「ロゼワイン」の魅力は、美しい色と華やかな香り。グラスに注ぐと、きれいなピンク色に輝いて食卓を彩ります。ロゼワインにも甘口や辛口があり、デザートワインとしても食中酒としても楽しめるのが魅力です。
そこで今回は、ロゼワインの選び方とおすすめの銘柄をご紹介します。いつもの赤ワインや白ワインに飽きてきた方やロゼワインが気になっていた方は、チェックしてみてください。
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ロゼワインとは?
ロゼワインはきれいなピンク色のワインです。赤ワインは皮や種の色素を黒ブドウの果汁に染み出させますが、ロゼワインは途中で皮を取り除いて程よい色に仕上げるのが特徴。黒ブドウを圧搾する製法や、黒ブドウと白ブドウを混ぜる製法もあります。
ロゼワインの甘辛度を決めるのは、使用するブドウ果実の完熟度です。味の濃さはボディでは表さず、「しっかりした味」や「スッキリしている」と表現します。ロゼワインにも酸味があり、ブドウが持つ酸味や発酵度合いによって変化するのが特徴です。
ロゼワインの作り方とは?
セニエ製法
セニエはフランス語で「瀉血(しゃけつ)」を意味し、わかりやすく言い換えると「血抜き」を表します。ロゼワインは醸造の途中で果汁を抜き取って造られるため、その過程が血抜きと似ていることから「セニエ製法」と呼ばれるようになりました。
セニエ製法では、潰した黒ブドウの果皮・果汁・種をタンクに入れて浸漬させるのが特徴。果汁が色づいたらタンクから抜き取り、果汁だけを別のタンクに移動して発酵させるのが赤ワインの製法との違いです。
セニエ製法で造るロゼワインは果皮をブドウ果汁に浸漬する時間が長いので、濃い色に仕上がります。渋みを感じるタンニンも多く含まれるため、しっかりした味わいのロゼワインを飲みたい方におすすめです。
直接圧搾法
「直接圧搾法」では赤ワインの原料を使用し、白ワインの製法でロゼワインを造ります。黒ブドウを潰してゆっくり圧搾し、果汁に抽出されるわずかな色素で色をつけるのが特徴。果実と果皮が接するのは圧搾中のみだけなので、淡いピンク色のロゼワインに仕上がります。
直接圧搾法で造られるロゼワインは、爽やかな味で飲みやすいのが魅力。白ワインの製法で造られるため、風味と味わいも白ワインに近くなります。さっぱりと飲めるワインを好む方におすすめです。
混醸法
「混醸法」は黒ブドウと白ブドウを使用するのが特徴。2つのブドウをタンクで発酵させて浸漬することにより、果汁に黒ブドウの皮から溶け出した赤い色素が付きます。白ブドウの皮の色素も溶けだすため、薄いピンク色が美しいロゼワインに仕上がるのが魅力です。
混醸法で造られたロゼワインは、黒ブドウと白ブドウのよさを味わえるのがメリット。コクがありながら爽やかに飲めるので、さまざまな食事によく合います。
ロゼワインに合う料理とは?
ロゼワインはクセが弱く赤ワインと白ワインのよさを併せ持つため、さまざまな料理によく合います。とくに「セニエ製法」で造られたロゼワインはタンニンの程よい渋みがあるので、油っこい料理に合わせるとさっぱり飲めるのがメリットです。
ロゼワインはシーフードとの相性がよいのもポイント。トマトソースともよく合うため、シーフドパスタヤピザなどに合わせるのもおすすめです。焼き鳥や中華料理などの味が濃い料理にもマッチします。
ロゼワインの甘口と辛口に合う料理もチェックしておきましょう。甘口のロゼワインは生ハムなどのおつまみや甘いデザートによく合い、食前酒としても飲めるのが魅力です。辛口のロゼワインは肉料理や魚料理との相性がよく、食中酒として飲むと料理を引き立てます。
ロゼワインの選び方
料理や好みに合わせて飲み口を選ぶ
ロゼワインにもさまざまな飲み口のモノがあります。どれを選べばよいか迷った場合は、合わせる料理や好む飲み口のロゼワインを購入してみましょう。
甘くてスッキリした飲み口を好む場合は、甘口のロゼワインがおすすめ。しっかり冷やして飲むと甘みを抑えられるため、甘いお酒が苦手な方でも美味しく飲めます。フルーツやデザートだけでなく、スナックやチーズにもよく合うのが魅力です。
酸味があるロゼワインは、シャープな飲み口を好む方に適しています。冷たく冷やすとフレッシュな味わいを堪能できるのがメリット。味の濃い料理に合わせるとさっぱりと美味しく飲めます。
