多種類の楽器が奏でる音色を合成し、演奏や作曲ができる電子楽器の「シンセサイザー」。一台あれば活動の幅も大きく広がります。しかし、タイプによって特徴も変わってくるので、自分のスタイルや用途に適した機種を選ぶのがポイント。

そこで今回は、シンセサイザーの選び方や、おすすめ機種などをご紹介します。本記事を参考に、ぜひ自分に合ったシンセサイザーを選んでみてください。

シンセサイザーとは?

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シンセサイザーは電子回路を使ってさまざまな音を出す楽器のことを指します。音源の操作には主に鍵盤を用いますが、最近ではPCのキーボードなどで演奏できる種類もあります。

モデルによって内蔵されている音色の種類は異なるものの、鍵盤楽器から弦楽器などタイプを問わずさまざまな楽器が奏でる音で演奏が可能。また、鍵盤数や音色の質、作曲に便利な録音機能など、モデルにより備わっている性能や機能も異なります。

シンセサイザーとキーボードの違い

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キーボードは、ピアノやオルガンなどのように鍵盤を押して音を奏でる鍵盤楽器のことです。もちろん、シンセサイザーも基本的には鍵盤を使用して演奏します。

両者の違いとしては、細かい音色の調節ができない機種が多いキーボードに対して、シンセサイザーは繊細な音色調節が可能。また、スピーカーが内蔵されているキーボードやシンセサイザーは本体だけで演奏できます。なお、基本的にシンセサイザーはスピーカーが内蔵されていないモデルが多いため、アンプ付きのスピーカーやヘッドホンが必要です。

最近の音楽シーンでキーボードと一般的に呼ばれているのは、鍵盤自体が単体となったポータブルタイプの電子楽器です。見た目や性能もシンセサイザーと変わらない機種が多く、多彩な音で演奏できる点では似ています。

シンセサイザーの選び方

鍵盤数で選ぶ

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シンセサイザーの鍵盤数は、25・37・49・61・64・73・76・88までさまざまな種類があるのが特徴。ピアノの鍵盤数は88が基本なので、それ以下の鍵盤数だと曲目によっては演奏できないおそれがあります。

また、鍵盤数が多くなると、シンセサイザー本体のサイズも大きくなり、重さも増します。練習部屋があまり広くない方やスタジオなどへの移動が多い方は、そのあたりも考慮しながら適切な鍵盤数を選びましょう。

一般的なバンド演奏に使う方には61~88の鍵盤数で、持ち運びやすい軽量モデルがおすすめ。クラシックやジャズなどピアノ曲をよく弾く方には、88鍵盤のタイプを、88鍵盤は重すぎるけど61鍵盤だと物足りない方には、73・76鍵盤のモノを選びましょう。

音色の質や数で選ぶ

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どんな楽器にも言えることですが、シンセサイザーも価格やメーカーによって音色や強弱の出方が異なります。

また、いろいろな音が出せるシンセサイザーだからこそ、音色の数も選ぶポイントになります。音色の数を決めるためには、自分がどんなジャンルの音楽を演奏したいかが重要です。

たとえば、「弾き語りをしたいのでピアノやオルガンの音があれば十分」「和楽器や民族楽器の音色も出したい」「環境音楽を作るために雨音などの自然音も欲しい」というように、用途に合わせて音色の数をチェックしましょう。最近のシンセサイザーは、初心者モデルでも数百以上の音色を搭載しているモノも多くあります。

鍵盤のタッチ感で選ぶ

シンセサイザーのタッチ感は大きく分けて2タイプあります。1つはエレクトーンに近い軽いタッチ、もう1つはピアノに近い重めのタッチ。

タッチ感が軽いシンセサイザーは、本体の重量も軽めのモノが多く、持ち運びに適しています。また、鍵盤をすばやく撫でて音を出す「グリッサンド奏法」をする場合もタッチの軽いタイプがおすすめです。

一方、ピアノを弾きなれている方は、ピアノに近い重めのタッチ感があるモデルがおすすめ。自分のスタイルにあわせたモデルを選べばより快適に演奏できるのでチェックしておきましょう。

