便利な切断工具として知られている「超音波カッター」。プラモデルの作成時やDIYなどで使われるモノで、細かい振動を利用して効率的に切断できるのが特徴です。
そこで今回は、超音波カッターのおすすめモデルをご紹介。高価な製品なので、購入を検討している方はしっかりと違いをチェックしておきましょう。
超音波カッターとは?

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超音波カッターとは、1秒間で数万回もの振動を刃先に伝え、摩耗熱によって材料を切断する道具です。力を加えて切断する通常のカッターやナイフ、ハサミなどの刃物より、加える力も少なくスムーズに作業が行えます。切断面がキレイに仕上がるのも大きな特徴です。
ただし、鉄パイプやコンクリートといった非常に硬いモノをはじめ、陶器やガラスなど刃物で切りにくいモノの切断はできません。あくまでも、カッターの刃で切れるモノへの使用に限られます。
モデルによって性能は異なりますが、プラスチックだけでなく、アクリル素材やダンボール、紙、布などの切断も可能。業務用モデルのなかには、さらに幅広い材料の切断ができるタイプもあります。
超音波カッターの選び方
用途で選ぶ
業務用

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業務用の超音波カッターは、比較的大型で切断パワーが大きい特徴があります。また、連続稼働時間が長いため、作業しやすいのがメリットです。仕事で長時間使ったり、大量生産に活用したりする場合は業務用の超音波カッターを選んでみてください。
なお、業務用の超音波カッターは性能の高い反面、価格が高い傾向があります。予算や使用頻度を考慮して、自分に合ったアイテムを選ぶのが重要です。
ホビー用

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業務用の超音波カッターを省力化し、小型にしたモノがホビー用の超音波カッターです。業務用超音波カッターほど長時間連続で使用できませんが、10分程度であれば問題なく使えます。
手軽さや切断面のキレイさは十分なほか、小型のため持ち運びやすいのがメリット。プラモデル製作などの趣味目的で、業務用ほどの性能やパワーを求めない場合はホビー用の超音波カッターがおすすめです。
スイッチの種類で選ぶ
手元スイッチ式

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ハンドピースと呼ばれる刃が付いている部分にスイッチがあるのが、手元スイッチタイプです。手元にスイッチがある超音波カッターは、手元に集中する作業をしながら同時に電源のオンオフも切り替えられます。
また、片手でも行えるような作業に超音波カッターを使いたいのであれば、手元スイッチタイプの方が手軽に使用できるのでチェックしてみてください。
フットスイッチ式

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ハンドピースや発振機のほかに別途足でスイッチを操作するパーツが付属しているのが、フットスイッチタイプ。手元の作業に集中しつつ電源は足元で操作できるので、より精密な作業にも集中しやすいのがメリットです。また、両手を使って行う細かい作業の際にも、作業を中断させずスムーズに電源操作ができます。
安全性重視なら押している間だけ振動するタイプ

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超音波カッターは、一般的なカッターと比べると切れ味が非常に鋭いアイテムです。使用中に思わぬケガをする恐れもあるため、安全性の高さも考慮しながら製品を選ぶ必要があります。
初心者に適しているのが、スイッチを押している間だけ超音波カッターが振動するタイプ。スイッチから手を離すと自動的に振動が止まるため、スイッチの切り忘れによる事故を予防できます。
ただし、スイッチを押し続けなければ振動しないので、細かな作業はやりにくさを感じるのが難点。スムーズに作業をしたい方や、超音波カッターを使い慣れている方は、スイッチを押し続けなくてよいタイプを選ぶのがおすすめです。
TAF回路を搭載しているかどうかで選ぶ

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TAF回路を搭載しているかどうかも要チェック。TAF回路とは、出力パワーの強弱を対象物の種類によって自動で変更する機能のことです。溶けやすい材質のモノを切るときはパワーを最小限に抑えて切断できます。
特に、プラスチックは切断時の熱で溶け出す恐れもあるため、プラモデル作りに使う場合はTAF回路を搭載しているカッターがおすすめです。
交換用の刃先が入手しやすいモノを選ぼう

