ブドウの搾りかすから造られるイタリアのブランデー「グラッパ」。無色透明のモノから樽熟成によって琥珀色になったモノ、薬草を漬け込んだモノなど多様な商品が流通しています。メーカーごとにこだわりの製法がある場合も多く、飲み比べても楽しめるお酒です。
そこで今回は、グラッパのおすすめをご紹介。気軽に買えるモノから高級なモノまで、幅広くピックアップしました。ぜひ参考にしてみてください。
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グラッパとは?
グラッパは、イタリアで製造されている蒸留酒のひとつです。原料はブドウなので、分類はブランデーの一種。ただし、一般的なブランデーと異なり、ワインを造る際に生じたブドウの搾りかすを使うのが特徴です。国によって呼び方が異なり、フランスでは搾りかすから造るブランデーを「マール」と呼びます。
ブランデーと比べると原料や製法に細かな縛りがなく、造り手の個性を反映しやすいのが特徴。蒸留酒なので、アルコール度数は40%前後と高いお酒です。10世紀ころにはすでに存在していました。当時は上流階級の飲み物であったワインに対して、庶民が楽しめるお酒としてイタリアで親しまれていたとされています。
近年では、有名なワインの造り手とグラッパメーカーがコラボして造られる商品が多く登場。プレミア感のあるグラッパが市場に流通しています。ワイン好きな方から蒸留酒の愛好家まで、食後酒としておすすめです。
グラッパの選び方
飲み方に合った度数と熟成度をチェック
飲み慣れていないなら度数の低いモノがおすすめ
グラッパを選ぶ際はアルコール度数にも注目してみてください。蒸留酒であるグラッパは基本的にアルコール度数の高いお酒です。
市場に流通しているグラッパは、アルコール度数40~48%程度のモノが主流。もし、高いアルコール度数のお酒を飲み慣れていない場合は、グラッパのなかでもなるべくアルコール度数が低い商品を選ぶのがおすすめです。
ストレートで飲むなら熟成タイプを
グラッパの魅力を特に引き出せる飲み方といえば、ストレートです。原料のブドウが持つ芳醇な香りを楽しめるのが魅力。ストレートで楽しむのであれば、熟成を経たグラッパを選ぶと、より複雑な味を体験できます。
グラッパの熟成には、ワインで使うバリック樽などを多く使用することがポイント。なかには、一度ほかのお酒の熟成に使用した古樽を使った商品もあります。熟成する期間も半年程度のモノから、7年程度のモノまでさまざま。なかには20年近い熟成を経た長期熟成グラッパもあるので、注目してみてください。
度数が高いモノもカクテルなら飲みやすく楽しめる
購入したのはいいけれど強くて飲めない方や、グラッパを試してみたいけれどアルコールの強さが気になる方はカクテルを試すのもおすすめです。
注目は「カフェ・コレット」。エスプレッソにグラッパを少しだけ垂らして飲む、イタリア流グラッパの楽しみ方です。コーヒーの香りにグラッパの芳醇な香りが加わり、心地よい飲み口を堪能できます。レストランでは、食後に楽しまれることも多いカクテルです。
炭酸水やトニックウォーターなどで割っても飲みやすくなります。割ることで、グラッパの持つブドウ由来のフルーティーな風味を引き出せるのが魅力。ぜひ、さまざまな飲み方を試して、アルコール度数が高いグラッパのお気に入りの飲み方を探してみてください。
香りや味わいをチェック
グラッパを選ぶ際は、香りや味わいに注目するのがおすすめ。各商品にショップや輸入業者のテイスティングコメントが書かれている場合は、チェックすると味わいの予想が付きます。
薬草を漬け込んでいるタイプにも注目。グラッパ本来の香りに薬草のアロマが溶け込むことで、よりアロマティックな風味を堪能できます。
ラム酒やマディラワインなどの空き樽を利用して熟成を施した商品は、香味がより複雑に仕上がっている場合も。メーカーや商品ごとの香りと味の違いに着目して選んだり、飲み比べたりしてみてください。
ギフトにはボトルのデザインがおしゃれなものが人気
グラッパは通好みのお酒なので、お酒が好きな方やグルメな方へのプレゼントにもぴったり。ギフト用にグラッパを探すなら、ぜひおしゃれなデザインの商品を探してみてください。
例えば、手吹き硝子のボトルに詰められた商品は、飲み終えたあとの容器も活用できてギフトに適しています。木箱に入っている商品も、高級感があって他人へ贈るのにおすすめです。
グラッパのおすすめ
ノニーノ(NONINO) グラッパ・モノヴィティーニョ・シャルドネ・バリック
