お酒好きな方のなかで毎年恒例のイベントとなっている「ボジョレーヌーボー」の解禁。今年の出来を楽しみにしている方も多く、ワインの空輸シーンが報道されると、そろそろ店舗や飲食店に並び出す合図となっています。

今回はボジョレーヌーボーのおすすめ銘柄をご紹介。歴史や製法、種類などはもちろん、選び方についても解説するので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。

ボジョレーヌーボーとは?

「ボジョレーヌーボー」とはフランス・ボジョレー地方の新酒ワインのこと。9月に収穫されたブドウを11月の出荷までのわずか2ヶ月で製造するのが特徴です。タイプとしては赤ワインがメインで、同地区を代表するガメイ種を使用。なお、ロゼもありますが、白ワインはありません。

なお、ボジョレーワインの定義は、フランス独自の認定方式である「Appellation d’Origine Controlee(アペラシオン・ドリジヌ・コントローレ)」で非常に細かく規定されています。「AOC」と省略されることも多いですが、2008年にヨーロッパのワイン法が改訂され、「AOP(Appelation d’Origin Protegee)」と表記されることもあります。

ボジョレーヌーボーの歴史

ボジョレーヌーボーはもともと同地域のブドウの収穫を祝うためにスタートした試飲イベント。できたてのフレッシュなワインが飲めるとあって評判となり、フランス全土に広がっていったと言われています。しかし、知名度アップとともに、早摘みのブドウなどを使用した粗悪なワインも流通。先行発売して利益を得ようとする業者が増加したため、問題となりました。

危機感を感じたフランス政府は1960年代にテコ入れをし、品質維持のために解禁日を制定。現在にも受け継がれています。

ボジョレーヌーボーの解禁日

ボジョレーヌーボーの2019年の解禁日は11月21日(木)です。今でこそ「毎年11月の第3木曜日」ですが、当初はカトリックの祝日「聖マルティヌスの日」である11月11日でした。しかし、11月11日はのちに第一次世界大戦の休戦記念日となったため、解禁日は変更され、近しい11月15日の祝日である「聖タルベールの日」に制定されました。

ただし、11月15日だと年によって曜日変更が発生し、商売に影響することが分かり議論に。そこで、フランス政府は1984年にボジョレーヌーボーの解禁日を「毎年11月の第3木曜日」に決定し、落ち着いたといわれています。

ボジョレーヌーボーの製法

一般的なワインは収穫したブドウを樽やタンクに入れてじっくり熟成させますが、ボジョレーヌーボーの場合は収穫したブドウを密閉式のステンレスタンクの中に入れ、アルコール発酵によって発生した炭酸ガスの中に数日間置く「マセラシオン・カルボニック(炭酸ガス浸潤法)」という方法を用いています。

そもそもボジョレーヌーボーはフレッシュさを味わうのが醍醐味。そのため、長期的に保存することを目的としておらず、醸造も短期間で仕上げています。

なお、ワインの色合いとしては鮮やかな色素が抽出され、味わいとしてはブドウの種に含まれる「タンニン」が少ないのもポイント。飲み口は軽く、渋みが控えめなのも特徴です。

ボジョレーヌーボーの種類

「ボジョレーヌーボー」とはガメイ種を使用したフランス・ボジョレー地方の新酒ワインのことですが、なかでも、フランスの法規制「AOC」によってランクが分かれています。

ランクの基準は地区・村・畑によって定められており、それぞれシュペリュール・ヴィラージュ・クリュと呼称。特定の条件がないボジョレーのほうがより安価で、生産地が具体的に示されているボジョレーのほうが高価になります。なお、市場に出回る流通量としては無表記のボジョレーとボジョレーヴィラージュの2タイプが豊富。興味がある方はぜひ飲み比べてみてください。

ボジョレーヌーボー

スタンダードなボジョレーヌーボーは、ボジョレー全域で醸造されたワインのこと。原料にガメイ種を使用し、赤ワインとロゼのみ生産されています。表記としては文頭にワイナリーの名前がきて、最後に年数が表記されます。なかには数年前の製品もボジョレーヌーボーとして流通している場合もあるので、今年の新酒と混同しないように注意しましょう。

ボジョレーヴィラージュヌーボー

フランスにおけるワインの法律「AOC」によって管理されているボジョレーヌーボーの生産地96ヶ村のうち、同エリアの北部に位置する38の村で栽培されたガメイ種をブドウを原料としたものを「ボジョレーヴィラージュヌーボー」と言います。

無記名のボジョレーよりもアルコール度数や糖度に細かな規定が設けられており、より高品質として知られているのが特徴。一般的なボジョレーヌーボーよりも凝縮感があり、総じて味わいに力強さがあると評されています。

