フィルムカメラの密かなブーム再燃とともに注目されているのが「フィルムスキャナー」。フィルムや写真プリントをデジタルデータ化できるのが特徴で、古い写真をパソコンに取り込んで保存や整理をするときにも重宝します。

そこで今回はフィルムスキャナーのおすすめモデルをピックアップ。種類について解説するほか、選ぶ際に確認すべきポイントなどもご紹介するので、購入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

フィルムスキャナーの選び方

種類で選ぶ

フィルムタイプのスキャナー

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フィルムを取り込むことに特化したフィルム専用のスキャナー。通常の35mmフィルム以外にも、中判サイズの120mmフィルムや4×5の大判フィルムなど、さまざまなサイズのフィルムを取り込める機種があります。

ネガフィルムやポジフィルムを高い解像度でデジタルデータ化できるため、高画質なのが特徴。また、フィルムを取り込む際はスライドケースにフィルムをセットしてコマごとに送るので、スムーズに作業できて効率的です。

フィルム専門のためプリント済みの写真を取り込むことはできませんが、機能を限定している分リーズナブルな機種が数多くあるのもポイントです。

フラットベッドタイプのスキャナー

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高画質が魅力の汎用型スキャナー。センサーの品質が他のスキャナータイプよりも高く、フィルムホルダーにフィルムをしっかりと固定して取り込む形式のため、フィルムを高精細かつ高画質にデータ化できるのが特徴です。

フィルムのサイズごとにフィルムホルダーは用意されているので、35mmフィルムだけではなく、中判や大判などさまざまな種類のフィルムに対応しています。また、フィルムホルダーには複数枚のフィルムをセットできる機種もあり、一度にまとめて取り込めるので作業効率も良好です。

もうひとつの特徴として、フィルムタイプのスキャナーと異なり、フィルムだけではなく写真プリントも取り込める汎用性の高さがあります。プリント済みの写真もデータ化したい場合や、画質を重視したい場合におすすめです。

シートフィードタイプのスキャナー

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主にプリント済みの写真を取り込むためのスキャナー。本体にローラーが内蔵されており、写真プリントを置くだけで簡単にスキャンできるのが特徴です。

しかし、フィルムの取り込みにも対応している機種は少なく、対応可能なサイズも限られています。取り込む際の画質もさほど高くはないため、主な用途がフィルムの取り込みの場合はあまり向きません。

一方で、リーズナブルな機種が多く、作業効率も高いというメリットがあります。通常のL判プリントならば複数枚でもさくさく取り込めるので、アルバムのデータ化にも最適。取り込めるフィルムの種類や画質よりも、価格や作業効率を重視したい場合にはおすすめです。

対応フィルムで選ぶ

コンパクトカメラから一眼レフカメラまで、フィルムカメラでは一般的に35mmフィルムが採用されています。このフィルムの画像サイズは24×36mmです。

35mmフィルム以外にもより大きな画像サイズのフィルムとして、中判サイズの120mmフィルム(ブローニーフィルム)や4×5インチ以上の大判フィルムもあります。これらのフィルムは主に業務用の大型カメラで採用されていますが、一般用途のフィルムとしてはややマイナーです。

対応可能なフィルムスキャナーも限られているので、中判サイズ以上のフィルムを取り込みたい場合は、あらかじめフィルムスキャナーのスペック表で対応フィルムを確認しておきましょう。

解像度で選ぶ

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解像度とはフィルムから取り込む画像の精細さを示す数値のこと。dpi(ディーピーアイ)という単位で表記されますが、この数値が高いフィルムスキャナーほど細かい部分まで解像した高画質な画像をフィルムから取り込めます。

一般的なフィルムタイプのスキャナーでは3200dpiほどの解像度がありますが、これが選ぶ際のひとつの基準です。シートフィードタイプのスキャナーは廉価ではありますが、2000dpi以下の機種が主なため画質はあまり期待できません。

その一方で、フラットベッドタイプのスキャナーには6400dpiや10000dpiを超える機種もあり、3タイプのスキャナーのなかでもっとも高画質。取り込み後の画像編集も細かくできるので、画質を重視する方におすすめ。目的に応じた解像度のフィルムスキャナーを選ぶようにしましょう。