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超音波カッターは刃が劣化していくため、切れ味が少しずつ落ちていきます。以前はスムーズに切れたモノが切りにくくなってきたら、刃先を交換するタイミングです。
なお、超音波カッターは製品により適合する替刃が異なります。モノによっては、替刃が入手しにくいモノもあるため要注意。数種類の替刃が適合する汎用性の高いタイプや、はじめから予備の替刃がセットになっているタイプなどを選ぶようにしましょう。
超音波カッターのおすすめメーカー
本多電子(HONDA ELECTRONICS)

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本多電子は超音波カッターを製造している有名メーカーです。1956年に魚群探知機を発売してから、超音波を用いた製品を多数開発しています。超音波器具の製造においてのパイオニアです。
超音波カッターは業務用もホビー用もラインナップ。目的に合わせて適したモデルを選びやすいおすすめメーカーです。
スズキ(SUZUKI)

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大手自動車メーカーとして有名なスズキ。産業機器メーカーという一面ももっており、超音波溶着機や洗浄器など超音波を用いた製品を多数ラインナップしています。
超音波カッターについては主に業務用を展開しており、スイッチの位置や重量などが異なる製品を揃えているのが特徴です。
超音波カッターのおすすめモデル|ホビー用
本多電子(HONDA ELECTRONICS) 超音波小型カッター ZO-30プラ

手元のスイッチを押している間だけ作動する仕様で、操作がわかりやすいホビー用超音波カッター。プラモデルを製作するのに適したプラスチック専用のモデルです。ダンボールや紙、木など、幅広い素材の加工にも使用できます。
本体のサイズは幅17.3×奥行き8.9×高さ7.6cmで、重量は360gとコンパクトで軽量なのもポイント。持ち運びや収納にも便利です。また、切断の際に強い力を加えると超音波の振動が停止するため、安全性にも優れています。
本多電子(HONDA ELECTRONICS) 超音波小型カッター USW-334

毎秒4万回もの高速振動により、強い力を加えなくてもスムーズなカットができる超音波カッター。本体にはハンドピースが収納できるホルダーも設置されています。コンパクトに収められるため置き場所にも困らず、高性能で使い勝手のよさを備えているのが特徴です。
板厚が3mm以下で、ABSやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラートといった樹脂の切断が可能。また、手元スイッチ式で手軽に使用でき、スイッチを押している間だけ振動するので安全性が高いのもポイントです。
価格が比較的リーズナブルなのも魅力。DIYなどの作業に手軽で幅広く活用するのにもおすすめの超音波カッターです。
本多電子(HONDA ELECTRONICS) 超音波カッター ZO-40 レジン

レジンを加工するのにおすすめのホビー用超音波カッター。プラスチックをはじめ、シリコンやカーボンの加工にも汎用的に使用できます。力をそれほど入れなくても、滑らかにカットできるのが特徴です。
手元スイッチ式で力を加えすぎると振動が停止する機能も備えているのもポイント。集中して行う必要がある本格的な切断作業でも、安心して使用できるおすすめアイテムです。
本多電子(HONDA ELECTRONICS) 超音波カッター ZO-41II

TAF回路の搭載により、切断のときに加えられる力に応じてパワーの調節を自動で行うホビー用超音波カッター。軽い力で済む作業では最小パワー、硬い素材などの切断時に強い力を加えた場合には大きなパワーに切り替わります。摩擦で材料が溶けるのを軽減し、キレイな切断面に仕上げられるのが魅力です。
また、手元スイッチ式を採用しているのもポイント。押している間だけの動作か、一度押せば10分間動作し続ける操作方法の切り替えが可能です。さらに、ノーマルモードとハイパワーモードの、2段階に使い分けができるパワー可変機能も搭載しています。
ハンドピース内の温度が上昇すれば停止する保護センサーも備わっているなど、安全性が高いのも魅力。高性能で、使い勝手のよい超音波カッターでプラモデル製作を楽しみたい方はチェックしてみてください。
本多電子(HONDA ELECTRONICS) 超音波カッター ZO-80

ノーマル・ハイ・スーパーハイの3段階に、パワーモードの切り替えが可能なホビー用超音波カッター。切断する材料の硬さに合わせてパワーが選択でき、スーパーハイモードでは業務用にも劣らない切れ味を発揮します。
また、ハンドピース内には温度センサーや、過負荷による駆動回路の異常を監視する回路保護機能も搭載。温度上昇や異常があれば10分間自動停止します。本格的にプラモデル製作を行いたい方や、DIYなどで頻繁に切断作業を行う方におすすめの超音波カッターです。
ごんた屋(GONTAYA) 超音波カッター NH7603

