどがおすすめです。
ファビュラス(Fabulas) フォエミネ ピノ・グリージョ
オーガニックワイン好きの方におすすめのオレンジワインです。造り手は、イタリア・アブルッツォ州にあるマジェッラ国立公園内でビオディナミ農法を行う「ファビュラス」。ピノ・グリージョを主体に、アンフォラと木樽で熟成させたこだわりの銘柄です。
グラスに注ぐとあらわれる、淡いルビーの液色と、ハーブ・チェリー・シトラスのさわやかな香りが特徴。さくらんぼを想わせるチャーミングな果実味に軽やかな酸味が折り重なる味わいは、親しみやすく、オレンジワインの入門編にもぴったりです。
ビーニャ・ファレルニア(Vi a Falernia) オレンジ ワイン ヴィオニエ レゼルバ
2人のイタリア人がチリ最北端のエルキ・バレーにて造る「ヴィオニエ レゼルバ」。アロマティック品種であるヴィオニエを通常よりも早めに手摘みし、22日間のマセラシオンを行い仕上げた、淡い黄金色のオレンジワインです。
さまざまな花やドライフラワーを想わせるフローラルな香りが魅力的。口に含めば、複雑でコクと厚みのある味わいが広がり、エレガントな余韻も長く続きます。
クリーンで飲みやすいうえ、比較的リーズナブルでコスパがよいのもうれしいポイント。とくに、オレンジワイン初心者の方におすすめです。
メシムネオス(METHYMNAEOS) オレンジ ドライ・ホワイト・ワイン
ギリシャ・レスボス島土着の黒ぶどう品種チディリオティコを100%使用して造るオレンジワイン。完熟したアプリコットの華やかな香りに、優雅なミネラルとしっかりしたタンニンが印象に残る、ふくよかでアロマティックな銘柄です。
造り手は、古代で最も高価とされていたレスボス島産ワインを現代に復活させた「メシムネオス」。無農薬で栽培したぶどうで丹念に醸造したワインは、チーズやパスタ、魚料理に和食にと幅広い料理と合わせられる柔軟性を備えているのもおすすめポイントです。
なお、本銘柄は黒ぶどうを使用しているため製法上はロゼワインに分類されますが、色調や味わいから生産者によってオレンジワインと謳われています。エレガントなワインを好む方や、個性派のオレンジワインを探している方はぜひチェックしてみてください。
ヴィニョブル・デュ・レヴール(VIGNOBLE DU REVEUR) アン・ナンスタン・シュル・テール
フランス・アルザス地方の自然派ワイナリー「ヴィニョブル・デュ・レヴール」が伝統製法にて造るオレンジワインです。ぶどう品種には、ゲヴュルツトラミネールとピノ・グリをブレンド。アンフォラにて6ヶ月間マセラシオンを行ったリッチな味わいの1本です。
レモンやライムのさわやかな柑橘香に、ライチ・イチゴ・バラの華やかな香りが折り重なる、上品なアロマが特徴。口に含むと、ゲヴュルツトラミネールのまろやかさと、ピノ・グリのコクが豊かに広がります。
ビオディナミ農法によって栽培されたぶどうを使用しているため、原材料にこだわる方にもおすすめ。テーブルで映える、アートのように鮮やかでおしゃれなラベルデザインも魅力のひとつです。
クラメレ・レカシュ(CRMELE RACAS) オレンジ・ナチュラル・ワイン
ルーマニア最大規模の老舗ワイナリー「クラメレ・レカシュ」が造るオレンジワイン。有機栽培のオーガニックなぶどうを天然酵母で醸し、酸化防止剤不使用で仕上げた、ナチュラル志向の方にぴったりの銘柄です。
アプリコットやオレンジピールを想わせるフルーティなアロマに、丸みのあるふくよかな味わいが特徴。タンニンが全体を程よく引き締めるため、さまざまな料理と合わせやすいのもポイントです。
また、比較的リーズナブルでコスパがよいのもメリット。オレンジワイン初心者の方や、親しみやすい香味の銘柄を探している方などにもおすすめです。
ユルチッチ(JURTSCHITSCH) ベレ・ナチュレレ
自然な美女を意味する「ベレ・ナチュレレ」の名を冠したオレンジワインです。名の通りの、美しく艶めくオレンジの液色が魅力的。ぶどう品種には、オーストリア原産のグリューナー・ヴェルトリーナーを100%使用しています。
グラスに注ぐと立ち上がる、グレープフルーツやオレンジのさわやかな柑橘香が好印象。スワリングすると、白桃やあんずの甘くフルーティな香りに、スパイシーな白コショウのニュアンスが溶け込んだ、表情豊かなアロマが広がります。
渋みと酸味のバランスがとれたきれいな味わいなので、さまざまなジャンルの料理と合わせやすいのもおすすめポイント。造り手は、150年以上もの歴史があるオーストリアの名門「ユルチッチ」で品質も良好です。
ロシディ・ワイナリー(Rossidi Winery) ロシディ・オレンジ
2008年にブルガリアで設立された新進気鋭のワイナリー「ロシディ・ワイナリー」が手がけるこだわりのオレンジワイン。天然酵母のみを使用し、ノンフィルターや亜硫酸不使用などと、限りなく自然に任せて造り上げた本格的なナチュールワインです。
アプリコット・カリン・オレンジピールに、ローストしたスパイスや茶葉が折り重なる、芳醇かつ複雑なアロマが特徴。口に含めば、ぶどうの豊かな果実味と生き生きした酸味が心地よく広がり、余韻も長く堪能できます。
