造り手の世代交代や原料の品種改良により個性的な銘柄が続々と登場している「日本酒」。最近は海外から高い評価を得る日本酒も多く、プレミアムな1本を選び、プレゼントする方も増えてきています。

そこで今回は、高級日本酒をご紹介。タイプの違いや地域別の特徴などについても解説するので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。

高級日本酒の選び方

味で選ぶ

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高級日本酒の味わいは、「日本酒度」と「酸度」で決まります。「日本酒度」とは、水に対する日本酒の比重を表した度合。+と-の数値で表され、比重が大きいと-に、小さいと+に傾きます。比重が大きいモノは、そのぶん含糖量も多いもの。そのため、-の割合が高いほど糖分の多い甘口に、+の割合が高いほど辛口になる傾向があります。

そして「酸度」とは、日本酒に含まれる酸の量を示す数値。酸は日本酒の味にキレやメリハリを生み出すので、酸度が高いほど辛く濃い「濃厚辛口」に、低いほどスッキリと甘い「淡麗甘口」になるとされています。

なお、「日本酒度」の平均値は-1.4~1.4、「酸度」の平均値は1.3~1.5です。このふたつの数値を基準として、高級日本酒の味わいを見分けてみてください。

香りで選ぶ

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日本酒は、香りや味わいの濃淡によって「薫酒」「爽酒」「醇酒」「熟酒」の4タイプに分類されます。「薫酒」とは、香りが強く味わいは軽やかなタイプです。甘い果物や花のような華やかな香りが魅力であり、シンプルな味付けの料理と良相性であるほか食前酒にもおすすめ。純米大吟醸や大吟醸が該当します。

また、「爽酒」とは香りが控えめで味わいも軽やかなタイプ。フレッシュな果物や菜類のような、爽やかな香りが特徴です。幅広い料理とのペアリングを楽しむことができ、普通酒や吟醸が該当します。

「醇酒」とは、香りが控えめで味わいは濃厚なタイプです。米ならではの芳醇な香りが特徴であり、食中酒としてさまざまな料理と合わせることが可能。なかでも、肉料理や濃い味付けの料理とは特に好相性であり、純米や本醸造が該当します。

そして「熟酒」とは、香りが強く味わいも濃厚なタイプです。ナッツ類やドライフルーツなどのような、深みのある熟成香を楽しめます。香り味わいともに個性的なので合わせられる料理は限られますが、基本的には濃い味付けで油分の多い料理と良相性。古酒や長期熟成酒が該当します。

種類で選ぶ

本醸造酒

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スタンダードな日本酒として位置付けられている「本醸造酒」。原料は米・米麹・水・醸造用アルコールを使用しており、精米歩合は70%以下で、「本造り」や「本仕込み」とも呼ばれるタイプも本醸造酒に該当します。なお、精米歩合を60%以下にしている酒は「特別本醸造酒」というので、区別しておきましょう。

大吟醸酒

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原料は米・米麹・水・醸造用アルコールを使用しており、精米歩合は50%以下。酒米をしっかりと磨き、低温でじっくり時間をかけて発酵させる吟醸造りをしているのが特徴です。香り高く、スッキリとした味わいを堪能できるのもポイント。なお、同製法で酒造しつつも、精米歩合が60%以下であれば「吟醸酒」に分類されます。

純米酒

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醸造用アルコールを使用しないで、米・米麹・水のみを原料としたのが「純米酒」。精米歩合の条件は特になく、米の旨みやコクをしっかりと感じられるのが特徴です。

なお、精米歩合は60%以下と規定された酒を「特別純米酒」と呼び、同精米歩合で吟醸造りをしている酒を「純米吟醸酒」、精米歩合50%で吟醸造りをしている酒を「純米大吟醸酒」といいます。

産地や有名銘柄から選ぶ

北海道・東北

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北海道は軽やかでスッキリとした淡麗系の日本酒が豊富。東北は6県で220以上の酒蔵を擁するほどで、多種多様な日本酒が揃っています。

代表的な銘柄としては山形の「出羽桜」や「十四代」、宮城の「一ノ蔵」など。最近では青森の「陸奥」や福島の「廣戸川」「月弓」なども注目されています。

関東

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関東はもともと水源が豊富な地域で、華やかなテイストの日本酒から濃厚で芳醇なタイプまで、個性豊かな地酒が揃うエリア。群馬・栃木・茨城の北関東は上質な日本酒が多く、南関東では東京の「澤乃井」や千葉の「甲子」、埼玉では「神亀」や「花浴陽」が定番どころの銘柄として知られています。

