デジタルカメラやビデオカメラで写真・動画を撮影する際の記録用メディアとして欠かせないSDカード。小型で手軽に携帯できることから、最近では音楽や書類データの記録用としても活用されています。

しかし、SDカードにはさまざまな種類があり、専門用語も多数表記されているのでどれを選べばいいか困ってしまうことも。そこで今回は、SDカードの特徴や選び方を踏まえた上で、用途ごとにおすすめのSDカードをご紹介します。

SD、SDHC、SDXCカードの違い

SDカードは大きく分けると、SDカード、SDHCカード、SDXCカードという3種類の規格があり、SDカードが記録できる最大容量に応じてそれぞれ区分けされています。

古いデジタルカメラで使用する際など、使用する機器に対応した規格のSDカードを挿入しないとデータの記録ができないことがあるので注意が必要です。SDカードの購入前には、機器の取扱説明書やSDカード挿入口に記載されている対応可能なSDカード規格のロゴマークを必ず確認しておきましょう。

SDカードの特徴

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SDカードのなかで最も古い最下位の規格です。FAT16のファイルシステムを採用しており、容量は最大2GBまでの記録が可能。2GBに記録できるデータ容量の目安としては、1400万画素の写真なら約340枚、フルHD画質の動画なら約19分、MP3形式の音楽ファイルなら約512曲です。

最も互換性に優れているのが特徴。SD、SDHC、SDXCの各規格をサポートしているすべての機器で動作が可能です。また、500円前後と安いので手軽に入手できます。

SDHCカードの特徴

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2008年から本格的に導入されたSDカードの中位規格。FAT32のファイルシステムを採用しており、規格としては最大32GBまでの記録が可能です。また、1ファイル当たり最大4GBまでの大容量記録にも対応。

32GBに記録できるデータ容量の目安としては、1400万画素の写真なら約5440枚、フルHD画質の動画なら約5時間13分、MP3形式の音楽ファイルなら約8192曲です。

SDHCカードは2008年以降に製造されたほとんどのSDカード対応機器で動作しますが、SDHCのロゴが確認できる機器で使用するのがおすすめ。1000円前後と記録可能な容量の割には比較的安めなので、コストパフォーマンスに優れています。

SDXCカードの特徴

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2010年に映像機器業界で本格導入されて以来、現在の主流となっているSDカードの最上位規格。exFATのファイルシステムを採用しており、規格としては最大2TB(2000GB)までの記録が可能です。また、4K動画などの1ファイル当たり4GBを超える大容量ファイルの記録にも対応しています。

現在市販されているSDXCカードは512GBのものが最大容量。512GBに記録できるデータ容量の目安としては、1400万画素の写真なら約8万7040枚、フルHD画質の動画なら約83時間36分、MP3形式の音楽ファイルなら約13万1072曲です。

SDXCカードは下位互換性がなく、機器にSDXCのロゴが記載されているもので使用可能。特に、2008年以前のノートPCやデジタルカメラはSDXCカードをサポートしていない場合が多いので注意が必要です。512GBで2万円前後と高価ですが、SDカードのなかでは最もパフォーマンスに優れています。

SDカードの選び方

SDカードの容量(種類)で選ぶ

現在市販されているSDカードには、最大記録容量が2GBまでのSD、32GBまでのSDHC、そして48GB以上のSDXCが存在します。それぞれSDカードを使用する用途に応じて最適な容量のものを選びましょう。

SDカード(〜2GB)

自宅周辺を散歩するときや日帰りで外出するときに、デジタルカメラで少しだけ撮影したい方におすすめ。2GBの記録容量となると、高画素化した最近のデジタルカメラでは600枚程度の写真しか撮影できませんが、気軽に撮影する分には程よい容量です。

SDカードは撮影した写真データをPCにバックアップすれば繰り返し使えます。しかし、安価で入手しやすいので、写真データを撮影に使用したSDカードごと保管して、新しいSDカードを買い足すという使い方も可能です。

また、音楽や書類のデータを別のPCに移動させるために使用する際にもSDカードはおすすめ。Windows 7以前などの古いPCでも対応していることが多いため、USBメモリーの代わりとしても十分に活用できます。

SDHCカード(4〜32GB)

旅行で写真を大量に撮影したい方や、高解像なフルHD画質の動画を撮影したい方にはSDHCカードがおすすめ。SDカードに比べて約10倍の容量があるので、1週間程度の宿泊旅行であれば余裕をもって写真の撮影が楽しめます。