現在のグラッパの礎を築いたメーカーのアイテムです。1897年にフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州で創業したノニーノは、1973年には品質の優れた単一品種のブドウの搾りかすを伝統的単式蒸留器で蒸留。芳醇なグラッパを美しいボトルに詰めて発売し、従来のグラッパのイメージを覆したといわれる造り手です。
本商品はシャルドネの搾りかすを蒸留。バリック樽で12ヵ月熟成させています。色合いは薄い琥珀色。パンやバニラ、ペーストリー生地のような華麗な香りと、チョコレートやアーモンドのようなニュアンスを感じられると表現されています。
容量は700mlです。ストレートで楽しむことにより、熟成されたアロマを堪能できる1本。グラッパに初挑戦したい方はチェックしてみてください。
ナルディーニ(NARDINI) グラッパ ルータ
ハーブを漬け込んだ、アロマティックなグラッパ。グラッパに、ガルダ湖周辺で栽培されているルータと呼ばれる薬草を漬け込んで風味をプラスした1本です。使用しているブドウはメルロー・カベルネソーヴィニヨン・ピノビアンコ・フリウラーナ。ルータの色が液体に移り、緑がかっているのが特徴です。
ルータ由来の薬草香が感じられるのがポイント。ドライでパンチのある味わい、後味にはわずかに苦みが残ります。
内容量は1L。ナルディーニはグラッパの名門メーカーで、イタリアのバールではどこでも見かけるブランドともいわれています。薬草の豊かな香りとグラッパの香りのマリアージュを堪能したい方におすすめです。
デッラ・ヴァーレ(Dellavalle) グラッパ15年
ワイン造りの知識と高い蒸留技術を兼ね備えたメーカーが手がけるグラッパです。ピエモンテ州モンフェラート地区のバルベーラを100%使用しています。単式蒸留で蒸留し、アリエかリムーザンの新樽で10年熟成を行ったあと、さらに300Lのスラヴォニア産の樽で5年追加熟成しているのが特徴です。
輝きのあるブラウン色。味わいは洗練されており、スパイス・ドライフルーツ・レーズンのニュアンスをまとっているとうたわれています。力強く余韻のあるボディにも注目して楽しんでみてください。アルコール度数は42%です。容量は700ml。味わい深いグラッパを飲みたい方におすすめの1本です。
デッラ・ヴァーレ(Dellavalle) グラッパ デメララ・ラム・カスク
ラム酒の樽を使って造られたグラッパです。ピエモンテ州モンフェラート地区のバルベーラを100%使用。単式蒸留で蒸留したあと、アリエ樽で8年、さらに南米ガイアナのデメララ川沿いで造られるデメララ・ラムの古樽で2年熟成を行っています。濃い琥珀色の液体が美しい1本です。
味わいは、ダークチョコレート・アーモンド・キャラメル・バニラ・バナナのニュアンスを持ち、甘い香りが印象に残ります。力強さがありつつも、洗練されておりじっくり味わいたいお酒です。
アルコール度数は42%で、容量は700ml。長い熟成によって育まれたアロマを楽しむためにストレートがおすすめですが、オン・ザロックでもおいしく楽しめます。ドライフルーツやダークチョコレート、クッキーをおつまみにして楽しんでみてください。
テヌータ・ルーチェ(TENUTA LUCE) ルーチェ・グラッパ
トスカーナ州フィレンツェのワイン生産者・フレスコバルディとグラッパの造り手であるポリ家がタッグを組んだグラッパです。フランス産オーク樽による熟成によって、洗練されたアロマを持つエレガントな1本。ブドウの品種は、メルローを主体にサンジョヴェーゼも加わっています。
アルコール度数は40%。ドライフルーツの入ったパン・シナモン・ナツメグ・蜂蜜・南国果実など、複雑な香りが楽しめるとうたわれています。食後酒としてぴったりの1本です。名門同士が協力して生み出されたグラッパに興味のある方はチェックしてみてください。
白百合醸造 ロリアン 内田葡萄焼酒 甲州
日本で造られている希少なグラッパ。山梨県産の甲州種ブドウの果皮を蒸留した商品です。アルコール度数は40%。個性的な香りでアルコール度数が高く、食後酒としてぴったりです。ストレート・ロック・水割りなど、さまざまな飲み方で試してみてください。
容量は200mlと比較的少ないため、お試しで購入するグラッパとしてもおすすめです。シンプルで洗練されたパッケージなので、ちょっとした手土産にも適しています。
