日本酒通のみならず、初心者にも飲みやすいスッキリとした味わいが魅力の辛口の日本酒。なかには、辛口のさらに上をいく「超辛口」の日本酒と呼ばれるモノも存在します。

超辛口とは、舌がヒリヒリするような刺激の強さではなく、甘みの少ない日本酒のこと。甘み以外のコクやキレ、風味などは、銘柄ごとに大きく異なるため、同じ「超辛口」であってもさまざまな味わいがあります。今回は超辛口の日本酒のおすすめ銘柄をご紹介。あわせて選び方についても解説します。

日本酒の辛さの基準は?

日本酒のなかでも、糖度の低い銘柄は辛口に分類されますが、その程度を見極めるうえで参考となるのが、「日本酒度」と「酸度」という指標です。日本酒度は、プラスであるほど辛口で糖度が低く、マイナスであるほど甘口で糖度が高いことを表しています。

辛さの基準は、日本酒度-1.4〜+1.4が普通、+1.5~3.4がやや辛口、+3.5〜5.9が辛口、+6.0以上が大辛口とするのが一般的。さらに、+10を超える日本酒は「超辛口」と呼ばれることが多く、なかには+20を超える銘柄もあります。

一方、酸度は、日本酒に含まれる乳酸・コハク酸・リンゴ酸など、有機酸の量の指標です。日本酒における酸は、キレや旨みを与える成分。概ね0.5~3.0程度の数値で、酸度が高いほど濃厚な辛口に、低いほど滑らかな甘口に感じると言われています。日本酒度の高さと合わせて、酸度もチェックしておくのがおすすめです。

超辛口の日本酒おすすめ銘柄

亀の井酒造 くどき上手 純吟辛口

亀の井酒造 くどき上手 純吟辛口

まろやかな味わいとキレのある後味が特徴の「くどき上手」。原料は岡山県の酒造好適米、雄町米を100%使用しています。ふくよかな旨みと深いコクが特徴の酒米で、精米歩合は50%。華やかな香りが堪能できる超辛口の日本酒です。

日本酒度は+10で、キレやコクに表れる酸度とのバランスに優れています。食事にも合わせやすく、特に魚介類などのさっぱりとした料理におすすめです。本銘柄は、山形県で1875年に創業した老舗蔵元、亀の井酒造が製造する超辛口。浮世絵風のラベルが美しく、贈り物としても最適です。

亀の井酒造 くどき上手 ばくれん 吟醸酒 超辛口

亀の井酒造 くどき上手 ばくれん 吟醸酒 超辛口

「くどき上手 ばくれん」は、多くの辛口ファンから愛されている超辛口の日本酒です。シャープな飲み口と、ほのかに香る華やかな吟醸香が魅力。日本酒度+20は辛口の極みとも言える辛さですが、刺激的な飲み口だけではなく、まろやかさと爽やかさ、力強さのバランスに優れた心地よい味わいです。

醸造する亀の井酒造は、県内でもトップクラスといわれる、200坪以上の貯酒・貯蔵用の冷蔵設備を導入。徹底した品質管理のもと、丁寧に醸された超辛口の日本酒です。また、取り扱いが可能な特約店は全国でも10軒程度。希少価値の高い日本酒としても知られています。

今西清兵衛商店 春鹿 純米 超辛口

今西清兵衛商店 春鹿 純米 超辛口

奈良県で誕生した、超辛口の元祖ともいわれる日本酒「春鹿」。米と米麹のみを原料とした、日本酒度+12の純米酒です。米本来の力強い旨みと、キレのあるのど越しが堪能できます。また、雑味の少ない軽快な飲み口で、食中酒としても最適な超辛口。さまざまな料理と一緒に楽しめますが、鶏肉や魚介類、蕎麦などが特におすすめです。

本銘柄は、奈良県に蔵を構える今西清兵衛商店が、30年以上前に初めて「超辛口」の文字を冠して販売しました。現在では、日本国内のみらなず、世界十数ヵ国に輸出されており、多くの人々に愛飲されています。冷酒にするとより軽やか飲み口が、燗にするとより強い旨みが引き立ち、好みの温度で楽しめるのも魅力です。

土佐鶴酒造 土佐鶴 特別本醸造 超辛口

土佐鶴酒造 土佐鶴 特別本醸造 超辛口

爽やかな香りとスッキリとしたのど越しが魅力。雑味の少ないキレのある飲み口で、日本酒度+12の力強い味わいながら、料理の味を引き立てる食中酒としてもおすすめ。さまざまな温度で楽しめますが、40℃程度のぬる燗から50℃程度の熱燗で飲むと、よりまろやかな旨みが味わえます。

