米・米麹・水というシンプルな原料から造られている「日本酒」。米作りに適した気候と豊富な銘水に恵まれた福島県は、多くの老舗酒蔵が立ち並ぶ国内有数の酒どころです。伝統的な技術を継承しながら、若い世代の杜氏による新たな日本酒造りも注目されています。

そこで今回は、福島の日本酒を厳選してご紹介。選び方についても解説するので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

福島の日本酒の特徴は?

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日本で3番目に広い面積を誇る福島県。会津地方・中通り地方・浜通り地方と大きく3つのエリアに分けられ、それぞれに特色のある日本酒が楽しめます。平成30酒造年度の全国新酒鑑評会では、福島県内の蔵元から出品された22銘柄が金賞を獲得。都道府県別の金賞の数では7年連続日本一になるなど、福島県は日本酒の聖地として知られています。

豊かな大地と伏流水に恵まれた「会津地方」の日本酒は、米のうま味が生かされたフルーティーでふくよかな味わいが特徴です。また、主要都市が集中する「中通り地方」には、キレのある味わいのモノから複雑で重厚な味わいのモノまで、個性的な日本酒が揃っているのが魅力。そして太平洋に面した「浜通り地方」には、魚介に合う淡麗な味わいの日本酒が豊富です。

福島の日本酒の選び方

味で選ぶ

甘口

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甘口か辛口かを判断する主な基準に「日本酒度」と「酸度」があります。「日本酒度」は日本酒に含まれる糖度の割合を示す指標。糖度が高いとマイナス、低いとプラスで表記されます。また、「酸度」は日本酒に含まれるコハク酸・クエン酸・リンゴ酸等の酸の量を示す数値。酸度が低いと甘口に、高いと辛口に分類されます。

一般的に甘口の日本酒は、お米の甘みが引き立った、芳醇な味わいが特徴。飲み口がまろやかなタイプが多く、日本酒初心者にもおすすめです。ただし、ひとくちに甘口といってもその味わいはさまざま。すっきりとしたさわやかな飲み口のモノから、濃厚でボリュームのある味わいのモノまで豊富なバリエーションがあります。

辛口

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辛口の日本酒は、糖度が低いためアルコール度数と酸度が高く、キレのあるスッキリとした飲み口が特徴です。福島の日本酒は比較的辛口の銘柄が多く、良質な酒米の特色が生かされたさまざまな銘柄が揃っています。なかでも福島県が独自に開発した酒米「夢の香」を使用した辛口の日本酒は、爽やかな口当たりながらしっかりとしたうま味が感じられるバランスのよさが魅力です。

また、同じ辛口でも、米と米こうじのみで造られる「純米酒」であるか、醸造アルコールを使用している「吟醸酒」であるかなどによって、味わいが異なります。米のうま味が生かされた「純米酒」は濃厚な辛口、軽快でキレのある「吟醸酒」は淡麗な辛口であるのが一般的。ただし、味の感じ方は個人差があるので、ぜひいろいろな辛口を飲み比べてみてください。

有名銘柄から選ぶ

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日本屈指の酒どころである福島県は、日本酒好きをうならせる有名銘柄の宝庫。なかでも宮泉銘醸が造る「写楽」や「会津宮泉」、廣木酒造本店の「飛露喜」、鶴乃江酒造の「会津中将」などは人気があります。

「写楽」は芳醇な香りと濃厚な味わいながら、すっきりとしたのど越しが特徴。また、「会津宮泉」は米のうま味とキレのある後味が楽しめます。どちらも冷やして飲むのがおすすめの日本酒で、食事に合わせやすいのも魅力です。

さらに、人気の高さゆえに入手が困難だと言われているのが「飛露喜」。うま味と酸味のバランスがよく、上品な味わいが特徴です。また、老舗酒蔵が伝統的な製法で造る「会津中将」は、まろやかな甘みと軽快な飲み口で人気があります。

プレゼント用に選ぶ

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国内外のコンテストで数々の賞を受賞している福島の日本酒はプレゼントにおすすめです。とはいえ、口当たりやのど越し、風味や香りなど、銘柄によってその味わいはさまざま。

好みにもよりますが、華やかな香りでスッキリとした後味が特徴の日本酒は飲みやすく、プレゼント用としておすすめ。また、酒米の品種や精米歩合の違いも、味わいに大きく影響するので、ぜひ事前にラベルなどでチェックしてみてください。また、4合瓶(720ml)のように小さなサイズを選び、飲み比べセットとしてプレゼントするのもおすすめです。