データ転送方式で選ぶ

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フィルムを取り込む際のデータ転送方式には2つのタイプに分かれます。USBケーブルを介してPC内のフォルダに保存するタイプとSDカードなどの記録メディアをフィルムスキャナーに挿入して直接保存するタイプがあるので、確認しておきましょう。

パソコンと接続して使用するタイプはその都度PCを起動してUSBケーブルでフィルムスキャナーと繋ぐ必要があるため、準備に若干の手間がかかり面倒なのが難点。ただし、SDカードよりもPCや外付けハードディスクに保存した方がより確実に画像データを保管できます。

一方、SDカードに直接保存するタイプは、使用に際してPCなどの準備が不要のため、気軽にフィルム取り込みの作業を行えるのがメリット。また、SDカード保存タイプのなかにはUSBケーブル転送にも対応している機種もあるので、目的に応じて画像データの保管先を選べます。

機能で選ぶ

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フィルムは長く保管しているとたわみが出てしまうほか、色褪せてしまうことがあります。しかし、フィルムタイプやフラットベッドタイプのフィルムスキャナーには、画像の取り込みの際にそうした経年変化による影響を自動で補正してくれる機能を搭載したモデルもあります。

ピント位置を調整することでフィルムのたわみによるピンボケを防ぐ「ピント補正」や色あせを補正する「色調補正」の機能が代表的で、古いフィルムからでも画像をきれいに取り込むことに役立ちます。

また、「自動修復」の機能を搭載した機種も要チェック。フィルムにキズが付いていたり、ゴミが付着していたりする場合でも、演算によって効果的に除去できます。

フィルムスキャナーのおすすめメーカー

ケンコー

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カメラのレンズやフィルター、カメラバッグなども多数取り扱っている総合カメラ用品メーカー。フィルムスキャナーとしては主にフィルムタイプの機種を発売していますが、なかにはL判写真プリントの取り込みにも対応した機種も用意されています。

対応フィルムのサイズは35mmフィルムのみで、スペックも標準的なものが多いですが、1〜2万円ほどのリーズナブルな価格で購入できるのが魅力。データ転送方式はSDカード保存タイプが主なので、PCレスで気軽にフィルムをスキャンしたい方におすすめです。

エプソン

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高品質なプリンターやプロジェクターなどで知られている精密機器メーカー。フィルムスキャナーとしては高画質・高機能が特徴のフラットベッドタイプを主に取り扱っています。

35mmフィルムはもちろん、上位機種では中判や大判のフィルムにも対応しているため、多彩なフィルムの取り込みが可能です。また、高解像センサーと高性能な光学テクノロジー、剛性の高いフィルムホルダーによって、フィルムの画像をありのままに美しくデータ化できます。

なお、ビジネス用途向けにシートフィードタイプのスキャナーも取り扱ってはいますが、フィルムの取り込みには対応していないので、その点は留意しておきましょう。

フィルムスキャナーのおすすめ6選

ケンコー(Kenko) フィルムスキャナー KFS-1490

手のひらサイズのコンパクトなボディが魅力のフィルムタイプスキャナー。幅91×奥行118mmの省スペースデザインのため、デスク上の限られたスペースでも簡単に作業が可能です。

対応フィルムは35mmフィルムでネガとポジの両方に対応。別売のホルダーを使用すれば16mmフィルムの取り込みも対応可能です。

画素補間によって最大4300dpiの解像度で画像を取り込め、フィルムを2500万画素の画像データに変換できます。また、ネガフィルムのスキャン時にはフィルムのキズやホコリを補正する「スクラッチモード」が使用できるので、古いフィルムの取り込みにも対応が可能です。

データ転送にはSDカードを使用。操作は液晶モニターを見ながら3つのボタンで簡単に行えるので、PCレスで手軽にフィルムのスキャンができます。

ケンコー(Kenko) フィルムスキャナー KFS-14CB

フィルムだけではなく写真プリントも手軽にデジタルデータ化できるフィルムスキャナー。解像度は最大3200dpiと標準的ですが、カラーネガ・ポジ、白黒ネガ問わず、さまざまな35mmフィルムの取り込みに対応しています。

また、L判またはKGサイズの写真プリントにも対応しており、底面のホルダーに写真プリントをセットすれば簡単にスキャンが可能。本製品をアルバムや本の上に載せれば紙上の画像もスキャンできるため、アルバムに保管してある画像を整理する際にも便利です。