製造は、高知県の安芸郡に蔵を構える土佐鶴酒造。原料は、厳選された国産の酒造好適米と、清冽な安田川の伏流水をはじめとする良質な仕込み水を使用しています。精米はすべて自社工場で行い、丁寧に醸された超辛口の日本酒です。

刈穂酒造 刈穂 山廃純米 超辛口

刈穂酒造 刈穂 山廃純米 超辛口

辛さのなかに上品な旨みが広がる山廃仕込みの日本酒です。山廃仕込みとは、伝統的な醸造方法である「生酛造り」から派生した造り方。「生酛造り」の工程には、米をすり潰す「山卸し」という重労働があります。これを廃止し、代わりに麹の力で行う製法が「山廃」です。

力強いキレとコク、凝縮された純米酒の旨みが感じられる超辛口で、日本酒度は+12。冷酒から燗まで幅広い温度で楽しめます。製造は、秋田県の仙北平野に位置する老舗蔵元の刈穂酒造。酒造りに適した四季のはっきりした気候と、豊かな自然に恵まれた環境のなか、秋田を代表する銘柄を造り続けています。

諸橋酒造 越乃景虎 本醸造 超辛口

諸橋酒造 越乃景虎 本醸造 超辛口

日本酒度+12の超辛口ですが、キレとコクはもちろんのこと、辛さの中に感じるほのかな甘みが魅力です。仕込み水には、新潟県の名水として知られる杜々の森湧水、蔵の敷地内に湧き出る井戸水を使用。いずれも超軟水で、越乃景虎の特徴でもある「辛口でありながら、辛さを感じさせない」味わいを引き出しています。

蔵元である諸橋酒造が位置する新潟県長岡市は、県内でも有数の豪雪地帯です。人にとっては時に厳しい環境となりますが、酒造りにとっては最適な条件が整い、名酒の地としても知られる地域。本銘柄は、老舗蔵元の技術、豊かな自然と質の高い原料を最大限に活かして醸された超辛口の日本酒です。

平考酒造 日高見 純米酒 超辛口

平考酒造 日高見 純米酒 超辛口

クセの少ないスッキリとした味わいの超辛口タイプ。食用米としても人気の「ひとめぼれ」を、60%まで磨き上げて醸した純米酒です。日本酒度+11のキレのあるのど越しとともに、米由来の旨みもしっかりと味わえます。また、冷酒から熱燗まで、好みの温度で楽しめるのも魅力です。

蔵元は1861年に宮城県石巻市で創業した平考酒造。世界三大漁場と言われる「三陸・金華山沖漁場」近くに位置し、魚介類と相性のよい地酒を造り続けています。本銘柄も、料理の味を引き立てる超辛口の軽快な味わいで、食中酒としておすすめです。

森民酒蔵本家 森乃菊川 本醸造辛口原酒

森民酒蔵本家 森乃菊川 本醸造辛口原酒

東北一の辛口と謳っている銘柄、森乃菊川 本醸造辛口原酒。発酵させて絞ったお酒に水を加えない「原酒」と呼ばれるタイプで、アルコール度数20%、日本酒度+20の超辛口の日本酒です。飲みごたえのある力強い口当たりなので、オンザロックで飲むのもおすすめ。

森民酒造本家は、1849年の創業以来、南部杜氏による伝統技術を生かした日本酒を造り続けている蔵元です。本銘柄は、福島県産の酒米を使用し、キレのあるのど越しと爽やかな後味とともに、米の旨みもしっかりと味わえる逸品。モダンなラベルで高級感もあり、プレゼントとしても最適です。

六歌仙 山法師 純米生原酒 爆雷辛口

六歌仙 山法師 純米生原酒 爆雷辛口

銘柄名の「爆雷」にふさわしい、日本酒度+28の超辛口の純米生原酒。口に含んだ瞬間に広がる力強いコクとキレ、グレープフルーツのような爽やかな香りが楽しめます。また、純米酒ならではの、米の旨みをしっかりと感じる飲みごたえも魅力。

日本酒は通常、火入れという加熱殺菌を行いますが、本銘柄は、火入れを行わない「生酒」であり、瓶詰直前の加水を行わない「原酒」でもある「生原酒」です。フレッシュでパンチのある味わいは、まずは冷酒や常温で飲むのがおすすめですが、ロックやサワーにしてもまた違った超辛口の風味が楽しめます。