造り手の世代交代や原料の品種改良により個性的な銘柄が続々と登場している「日本酒」。最近は海外から高い評価を得る日本酒も多く、プレミアムな1本を選び、プレゼントする方も増えてきています。

そこで今回は、高級日本酒をご紹介。タイプの違いや地域別の特徴などについても解説するので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。

高級日本酒の選び方

味と香りで選ぶ

吟醸

By: amazon.co.jp

吟醸系の日本酒はフルーティーな日本酒と例えられるタイプ。華やかな香りがあり、軽快でスッキリとした飲み口を味わえるのが特徴です。代表的な銘柄としては「獺祭」や「花陽浴」など。最近はより香りと味を楽しむべく、ワイングラスで飲む方も増えてきています。飲み方としては食前酒として淡い味わいを楽しめるほか、刺身など淡白な料理と合わせるのもおすすめです。

淡麗

By: rakuten.co.jp

淡麗系の日本酒は甘みや酸味が控えめでキレがあり、さっぱりと軽快に飲めるタイプ。代表的な銘柄としては「綿屋」や「伯楽星」などが挙げられ、味わいは淡く、香りは穏やかです。クセがないため、さまざまな料理と合わせられるのもポイント。常温や冷やして飲む際はガラス製の酒器を用意するとより爽やかな雰囲気を楽しむことができます。

熟成

By: amazon.co.jp

熟成はその名の通り、寝かせることで味が熟成して旨みが増した日本酒のこと。古酒も含まれるタイプで、華やかで芳醇な香りや濃い味わいを堪能できるのが特徴です。おすすめの飲み方としては常温か熱燗。代表的な銘柄としては「不老泉」や義侠の「慶」などが挙げられ、食後酒として個性をしっかりと楽しみたいタイプが揃っています。

旨口

By: amazon.co.jp

旨口タイプの日本酒は、その名の通り、米の旨みが濃く感じられ、酸味もしっかりしている力強いタイプ。銘柄としては「菊姫」や「秋鹿」などが代表的で、脂っこい料理などにも負けない味わいを楽しめるのが特徴です。

なお、旨口の日本酒は純米系や山廃系とも呼ばれることがあります。ちなみに山廃とは「山廃仕込み」のことで、明治時代末期に開発された酒母造りのひとつ。「山おろし」という米をつぶす重労働を廃止したことが由来とされています。ぜひ覚えておきましょう。

種類で選ぶ

日本酒を理解する上で重要となってくるのが、醸造用アルコールが加わっているかどうかと、精米歩合の数値。「醸造用アルコール」とはサトウキビなどを原料する蒸留酒で、純度が高く、無味無臭なのが特徴です。加えることで酒質が安定し、香りがよくなるというメリットがあります。

一方、「精米歩合」とは酒米を削った割合のことで、精米した後に残った部分をパーセント(%)で表記したもの。精米歩合を高くすると香り高く、スッキリとした味わいに仕上がります。日本酒の種類を確認する際は、ぜひ覚えておきましょう。

本醸造酒

By: amazon.co.jp

スタンダートな日本酒として位置付けられている「本醸造酒」。原料は米・米麹・水・醸造用アルコールを使用しており、精米歩合は70%以下で、「本造り」や「本仕込み」とも呼ばれるタイプもこれに該当します。なお、精米歩合を60%以下にしている酒は「特別本醸造酒」と言うので、区別しておきましょう。

大吟醸酒

By: amazon.co.jp

原料は米・米麹・水・醸造用アルコールを使用しており、精米歩合は50%以下。酒米をしっかりと磨き、低温でじっくり時間をかけて発酵させる吟醸造りをしているのが特徴です。香り高く、スッキリとした味わいを堪能できるのもポイント。なお、同製法で酒造しつつも、精米歩合が60%以下であれば「吟醸酒」に分類されます。