スキャンした画像データの保存にはSDカードを使用するため、PCを使わずにフィルムの取り込み作業が手軽に進められるのもポイント。価格も2万円ほどとリーズナブルなので、フィルムも写真プリントも両方取り込める手軽なフィルムスキャナーを探している方におすすめです。

サンワサプライ(SANWA SUPPLY) 400-SCN006

1万円を切る低価格が魅力のシンプルなフィルムタイプスキャナー。幅・奥行きともに10cm程度のコンパクトなボディなので、初めてのフィルムスキャナーにおすすめです。

解像度は最大3600dpiで、ネガおよびポジの35mmフィルムに対応。使用時はUSBケーブルを介してPCからの給電を受けるので、コンセントが不要で手軽に作業を始められます。スキャンした画像データもPCの大きな画面を見ながら選べるので、操作が容易な点も特徴です。

色調補正などの機能は搭載されていませんが、専用の画像編集ソフト「Media Impression2」が同梱。初心者に扱いやすいインターフェイスで、色調補正のほか、赤目補正や傾き補正、トリミングなどのさまざまな項目をスムーズに補正できるのもポイントです。

エプソン(EPSON) フラットベッドスキャナー GT-F740

多彩な機能を搭載しながら1万円代で購入できるA4フラットベッドスキャナー。独自設計のセンサー「α-Hyper CCD II」により、フィルムや写真プリントならば最大12800dpi、A4フルサイズの原稿でも4800dpiの高解像度でスキャンできます。

対応フィルムは35mmフィルムで、ポジ・ネガ問わず、ストリップなら1列6コマ、マウントなら4コマを同時に読み取りできるので、複数枚の画像を効率よくスキャン可能。また、写真プリントはもちろん、最大でA4サイズまでの原稿も読み取れます。文字部分のみを抽出してスキャンし可読性を高める機能なども搭載されているので、名刺や本、雑誌のスキャンにもおすすめです。

本製品はPCと接続して使用しますが、使いやすさに定評のあるドライバーソフトウェアが付属。退色復元や逆光補正、ホコリ除去などの多彩な補正機能を簡単な操作で行えるほか、上級者向けに色調補正などの高度な補正機能も用意されています。

エプソン(EPSON) フラットベッドスキャナー GT-X980

A4フラットベッドスキャナーのハイエンドモデル。高性能センサー「α-Hyper CCD II」に加えて、2つのレンズを使い分ける「DUAL LENS SYSTEM」の採用により6400dpiを超える高画質に対応できるのが特徴です。

対応フィルムは35mmフィルムから中判のブローニーフィルムや最大8×10インチの大判フィルムまで、ほとんどのフィルムを網羅しています。35mmフィルムはストリップなら18コマ(6コマ×3列)、マウントなら12コマを同時にスキャンが可能。また、フィルムや写真プリントだけではなく、A4サイズまでの書類や本も読み取れます。

フィルムホルダーには「アンチニュートンリングアクリル板」を装備しており、経年変化でたわんでしまったフィルムでもピントのバラつきを低減しつつ、読み込みが可能。また、フィルムに付着したゴミやキズを自動検出して除去する「DIGITAL ICE」機能も搭載しているので、満足度の高いスキャン画像を求めている方におすすめです。

キヤノン(Canon) フラットベッドスキャナー CanoScan 9000F Mark II

キヤノンのフラットベッドスキャナー。一眼レフカメラの技術を応用した高精細CCDセンサーと非球面STレンズの採用により、フィルムで9600dpiの高解像度スキャンが可能なのが特徴です。

35mmフィルム(ポジ・ネガ)はストリップで12コマ(6コマ×2列)、マウントで最大4コマの同時スキャンが可能。また、最大6×22cmの中判ブローニーフィルムにも対応します。スキャンの際は自動画像補正機能「FARE LEVEL 3」により、ゴミや退色のある古いフィルムでも高画質に取り込めるのもポイントです。

色調補正に関しても、接続したPC画面上で異なるカラーバランスのプレビュー画像をパターン化して表示する機能が搭載。初心者でもサムネイルを比較しながら直感的に好みの色調を選べます。また、「自動文書補正」機能により本や書類のスキャンも高画質で行えるので、汎用性の高いフィルムスキャナーを求めている方におすすめです。