日本国内だけでなく、世界的にも認められている日本酒「鍋島」。コンクールでの受賞歴は1種類にとどまらず、さまざまな種類の銘柄が高く評価されているため、どれを飲めばよいか悩むところです。
そこで今回は、鍋島を製造している蔵元にもスポットを当てながら、おすすめの銘柄をご紹介します。それぞれの違いやおすすめの飲み方も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
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佐賀県の富久千代酒造が造る日本酒「鍋島」。地元産の原料だけを用いて平成10年に造られ始めた、鍋島ブランドの純米酒です。その製品がたった4年で「2002年国際酒祭りinTOKYO」の純米酒部門で日本一を獲得したことを皮切りに、注目を浴びました。
その後、大吟醸が全国新酒鑑評会で8年連続金賞を獲得。「インターナショナルワインチャレンジ2011」では最高賞のチャンピオン・サケに選ばれるなど、国内外で高く評価されています。
種類が豊富にありますが、流通量が多くないこともあり、現在では「幻の酒」と謳われる銘酒にまで成長しました。甘みがあってフルーティー、しっかりした味わいや芳醇な旨みが鍋島の特徴です。
鍋島の蔵元
鍋島を製造している富久千代酒造は、少数の蔵人で酒づくりをしている小さな蔵です。有明海に面した佐賀県鹿島市で、大正時代に創業しました。古くから酒づくりを行ってきた老舗の蔵元ですが、これほどまでに成長したのは、2000年に入り鍋島が誕生してからのことです。
現在の蔵主であり、杜氏でもある飯盛直喜氏は“地元の米と水で醸し出す愛される地酒”を造りたいという信念のもと、品質第一の日本酒を地元酒店とともに開発しました。そこで生まれたのが「鍋島」です。
飯盛氏は人との繋がりを大切にすることを信条としており、自ら酒店を回り、納得した店にだけに販売を行っています。世界レベルの人気が出てからも、蔵の規模を拡大することなく、小規模でていねいな酒づくりに専念している職人気質の蔵元です。
鍋島の種類
鍋島 特別本醸造
日本酒度は-9と甘口に分類されますが、さらっとしたキレ味のよさが魅力の日本酒です。佐賀県の地酒の特徴である甘口の日本酒のお手本と評され、鍋島のなかでも代表格。甘さとキレのバランスは、ほかに類を見ないと言われています。
爽やかな甘さが心地よく、日本酒になじみがない方でも飲みやすい銘柄。冷やして飲むことで、より軽やかな甘みと酸味のハーモニーを味わえます。燗にして甘みを存分に味わう、食後のデザート酒のような飲み方もおすすめです。
鍋島 清酒肥州
ブルーラベルとも呼ばれ、日本酒度+9の超辛口に分類される日本酒です。原料米に山田錦を100%使用し、精米歩合は60%。鍋島の種類のなかでは唯一の清酒で、普通酒に位置付けられます。超辛口であることを感じさせない、丸みのある味わいが魅力です。
熟した果実のようなジューシーな味わいとまろやかな甘みを、キレのある後口が引き締めています。普通酒でありながら、鍋島らしいフルーティーな甘みを感じられるおすすめの銘柄です。
鍋島 特別純米酒
国内外の専門家が審査を行う「国際酒祭りinTOKYO」の日本酒部門で日本一を獲得した、「鍋島」のなかでは最も有名な銘柄のひとつ。
日本酒度は+5の辛口で、上品な香りと爽やかな酸味、すっきりしたキレ味が特徴です。味わいに透明感があり、芳醇さが特徴の鍋島のなかでは珍しく軽い印象があるので、食中酒にも適しています。刺身などの魚介類や山菜など、料理との相性も抜群です。
鍋島 大吟醸
「インターナショナルワインチャレンジ2011」で最高賞のチャンピオン・サケを獲得し、世界へ「鍋島」の名を知らしめた製品です。原料米として最高レベルの兵庫県特A地区山田錦を100%使用し、35%まで贅沢に磨き上げています。
米の旨みを存分に感じられ、豊かな吟醸香と甘み、鍋島特有のジューシーな旨みが広がる蔵元渾身の銘柄です。飲み始めから余韻まで美しく移り変わる、味わいの流れが素晴らしいと高く評価されています。