純米酒

By: amazon.co.jp

醸造用アルコールを使用しないで、米・米麹・水のみを原料としたのが「純米酒」。精米歩合の条件は特になく、米の旨みやコクをしっかりと感じられるのが特徴です。

なお、精米歩合は60%以下と規定された酒を「特別純米酒」と呼び、同精米歩合で吟醸造りをしている酒を「純米吟醸酒」、精米歩合50%で吟醸造りをしている酒を「純米大吟醸酒」と言います。

産地や有名銘柄から選ぶ

北海道・東北

By: amazon.co.jp

北海道は軽やかでスッキリとした淡麗系の日本酒が豊富。東北は6県で220以上の酒蔵を擁するほどで、多種多様な日本酒が揃っています。

代表的な銘柄としては山形の「出羽桜」や「十四代」、宮城の「一ノ蔵」など。最近では青森の「陸奥」や福島の「廣戸川」「月弓」なども注目されています。

関東

By: amazon.co.jp

関東はもともと水源が豊富な地域で、華やかなテイストの日本酒から濃厚で芳醇なタイプまで、個性豊かな地酒が揃うエリア。群馬・栃木・茨城の北関東は上質な日本酒が多く、南関東では東京の「澤乃井」や千葉の「甲子」、埼玉では「神亀」や「花浴陽」が定番どころの銘柄として知られています。

また、神奈川には全国でも珍しく酒米栽培から精米・醸造まで一貫した酒造りを展開する泉橋酒造があるなど、個性的な酒蔵があるのもポイントです。

甲信越

By: amazon.co.jp

良質な米作りで知られる新潟は蔵元の数と県民ひとり当たりの消費量が日本一。「八海山」や「久保田」、「越乃寒梅」など淡麗辛口が代名詞となっています。

山深い長野は日本アルプスを抱える起伏の大きいエリアで、酒蔵数は新潟に次いで全国2位。山に囲まれた盆地地形の山梨はワインのイメージが強い地域ですが、繊細な酒質の日本酒も揃っています。

中部・北陸

By: amazon.co.jp

上質な地酒が多いと評判の中部・北陸エリア。静岡は軟水ならではの柔からさを感じるのが特徴で、愛知や岐阜は芳醇旨口の日本酒が多く造られています。北信越の福井・石川・富山は全体的に淡麗辛口の日本酒が多く、軽快かつ上品な仕上がり。

日本海側では吟醸酒や純米酒なども揃っています。長年酒造りを続けている酒蔵が多く、伝統的な味を数多く楽しめるのも魅力です。

近畿

By: rakuten.co.jp

大阪・京都・兵庫・奈良・和歌山・滋賀・三重の二府五県が入る近畿エリア。特に京都の「伏見」や兵庫の「灘」は酒処として有名です。特に灘地区は最高級の酒米「山田錦」の産地で、出荷量は日本一。全国屈指の銘醸の地として知られています。

なお、近畿は食のバラエティに富む地域なので、食文化との結びつきが深いのもポイントです。

中国・四国

By: amazon.co.jp

中国・四国地方は日本酒発祥地と言われている島根、「獺祭」で有名な山口、大酒飲みが多い高知などが含まれるエリア。地域的に中国地方は日本海側がスッキリ系、瀬戸内海側は濃厚でコクのある酒が揃っています。

一方、四国地方の瀬戸内側では口当たりの優しい甘口が、太平洋側では辛口が醸されており、バリデーションは多彩です。

九州・沖縄

By: amazon.co.jp

お酒に関しては九州なら芋焼酎、沖縄なら泡盛と焼酎文化が有名ですが、九州の北部エリアでは昔から米作りと日本酒造りが盛んで、福岡や佐賀を中心に注目されています。なお、沖縄で清酒を醸す蔵元はうるま市の泰石酒造のみ。

「黎明」は日本最南端の日本酒として知られています。ぜひ日本酒党の方は南国生まれの日本酒も楽しんでみてください。

用途で選ぶ

日本酒は「和」のイメージが前面に出ているので、日本らしさを感じるシーンで楽しむのであれば、伝統的な定番の銘柄がおすすめ。一方、最近は日本酒を楽しむシーンも多様化してきており、これまでのイメージとは異なった日本酒も数多く登場しています。