ボジョレーヌーボーの選び方

価格で選ぶ

スタンダードなボジョレーヌーボーの価格相場は2000〜2500円程度。一方、ワンランク上のボジョレーヴィラージュヌーボーの価格相場は2500円以上で、なかには3000円台、5000円台、ハイエンドクラスのボトルであれば1万円以上の銘柄もあります。

なお、安価なタイプは開けやすいスクリュータイプが多いですが、高級品になればなるほど通常のワインと同じくコルク栓仕様となっていることが多いので、その点は留意しておきましょう。

有名なワイナリーから選ぶ

ボジョレーヌーボーは比較的リーズナブルな価格帯ですが、有名無名を問わずさまざまなワイナリーが関わっています。著名なところでは「ジョルジュ・デュブッフ」は、フランスで大規模のワイン流通量を取り扱うワイン商人のひとり。また、最高品質のボージョレワインを造ることを目的に創業した「アンリ・フェッシ」や5つのワインジャンルを管轄する「アルベール・ビショー」はブルゴーニュの名門として知られています。

なお、3つのワイナリーそれぞれが大手酒造メーカーと連携しており、日本で買いやすいのもポイント。ジョルジュ・デュブエフはサントリー、アンリ・フェッシはアサヒ、アルベール・ビショーはキリンからボジョレーヌーボーをリリースしています。

なお、「エノテカ」や「ヴィノスやまざき」など国内のワイン専門店との繋がりが強いワイナリーや、有名なレストランと関わりある造り手がリリースしている銘柄もあるので、興味がある方は細かくチェックしてみましょう。

食事やおつまみに合わせて選ぶ

通常の赤ワインであれば渋みのもととなるタンニンとのバランスを考慮して、肉料理や味が濃い料理に合わせます。しかし、ボジョレーヌーボーに関しては飲み口は軽く、渋みも控えめなので、白ワインとの相性がよい料理と楽しむのがおすすめです。

具体的には魚料理や素材の味わいがいかされたシンプルな料理などで、カルパッチョやサラダ、オードブルなどが最適。飲み方としては冷蔵庫で1時間程度冷やし、10~12℃が飲み頃の目安といわれています。ぜひ参考にしてみてください。

ボジョレーヌーボーのおすすめ銘柄|ボジョレー

ジョルジュ・デュブッフ(GEORGES DUBOEUF) ボジョレーヌーボー 2019

ジョルジュ・デュブッフ(GEORGES DUBOEUF) ボジョレーヌーボー 2019

「ボジョレーの帝王」と表されるジョルジュ・デュブッフ氏が手がけるボジョレーヌーボー。フレッシュでフルーティな味わいを堪能できるのが特徴で、バランスの取れた1本に仕上がっています。

ラベルにはバラやダリア、ひなげしなどの花があしらわれており、ブーケのような華やかなイメージにデザインされているのもポイント。ラインナップとしてはロゼやスパークリングなども揃っているので、興味がある方はぜひ飲み比べてみてください。

アンリ・フェッシ(Henry Fessy) ボジョレーヌーボー 2019

アンリ・フェッシ(Henry Fessy) ボジョレーヌーボー 2019

上質なワインを醸造しているアンリ・フェッシ社のボジョレーヌーボー。1888年の創業以来、手摘み収穫と昔ながらの製法にこだわっており、歴史と伝統を重じているのが特徴です。

見た目は鮮やかなルビーレッドで、ストロベリーのようなフルーティな香りを楽しめるのが特徴。口当たりは優しいものの、しっかりとした果実感があるのもポイントです。

ジル・ド・ラモア(Giles de Lamoire) ボジョレーヌーボー 2019

ジル・ド・ラモア(Giles de Lamoire) ボジョレーヌーボー 2019

ピュアでナチュラルなワインを手掛けている「ジル・ド・ラモア」のボジョレーヌーボー。味わいのバランスが整っている1本で、豊かでフレッシュな果実味を堪能できるのが特徴です。

ボジョレーヌーボーの製法としては「マセラシオン・カルボニック」が一般的ですが、本銘柄はブドウの自重だけで炭酸ガスを発生させる「マセラシオン・ナチュレ方式」を採用。これにより、しっかりとしたコクが感じられるのも魅力です。

ドメーヌ・ルー・ペール・エ・フィス(DOMAINE ROUX PERE ET FILS) ボジョレーヌーボー 2019

ドメーヌ・ルー・ペール・エ・フィス(DOMAINE ROUX PERE ET FILS) ボジョレーヌーボー 2019

ブルゴーニュ地方のほぼ全域のワインを造っている一大生産者「ドメーヌ・ルー・ペール・エ・フィス」のボジョレーヌーボー。各国の有名ホテルやレストランはもちろん、航空会社に提供されるなど、多くのファンに愛飲されているのが特徴です。

