オーディオ機器は振動に弱く、音質劣化要因にもなるので机や床の上に直接置くのはおすすめできません。そこで導入したいのがインシュレーター。オーディオ機器が発生させる振動と、設置面との作用で生じる振動の双方を減少させて、音質を向上させるアイテムです。

そこで今回は、素材・形状もさまざまで、オーディオ初心者には選びにくい面もあるインシュレーターのおすすめモデルをご紹介します。基礎知識や選び方も解説するのであわせてチェックしてみてください。

インシュレーターとは?

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インシュレーター (insulator)とは、何らかの作用の遮断、軽減を目的として用いる絶縁材を指します。具体的には、主に機械的な振動を遮断するモノです。

例えば、車やバイク、鉄道といった乗り物における内部動力、あるいは路面との接地によって生じる振動を遮断、軽減させ、快適な乗り心地を実現。また、ピアノのような大音量楽器の振動や工事の振動を伝えないためにも用います。

オーディオにおける「振動」とインシュレーター

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オーディオにおいてインシュレーターは、スピーカーやアンプなど各機器内で生じる振動を、機器が接している床やラック、他の機器に影響を及ぼさない目的で使用します。

オーディオ機器は、いずれもそれら自体が振動源です。スピーカーは振動板を振動させ音を出していますし、CDプレーヤーやレコードプレーヤーは内部に回転機構を持つため振動が起き、アンプ、DACに至っても電源トランスは目に見えないくらいの大きさで振動しています。

オーディオ機器における振動の影響は多大

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オーディオにおいて「振動対策」は重要で、スピーカーの振動が床や置台に伝わると、音が濁ります。レコードプレーヤーの振動が置台に伝わり、それがまたレコードプレーヤーに跳ね返って、という現象を繰り返すと「ハウリング」という耳障りなノイズが発生。

CDプレーヤーやアンプでは振動の影響はわかりにくいかもしれませんが、オーディオ機器内の回路は振動を多く受けると動作が不安定になり、音に悪影響が出ることがわかっています。

オーディオ機器の振動は機器内で完結するだけでなく、周囲の接している面に広がり、跳ね返りの反作用も加わって悪循環を生みかねない現象です。目にも見えず、感じ取りにくいほどの振動なだけに厄介でもあります。

オーディオ用インシュレーターは振動を抑え、音質を向上させる!

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そこで活躍するのがオーディオ用インシュレーター。オーディオ機器からの振動を外部に伝えるのを防ぐとともに、オーディオ機器内で発生する振動も吸収して、音質を向上させます。

注意したいポイントは、振動はただ抑え込めばいいのではないということ。スピーカーの振動板の動きを抑えてしまうと、肝心の音が出なくなります。また、再生機器、アンプ類においても重りを載せむやみに振動を抑えると、音に生気がなくなる、響きが弱くなるといったデメリットに。要するにインシュレーターは、振動を上手くコントロールし、整える「整振」を行うアイテムです。

インシュレーターの種類

スパイクタイプ

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床や置台に接する面積を減らすことで振動の影響を減少させるのがスパイクタイプ。

先が尖っている面を下にして使います。そのまま使うと置く面を傷つけてしまう場合があるので、受け皿とセットで使うのが一般的です。そのため、受け皿とセットになっている製品が多数存在します。

音は全体的に鮮明でクリアになる傾向が強く、細かい音も聴きとりやすくなるので、録音された音を細部まで漏らさず楽しみたい方におすすめです。振動の遮断性が高いので、時に音が痩せてしまうといった面もあるので注意が必要。

キューブタイプ

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立方体の形をしたインシュレーター。木材でできているモノが大半です。音は設置面の広さと素材に由来する傾向が相まって、柔らかく温かみがあり、音楽の深みを感じさせてくれます。一方で、細部の描写力が弱く、穏やかになりすぎると感じる場合も。

きつく、耳障りな音を出す機器に使うと効果的です。振動を強固に遮断するのではなく、振動を整え、響きを調整するタイプと言えます。

円形タイプ

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上から見ると円形で、高さのある円筒形状のインシュレーター。インシュレーターとしてはベーシックな形状で、スパイク受けになっているモノもこの形状に含まれます。