また、神奈川には全国でも珍しく酒米栽培から精米、醸造まで一貫した酒造りを展開する泉橋酒造があるなど、個性的な酒蔵があるのもポイントです。

甲信越

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良質な米作りで知られる新潟は蔵元の数と県民ひとり当たりの消費量が日本一。「八海山」や「久保田」「越乃寒梅」など淡麗辛口の銘柄が有名です。

山深い長野は日本アルプスを抱える起伏の大きいエリアで、酒蔵数は新潟に次いで全国2位。山に囲まれた盆地地形の山梨はワインのイメージが強い地域ですが、繊細な酒質の日本酒も揃っています。

中部・北陸

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上質な地酒が多いと評判の中部・北陸エリア。静岡は軟水ならではの柔らかさを感じるのが特徴で、愛知や岐阜は芳醇旨口の日本酒が多く造られています。北信越の福井・石川・富山は全体的に淡麗辛口の日本酒が多く、軽快かつ上品な仕上がり。

日本海側では吟醸酒や純米酒なども揃っています。長年酒造りを続けている酒蔵が多く、伝統的な味を数多く楽しめるのも魅力です。

近畿

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大阪・京都・兵庫・奈良・和歌山・滋賀・三重の二府五県が入る近畿エリア。特に京都の「伏見」や兵庫の「灘」は酒処として有名です。特に灘地区は最高級の酒米「山田錦」の産地で、出荷量は日本一。全国屈指の銘醸の地として知られています。

なお、近畿は食のバラエティに富む地域なので、食文化との結びつきが深いのもポイントです。

中国・四国

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中国・四国地方は日本酒発祥地といわれている島根、「獺祭」で有名な山口、大酒飲みが多い高知などが含まれるエリア。地域的に中国地方は日本海側がスッキリ系、瀬戸内海側は濃厚でコクのある酒が揃っています。

一方、四国地方の瀬戸内側では口当たりの優しい甘口が、太平洋側では辛口が醸されており、バリデーションは多彩です。

九州・沖縄

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お酒に関しては九州なら芋焼酎、沖縄なら泡盛と焼酎文化が有名ですが、九州の北部エリアでは昔から米作りと日本酒造りが盛んで、福岡や佐賀を中心に注目されています。なお、沖縄で清酒を醸す蔵元はうるま市の泰石酒造のみ。

「黎明」は日本最南端の日本酒として知られています。ぜひ日本酒党の方は、南国生まれの日本酒も楽しんでみてください。

用途で選ぶ

日本酒は「和」のイメージが前面に出ているので、日本らしさを感じるシーンで楽しむのであれば、伝統的な定番の銘柄がおすすめ。一方、最近は日本酒を楽しむシーンも多様化してきており、これまでのイメージとは異なった日本酒も数多く登場しています。

例えば、とろみのある甘口の日本酒「貴醸酒」や爽やかな飲み口を楽しめる「りんご酸」の日本酒、乳酸菌を活用した日本酒、ウイスキーのように樽で熟成させた日本酒などが代表的。お酒自体が苦手な方は低アルコールの日本酒もアリです。ぜひ場の雰囲気や食事のテイストなども意識して選ぶようにしましょう。

また、日本酒は自身の家飲み用として購入するのはもちろん、プレゼントとしても適しています。目上の方や年配の方への贈り物としては木箱入りの高級日本酒がおすすめです。女性へのプレゼントであれば日本酒のスパークリングがおしゃれ。また、花酵母を使った日本酒はフローラルな香りが楽しめるので、話題作りにも適しています。気になる方はぜひチェックしてみてください。

高級日本酒のおすすめ

南部美人 大吟醸 純米仕込み

岩手県にある老舗酒造「南部美人」の純米大吟醸です。日本酒度は+3、酸度は1.5とやや辛口に分類されます。華やかな香りをもつ薫酒なので、食前酒やさっぱりとした料理とのペアリングにおすすめ。繊細さと力強さを持ち合わせた味わいで、さまざまな料理をおいしく引き立てます。甘口好き・辛口好き関わらず飲みやすいので、プレゼントにもおすすめの高級日本酒です。

十四代 本丸 秘伝玉返し 角新 新酒

山形の蔵元「高木酒造」が手掛ける高級日本酒「十四代」の定番酒です。本品は、バニラにも似た華やかな香り、そして絶妙なバランスの甘みをもつ芳醇旨口タイプ。酒質は「特別本醸造酒」ながら、吟醸酒のように上品でふくよかな味わいを楽しめます。すっきりと飲みやすく、日本酒を飲み慣れていない方にもおすすめの高級日本酒です。

