超音波カッターは、通常のカッターでは加工が難しい素材にも対応できるアイテムです。高速で振動する刃物を搭載し、プラスチックやゴム素材などでも簡単に切断が可能。一部のモデルは替え刃を用いることで、切断以外の加工にも対応できます。
しかし、製品によって性能が大きく異なるため、どれを選べばよいのか分からない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、超音波カッターの選び方とおすすめ製品についてご紹介します。
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超音波カッターとは?
超音波カッターとは、「ホーン」と呼ばれる刃の部分を高速振動させて対象物をカットするアイテム。振動する回数は1秒ごとに数万回と多く、通常のカッターでは切断しにくい厚みのある材料でもキレイに切断可能です。
切断時に力を入れる必要がないのもポイント。また、替え刃によりさまざまな材料の切断や削りなどの作業にも対応できます。
超音波カッターの選び方
用途で選ぶ
家庭用(ホビー用)
超音波カッターには大きく分けて家庭用と業務用の2種類があります。家庭用は、業務用に比べて小型で持ち運びに便利。比較的安価なモノが多く、手軽に超音波カッターを使いたい方におすすめです。
ただし、業務用よりもパワーに乏しく、切断できる材料が限られるほか、機能面においても劣ります。また、長時間作業するのにも不向きで、切断するときのモードや切断する材料によっては、5分程度使用するとオーバーヒートしてしまうこともあるので注意が必要です。
業務用
業務用の超音波カッターは、連続運転時間が長く、使用する機会が多い方におすすめです。発振器からの高周波電力を超音波振動に変換する「振動子」を付属しているのが特徴。家庭用に比べてパワーがあるので、さまざまな材料に対応可能です。DIYなどで加工が難しい材料を取り扱う方にも適しています。
ただし、業務用のモデルは家庭用に比べて価格が高く、安いモデルで10万円、高機能なモノだと100万円を超えるモノまであります。導入する際は、価格と機能をよく確認してから選ぶようにしましょう。
スイッチの種類で選ぶ
手元スイッチ
手元スイッチは「ハンドピース」と呼ばれる、刃物を搭載している棒状の部分にスイッチを配置したタイプです。手元スイッチを採用したモデルの多くは、スイッチを押している間だけ刃物が振動し、対象物をカットできます。
ただし、スイッチを押している間だけ駆動するので、連続した作業には不向きな場合があります。その分、必要なときだけ動作させる仕組みで、安全性に優れているのが特徴です。
フットスイッチ
フットスイッチは、ハンドピースのスイッチとは別に、ペダルを踏んで刃物を振動させるタイプを指します。手を使わず足で操作できるため、空いた手で対象物を押さえたり持ったりしながら作業をしたい方におすすめです。
一部のモデルでは、超音波カッターにフットスイッチを搭載していない場合でも、オプションでフットスイッチ式に変更できるモノもあります。
安全性の高さで選ぶ
超音波カッターは刃物を搭載した工具のため、安全性の高いモデルを選ぶのがおすすめです。特に、工具の扱いに慣れていない初心者の方は、扱いを誤るだけでケガにつながるので注意しましょう。
安全性の高いモデルを選ぶ基準として、手元スイッチ式や自動停止機能を搭載しているかをチェックしてみてください。手元スイッチ式の多くは、ハンドピースのスイッチを押している間だけ刃物が駆動する仕組みで、安全性に優れた設計です。
自動停止機能は、一定の時間が過ぎるとパワーがオフになる機能のことで、長時間の使用による刃物のオーバーヒートを防ぐ役割があります。
TAF回路を搭載しているかどうかで選ぶ
TAF回路を搭載した超音波カッターは、簡単にカットしやすい材料の場合は小さいパワーで振動し、切りにくい材料で力を入れたときにはパワーが入る設計です。切断面の溶けが少なくなり、キレイに断面を仕上げられます。