鮮やかな輝きのあるルビー色や爽やかな果実の香りが楽しめるのもポイント。飲み応えのあるボジョレーヌーボーを探している方におすすめの1本です。

アルベール・ビショー(Albert Bichot) ボジョレーヌーボー 2019

アルベール・ビショー(Albert Bichot) ボジョレーヌーボー 2019

ブルゴーニュ地方の名門として知られる「アルベール・ビショー」のボジョレーヌーボー。同社は栽培や醸造がしっかりとしており、ブルゴーニュの主要産地に畑を多く所有しながら、それぞれ独立したチーム体制で品質を管理しているのが特徴です。

本銘柄のテイストとしてはストロベリーやラズベリーなどのベリー系の味わいが感じられるほか、バナナやスミレの花のような甘い香りが楽しめるのもポイント。ラインナップしては通常ボトルのほか、酸化防止剤無添加やロゼも揃っているので、興味がある方は併せてチェックしておきましょう。

ボジョレーヌーボーのおすすめ銘柄|ボジョレーヴィラージュヌーボー

ジョルジュ・デュブッフ(GEORGES DUBOEUF) ボジョレーヴィラージュヌーボー 2019

ジョルジュ・デュブッフ(GEORGES DUBOEUF) ボジョレーヴィラージュヌーボー 2019

ボジョレー地区の北部38村のなかでも特に良質のブドウが採れるヴィラージュのボジョレーヌーボー。繊細な香りと華やかな味わいを堪能できるのが特徴です。

ボトルに散りばめられた花はフランス国旗をイミテートした赤白青のトリコロールカラーを採用。解禁日に合わせてボジョレーヌーボーを楽しみたい方はぜひおさえておきましょう。

ジョルジュ・デュブッフ(GEORGES DUBOEUF) ボジョレーヴィラージュヌーボー セレクション プリュス 2019

ジョルジュ・デュブッフ(GEORGES DUBOEUF) ボジョレーヴィラージュヌーボー セレクション プリュス 2019

厳選されたブドウから造られたヴィラージュのボジョレーヌーボー。味わいとしてはミディアムボティで、飲み応えがあるのが特徴です。

ジョルジュ・デュブッフのボジョレーヌーボーのなかではハイエンドクラスの1本で、培ってきた技を惜しみなく披露しているのもポイント。凝縮された味わいで、深みが感じられるのも魅力です。

ジョルジュ・デュブッフ(GEORGES DUBOEUF) ドメーヌ ド ラ コルティエール ボジョレーヴィラージュヌーボー 2019 オーガニック ヴィエイユヴィーニュ

ジョルジュ・デュブッフ(GEORGES DUBOEUF) ドメーヌ ド ラ コルティエール ボジョレーヴィラージュヌーボー 2019 オーガニック ヴィエイユヴィーニュ

フルーティでまろやかなテイストが楽しめるヴィラージュのボジョレーヌーボー。「ボジョレーの帝王」と称されるジョルジュ・デュブッフ氏が信頼を寄せる「コルティエール」が醸造元となっており、本銘柄はオーガニックワインに属する1本です。

有機農法で大切に育てられたヴィエイユヴィーニュ(古木)から育ったブドウを採用しており、果実味が充実しているのもポイント。自然由来の環境下で丁寧に醸造され、安心・安全に配慮しているのも魅力です。

アンリ・フェッシ(Henry Fessy) ボジョレーヴィラージュヌーボー 2019

アンリ・フェッシ(Henry Fessy) ボジョレーヴィラージュヌーボー 2019

深みのある赤紫色が特徴のヴィラージュのボジョレーヌーボー。ブラックベリーのような豊かな香りが堪能できるほか、口に含むと果実味が広がり、心地よいコクと、タンニンの渋みをしっかりと感じられるのが特徴です。

低価格帯のボジョレーヌーボーと比べてやや飲み応えがあるのもポイント。ワイン通の方はもちろん、普段あまりワインを飲まれてない方もぜひ飲み比べてみてください。

アンリ・フェッシ(Henry Fessy) シャトー デ レイシエール ボジョレーヴィラージュヌーボー 2019

アンリ・フェッシ(Henry Fessy) シャトー デ レイシエール ボジョレーヴィラージュヌーボー 2019

製造元のアンリ・フェッシが保有するシャトーなかでも高品質なブドウを採用したボジョレーヴィラージュヌーボー。ワイングラスに注ぐと深い紫色が垣間見え、艶やかさが感じられるのが特徴です。