十四代 純米大吟醸 龍の落とし子

「高木酒造」が手掛ける高級日本酒「十四代」の純米大吟醸です。酒米には、父系に山田錦と金紋錦を掛け合わせた「山酒4号」、母系に「美山錦」を用いて作られたオリジナル米「龍の落とし子」を使用しています。

ほのかにフルーティーな香りとフレッシュで若々しい味わいが魅力であり、淡白な味付けの料理と合わせるのがおすすめ。国内外で高い評価を受けており、パーティーやお祝いの席にも適した高級日本酒です。

一ノ蔵 純米大吟醸 笙鼓

宮城県の酒蔵「一ノ蔵」のなかで、特に高い品質を誇る純米大吟醸です。「酒米の王」とも称される「山田錦」を、自家精米で35%までに磨き上げて丁寧に醸しています。

華やかな吟醸香と、旨み・甘み・酸味がバランスよく調和した気品ある味わい、そして優美な余韻を楽しめるのが特徴。和紙に包まれた上で豪華な桐箱に収められているため、プレゼントにもおすすめの高級日本酒です。

男山 純米大吟醸

北海道の蔵元「男山」の純米大吟醸です。酒米には、山田錦を38%まで磨き上げて使用。日本酒度は+5、酸度は1.3の淡麗辛口であり、キリッとしながらも深みのある上品な味わいと、穏やかな香りを楽しめます。さっぱりとした和食とのペアリングにおすすめの高級日本酒です。

泉橋酒造 純米大吟醸 いづみ橋

酒米栽培から精米・醸造まで手掛ける神奈川の酒蔵「泉橋酒造」の純米大吟醸です。酒米には、山田錦を48%まで磨き上げて使用。玄米の表面が平らになるように削る精米法「扁平精米」を採用しており、表面にある不要なタンパク質を除くことで、雑味の少ない繊細な味を実現しています。日本酒度は+6、酸度は1.6の濃厚辛口であり、絹のようになめらかな味わいを楽しめる高級日本酒です。

南陽醸造 花陽浴 純米大吟醸 美山錦 無濾過生原酒

埼玉県の酒蔵「南陽醸造」が手掛ける純米大吟醸です。酒米には、淡麗な味を生み出す「美山錦」を使用。果実のように香り高く、蜜のような甘みと酸味、コク深い味わいを楽しめます。さっぱりとした味付けの料理におすすめの高級日本酒です。

朝日山 純米大吟醸 洗心

米どころ新潟にある蔵元「朝日酒造」の純米大吟醸。1年と数ヵ月の間、3℃の環境下でゆっくりと熟成させています。3・6・9・11月限定出荷の高級日本酒なので、お酒好きな方へのプレゼントはもちろん季節のイベントやパーティーの差し入れにもおすすめ。

酒米には減肥栽培米「たかね錦」が使われており、精米歩合は28%です。日本酒度は+2、酸度は1.2の淡麗辛口ながら、洗練されたふくらみも感じさせます。

八海山 吟醸酒

新潟県南魚沼市にある蔵元「八海醸造」が手掛ける、人気の高級日本酒「八海山」。本品は、八海山を代表する吟醸酒であり、やわらかな口当たりとキレのよい後味を楽しめます。

爽やかな香りと軽やかな味わいが特徴の「爽酒」に分類されるため、幅広い料理と好相性です。日本酒度+5、酸度1.0の辛口であり、冷でも燗でも料理のおいしさをしっかりと引き立てます。

八海山 純米大吟醸 金剛心

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「八海醸造」が手掛ける、季節限定の高級日本酒です。発売時期は、6月下旬・11月下旬の年2回。6月は爽やかなブルーの瓶、11月は重厚感漂うブラックの瓶と、季節によって瓶の色合いが異なります。

山田錦を35%まで磨き上げて醸したあと、氷点下で2年もの間じっくりと貯蔵熟成させているのもポイント。日本酒度は+1、酸度は1.7とやや辛口であり、端麗な味・香りとともに豊かな余韻を楽しめます。デザイン性の高いボトルでインテリアとしてもおすすめの、希少な純米大吟醸です。

大信州 純米大吟醸 手いっぱい

長野県にある蔵元「大信州酒造」の高級日本酒。玄米の選別から精米、醸造、貯蔵に至るまでしっかりと手間をかけた純米大吟醸のなかから、さらに選別されたプレミアムな1本です。