福島の日本酒のおすすめ銘柄

宮泉銘醸 寫楽 純米吟醸

宮泉銘醸 寫楽 純米吟醸

1954年に会津若松市で創業し、鶴ヶ城の門前に蔵を構える宮泉銘醸。「寫楽」は、すでに廃業している東山酒造という酒蔵が持っていた商標を宮泉銘醸が引き継ぐ形で造られています。同酒蔵のなかでは新しい銘柄ですが、その人気の高さから入手困難な日本酒としても有名です。

まろやかな甘みと爽やかなのど越しが特徴で、米のうま味もしっかり感じられる逸品。上品な味わいで飲みやすく、食事と一緒に楽しめます。本銘柄は通年販売されていますが、季節ごとに出される限定酒があり、豊富なバリエーションも魅力です。

宮泉銘醸 会津宮泉 純米酒

宮泉銘醸 会津宮泉 純米酒

米のうま味が十分に味わえる、宮泉銘醸の「会津宮泉」。うま味と酸味のバランスがよく、キレのある後味が魅力の本銘柄は、冷やして飲むのがおすすめの日本酒です。程よい飲みごたえもあり、食中酒としてはもちろん、日本酒そのものを味わいをじっくり堪能できます。

本銘柄は通年で販売されている純米酒と吟醸酒のほか、季節ごとに販売されるさまざまな限定酒も人気。原料の米は福島県産のほか、米どころとして知られる他県の米を使用しており、素材にこだわった個性豊かな日本酒が揃っています。

廣木酒造本店 飛露喜 純米大吟醸

廣木酒造本店 飛露喜 純米大吟醸

世界的に評価の高い、プレミアのついた日本酒として有名な「飛露喜」。上品な香りとフルーティーな風味が特徴で、甘味と酸味のバランスのよい中辛口の日本酒です。クセの少ない味わいなので、プレゼントにもおすすめ。

醸造は、江戸時代中期の文化・文政年間(1804~1830年)に創業という福島を代表する蔵元、廣木酒造本店です。本製品はフランスの白ワイン「シャブリ」を参考に造られた日本酒と言われており、さまざまな料理と一緒に楽しめるのも魅力。まさにワインを彷彿させるような、華やかな味わいの日本酒です。

鶴乃江酒造 会津中将 純米吟醸 夢の香

鶴乃江酒造 会津中将 純米吟醸 夢の香

「会津中将」を作る鶴乃江酒造は、1794年に創業し、200年以上の伝統を誇る老舗酒蔵。本製品は、昔ながらの手造り製法にこだわり、丁寧に醸された中辛口の日本酒です。キレのある軽快な飲み口と上品な香りが特徴で、スッキリした後味は食中酒としてもおすすめ。

原料には、福島県が独自に開発した酒米「夢の香」と酵母「うつくしま夢酵母」を使用しています。中辛口でありながら、良質な酒米のうま味がしっかりと引き出され、福島の恵みが凝縮された逸品。プレゼントにもおすすめの日本酒です。

奥の松酒造 奥の松 特別純米辛口

奥の松酒造 奥の松 特別純米辛口

厳選された米を自社精米で丁寧に磨き、低温でじっくりと発酵させた特別純米酒「奥の松」。米のうま味が十分に引き出された、風味豊かな味わいが特徴の日本酒です。冷や・常温・40℃程度のぬる燗など、幅広い飲み方で楽しめます。また、比較的リーズナブルな価格で、コストパフォーマンスのよさもポイントです。

奥の松酒造は1716年に福島県二本松市で創業。300年以上受け継がれている伝統と、最新の設備や技術を融合し、販路を海外へ広げるなど、福島県の日本酒を牽引する酒蔵のひとつです。

ほまれ酒造 会津ほまれ 純米大吟醸 極

ほまれ酒造 会津ほまれ 純米大吟醸 極

贅沢なデイリー用の日本酒として造られた純米大吟醸酒です。一般の加工米を仕込みの米として使用しているため、比較的リーズナブルな価格で購入できるのが魅力。100年以上受け継がれてきた伝統と卓越した技術で、原料米の銘柄にこだわらずとも上品な香りとキレのある飲み口に仕上がっています。

白ラベルと呼ばれる本製品には、異なる酵母を使用した黒ラベルもラインナップされています。黒ラベルはメロンやバナナのように芳醇な香りが特徴。ぜひ飲み比べを楽しんでみてください。

国権酒造 国権 純米酒

国権酒造 国権 純米酒

コクのある味わいと程よい酸味が特徴の日本酒。国権酒造の定番商品として、地元の人々に親しまれている日本酒です。米のうま味が引き出された、飲みごたえのある味わいが特徴。やや辛口で、食事にも合わせやすく、しっかりとした味付けの料理などにおすすめです。さらに45~50℃程度の熱燗で飲むと、うま味が一層引き立ちます。