また、ブラックベリーのような凝縮された果実香が楽しめるのもポイント。口に含むと味わいが広がり、フィニッシュにはやわらかなタンニンの余韻が感じられるのも魅力です。

アン・ フェッシ(Henry Fessy) ボジョレーヴィラージュヌーボー オマージュ ア アンリ 2019

アン・ フェッシ(Henry Fessy) ボジョレーヴィラージュヌーボー オマージュ ア アンリ 2019

平均樹齢80年(一部100年)の古木からなるブドウを厳選して使用したヴィラージュのボジョレーヌーボー。製造元のアンリ・フェッシの自社畑で土壌深く伸びた根の影響によって味わいのあるブドウに仕上がっており、ワインもより深みのあるテイストを楽しめます。

なお、銘柄名の「オマージュ ア アンリ」とは「アンリへの敬意」という意味。価格帯としても通常のボジョレーヌーボーよりもワンランク上なので、ぜひ違いを堪能してみてください。

アンリ・フェッシ(Henry Fessy) ボジョレーヴィラージュヌーボー アンフォゲッタブル 2019

アンリ・フェッシ(Henry Fessy) ボジョレーヴィラージュヌーボー アンフォゲッタブル 2019

ボジョレー地方の北部に位置するヴィラージュのエリアのなかでもさらに北部に位置する村のブドウを使用したボジョレーヌーボー。さらに、原料のブドウのなかには、45°の急斜面に植えられた樹齢50年にもなる古樹のブドウも含まれており、かなり品質にこだわっているのが特徴です。

テイストとしてはフルーティな香りほか、口当たりが柔らかいのも魅力。フレッシュかつまろやかな味わいを楽しめるおすすめの1本です。

タイユヴァン(taillevent) ボジョレーヴィラージュヌーボー ヴィエイユ ヴィーニュ 2019

タイユヴァン(taillevent) ボジョレーヴィラージュヌーボー ヴィエイユ ヴィーニュ 2019

1946年にパリにオープンしたレストラン「タイユヴァン」がセレクトしたヴィラージュのボジョレーヌーボー。同レストランはワインの目利きに定評があり、一目置かれる存在として知られています。

本銘柄はフレッシュさを感じるのが特徴。飲み口としてはライトボディですが、樹齢50年の古木のブドウから造られており、しっかりとコクが感じられるのもポイントです。合わせる料理としては軽めの前菜はもちろん、比較的濃い味の料理もおすすめ。ぜひディナーで飲みたい1本です。

タイユヴァン(taillevent) ボジョレーヴィラージュヌーボー ラ グランド キュヴェ 2019

タイユヴァン(taillevent) ボジョレーヴィラージュヌーボー ラ グランド キュヴェ 2019

ボジョレーヌーボーとしてはハイエンドクラスに位置するヴィラージュ。食とワインとの調和を哲学とするフランス・パリで有名なレストラン「タイユヴァン」がセレクトした1本で、専用木箱入りと高級感があるのが特徴です。

造り手のドメーヌ・デ・ニュグ氏はボージョレ地方で著名な生産者で、質の高い土壌の畑から生まれるブドウは豊潤な香りと濃厚な味わいを持ち合わせているのが特徴。ボジョレーヌーボーで使うガメイ種に関しても極力自然な状態での栽培を心掛け、長期熟成も可能なしっかりしたブドウに仕上がっています。満足度の高い1本を求めている方はぜひチェックしておきましょう。

ジル・ド・ラモア(Giles de Lamoire) ボジョレーヴィラージュヌーボー ゴールド 2019

ジル・ド・ラモア(Giles de Lamoire) ボジョレーヴィラージュヌーボー ゴールド 2019

ブルゴーニュ地方の全土からブドウを買い付けて、さまざまなワインを生産している「ジル・ド・ラモア」のヴィラージュのボジョレーヌーボー。ボトルデザインはゴールドをあしらっており、パーティーで映える1本に仕上がっています。

グラスに注ぐと透き通るような明るいルビーレッドが艶やかに輝くのもポイント。味わいに関しては樹齢50~55年の古木のブドウを採用しており、熟したバナナのような香りや、ブラックベリーのようなさわやかな味わいを楽しめるのも特徴です。

アルベール・ビショー(Albert Bichot) ボジョレーヴィラージュヌーボー 2019

アルベール・ビショー(Albert Bichot) ボジョレーヴィラージュヌーボー 2019

1831年創立の「アルベール・ビショー」のボジョレーヴィラージュヌーボー。特に赤ワインが有名で、ブルゴーニュ地方を代表するワインの造り手として知られています。

本銘柄はボージョレ北部の優良な区画から産出されたブドウを採用。ブラックチェリーを思わせるような香りが感じられ、口に含むと凝縮感のある味わいを堪能できます。同社からはスタンダードなボジョレーヌーボーもリリースされているので、興味がある方はぜひ飲み比べてみてください。