とくに、エレガントで繊細な味わいのワインを好む方におすすめ。シーフード系のパスタやグラタンに、チキンソテー、すしや天ぷらなどと幅広い料理とのマリアージュを楽しめるのもうれしいポイントです。
本坊酒造 シャトーマルス 甲州 オランジュ・グリ
甲州100%の旨味を堪能できるオレンジワインです。造り手は、鹿児島県に本社を置く本坊酒造が「四季豊かな日本風土を活かしたワイン造り」を求めて山梨に設立した「マルスワイナリー」。最新設備でぶどうの風味を負荷なく引き出した高品質な国産銘柄です。
グラスから豊かに立ち上がる、洋ナシや白桃の華やかな香りとハチミツや白い花の複雑なアロマが魅力的。口に含むと、生き生きとした果実味にほのかな甘みと渋みが心地よく重なる立体的な味わいが広がります。
ペアリングには、とくに鍋物がおすすめ。ほかにも牡蠣のグラタンや白身魚のムニエル、アヒージョや酢豚など和洋中さまざまなジャンルの料理に合わせて楽しめるため、日々の晩酌にもぴったりです。
ドメーヌレゾン(Domaine Raison) オレンジワイン
サスティナブルをモットーにした北海道富良野のワイナリー「ドメーヌレゾン」が造るオレンジワインです。ぶどう品種には、果皮が厚く穏やかな味わいの甲州を主体に国産のピノ・グリとピノ・グランをブレンド。5日間の醸しで仕上げたライトボディの1本です。
甲州ならではのさわやかな柑橘香と、ほのかに漂うピノ・グリのスパイシーなアロマが魅力的。白ワインのような軽快さと果皮由来の複雑性をバランスよく兼ね備えた味わいは、クセが少なく飲みやすいので、オレンジワインの入門編にもぴったりです。
おすすめのマリアージュは、魚介を使った料理やダシを効かせたおでん、塩気や酸味のあるぬか漬けやマリネなど。やさしい口あたりの国産オレンジワインを探している方は、ぜひチェックしてみてください。
ココ・ファーム・ワイナリー(COCO FARM & WINERY) 2020 甲州F.O.S.
山梨県で契約栽培された甲州種を100%用いて造った「甲州F.O.S.」。ぶどうの粒を潰さないよう約80日間丁寧に醸し続け、果皮や種に含まれる旨味をじっくりと引き出した、滋味深い味わいの国産オレンジワインです。
グラスに注ぐと香り立つのは、柿・⻩桃・ミカンの果実香に、紅茶・クローブ・トーストなどが重なる複雑なアロマ。口に含むと、熟した果実味を、しなやかな酸味と繊細な渋みが引き締める奥行きのある旨味を感じられます。
すぐに飲むのはもちろん、数年寝かせたのちに落ち着いた香味を堪能するのもおすすめ。和食・洋食・中華とさまざまなジャンルの料理に合わせやすい柔軟性を備えているのもうれしいポイントです。
丹波ワイン(TAMBA WINE) デラ・グリ Dela Gris
国内外のワインコンテストで数々の受賞歴がある京都の実力派ワイナリー、「丹波ワイン」が造るオレンジワイン。生食用としても人気のデラウェアを果皮や種ごと醸して造った、フルーティな香りと豊かな果実味を楽しめる1本です。
テーブルで鮮やかに映える、透き通ったオレンジの液色が魅力。グラスからは、フレッシュで甘いアロマと、白い花のフローラルなニュアンスが広がります。
酸味と甘みのバランスがよく、終盤にビターな余韻を残す中辛口の味わいは、鮭やブリをはじめとする脂の乗った焼き魚や甘く味付けした煮物などの和食と好相性。すっきりと飲みやすいので、オレンジワイン初心者の方にもおすすめです。
・1本
・3本セット
番外編:オレンジワインの美味しい飲み方
オレンジワインは、冷やしすぎると渋みが強くでてしまうため注意。白ワインよりもやや高めの温度で飲むのが美味しく味わうポイントです。
甘口タイプやライトボディのオレンジワインなら、適温は10~12℃程度。一方、辛口タイプやフルボディのオレンジワインの場合は、12~16℃程度が飲み頃温度とされています。
また、オレンジワインを飲む際には、ボウル部分に適度なふくらみがあり口元がすぼまっている形状のワイングラスを使うのがおすすめ。香りがグラスのなかに充満するため、芳醇な香味を一層深く堪能できます。
番外編:オレンジワインに合う料理・おつまみ
白ぶどうを果皮や種ごと醸したオレンジワインは、白ワインのフルーティさとアロマティックな香り、赤ワインの渋みをあわせ持っているのが特徴。そのため、白ワインや赤ワインでは成り立ちにくい料理とのマリアージュを堪能できるのが魅力です。
コクのある肉料理とも、脂がのった魚料理とも好相性。醤油や味噌で甘く味付けした煮物やダシを効かせたおでんなどの和食、スパイシーなタイ料理や中華料理と、ジャンルを問わず幅広い料理やおつまみと合わせられるため、日々の晩酌に重宝します。
白ワインのフルーティさと赤ワインの渋みをあわせ持つ、オレンジワイン。独特のコクや複雑味を味わいたい場合には、伝統のクヴェヴリ製法で醸した銘柄やフリウリ土着品種のリボッラ・ジャッラを用いた銘柄などに注目です。ぜひ、お気に入りの1本を見つけて、さまざまな料理とワインのマリアージュを堪能してみてください。