TAF回路を搭載していない超音波カッターは、切断時に一定のパワーで切断しようとする分、対象物と刃物が互いに振動して切断面が溶けやすく、汚くなってしまう恐れがあります。
替え刃の入手のしやすさで選ぶ
超音波カッターは、長く使用していると刃物の切れ味が悪くなってくるものです。そのため、製品選びの際は、替え刃を取り扱っているのか、入手のしやすさはどうかについてチェックしておきましょう。
また、製品によっては、標準で採用されている刃とは異なる形状をしたモノもラインナップされている場合があります。刃を替えることで、通常ではプラスチックしか対応していないモノでも、複合素材や厚みのある材料に対応できる刃物もあるので、事前に確認してみてください。
超音波カッターのおすすめ|家庭用(ホビー用)
エコーテック(EchoTech) ホビー用超音波カッター ZO-80II
便利なパワー切り替え機能を搭載した超音波カッターです。カットしたい対象物に合わせ、「ノーマルモード」「ハイモード」「スーパーハイモード」の3段階で設定可能。加えて、TAF回路を搭載しているため、切断面をキレイに仕上げやすい点もおすすめです。
オーバーヒートを効果的に防ぐ、自動停止機能を備えているのもポイント。ノーマルモードでは10分、ハイモードでは5分、スーパーハイモードでは3分使用すると自動で停止します。高負荷時は使用時間が短くなるので、設定する際は注意しましょう。
替え刃は豊富なバリエーションから選択できるほか、オプション品が充実しているのも魅力。専用のキャリングケースやフットスイッチ、交換用のハンドピースなども購入できます。より幅広い用途で超音波カッターを活用したい方はチェックしてみてください。
エコーテック(EchoTech) ホビー用超音波カッター ZO-30PII
プラモデル製作などの軽作業におすすめの超音波カッターです。超音波カッターのなかでも比較的リーズナブルな価格ながら切れ味がよく、快適にプラスチックを加工できます。本体はコンパクト設計で、持ち運びにも便利。コスパ重視で手軽に使える超音波カッターを求める方におすすめです。
本体には刃厚0.4mmの標準刃が装着されているほか、刃厚0.15mmの薄刃も付属。薄刃は切断面の溶け幅が少ないので、よりキレイに仕上げたいときに便利です。ハンドピースのスイッチを押したら動作する設計で、初心者の方でも簡単に操作できます。
エコーテック(EchoTech) ホビー用小型超音波カッター ZO-41II
TAF回路を搭載したエコーテックの超音波カッター。切断時の摩擦熱が少なく、切断面が溶けるのを減らせるため、キレイな仕上がりが期待できます。
本体はノーマルモードとハイパワーモードの2種類を搭載しているのも嬉しいポイント。ハイパワーモードは、長時間の使用には不向きなものの、ノーマルモードよりも高いパワーでの切断が可能です。
操作方法は、手元スイッチを押して刃物が駆動する仕組み。「スイッチを一度押すと10分間動作する」もしくは「スイッチを押しているときだけ電源が入る」2種類の操作を選択できます。
エコーテック(EchoTech) ホビー用小型超音波カッター ZO-40R
軽い力でスムーズに切断作業を進められる、高機能な超音波カッターです。プラスチックや木材、レジンなどのさまざまな素材の切断に対応しています。
操作性はシンプルで、ハンドピースのスイッチを押している間のみ動作する設計。力を入れすぎると超音波を停止する安全設計なので、超音波カッターを初めて使う方にもおすすめです。
収納に役立つハンドピースホルダーも付属しています。使わないときはコンパクトにまとめられ、すっきりと設置可能。専用の替え刃やオプション品も充実しているため、用途に合わせて使える点も魅力です。
ごんた屋(GONTAYA) 超音波カッター NH7603
一般模型工作から工場作業までを想定して作られた使い勝手のよい超音波カッター。プラスチックやアクリルなどの材料をカットするのにおすすめのモデルです。