機能で選ぶ

スプリット/レイヤー機能

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シンセサイザーの代表的な機能には、鍵盤を音色で分ける「スプリット機能」と、複数の音色を重ね合わせる「レイヤー機能」があります。スプリット機能は鍵盤上で使用するスペースをグランドピアノやバイオリンなどあらゆる楽器の音色で分けて使用可能。

レイヤー機能は、グランドピアノとバイオリンといった、違う種類の音色を重ねて、オーケストラやバンドのような演奏ができます。スプリットとレイヤー機能を、細かくプログラミングしたレイアウトで、多種多様なカスタマイズも可能です。

ただし、タイプやスペックによっては、レイヤーやスプリットできる音色の種類に制限がある場合もあるので、用途や目的に応じてチェックしましょう。

シーケンサー機能

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バンド活動や作曲をする方といった、PCなどのハードウェアで音楽制作と編集を行う「DTM」に便利なのが「シーケンサー機能」です。作曲する際には、楽譜起こしや録音が必須。シーケンサー機能が備わっていれば、さまざまな楽器の音色やメロディで演奏しながらの録音ができます。

打ち込みながら録音しておけるので、不意によいメロディやアンサンブルが生まれた場合でも、必死に記憶を蘇らせる必要もなく便利。また、ライブ演奏などでは、シンセサイザーで録音しておいた足りない音源との同時演奏も可能です。

予算で選ぶ

シンセサイザーの相場は、低価格帯で6万円前後です。鍵盤数の少ない小型タイプなら安価なモノもありますが、鍵盤数が足りなくて演奏や練習に適さないこともあるので、安易に価格だけで選ぶのはおすすめできません。

10万円以上のモノは多彩な機能を搭載しているモノが多いので、普段の練習やライブはもちろん、オリジナリティあふれる楽曲作りにも活用できます。そのほか使い方によっては、ペダル・ヘッドホン・キーボードスタンド・キーボードケースといった周辺アイテムが必要になることもあります。そのあたりも考慮しつつ予算を考えましょう。

メーカーで選ぶ

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シンセサイザーの有名3大メーカーは、ヤマハ・ローランド・コルグです。3社ともさまざまなモデルをラインナップしており、世界中で高い人気を誇っています。

いずれも日本企業で国内に拠点があるので、万が一不具合や修理が必要になった際も対応してくれるのが魅力。初心者から上級者までにおすすめできるメーカーです。

シンセサイザーのおすすめ

ヤマハ(YAMAHA) MOXF8

88鍵盤で、幅広い音楽制作や演奏ができるシンセサイザー。GHS鍵盤のためタッチが低音部は重く、高音部は軽いのが特徴です。鍵盤をタッチした瞬間の強さによって、音質と音量のコントロールを行う「イニシャルタッチ」も搭載。ピアノを弾く感覚で繊細で深い表現が可能です。

また、同時発音数は128でレイヤー機能を用いての演奏でも、発音数をオーバーして音切れをする心配もなく演奏ができます。鍵盤数が多く、ピアノタッチで使用できるシンセサイザーを探している方におすすめのモデルです。

ローランド(Roland) FA-06-SC

鍵盤楽器や弦楽器はもちろん、管楽器など豊富な種類の音色をリアルに出力できる、61鍵盤のシンセサイザー。「Super Natural音源」の搭載で、2000種類以上のサウンドを奏でます。拡張スロットも内蔵しており、さらなる音色の拡張も可能。

また「ノンストップ・ループ録音」ができる16トラックのシーケンサー機能により、ゼロから作曲もできます。打ち込んだフレーズをダイレクトに録音し再生する「サンプラー機能」も内蔵。サンプリングの幅も広がります。

61鍵盤で、5.7kgと軽量なのも特徴。付属のソフトケースに収納して、背負って便利に持ち運びもできます。プロの方の使用はもちろん、高機能なうえタッチが軽くて取り扱いもしやすいので、初心者の方にもおすすめのモデルです。