仕込み水には、柔らかな口当たりを叶える北アルプス連峰の雪解け水を使用。日本酒度は+2、酸度は1.5の辛口であり、品のよい華やかな香りとふくよかな味わいを楽しめます。

黒龍 石田屋 純米大吟醸

福井の蔵元「黒龍酒造」が手掛ける、希少な高級日本酒です。特A地域として認定されている「東条産」の山田錦を、35%まで磨き上げて使用。低温でじっくり長期熟成させることにより、穏やかな香りとまろやかな旨みを楽しめる1本に仕上がっています。

日本酒度は+3ですが甘みが際立っているため、辛口が苦手な方にもおすすめ。発売されるのは毎年11月のみの、贅沢な純米大吟醸です。

真名鶴酒造 シェリー樽熟成大吟醸 樽出原酒

福井・越前大野の蔵元「真名鶴酒造」が手掛ける、ユニークな熟酒です。本品は、スペインで15年以上使っていたシェリー酒の樽のなかで、大吟醸を長期熟成しているのが特徴。日本酒度+5の辛口な味わいに、柔らかな酸味やバニラの香り、まったりと濃密な甘みがプラスされています。

エキゾチックな味わいで、スパイスを使った料理とのペアリングにぴったり。ワイン好きの方にもおすすめの高級日本酒です。

山車 純米吟醸 花酵母造り

岐阜・飛騨高山にある蔵元「原田酒造」の高級日本酒です。本品は、夏から秋にかけて咲く白い花「アベリア」の花酵母を使用しているのが特徴。トロピカルでジューシーな吟醸香と、爽やかな飲み口を楽しめます。日本酒度は+4ですが甘口寄りであり、日本酒を飲み慣れていない方にもおすすめの純米大吟醸です。

菊正宗 純米大吟醸

兵庫にある老舗酒蔵「菊正宗酒造」の純米大吟醸です。素材にとことんこだわり抜いており、酒米には特A地域に認定されている「吉川町」の山田錦を、仕込み水には名水百選に数えられる「宮水」を使用しています。

また、酒母を手作業で造る製法「生酛造り」を採用することにより、力強く深みのある味わいとキレのある喉越しを実現。日本酒度は+6の辛口端麗です。7~15℃に冷やして飲むと、コクと香味がより引き立つのでおすすめ。豪華な金箱入りで、プレゼントにもぴったりの高級日本酒です。

旭酒造 獺祭 純米大吟醸 スパークリング45

山口の老舗酒蔵「旭酒造」が手掛ける「獺祭」は、高級日本酒の代名詞ともいえるお酒。本品は、獺祭の発泡スパークリングです。山田錦を使用した純米大吟醸を、瓶の中で泡を発生させる「瓶内二次発酵」で仕上げています。

豊かな香りや米の甘み、繊細かつ骨太なキレのある味わいとともに、炭酸の爽やかさを楽しめるのが魅力。世界で愛される高級日本酒「獺祭」を、飲みやすいスパークリングで味わってみてください。

榎酒造 華鳩 貴醸酒 ギヤマンボトル 10年

広島の蔵元「榎酒造」が手掛ける、人気の高級日本酒です。本品は、水の代わりに純米酒を使って仕込んだ「貴醸酒」。貴腐ワインのように濃厚で、トロリとした甘さを楽しめるのが特徴です。また、10年間もの長期間熟成したことにより、よりまろやかな舌触りと深みのある味わいを実現しています。個性豊かな熟酒として、食後のデザートと一緒に味わってみてください。

鍋島 特別本醸造

佐賀の蔵元「富久千代酒造」の特別本醸造です。酒米には、佐賀県オリジナルの「佐賀の華」を使用。日本酒度は-6、酸度は1.2であり、上品かつ爽やかな甘口に仕上がっています。香りは控えめで味わいは濃厚な「醇酒」なので、肉料理や濃い味付けの料理におすすめ。甘口好きの方は要チェックの高級日本酒です。

泰石酒造 黎明 本醸造酒

沖縄で唯一清酒を醸す蔵元「泰石酒造」の本醸造酒です。日本酒度は+7.1、酸度は1.6とコクのある辛口仕立てであり、重厚感のある甘い香りも楽しめます。また、浮世絵が描かれたユニークなラベルデザインもポイント。濃厚な味わいでさまざまな料理とペアリングしやすい、おすすめの高級日本酒です。