また、刃は短いモノから長いモノまで対応。オプションの溶着刃を用いれば、樹脂製品の溶着や、割れや欠けの補修まで対応できます。
電源は手元スイッチ式で、ボタンを押している間のみ駆動する安心設計。必要に応じて高い負荷をかけやすいのも特徴です。さらに、予備の刃物固定セットとイモネジ2個を同梱しているのもポイントです。
フローズン(phrozen) Sonic Saber 超音波カッター FCUSBST71D
高精度な3Dプリンターの製造で知られる「フローズン」が手がける超音波カッターです。1秒あたり35000回以上の刃の超音波振動により、さまざまな素材の精密なカットを実現。狭いすき間にも刃が届きやすく、細かい作業にもおすすめです。
使用時は手元スイッチを押すだけとシンプルで、操作性に優れています。スイッチを押している間だけ動作するため、初心者の方にもぴったり。本体にはハンドピースホルダーも付属しており、使わないときはコンパクトに収納できます。
超音波カッターのおすすめ|業務用
スズキ(SUZUKI) 超音波カッター SUW-30CT
樹脂製品のカットや穴あけ、フィルム・シートなどのカットにおすすめの業務用超音波カッターです。本製品は毎秒40000回の超音波振動により、少ない力で対象物のカットが可能。フットスイッチ式を採用し、片方の手はハンドピースを、もう片手で対象物を押さえながら作業を行えます。
周波数は安定しているため、切れ味も一定で加工が可能。切り口も滑らかで、美しい仕上がりです。発振器には出力の可変機能を搭載しており、素材に合わせた出力に設定できます。
発振器の重量は約1.6kgと軽量。サイズは幅180×奥行175×高さ79mmとコンパクトで、持ち運びにも対応します。
スズキ(SUZUKI) 超音波カッター SUW-30CD
細かなパーツのカッティング作業におすすめの業務用超音波カッターです。本製品は、フロアーマットやバンパーのカット、樹脂部品の穴あけや補修などに使いやすいモデル。電源は手元スイッチ式で、カットしたい箇所をピンポイントでとらえやすい設計です。
発振器は重量が約1.6kgと軽量。サイズが幅180×奥行175×高さ79mmとコンパクトで、加工したいモノの場所まで持ち運んで作業可能です。
発振周波数は40kHz。出力は発振器のダイヤル操作で調節できるため、素材ごとに設定を変えられます。また、刃物は標準品以外にも、4種類のオプション品をラインナップしています。
スズキ(SUZUKI) 超音波カッター SUW-30CMH
自動機・ロボットでも活用できる、無人化・省人化におすすめの業務用超音波カッターです。本体は外部入力端子と冷却用エアニップル付きのモデル。発振器の寸法は幅180×奥行175×高さ79mm、重量は約1.6kgと小型・軽量のタイプです。
本体は、冷却エアを活用すれば連続使用にも対応します。用途は、プラスチックのカットや穴あけのほかに、フィルムや布などのカットにも対応。ダイヤル操作による、出力コントロール機能付きで、用途に合わせた出力に調節できます。ハンドピースの指定刃は計5種類展開しています。
ナカニシ 超音波カッター ソニックカッターZERO セット
軽いタッチでも鋭い切れ味を実現した超音波カッター。1秒あたり38000~40000回の超音波振動で切断できる高性能なモデルです。温度上昇を抑制するシステムを搭載し、連続使用も可能にしています。
また、振動子の改良によりハンドピースの発熱も低減。コントローラの重さは1.4kgと軽量で、持ち運びやすい仕様です。本体は操作パネルのデザインが見やすいほか、ハンドピースにLEDを採用することで、オンとオフの状態を見分けやすく設計されています。
電源のオンオフは、コントローラにあるキースイッチから操作が可能。オプションでフットスイッチ仕様の変更にも対応しています。出力のレベルは、コントローラのUPキーとDOWNキーで調節が可能です。
MXBAOHENG 超音波カッターナイフ KH-2880