DIY情報を積極的に発信している「ごんた屋」と超音波カッターに精通する「本多電子」がコラボしたアイテム。交換刃として「ロングブレード」が標準装備されており、趣味性の高い模型工作から専門的な加工作業まで対応できるのが特徴です。
また、本製品は切断だけでなく、溶接ができるのもポイント。プラスチック素材を溶かして融合するため別途専用の溶着刃を用意する必要がありますが、素材と刃の振動による摩擦熱を利用することにより、しっかりとした強度をもたせることができます。実用性の高いアイテムなので、気になる方はぜひチェックしておきましょう。
超音波カッターのおすすめモデル|業務用
スズキ(SUZUKI) 超音波カッター SUW-30CT

プラスチックの加工をはじめ、ゲートカットや電子回路基盤のパターン修正など、汎用的な作業が可能な業務用超音波カッター。毎秒4万回の振動と安定した周波数により、さまざまな素材を鋭い切れ味で滑らかにカットできます。出力の可変機能も備わっており、素材に応じたパワーで使用できるのもポイントです。
また、フットスイッチ式の採用により両手がフリーになるため、手元に集中する繊細なカットや加工を行うのにも適しています。幅広い素材や作業内容に対応できる、ハイスペックで使い勝手のよい超音波カッターを探している方におすすめです。
スズキ(SUZUKI) 超音波カッター SUW-30CD

TAF回路を搭載し、さまざまな素材に適したパワーでカットできる業務用超音波カッター。毎秒4万回の振動で高い切断力を備えていますが、摩擦熱で溶けやすい素材でも、必要に応じた出力でキレイに仕上げられます。
樹脂部品やゴム配管などのカットや加工をはじめ、車載用品の補修作業といった幅広い分野に活用可能。また、手元スイッチ式なので、細かい作業を丁寧に行うのにも適しています。さまざまな素材の加工に対応でき、効率よく作業が行える超音波カッターを使用したい方におすすめです。
東京硝子器械(TGK) 卓上型超音波ミニカッター KW-430C

小型で繊細な作業がしやすい業務用超音波カッター。毎秒約4万回の振動により鋭い切れ味で、軽い力で楽にカットができます。切断面が滑らかで、キレイに仕上がるのも特徴です。
サイズは幅17.5×奥行き28.5×高さ16cmで、重量が2.5kgとコンパクトで軽量。また、フットスイッチ式なので両手がフリーとなり、出力調節や刃の交換もスムーズに行えます。さらに、本体上部に持ち手も設置されており、持ち運びにも便利なおすすめアイテムです。
ソノテック(SONOTEC) 超音波カッター ソノファイル SF-30II.HP-660

毎秒4万回と最大で30ミクロンもの高速微小振動で、安定した鋭い切れ味を発揮する業務用超音波カッター。無段連続可変式の出力調節機能も搭載しており、負荷レベルに応じてパワーの調節が行えます。
プラスチックをはじめ、フィルムやシール材などのシート資材、ゴム類などの素材を切断可能。さまざまな材料をシャープな切れ味でキレイな断面に仕上げられます。手元スイッチ式なので、操作がしやすいのもポイントです。
また、持ちやすい形状で、150gと比較的軽量なハンドピースを採用しているのも魅力。使い勝手に優れたおすすめアイテムです。
アズワン(ASONE) 超音波ミニカッター IUC-1000-T

ハンドピースが約70gと軽量なため操作がしやすく、精密な作業を行う方におすすめの業務用超音波カッター。サイズは幅23×縦27.5×奥行き12cmで、重量約3.1kg。専用のアルミケースに一式収納して、便利に持ち運べます。
また、毎秒約2万回以上の振動により、軽い力でも鋭い切れ味でスムーズな切断が可能。切断面もキレイに仕上がります。さらに、替え刃が40枚付属しており、ランニングコストも抑えられるおすすめアイテムです。
手動で行ってきた素材のカットを、力をかけず短い時間で行える超音波カッター。業務用のパワーが強いモノから趣味用の手軽に使えるモノまで、幅広い製品ラインナップが展開されています。今回ご紹介したおすすめのアイテムをチェックして、趣味の効率をアップさせてみてください。