フルHD動画を撮影する際、SDカードでは容量が少ないので長時間の記録をするのは困難。SDカードでは最大容量の2GBでも約19分しか撮影できません。しかし、SDHCカードであれば、最大容量の32GBで5時間以上の記録ができるので、存分にフルHD動画の撮影が楽しめます。

SDXCカード(48GB〜)

写真や動画の撮影を仕事にしているプロカメラマンや、撮影を頻繁に行っているハイアマチュアの方にはSDXCカードがおすすめ。記録容量にかなりの余裕があるため、1枚当たりのデータ量が大きな2000万や3000万を超える画素数を備える高解像カメラでも大量の撮影が可能です。

また、SDHCカードでは4GB以上のファイルは記録できず、加えて4K動画はフルHD動画の約3倍の記録容量が必要。4K動画では10分の撮影で約3.5GBの容量を消費するので、SDHCカードでは10分を超えるような長時間の4K撮影は困難です。しかし、SDXCカードは1ファイル当たり4GBを超えるデータでも記録が可能なため、4K動画の撮影にも重宝されています。

写真を早く送る方は「転送速度」で選ぶ

SDカードのパッケージ表面には「読取り◯MB/秒・書込み◯MB/秒」という記載が確認できますが、これはそのSDカードの最大転送速度を示しています。「読取り」はSDカードからデータを転送する際に適用される速度で、「書込み」はSDカードに写真や動画などのデータを記録する際に適用される速度です。

SDカード内に記録した大量の写真や動画をPCに転送する際、あまり時間をかけたくない場合は「読取り」の転送速度が速いSDカードがおすすめ。読取りの転送速度が遅いSDカードの場合、すべての画像を転送し終えるまで膨大な時間がかかってしまいます。

また、画像記録時のデータ処理で負荷がかかりやすい3000万画素以上の高画素カメラで撮影する際や、10コマ/秒を超える高速連写を頻繁に行う際は、できるだけ「書き込み」の転送速度が速いSDカードがおすすめ。書込みの転送速度が遅いSDカードの場合、撮影中にシャッターが切れずに、大事な瞬間を逃してしまう恐れがあります。

高画質な動画を安定して記録するなら「スピードクラス」で選ぶ

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SDカードのパッケージやカード表面には転送速度とは別に、「C」や「U」の中に数字が入ったロゴマークの記載があります。これらはそのSDカードが保証している最低転送速度(スピードクラス)を示す表記です。

「C」は古いスピードクラスの規格で、CLASS 2(2MB/秒)、CLASS 4(4MB/秒)、CLASS 6(6MB/秒)、そしてCLASS 10(10MB/秒)の4種類が存在。数値が大きくなるほど最低転送速度が上がります。

一方、「U」は新しい規格である「UHSスピードクラス」の表示で、UHSスピードクラス1とUHSスピードクラス3の2種類があります。UHSスピードクラス1はCLASS 10に相当し、UHSスピードクラス3はその3倍の最低転送速度です。

これらの最低転送速度は動画を撮影する際に重要。スピードクラスの低いSDカードだと、撮影中に録画が強制終了したり、映像が途切れてしまったりする恐れがあります。

恐れがあります。ちなみに、フルHD動画の撮影にはCLASS 10またはUHSスピードクラス1以上のSDHCまたはSDXCカード、4K動画の撮影にはUHSスピードクラス3のSDXCカードがおすすめです。

Wi-Fi対応の有無で選ぶ

一部のSDHCカードやSDXCカードにはWi-Fiが内蔵されているのもあります。これらのWi-Fi内蔵SDカードをカメラのカードスロットに挿入しておけば、Wi-Fi通信を介してスマホと連携できるので、撮影後にSDカード内の写真を直接スマホへ転送可能です。

ただし、最近のカメラにはWi-Fi機能やBluetooth機能が内蔵されているものが多く、ツールとしてはほとんど使われていません。しかし、Wi-Fiを内蔵していないカメラを使用する際は簡単に画像転送ができるので便利です。

コスパ重視の方におすすめのSDカード

トランセンド(Transcend) SDHCカード Class10 200x

8GBで約1000円という低価格ながらも必要十分なスペックを備える、コストパフォーマンスに優れたSDカード。トランセンドは徹底したコストパフォーマンスを実現しているメーカーで、高性能ながらもリーズナブルな価格で購入できるSDカードを多く扱っています。

本製品はCLASS 10で、読込み時の最大転送速度が30MB/sの基本的なスペックのものです。書込み時の最大転送速度に関しては言及されていないため、高画素カメラでの撮影や高速連写には向きません。