同醸造所は、昭和13年に山梨県で創業。以来、家族経営で情熱にあふれたワインを生み出す造り手として知られています。あまり見かけない国産グラッパを試してみたい方におすすめの1本です。
ディスティッレリア・ピルツァー(Distilleria Pilzer srl) グラッパ・ディ・モスカート・ローザ 手吹き硝子瓶
トレンティーノ・アルト・アディジェ州の造り手が手がけた、特徴的な手吹き硝子のボトルに詰められたグラッパです。モスカート・ローザを100%使用。バラの花びらのような繊細な香りやスパイスが印象に残るグラッパです。複雑な花の香りを余韻にまで残します。
味わいは非常に繊細でエレガント。終始飲み心地のよさが続きます。アルコール度数は43%。飲み頃の温度は18℃です。美しい手吹き硝子のボトルデザインは、キャビネットを彩るお酒としてはもちろん、ギフト用としてもおすすめ。お酒が好きな方へのプレゼントとしても検討してみてください。
ガヤ(GAJA) グラッパ スペルス
イタリアワインの世界で「帝王」と呼ばれるガヤが、ワインの搾りかすを使用して造っているグラッパです。バローロのなかで特に優れた畑であるセッラルンガで栽培されたネッビオーロを使用。なめらかな口当たりと、濃厚で甘みを含む風味、余韻に広がるかすかな苦みのバランスが楽しめます。
濃密さと力強さを兼ね備えた、飲み応えのある味わいです。液色は美しい黄金色。アルコール度数は45%です。容量は500ml。イタリアワインが好きな方はもちろん、ギフトにも適したぜいたくな1本です。希少なグラッパを試してみたい方はチェックしてみてください。
ロレダン ガスパリーニ(Loredan Gasparini) グラッパ ディ カーポ ディ スタート
無色透明のグラッパです。熟成を経ていませんが、アーモンド・赤みのあるベリー・スグリを思わせる、フルーティーなアロマを堪能できます。しっかりとしたボディを持ちながら、エレガントで繊細な味わいが楽しめるのも特徴です。
ほかにも、白い花・ハーブ・チョコレート・リコリスといった多様なニュアンスが感じられる、複雑でユニークなグラッパとして紹介されています。使用しているブドウも、カベルネソーヴィニョン・カベルネフラン・メルロー・マルベックと複数種をブレンドしているのがポイントです。
アルコール度数は48%で、容量は500ml。熟成していないグラッパの芳醇さを感じてみたい方におすすめです。
マローロ(MAROLO) グラッパ・ディ・ネッビオーロ
ロエロ地区のバローロとバルバレスコの搾りかすから造られたグラッパです。オーク樽で6ヵ月間熟成。琥珀色の液体が魅力的で、やさしい樽の香りを楽しめる1本です。ブドウの品種はネッビオーロ。容量は700mlです。
アルコール度数は44%。手がけているのは、イタリア・ピエモンテ州の生産者です。土地の個性をお酒に表現するのが得意な造り手とされており、職人による技と樽による熟成によって魅惑のグラッパが生み出されます。やわらかいグラッパを味わってみたい方におすすめの1本です。
サン・マルツァーノ(San Marzano) セッサンタアンニ グラッパ・ディ・プリミティーヴォ
プーリア州の土着品種・プリミティーヴォを使ったグラッパです。熟したアプリコット・サクランボ・ドライフルーツを思わせるフルーティーさと、ココアやバニラのような複雑な香りが楽しめる1本。口当たりはやさしく気品があり、余韻の長さが魅力のグラッパです。
容量は500ml。アルコール度数は40%です。フレンチバリックの新樽で10ヵ月熟成させています。年間に4000本のみ造られるグラッパです。
手がけているのは、南イタリアでモダンなスタイルのワインを生産している「サン・マルツァーノ」。土着品種を使った希少なグラッパを味わってみたい方におすすめです。
ベルタ(BERTA) トレ ソーリ トレ グラッパ ディ ネッビオーロ
バローロやバルバレスコのネッビオーロを原料にしています。搾りかすは、ラ・モッラやモンフォルテダルバのバローロ生産者から調達。ていねいに蒸留したあと、軽くトーストしたアリエ・トロンセ産の225Lバリック樽で7年と3ヵ月熟成しています。
グラッパとしては長い熟成によって、美しい琥珀色の液体に。黒スグリ・アプリコット・マラスカ・チェリーといった芳醇なフルーツ香に、カカオやバニラの複雑な香りが広がる1本です。
アルコール度数は43%。内容量は700mlです。非常に緻密な作業によって生み出されたベルタのヴィンテージグラッパ。ストレートでじっくりと向き合えるグラッパを探している方におすすめです。