ローランド(Roland) GO:KEYS GO-61K

スマートフォンに繋いで音楽が楽しめる、61鍵盤のシンセサイザー。Bluetoothでスマートフォンに接続し、オンラインで曲を再生したり、セッションしながら演奏したりできます。搭載されているサウンドは500種類以上。ピアノ・ブラス・ストリングス・ドラムといった高いクオリティの音色を奏でます。

また、鍵盤に音色を割り当てるスプリットや、音を重ね合わせるレイヤー機能も搭載。さらに、指一本で鍵盤に割り当てたサウンドを重ねられる「ループ・ミックス機能」により、初心者の方でも本格的な演奏が可能です。

幅が88cmの小型サイズで、重量も3.9kgと非常に軽量なのも特徴。自宅で演奏や練習が楽しめるのはもちろん、ライブなどへも簡単に持ち運びできます。SNSなどの動画配信で演奏する方にもおすすめです。

コルグ(KORG) Professional Arranger PA300

ライブでの演奏や作曲が、ハイクオリティで手軽に行える、61鍵盤のシンセサイザー。バンド演奏に弾き語り、または作曲でも便利なスピーカー機能が内蔵されています。

また、スタイルを選んでコードを弾けば、プロ級バンドのクオリティでバッキングトラックが完成。ギター演奏のシュミレートができる「ギター・モード」も搭載しているなど、演奏や自宅での練習で活躍するのはもちろん、DTMをする方にもおすすめの機能を備えています。

モーグ(moog) Grandmother セミモジュラー・アナログシンセサイザー

短音発声のモノフォニックタイプながら、太く力強い音色が魅力的な、32鍵盤のアナログシンセサイザー。操作パネルに基本機能がまとまっているセミモジュラーのため、ケーブルのパッチングが不要で音楽制作ができます。

また、ギターやドラムマシンなどに対応する、4分の1インチの外部オーディオ入力も可能。ライブでの生演奏でもアナログ独特のサウンドを奏でます。シーケンス機能を3つ備えており、最大で256までの録音と保存ができるため、曲作りの幅を広げたい方におすすめのアナログシンセサイザーです。

アートリア(ARTURIA) MiniBrute 2

セミモジュラータイプで、初心者の方におすすめのアナログシンセサイザー。難しいパッチング不要で、基本的な曲作りや音作りができます。パラメータの各機能や操作といった、基礎を理解するところから本格的な演奏を行うプロの方の使用にも適したモデルです。

アナログらしいパワフルなサウンドも魅力で、分厚く深い音色を生む「Ultra Saw」や、豊かなトーンを作り上げる、周波数変調の「FM機能」を搭載。

また「アフタータッチ」なので、打ち込んでさらに押し込めば音量やビブラートなどもコントロールできます。25鍵盤で、サイズは幅48.4×奥行き33.6×厚さ5.8cmとコンパクトな小型サイズ。重量は4.8kgと軽量なため、持ち運びに便利なのも特徴です。

コルグ(KORG) KROSS2-88 MB

ピアノタッチで演奏したい方におすすめの、88鍵でNH鍵盤のシンセサイザー。美しく奏でるピアノ音源をはじめとした、ハイクオリティでリッチなサウンドを豊富に搭載しています。

1000種類以上の多彩なプリセット音色や、エレクトロダンスミュージックに対応するドラムトラックなどのプログラムも多数内蔵。ピアノ演奏や音楽作成、クラブミュージックまで幅広く活用でき、汎用性の高さが魅力のモデルです。

Novation MiniNova

ボコーダーマイクとボーカルエフェクトも搭載した、37鍵盤のシンセサイザー。マイクを使用して声を出しながら演奏を行えば、ヒップホップやアーバンといったミュージックシーンでも特徴的なボーカル効果が得られます。

また、37鍵盤で重量も2.52kgと非常に軽量です。サイズも幅56×奥行き25×高さ7.5cmとコンパクト。しかし、小型で持ち運びがしやすいだけでなく、256種のプリセット音色で最大で384音色の保存ができるなど、多彩で優れた性能を備えているのも特徴です。