例えば、とろみのある甘口の日本酒「貴醸酒」や爽やかな飲み口を楽しめる「りんご酸」の日本酒、乳酸菌を活用した日本酒、ウイスキーのように樽で熟成させた日本酒などが代表的。お酒自体が苦手な方は低アルコールの日本酒もアリです。ぜひ場の雰囲気や食事のテイストなども意識して選ぶようにしましょう。

また、日本酒は自身の家飲み用として購入するのはもちろん、プレゼントとしても最適。目上の方や年配の方への贈り物としては木箱入りの高級日本酒がおすすめです。女性へのプレゼントであれば日本酒のスパークリングがおしゃれ。また、花酵母を使った日本酒はフローラルな香りが楽しめるので、話題作りにも適しています。気になる方はぜひチェックしてみてください。

高級日本酒のおすすめ

竹鶴酒造 小笹屋竹鶴 純米生原酒 大和雄町

竹鶴酒造 小笹屋竹鶴 純米生原酒 大和雄町

酵母無添加の生酛造りで有名な広島の竹鶴酒造の日本酒。「小笹屋」は1年半低温で熟成してから出荷するシリーズで、濃厚でエレガントな味わいを楽しめます。

酒米はもっとも古い酒米として知られる「雄町」。この酒米は9割近くが岡山産ですが、本銘柄は広島の旧大和町・現三原市で契約栽培されたものを使用しています。燗をつけると酸味がしっかりと立つのもポイント。万能な高級日本酒を探している方におすすめです。

松瀬酒造 純米吟醸 松の司 AZOLLA

松瀬酒造 純米吟醸 松の司 AZOLLA

滋賀の松瀬酒造の純米吟醸酒。「AZOLLA(アゾラ)」とは無農薬の田んぼに発生する浮き草の意味で、無農薬の酒米使用を表しています。酒米は山田錦で、精米歩合は50%です。

口当たりはなめらかかつ軽快で、香りはとっても華やか。旨みも感じられ、洗練されたテイストを堪能できます。スッキリとした辛口の高級日本酒を求めている方におすすめです。

木下酒造 玉川 純米吟醸 コウノトリラベル

木下酒造 玉川 純米吟醸 コウノトリラベル

京都の木下酒造の日本酒。このコウノトリラベルはシリーズ化されており、純米吟醸酒と生酛純米酒の2タイプをリリースしています。

無農薬酒米を使用して造られており、日本の酒造りの伝統技術を重んじています。なお、純米吟醸酒は品格ある香りと旨みが特徴。生酛純米酒は味わい深い辛口の日本酒となっています。

藤井酒造 龍勢 善七 生酛純米大吟醸

藤井酒造 龍勢 善七 生酛純米大吟醸

広島の藤井酒造が手掛ける「龍勢」。明治40年の全国清酒品評会にて日本一に輝いた銘柄で、当時の最高ランクの原料米として知られる雄町米を使用している日本酒です。

本銘柄は創業者の名が付いた至高の1本で、米を削らないことが多い酵母無添加の生酛において、酒米を40%まで磨いているのが特徴。江戸時代から続く生酛を洗練された技術と現代の充実した設備で醸しているのもポイントです。

南部美人 あわさけ スパークリング

南部美人 あわさけ スパークリング

全国的に名高い岩手の蔵元「南部美人」。本銘柄はスパークリング日本酒で、2020年に開催される東京オリンピックの乾杯酒を目指して造られた1本です。

シャンパンの製法を取り入れており、瓶内二次発酵ながら濁りがないのが特徴。心地よい吟醸の香りや優しい口当たり、爽やかな泡もポイントで、後味にはしっかりと米の旨みが感じられるのも魅力です。