複雑な味わいや渋みを好む方には、色の濃いロゼワインがおすすめ。よく冷やして飲むとタンニンの渋みが感じられ、肉料理に合わせるとさっぱり飲めます。渋みをまろやかにしたい場合は、冷やしすぎず、やや高めの温度で飲みましょう。
華やかな場ではスパークリングがおすすめ
ピンク色がきれいなスパークリングのロゼワインは、グラスに注いでテーブルに並べると豪華な雰囲気になります。お祝い事やイベントなどの華やかな場にぴったりです。お正月やクリスマスなどに飲むと、より一層気分が盛り上がります。
ロゼのスパークリングワインは、さまざまなパーティー料理に合うのも魅力。テーブルに洋食や中華などのジャンルが違う料理が並んでいても、ロゼのスパークリングワインがあればそれぞれの料理を美味しく味わえます。
辛口でさっぱりした飲み口のモノは、食後のデザートに合わせるのもおすすめ。パーティーでケーキを食べる際に飲むのにも適しています。甘いお酒を好む方は、甘口のスパークリングワインにデザートを合わせてみましょう。
代表的な産地から選ぶ
ロゼワインの産地として有名なのがフランスです。とくにフランスのプロヴァンス地方は代表的な産地で、果実味を感じる辛口のロゼワインを造っています。また、ロワール地方はロゼワインの生産割合が多く、早飲みタイプのモノを多く生産していることで有名です。
ローヌ地方のロゼワインは、サーモンピンクの美しい色合いが魅力。しっかりした果実味に酸味が調和しており、バラのような香りも感じられます。ボルドー地方のロゼワインは、赤ワインに近いモノを好む方におすすめです。
さらに、イタリアでもさまざまな地方でロゼワインが造られています。北側の地域で造られるロゼワインは、色が淡くて軽やかな味わいが特徴。南側の地域では、主に果実味がある濃い色のロゼワインを造っています。
そのほか、地中海性気候のスペインもブドウ栽培に適した地域。シャンパーニュ製法で飲みやすく親しみやすいロゼのスパークリングワインが造られています。
ロゼワインのおすすめ
イヌリエータ(INURRIETA) メディオディア ロサド
「セニエ製法」で造られているスペイン産のロゼワインです。冷浸した果汁と皮から果汁のみを抽出し、低温発酵をさせてからタンクで3ヶ月熟成して製造しています。グラスに注ぐと濃いラズベリーピンクに輝き、赤い果実やバラの香りを感じるのが特徴です。
原料のブドウはカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロで、フレッシュな味わいに仕上がっています。辛口ながら口当たりがソフトで滑らかなので、さまざま料理によく合うのがメリット。香りと味のバランスがよいロゼワインを飲みたい方におすすめです。
ムートン・カデ(MOUTON CADET) バロンフィリップロスチャイルド
果実味がしっかりした、フレッシュな味わいのロゼワインを飲みたい方におすすめの1本です。「直接圧搾法」で製造されており、ブドウの風味と香りをしっかり感じられるのが特徴。アクアパッツァなどの魚介を使った料理によく合います。
淡いコーラルピンク色が美しいのもメリット。グラスに注ぐと食卓が優しい雰囲気に包まれます。ベリー系のフレッシュな香りも魅力のひとつ。初めてロゼワインを飲む方にも適したボルドー産の銘柄です。
ロータリ(ROTARI) アルテ イタリアーナ ブリュット ロゼ
黒ブドウのピノ・ノワールと白ブドウのシャルドネを使用し、混醸法で造られているスパークリングワインです。果実の芳醇な香りを出すために、「スチール樽」で熟成を行っているのが特徴。ブラックベリーやラズベリーなどの繊細な香りを好む方におすすめです。
熟成後は、澱と共にボトルに移してシャンパーニュ製法で長期熟成を行っています。しっかりした味わいで、滑らかな酸味も感じられるのがメリット。グラスに注ぐときれいな泡が持続します。飲みごたえがあるイタリア産のロゼワインを探している方におすすめです。
シャトー・レ・トロワ・クロワ(Chateau Les Trois Croix) シャトー・レ・トロワ・クロワ ロゼ
タンニンを感じられる、しっかりした味わいのロゼワインです。発酵と熟成の過程で酵母や澱とワインを接触させる「シュールリー熟成」を行って造られているのが特徴。まろやかでアロマを感じるロゼワインを飲みたい方に適しています。