艶消しの黒いボトルに上品な掛け紙で装飾された高級感のあるパッケージは、贈り物にも最適です。目上の方へのプレゼントや、大切な記念日のお供にもおすすめ。優雅で繊細な味わいが特徴の、一度は飲んでみたい銘酒です。
鍋島 純米吟醸 雄町
原料米に岡山県産の赤磐雄町を使用した、純米吟醸です。酒造好適米として名高い雄町は「オマチスト」と呼ばれるファンがいるほど人気があります。本製品は日本酒度が±0で、雄町特有の旨みがバランスよく引き出された銘柄です。
米の旨みが濃厚に感じられますが、きりりとしたキレのある後口が特徴。目を引く赤い色のパッケージは、通称パッションラベルとも呼ばれます。火入れしていない生酒も販売されており、口当たりのやわらかさが魅力です。
リッチな味わいとライトなキレ味が楽しめる、「オマチスト」にはたまらない1本。雄町を使用した日本酒には、蔵元の技術力が顕著に表れると言われています。富久千代酒造の蔵人の匠の技に思いを馳せながら、じっくりと味わいたい銘酒です。
鍋島 純米大吟醸 きたしずく
鍋島の種類のなかでも、全体的なバランスのよさが際立つ純米大吟醸。雄町の後を継いだ北海道産の酒造好適米・きたしずくを使用しており、芳醇で華やかな香りと淡麗な味わいが特徴です。
大吟醸らしいクリアな透明感があり、最初に感じられるのはフレッシュな印象。舌にのせると雄町由来のずっしりとした米の旨みのあとに、上品で儚い余韻が続きます。年を追うごとに鍋島らしさが確立されてきているといわれる、継続して飲み続けたい銘柄です。
鍋島 純米吟醸 五百万石
原料米である五百万石を精米歩合50%で磨いて仕上げた純米吟醸です。オレンジラベルとも呼ばれ、日本酒度は+2とやや辛口。中汲みのみを使用した贅沢な製品で、みずみずしさが際立ちます。鍋島の種類のなかでは、いちばんのスッキリとしたタイプの日本酒です。
果実感あふれる酸味と、ミネラル分を豊富に含んだフレッシュな香りのバランスがよく、キレのあるのど越しで爽やかに飲めます。旨みがありながらも料理を邪魔しない味わいは、食中酒にもぴったりです。
鍋島 純米大吟醸 愛山
愛山を使用した「鍋島」の種類のなかでは、最高級の純米大吟醸です。酒造好適米として名高い山田錦と雄町、ふたつの品種を受け継いだ愛山を使用。現在は兵庫県の一部で造られていますが、収穫量の少なさから「幻の酒米」と呼ばれています。
非常に良質な酒米で、雄町に似たジューシーさが特徴。華やかな香りと果実感のあるたっぷりとした旨みが魅力で、心地よい余韻がスマートに消えていきます。ピンクのラベルがかわいらしいワインのような趣の本製品は、日本酒度が-1とやや甘口で、女性にもおすすめです。
鍋島 純米吟醸 山田錦
パープルラベルと呼ばれる本製品は、鍋島の入門用としてもおすすめの純米吟醸です。酒造好適米として人気の山田錦を使用し、鍋島らしい芳醇さを醸し出しながらバランスよく仕上がっています。
まるでトロピカルフルーツのような、甘く清涼感のある吟醸香が最大の特徴。日本酒度は+5の辛口で、喉越しは爽やかでキレがあります。すっきりした味わいのなかにも、米の芳醇な旨みをしっかりと感じられる、ジューシーな風味が鍋島らしい銘柄です。
鍋島 純米吟醸 サマームーン
スタイリッシュなパッケージが印象的な純米吟醸です。鍋島には限定酒「ムーンシリーズ」と呼ばれるモノがあり、四季ごとに季節に合った味わいの日本酒を発売しています。春はブロッサムムーン、夏はサマームーン、秋はハーベストムーン、冬はニュームーンです。
本製品は夏酒として販売され、暑い夏にぴったりのフレッシュで甘い香りと軽やかな酸味が特徴。山田錦を使用し、精米歩合50%で仕上げています。日本酒度は+3と中辛口に分類され、飽きの来ないさっぱりした飲み心地がポイント。
ラベルに描かれているように、夏の夜に月を見上げながら楽しみたい爽やかな日本酒です。キレのよさがより感じられるよう、冷やして飲むのをおすすめします。
日本を代表する日本酒の「鍋島」は、世界的にも評価される銘酒です。佐賀県の小さな蔵がていねいに造る日本酒は、種類が豊富にあり、それぞれに違った味わいがあります。本記事を参考にしながら、日本が世界に誇る日本酒を味わってみてください。