1877年に創業の国権酒造は南会津に蔵を構える老舗酒蔵。南会津は福島県でも有数の豪雪地帯として知られ、清らかな水に恵まれた地域です。同酒造の日本酒は、自社井戸から汲み上げた水と良質な米を使用して造られています。

松崎酒造 廣戸川 純米大吟醸

松崎酒造 廣戸川 純米大吟醸

福島県産の酒造好適米「夢の香」を使用し、栄養分の多い酒米のうま味とコクがしっかりと引き出された日本酒です。精米歩合は45%と、米の半分以上を磨いて造られた純米大吟醸酒ですが、雑味のない味わいのなかに感じられる上品な甘さが特徴。フルーティーで華やかな香りの本銘柄はプレゼントにもおすすめです。

醸造するのは、福島の天栄村に蔵を構える松崎酒造。廣戸川の名称は、かつて地元を流れる「釈迦堂川」が「廣戸川」と呼ばれていたことに由来します。長年地元の人々から親しまれている本銘柄は、全国新酒鑑評会をはじめとする数々の鑑評会で入賞し、全国的にも人気の高い日本酒です。

金水晶酒造店 金水晶 大吟醸

金水晶酒造店 金水晶 大吟醸

酒米の王様とも呼ばれる「山田錦」を、精米歩合40%まで磨き上げ、低温発酵させて仕込んだ贅沢な日本酒。フルーティーで華やかな香りと、雑味の少ないスッキリとした味わいが特徴です。大吟醸の本銘柄は、冷やか常温で、お酒そのものの風味を味わうのがおすすめ。原酒や純米酒、吟醸酒なども揃い、デイリー用からプレゼント用まで、好みや目的に合わせて選択できるのもポイントです。

「金水晶」という優美な名前は、かつて福島県松川にあった鉱山から金が採掘されたこと、そこから湧き出る銘水が水晶沢へと流れていたことに由来します。「品質を第一に考え、地元の人に愛される酒を造る」をモットーに造られた本銘柄は、地元の御神酒としても親しまれている日本酒です。

渡辺酒造本店 雪小町 大吟醸 五十一号 袋吊り

渡辺酒造本店 雪小町 大吟醸 五十一号 袋吊り

上品な香りとクリアな飲み口が特徴の大吟醸酒です。「袋吊り」とは、お酒を搾り出す工程で、醪(もろみ)を入れた布袋を吊るし、圧力をかけず自然と滴り落ちるお酒を集める方法。雑味が少なく、日本酒の上質な部分だけを採取した贅沢な味わいが特徴です。

また、原料米は、香りとうま味のバランスに優れ、大吟醸を造るのに適した品種「山田錦」を100%使用しています。芳醇な辛口の日本酒で、華やかな香りとスッキリとした味わいが魅力。料理と一緒に楽しむのはもちろん、日本酒そのものをじっくり味わうのもおすすめです。

四家酒造店 又兵衛 純米酒 いわき郷

四家酒造店 又兵衛 純米酒 いわき郷

生産量の9割以上が地元で消費されると言われている「又兵衛 いわき郷」。市外では入手が困難な銘柄ですが、知る人ぞ知る地酒として全国的にも人気があります。うま味と酸味のバランスがよく、米本来の香りと甘味が生かされたまろやかさが特徴の日本酒です。

四家酒造店は海に面した福島県いわき市で創業。地元でとれた海産物をはじめとするさまざまな食材に合うように、幅広い味わいの日本酒が揃っています。本銘柄も純米酒のほか、原酒や吟醸、大吟醸などがラインナップされており、味わいのバリエーションが豊富。料理やシチュエーションに合わせた日本酒選びが楽しめます。

玄葉本店 あぶくま 大吟醸

玄葉本店 あぶくま 大吟醸

最高級の酒米として知られる「山田錦」を40%まで磨き、低温でじっくりと醸造した日本酒。酸味とうま味のバランスがよく、上品な香りが特徴です。贅沢な大吟醸でありながら、比較的リーズナブルな価格であるのもポイント。端麗な辛口で飲みやすく、食中酒としてさまざまな料理と一緒に楽しめます。

玄葉本店は、福島県の中通り地方に蔵を構える比較的小さな酒蔵。小規模であることを生かし、手間を惜しまず丁寧な日本酒造りをしています。本銘柄は全国新酒鑑評会で金賞の受賞歴があり、多くの日本酒ファンを魅了する逸品です。