原料には100%メルロを使用。フルーティーな味わいでさまざまな料理によく合います。グラスに注ぐと淡いピンク色に輝くのも魅力。ボルドー産の辛口ロゼワインを飲みたい方におすすめです。
ドメーヌ・ド・ラ・モルドレ(Domaine de la mordoree) コート・デュ・ローヌ・ロゼ ラ・ダム・ルス
手作業で厳選しながら収穫されたのブドウを使用し、「セニエ製法」で造られているロゼワインです。品質が高くて高級感があるモノを飲みたい方におすすめ。フレッシュでエレガントな味わいで、長い余韻も楽しめるのが魅力です。
オレンジがかったチェリーピンクの華やかな色を楽しめるのもポイント。オレンジやチェリーのような果実香に、花の香りも感じられるのがメリットです。軽やかな飲み口の辛口で、肉料理やシーフード料理によく合います。
ロッシュ・リニエール(Roches-Linieres) ロゼダンジュ
フランスのロワール地方で造られる中甘口のロゼワインです。原料にカベルネフランやカベルネソーヴィニョンなどのブドウを使用。ブドウそれぞれの微妙なバランスにより、自然な甘みが美味しいロゼワインに仕上がっています。
やや濃いめの鮮やかなピンク色も魅力のひとつ。グラスに注いでテーブルに並べると、ゴージャスな雰囲気を演出できます。花と赤い果実の爽やかな香りを感じられるのもポイント。価格も比較的安いので、初めてロゼワインを飲む方にもおすすめです。
ミラヴァル(Miraval) コート ド プロヴァンス ロゼ
ワイン造りで有名なプロヴァンス産のロゼワイン。「セニエ製法」により製造されており、口にすると自然な酸味を感じます。ミネラル感もあり飲みやすいのがメリット。フレッシュなフルーツや繊細なバラの香りを感じるのも特徴です。
高級感のあるボトルのデザインもおしゃれ。パーティーの席にぴったりなモノを探している方におすすめです。グラスに注ぐと淡いピンク色に輝き、料理を引き立てます。リッチな味わいの辛口ロゼワインを探している方はチェックしてみてください。
シャトー・レ・グラーヴ(CHATEAU LES GRAVES) シャトー・レ・グラーヴ・ロゼ
フルーティーな味わいのロゼワインです。原料のメルローやカベルネ・ソーヴィニヨンを、24時間タンク内で浸軟させて製造するのが特徴。味のバランスが取れた、辛口のロゼワインに仕上がっています。
軽く冷やして飲むと爽やかな味を堪能できます。グラスに注ぐと華やかなガーネット色が美しく、フルーツや赤い果実の香りを感じられるのも魅力。ボルドー産の美味しいロゼワインを飲みたい方におすすめです。
パイパー・エドシック(PIPER HEIDSIECK) ロゼ・ソヴァージュ
カンヌ国際映画祭の公式サプライヤーの「パイパー・エドシック」が製造する、スパークリングのロゼワイン。深いルビー色で、きめの細かい泡立ちが特徴です。
凝縮感のある味わいも魅力。爽やかさと、モレロチェリーのような熟した果実の香りを楽しめます。ベリーの味わいやスモーキーなニュアンスがあるのもポイント。力強さとみずみずしさを兼ね備えた、高級なロゼワインを飲みたい方におすすめです。
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ロゼワインの美味しい飲み方
ロゼワインの飲み頃温度は6~10℃。冷蔵庫で3時間以上冷やすのがおすすめです。製品によって飲み頃温度が異なるため、裏面のラベルなどを確認しましょう。
ロゼワインには甘み・酸味・渋みがあり、温度によって味わいが変わります。甘みを抑えたいなら、低めの温度に冷やしましょう。シャープな酸味を感じたい場合もよく冷やして飲むのがおすすめ。酸味が苦手な場合は、冷やしすぎず高めの温度で飲むとマイルドな味わいになります。
渋みが苦手な方は、高めの温度で飲むとまろやかになるのでおすすめ。また、ロゼワインの複雑な味を堪能したい場合も、冷やしすぎないようにしましょう。渋みを好む方は、よく冷やすと美味しく味わえます。
ロゼワインの香りも、温度によって変化するのが特徴。低めの温度に冷やすと、ブドウ特有の香りや発酵と醸造による香りを感じられます。香りの広がりを楽しみたい方は、やや高めの温度で飲むがおすすめです。
ロゼワインをグラスに注いで食卓に並べると、不思議と気分が高まります。パーティーなどの華やかな場で飲むのにぴったりなワインです。甘口や辛口があり、さまざまな食事と相性がよいのもメリット。いくつかの銘柄を飲み比べて、自分好みのロゼワインを見つけてみましょう。