ベルタ(BERTA) パオロ ベルタ セレツィオーネ デル フォンダトーレ
ベルタの創設者であるパオロ・ベルタ氏にささげるために造られた、スペシャルなグラッパです。バルベラ・ダスティのバローロワイン用ネッビオーロを蒸留。軽くトーストしたアリエ・トロンセ産のバリック樽で、19年3ヵ月にわたって熟成しています。
非常に長い時間をかけて熟成しているのが特徴。複雑なグラッパに仕上がっています。熟した果実・たばこ・カカオ・バニラが調和した美しいアロマ。豊かな飲み口で、飲み応えのある味わいを堪能できるとうたわれている商品です。
ベルタはイタリアのレストランでも必ずといっていいほどオンリストされる、高級グラッパの代名詞。なかでも特に力を入れた1本として注目したいグラッパです。
ポーリ(POLI) グラッパ ディ サッシカイア
ヴェネト州スキアヴォンにある老舗グラッパメーカーのグラッパです。職人の技で少量生産されています。バリック樽で4年間、さらにサッシカイアの熟成に使用したバリック樽で6ヵ月間熟成しているのが特徴。樽・バニラ・カカオ・コーヒー・リコリスのアロマを堪能できるとうたわれています。
フルボディで複雑さがあり、飲み応えもあるグラッパです。アルコール度数は40%。容量は500mlです。18~20℃の温度で、チューリップ型のグラスを使って飲むのがおすすめ。ポーリはほかにもさまざまなグラッパを手がけているので、気になるモノを選んでみてください。
シボーナ(SIBONA) グラッパ・マディラ・フィニッシュ
イタリア・ピエモンテ州の老舗グラッパメーカーが手がけたグラッパです。同メーカーは、ピエモンテでも特に古い蒸留所。単一品種でのグラッパ造りにこだわっているのが特徴です。使用される搾りかすは鮮度のよいモノを厳選。選別された原料は、熟練の技によって蒸留され、優れたグラッパへ仕上がります。
本商品は有名なマディラワインの熟成に使用された樽を用いて18ヵ月以上熟成。使用している品種はモスカートです。樽で熟成されたグラッパの持つ複雑な風味と、マディラ樽由来の酸味も楽しめます。
容量は500ml。アルコール度数は44%です。ストレートで飲むのがおすすめ。冷やしすぎないようにすることで、優れたグラッパの香りを存分に味わえます。
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番外編:グラッパ専用のグラスで飲むのもおすすめ
グラッパには専用のグラスが存在します。グラッパグラスは揮発しにくい小さなボウルを持つのが特徴。アルコールの角が立ちにくく、なめらかさを楽しめるのがポイントです。液体が舌先に細く流れ込むことで、フルーティーでフローラルな要素を捉えやすくなるともいわれています。
商品によってはバルーングラスが推奨される場合も。グラスの4分の1程度、余裕をもって液体を注ぐことで、飲む前にグラッパの香りを広げてポテンシャルを感じられます。グラッパをより楽しむためにも、商品に合わせてグラスを選んでみてください。
ツヴィーゼル(ZWIESEL) バースペシャル グラッパ
グラッパ専用の小さなボウルのグラスです。生産国はドイツ。材質はトリタンクリスタルです。容量は113ml。口元がラッパのように広がっており、グラッパの個性を口の中と鼻先に届ける形状です。
食器洗浄機に対応しているのもうれしいポイント。メーカーのツヴィーゼルは1872年の創業の老舗グラスメーカーです。
長い歴史のなかで、時代の求めるグラスを作り続けてきたのが特徴。バースペシャルシリーズは、バーでも使い勝手のよい本格的なグラスをそろえています。グラッパ専用に作られたグラスを探している方におすすめの1脚です。
木村硝子店 タサキ 熟成ブランデー S 12oz
長期熟成したグラッパを楽しむためのグラスです。ソムリエの田崎真也氏がデザインしたシリーズ。熟成したグラッパの持つ多層的な香りを、大きなボウル内で花を開かせる効果が期待できる形状です。
熟成した蒸留酒のポテンシャルを引き出すため、グラッパはもちろん、ほかのブランデーやウイスキーにも使えるのがポイント。樽で寝かせたグラッパの真価を感じたい方におすすめのグラッパグラスです。
グラッパにはさまざまなメーカーや種類が存在します。グラッパの魅力と向き合いたい方は、ストレートでも楽しめる熟成した商品を。蒸留酒を飲み慣れていない方は、度数の低いモノやカクテルでも楽しめる1本を探すのがおすすめです。慣れてきたら複数の種類を飲み比べて、お気に入りの1本を見つけてみてください。