「はえぬき」「つや姫」で知られる米どころ山形。酒造りに適した上質な米が採れることから、古くから日本酒の産地としても有名です。現在も50軒以上の蔵元が存在しており、さまざまな日本酒が造られています。

今回は、山形の日本酒からおすすめ銘柄をご紹介。併せてその特徴もわかりやすく解説します。比較的リーズナブルで普段飲みに適した日本酒から、入手しにくい人気の品までラインナップしているので、好みの山形日本酒を見つけてみてください。

山形の日本酒の特徴は?

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山形には江戸時代以前から続く蔵元が数多くあります。そのため、酒を手作業で搾るなど伝統的な手法を用いて作られる傾向にあるのが特徴です。

その一方で、1980年代以降は官民を挙げて、酵母や酒米の開発にも注力しています。具体的には、県オリジナルの山形酵母や「出羽燦々」「出羽の里」などの酒米を作り出してきました。

日本酒のなかでも吟醸酒作りが盛んなため、「吟醸王国山形」と呼ばれることもあります。なめらかな味わいと、後味にキレのある日本酒が多いのが特徴です。

料理とともに飲む食中酒として適しているほか、ワイングラスで飲んでもおいしいと評される日本酒が揃っています。

山形の日本酒の選び方

味と香りで選ぶ

甘口

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日本酒の甘口・辛口の目安となるのが日本酒度。日本酒に含まれるアルコールと糖分のバランスを数値化した指標です。糖度が低い辛口の日本酒の数値はプラス(+)になり、逆に糖度が高い甘口のモノはマイナス(-)になります。

一般的に、甘口の日本酒は口あたりがやさしく飲みやすいのが特徴。また、コクを感じやすく、香りも甘めです。

なお、甘口と言うと、かつての日本酒のようなベタベタした甘さがイメージされてしまうことから、旨口と表現されることも多くなっています。

辛口

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日本酒度が「+」の日本酒が辛口と言われます。「-」の甘口に比べて、辛口は数値の幅が大きいのが特徴です。+1.0程度の銘柄から、+20.0以上の超辛口までラインナップしています。

辛口の日本酒はスッキリした飲み味。香りが爽やかでフルーティな日本酒が多いのがポイントです。

ただし、日本酒度はあくまでも目安として考えましょう。同じ日本酒度でも酸度が高いものは、より辛口に感じられます。

また、温度によって同じ銘柄でも味わいが変わるのもポイント。温度を上げると甘味が強くなり、冷やすと飲み口がシャープになります。いろいろな日本酒で、自分好みの味を見つけてみましょう。

使われている酒米で選ぶ

出羽燦々

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山形県を代表する酒米。山形県産吟醸酒の製造を目指す「山形讃香」プロジェクトが発端となり、1985年に県立農業試験場で美山錦・華吹雪を交配して開発されました。

吟醸酒作りに適した酒米だけに、キレ味のよい淡麗な味わいが特徴です。山形県の多くの酒造メーカーで使用されており、比較的リーズナブルな日本酒が多いのもメリット。山形らしい日本酒を探している方は、まずチェックしておきたい酒米です。

出羽の里

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出羽燦々と並び、山形の日本酒で使用されることの多い山形県産酒米。出羽燦々のさらなる改良を図るため、1994年から県立農業試験場で出羽燦々・吟吹雪を交配して開発されました。

出羽の里を使った日本酒は、米の旨味が濃厚ながら、後味にキレがあるのが特徴です。冷酒や食中酒として飲むのもおすすめ。同酒米を使用した発泡性日本酒もリリースされています。

山田錦

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「酒米の王様」と評される山田錦。数多くの日本酒で使用されています。主な生産地は、日本一の酒どころと言われる兵庫県です。1923年に兵庫県立農事試験場で開発されました。

山田錦の日本酒は、しっかりした味わいで香味が強いのがポイント。鑑評会などで入賞する日本酒の多くで使われています。また、精米しやすいことから、精米歩合50%以下の大吟醸酒で使用されることが多いのも特徴です。

美山錦

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山田錦と並んで、全国的に人気が高い酒米。農林省農業技術研究所において1972年、たかね錦に突然変異を起こさせた種が起源といわれています。長野県農事試験場で第2〜7世代の選抜を実施して、1978年に美山錦となりました。