プラスチック・ゴム・布・カーテン・食品などを切断するのにおすすめの業務用超音波カッターです。本製品は、切断したときの寸法誤差が少なく、高い精度で加工したい方にぴったり。耐久性も良好で、長く工具を愛用したい方にも適しています。
本体は操作が簡単で、慣れていない方でも扱いやすい設計。切断するときの動作音が少なく、さまざまな場所で使いやすいのも特徴です。重量は本体が約4kg、ハンドピースが約0.52kgで携帯性に優れています。
東京硝子器械 超音波ミニカッター KW-430C
小型タイプで持ち運びやすく、操作性にも優れた超音波カッターです。本体は寸法が幅175×奥行285×高さ160mmとコンパクト。重量は2.5kgと軽量かつ取手が付いているので、さまざまな場所での加工に対応します。
ハンドピースはペンシルタイプの持ちやすい設計。毎秒40000回の超音波振動で、楽に直線や曲線にカットできるほか、断面の仕上がりも滑らかです。用途は、肉厚の樹脂製品や不織布製品、植物のカットまで幅広く対応しています。
操作方法は、専用のフットスイッチを踏むだけと簡単。加工時に両手が空くため、手で押さえながらカットできます。本体価格は業務用モデルのなかでもリーズナブルで、コストを抑えての導入が可能です。
ソノテック(SONOTEC) SONOFILE 超音波カッター HP-2200 SF-0102
コンパクト設計で使い勝手のよさを追求した超音波カッターです。発振機のサイズは幅230×奥行232×高さ144mmで、重量は収納台含め5.7kgと軽量。持ち運びに役立つ取手付きで、幅広いシーンで活用できるおすすめのモデルです。
振動子のグリップには滑り止めに効果的なローレット加工が施されており、作業時の負担を軽減。重量は0.35kgと軽量で扱いやすい設計です。熱可塑性プラスチックやカーボンプリプレグのほか、ゴムや布類などのカットにも対応しています。
ソノテック(SONOTEC) SONOFILE 超音波カッター HP-653 SF-653
独自開発のパワー回路と空冷用エアーにより、長時間の連続使用を可能にした超音波カッターです。振動周波数40kHzの高速振動を実現していながら、振動子の発熱を抑制できる設計が魅力。複合素材やゴム、皮革など、さまざまな素材をカットできます。
切断面がシャープに仕上がるだけでなく、切り粉が発生しにくい点もおすすめ。出力は無段階連続調節が可能なので、素材に合わせて適した出力に設定できます。また、専用の角頭ネジとドライバーを採用しており、工具の取り替えも簡単です。
ソノテック(SONOTEC) SONOFILE 超音波カッター SF-8500RR SF-3441
刃物の振動幅を向上した超音波カッター。切断対象は幅広く、熱可塑性プラスチックのほか、プリプレグ素材や複合素材など、さまざまな素材のカットに対応しています。
振動子は自動機やロボットなどに取り付けやすい直径42mmの円筒型を採用しているので、作業の無人化・省人化を目指したい方にもおすすめ。立体形状部分の切断・切り抜き加工にも適しています。
ソノテック(SONOTEC) SONOFILE 超音波カッター HP-8701 SH-3510
最大出力500Wで、力強い切断を実現した超音波カッター。カットが難しい高負荷の作業にもしっかり対応します。出力は無段階連続調節も可能です。
板材やシートなどの熱可塑性プラスチックのほか、カーボン繊維やガラス素材、ゴムなど幅広い素材をキレイに切断できます。汎用性の高さを重視して超音波カッターを選びたい方におすすめ。発振器のサイズは幅300×奥行400×高さ200mmで、重量は11kgです。
超音波カッターは、主にホビー向けで使える家庭用と、高い機能性を有した業務用の2種類があります。各種類で性能だけでなく、価格も大きく異なるため、用途に合うモノを選びましょう。安全性に優れた超音波カッターを選びたい方は、手元スイッチ式かつ、自動停止機能を備えたモデルがおすすめです。