南陽醸造 花陽浴 純米大吟醸 美山錦 瓶囲 無濾過 生原酒

南陽醸造 花陽浴 純米大吟醸 美山錦 瓶囲無濾過生原酒

伝統的な製法で丁寧に醸す埼玉の蔵元「南陽醸造」の高級日本酒。花陽浴(はなあび)の由来は「太陽の陽射しを浴び、大輪の花を咲かそう」と願う職人の想いから来ています。

酒米にはスッキリとした味わいの美山錦を採用。精米歩合は48%の純米大吟醸で、50%を下回っているのもポイントです。豊かな香りとエレガントな味わいを堪能できる高級日本酒を探している方はぜひ試してみてください。

黒龍酒造 黒龍 大吟醸 龍

黒龍酒造 黒龍 大吟醸 龍

福井の永平寺で200年以上も前から高品質の日本酒を醸し続けている黒龍酒造の1本。本銘柄は1975年にワインの熟成を日本酒に応用した大吟醸酒で、華やかな香りと軽やかな辛口を堪能できるのが特徴です。

酒米は兵庫の山田錦を使用し、精米歩合は40%。楽しみ方としてはしっかりと冷やして飲むのがおすすめです。

萬乗醸造 醸し人九平次 純米大吟醸 EAU DU DESI

萬乗醸造 醸し人九平次 純米大吟醸 EAU DU DESI

フランス・パリの三ツ星レストランに採用されるなど、海外でも評価の高い1本。存在感のある酸味や果実のような華やかな風味が感じられるのが特徴です。

なお、蔵元の萬乗醸造は日本酒の可能性を模索するべく、積極的に活動しているのもポイント。例えば、所在は愛知にありながら2010年から兵庫で山田錦の栽培を開始したり、ワインの醸造技術を日本酒造りにいかすべくフランスに自社ワイナリーを保有したりと、各地に拠点を展開しています。

本銘柄はそんな酒蔵の努力が随所に感じられるのが魅力。日本酒好きの方はもちろん、これまで日本酒をあまり飲んでこなかった方にもぜひ試してみてください。

旭酒造 獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分

旭酒造 獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分

日本を代表するお酒と言えるほど有名になった「獺祭」。蔵元は三代目から大吟醸主体の酒造りに変えたことで爆発的な人気を得た山口の旭酒造で、「酔うため、売るための酒ではなく、味わう酒を求めて」をモットーに、通年勤務の社員が四季醸造を行っている点や、徹底したデータ管理と工程で品質と生産性を高めている点も注目されています。

特に本銘柄は酒米を23%磨くことで透明感・香り・余韻とトータルバランスに優れた1本に仕上がっているのが特徴。華やかさのある木箱も付属しているので自身で飲むのはもちろん、贈答用の日本酒を探している方にもおすすめです。

月桂冠 伝匠月桂冠 大吟醸酒

月桂冠 伝匠月桂冠 大吟醸酒

「日本酒本来の魅力を後世に伝えたい」という造り手の想いが込められた1本。酒米は高品種の兵庫の山田錦、水は京都の雄大な自然が生み出した伏見の名水「伏水」を採用するなど、近畿地方の2大銘醸地を感じられるのが特徴です。

タイプとしては淡麗辛口で、青リンゴや洋梨のような爽やかな香りを楽しめるほか、なめらかな味わいを堪能できるのもポイント。贅沢な時間を酔いしれたい方におすすめの高級日本酒です。

白鶴酒造 超特撰 白鶴 天空 袋吊り 純米大吟醸 白鶴錦

白鶴酒造 超特撰 白鶴 天空 袋吊り 純米大吟醸 白鶴錦

圧力をかけずに一滴一滴、自然に滴り落ちる日本酒のみを集めた完全手造りの純米大吟醸酒。最高峰の酒米として知られる山田錦の兄弟酒米「白鶴錦」を自社開発し、使用しているのが特徴です。

桃などの果実を思わせる甘くフルーティーな香りや柔らかな口当たり、心地よい余韻を堪能できるのも魅力。日本酒造りの原点に立ち返り、手間暇かけて醸造した珠玉の高級日本酒です。