キレがよく、繊細な味わいが特徴です。耐寒性が強いことから、東北地方で栽培されることも多く、山形県も主要な生産地として知られています。出羽燦々の親株としても有名です。

有名銘柄から選ぶ

十四代

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蔵元の高木酒造は元和元年(1615年)に創業された山形でも屈指の老舗。十四代は高木酒造の15代目が生み出した銘柄です。

入手困難なことで有名で、「幻の酒」などと言われています。淡麗辛口が主流だった時代に登場した芳醇旨口の十四代は、日本酒のトレンドを変えたとも評されている銘柄。米のふくよかな味わいが特徴の日本酒です。

なお、同酒造は酒米作りにも積極的。15代目の高木辰五郎氏が「酒未来」「龍の落とし子」「羽州誉」などを開発しています。

くどき上手

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創業明治8年(1875年)の、出羽三山近くにある亀の井酒造の銘柄です。艶やかな香味と柔らかな味わいで人気があります。

全商品の平均精米歩合が約48%で、すべての日本酒は吟醸仕込み。吟醸王国山形らしい蔵元です。

さらに、高い品質維持管理で定評があります。200坪以上の冷蔵設備を用いて、すべての商品は出荷直前まで冷蔵管理されているため、ハイクオリティな吟醸酒を探している方におすすめ。

また、銘柄名と浮世絵を用いたラベルがユニークなのもポイントです。

山形正宗

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山形正宗の蔵元は明治31年(1898年)に天童市で創業された水戸部酒造。徹底的に手作りにこだわる少量生産で有名です。

醪(もろみ)を搾る上槽の工程では、江戸時代以前から続く伝統の道具である槽(ふね)を使用。醪にかかる圧力が優しいため、雑味の少ない自然な味の日本酒ができあがります。

仕込み水は奥羽山系の伏流水。ミネラルを多く含んだ、硬度およそ120の天然水です。かなり硬めの水を仕込み水にすることによって、シャープでキレ味のよい山形正宗を生み出しています。

上喜元

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昭和21年(1946年)に5つの蔵元が合併して設立された酒田市の酒田酒造が手がけている銘柄。飲む人の「上質な喜びの元」となることが名前の由来です。

伝統的な手作り製法を重視する一方で、価格は比較的リーズナブル。後味にキレがあり、飲みやすい日本酒が多いのが特徴です。

なお、昭和60年頃までは鑑評会出品用として作られていた吟醸酒を市販化した酒造としても知られています。

現在は、製造する日本酒の多くが吟醸酒以上の高級酒。山形を代表する吟醸酒として、おすすめの銘柄です。

プレゼント用に選ぶ

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山形の日本酒は吟醸酒などの高級酒が中心で、飲み口がサッパリしているため、誰でも飲みやすいのが特徴です。

また、伝統的な醸造方法を重視する酒造メーカーが多く、ていねいな酒作りを行っているのも大きなポイント。自信を持ってプレゼントできて、相手にも喜ばれやすい日本酒が揃っています。

特に、酒米に山形県産の出羽燦々や出羽の里などを用いたモノは郷土色豊か。リーズナブルな日本酒でも珍しさがあり、相手の印象に残る贈り物になります。

結婚・出産・就職・新築など、人生の節目におけるプレゼントとして最適です。

山形の日本酒のおすすめ銘柄

十四代 本丸 秘伝玉返し

本丸は十四代で人気の高い日本酒。全国的にも特別本醸造酒の名品の一つと言われています。

酒米に美山錦を用いており、精米歩合は55%。華やかなバニラの香りと、上品で軽快な味わいが魅力です。

オリーブオイルとの相性もよいため、洋風料理にも合わせやすいのがメリット。日本酒度+1、アルコール度数15%の誰にも飲みやすい日本酒です。

十四代 中取り純米 無濾過 1800ml

美山錦を55%まで精米した十四代の生酒。酒作りの工程において、濾過や火入れと呼ばれる加熱殺菌を行わない生酒は、酒米が本来持っている華やかな香りとフレッシュ感あふれる味わいが魅力です。