しかし、通常の写真撮影やフルHD動画の撮影程度であれば問題なく使えます。また、安価で手軽に入手できるので、音楽や書類などを他のPCに移動するための記録媒体としても使用可能です。

東芝(TOSHIBA) SDXCメモリーカード SDAR40N

64GBの容量を備えながら、3000円で購入できるコストパフォーマンスが魅力の国産SDカード。東芝もさまざまなコストカットの努力によりリーズナブルなSDカードを開発しています。加えて、国産ということもあって品質がしっかりと担保されており、不具合が少なく安心して使えるのも特徴です。

本製品はUHSスピードクラス1に対応しています。容量当たりの価格も安いので、一眼カメラやビデオカメラでフルHD動画の撮影におすすめです。また、写真に関しても、1600〜2000万画素前後の一般的なデジタルカメラで撮影を行う場合、ストレスなく撮影が楽しめます。5年保証が付いており、長く使えるので安心です。

バランス重視の方におすすめのSDカード

トランセンド(Transcend) SDHC Class10 UHS-Ⅰ 600x

価格と性能のバランスが取れたSDカード。高品質で5年間の保証が付いているため、安くて性能のよいSDカードを探している方におすすめです。

本製品はトランセンドのラインナップでミドルクラスに位置しますが、読込み時の最大転送速度がハイクラス並みの90MB/sあります。データ量の多い4K動画の撮影には不向きですが、UHSスピードクラス1に対応しているため、フルHD画質までの動画記録であれば十分に対応可能です。

サンディスク(SanDisk) Extreme SDXC UHS-Ⅰカード

本格的な撮影用途にも対応できる転送速度を備えながら、64GBで約6000円というリーズナブルな価格が魅力のSDカード。サンディスクは記録メディア業界で最大の市場シェアをもつメーカーです。品質管理も隅々まで行き届いており、性能もサポートも充実しているので同社のSDカードを愛用するプロカメラマンが多いことでも知られています。

本製品は、読取り時の最大転送速度が90MB/sであることに加えて、書込み時の最大転送速度も60MB/sをマーク。書込処理待ちでシャッターが切れなくなることも少ないので、高速連写をストレスなく楽しめるところもポイント。UHSスピードクラス3に対応しているので、4K動画の撮影にも対応が可能です。

高スペック重視の方におすすめのSDカード

サンディスク(SanDisk) Extreme PRO SDXC UHS-Ⅰカード

サンディスクが販売するSDカードのなかでも1、2を争う人気のプロフェッショナルモデル。Extreme PROブランドのSDカードは耐衝撃、耐X線、耐低温、防水性能を備えており、悪天候や過酷な環境でも保存データが消えるリスクも大幅に抑えられています。また、データ復旧ソフトが同梱されているため、万が一トラブルが生じた場合でも安心です。

本モデルはUHS-Ⅰ規格の限界性能をフルに発揮。書込み時の最大転送速度が90MB/sも確保されているので、2000万画素を超える高画素カメラでも中断することなく高速連写が可能です。海外リテール品のため無期限保証は付いていませんが、国内流通品の約半額で購入できます。

サンディスク(SanDisk) Extreme PRO SDXC UHS-Ⅱカード

高い性能を備えた、ハイエンドモデルのSDカード。本製品は次世代規格のUHS-Ⅱを採用していることが特徴で、UHS-Ⅰの3倍となる300MB/sを超えるデータ通信を実現しています。

書込み時でも最大260MB/sの高速通信が可能です。3000万画素を超える高画素カメラで10コマ/秒を超える高速連写を使用しても処理落ちでシャッターが切れなくなることがありません。対応機器であれば、SDカードの容量が続くかぎり無制限で連写ができます。

また、UHSスピードクラス3にも対応しているので4K動画の撮影にもおすすめ。高画質な4K動画をストレスなく録画できます。

東芝(TOSHIBA) Wi-Fi内蔵SDXCメモリーカード FlashAir SD-UWA

東芝が販売しているWi-Fi内蔵の高性能SDカード。専用アプリ「FlashAir」でスマホと連携させることで、撮影後に選択した画像をSDカードからスマホやタブレットへ直接転送が可能です。

カードとしての性能も高く、UHSスピードクラス3に対応し、最大転送速度も読込み90MB/s・書込み70MB/sあるので、高速連写や4K動画の撮影にも対応しています。

またRAWファイルをスマホに転送する際、Wi-Fi内蔵カメラではデータ量を抑えた低画素のJPEG画像しか転送できません。しかし、このSDカードを指定のRAWファイルに対応したデジタルカメラで使用すれば、高画素のRAW画像を転送できます。