本製品は原料に米・米麹・水だけを用いた純米酒であることから、濃醇な旨味となめらかな味わいが魅力。米本来の旨味をじっくり味わいたい方におすすめの日本酒です。

なお、酵母菌の生きた銘柄なので保管の際は冷蔵するようにしましょう。

くどき上手 ばくれん 吟醸酒 超辛口 +20

日本酒度+20という超辛口の吟醸酒です。アルコール度は18〜19%と高め。開発当初は、辛さが強調された日本酒でしたが、約2年間熟成させることで、フルーティーかつ上品な吟醸香を出すことに成功しました。

酒米には美山錦を100%使用しており、美山錦の特徴であるキレのよさを上手に引き出しています。山形の辛口酒を探している方におすすめの一品。価格も2千円台と比較的リーズナブルなことも魅力です。

くどき上手 新おしゅん スパークリング清酒 720ml

米・米麹に炭酸ガスを加えた発泡性日本酒です。酒米には山形県産の出羽の里を使用しており、精米歩合は50%。アルコール度数は約10%と低めで、日本酒度-5の甘口です。

酵母として、2008年に山形県で開発された品種を採用したオール山形産のスパークリング清酒。キレイな泡立ちと爽やかな甘味を楽しめる、洋食との相性もよい日本酒です。

山形正宗 辛口純米

水戸部酒造の山形正宗を代表する純米酒です。自社で栽培した出羽燦々を酒米として使用しており、60%まで精米しています。低温で丁寧にゆっくりと発酵させることにより、米の旨味をしっかりと引き出しているのが特徴です。

酸味のバランスも良好。冷やしても、お燗でもおいしく飲めるので、初めて山形の日本酒を飲む方はもちろん、贈答用としてもおすすめの日本酒です。

山形正宗 純米吟醸 雄町

岡山県赤磐産の酒米・雄町を使用した純米吟醸酒です。数ある酒米のなかでも、雄町は最も濃厚で骨太と言われる品種ですが、収穫量が少ないのがポイント。本製品は、雄町のコクのあるしっかりした旨味や味わいが魅力です。

さらに、50%まで精米することにより、みずみずしいフルーティな香りを実現しています。酸度は1.6と高く、スッキリした後味が料理との相性もよいのも魅力。「銘刀のキレ味」と評される山形正宗らしい純米吟醸酒です。

上喜元 純米 出羽の里 1800ml

酒米に山形県の出羽の里を使用した、上喜元の純米酒です。精米歩合が80%と、ほかの日本酒に比べて低精白なのがポイント。なめらかな米の旨味が残っている一方で、低精白酒らしからぬスッキリした後味が好印象です。

日本酒度は+1ですが、酸度が1.6と高く酸味がしっかりあるので、より辛口に感じられます。低精白でも上品な飲み口の日本酒です。

出羽桜 純米大吟醸 一路 720ml

酒米の山田錦を45%精米した高精白の純米大吟醸酒。鑑評会出品用の「出羽桜 鴨田」の価格を抑えて、一般向けに販売している製品です。味わいは、やや甘口で芳醇濃厚。10〜15℃程度に冷やして飲みたい日本酒です。

純米酒大賞で2度受賞しているのがポイント。また、インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)のSAKE部門で最高賞、全米日本酒鑑評会で準グランプリを獲得するなど、海外での評価も高い日本酒です。

初孫 初孫・誕生 生もと仕込みセット 各720ml

明治26年(1893年)の創業以来、一貫して「生もと仕込み」を行う東北銘醸の贈答用2本セットです。

「初孫」は酒米に美山錦を60%使った純米酒。一方の「誕生」は特別本醸造酒です。日本酒度はそれぞれ+3・+2、アルコール度数はともに16%。多くの方が飲みやすい銘柄のセットです。

生もと仕込みは天然の乳酸菌を取り込んで、酵母を育てる伝統技法。できあがった日本酒は雑味が少なく濃醇な酒質になるのが特徴です。ただし、手間と時間がかかるとともに、高い技術が必要とされます。

丁寧に作られた本製品は、大切な方へのプレゼントとして最適。720mlの2本セットですが、3千円前後とリーズナブルなのもポイントです。