さまざまな素材で作られているため、音質の傾向も製品によってさまざま。多くのメーカーが独自技術や素材で高音質を競い合っており、自分好みの音質を追求したい方にもおすすめです。

通常は直径が20~30mm程度で高さ1cm程度が主流ですが、これよりも小さいモノや高さが1mmほどの薄いモノもあります。薄いモノは他のインシュレーターと併用するのが前提のモノもあるので注意しましょう。

インシュレーターの選び方

材質で選ぶ

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インシュレーターの材質は金属、木材、ゴム、樹脂、複数の混合などがあり、いずれも素材が持つ音の傾向が異なるので、よく見極めて選ぶ必要があります。

金属ならクリアで華やかな音、木材なら温かみがあり奥行きのある音、ゴムなら柔らかい音など素材によって音に与える影響はさまざまです。複合タイプは各素材のいいとこ取りをしたバランスのよさが特長ですが、際立った長所を感じにくい場合もあります。

形状・材質・音質傾向を総合して選ぶ

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スパイクタイプ、キューブタイプ、円形タイプの他に、六角ナット型、3角形型などもあります。形状と材質にも密接な関係があり、キューブタイプは木材が多く、他は金属、ゴム製が多いのが実情です。より振動を抑えたいならスパイクタイプ、振動を上手く調整したいならキューブタイプや円形タイプというのが大まかな選び方のポイント。

いずれにしても、使用している機器の音の傾向を把握し、そこから自分が持っていきたい音の方向性を明確にした上で、選ぶのが大切です。また、スピーカーだけでなく、プレーヤーやアンプにもそれぞれに合ったインシュレーターを使うといった細かな工夫も効果的。

インシュレーターのおすすめモデル20選

オーディオテクニカ(audio-technica) ハイブリッドインシユレーター AT6098

スピーカー向けインシュレーターの定番人気モデルです。ハネナイト、真鍮、ハネナイトの3層構造の円筒型で、クリアでシャープながらも適度な温かみのあるバランスのよいサウンドに仕上がります。明確な定位と抜けの良い低音もポイント。

真鍮削り出しの本体は高級感があり、エントリー機からハイエンドオーディオまで幅広い製品に違和感なく使えます。外形寸法は直径20×高さ11mmとやや小さめ。1個当たりの耐荷重は約5kgで、DTM用のモニタースピーカーのような小型機への使用がおすすめです。

山本音響工芸 キューブベースアサダ桜材インシュレーター QB-2

立方体形状の木製インシュレーター。北海道産アサダ桜無垢材を使用し、ナチュラルで美しい質感が特徴です。アサダ桜は高級ヘッドホンのイヤーカップにも採用される響きのよい木材で、柔らかく爽やかなサウンドに仕上がります。音も明瞭でありながら、金属的な冷たさがないのもポイント。

外形寸法は1辺が34mm、耐荷重は4個で約50kgです。スピーカーだけでなくコンポにも使え、価格もリーズナブルなのも魅力。木製インシュレーターの入門としてもおすすめです。

オヤイデ(OYAIDE) 小型ステンレススパイク 4個1組 INS-US

スパイクタイプインシュレーターの定番モデルです。高精度切削によるステンレス製で、直径は20mm、高さ9.9mm、スパイク先端を僅かに丸める事で、先端の潰れを回避し、理想的な点接触を実現。

密度が高く、締まりのあるサウンドに導きます。一般的なスパイク受け型インシュレーターとの併用もできますが、やはりデザイン、音質面でのマッチングからも同社のINS-SPとの併用がおすすめです。

オーディオテクニカ(audio-technica) ハイブリッドインシュレーター 6個1組 AT6099

スピーカーにもコンポにも使えるインシュレーターの定番モデルです。真鍮削り出しの本体をベースに、ハネナイト、真鍮、ハネナイト、ソルボセインの4層構造の円筒型で、不要な振動を効果的に抑制します。下部は振動を拡散させる「ディンプル構造」なのもポイント。

音は声や楽器の位置関係が明確になり、高音はよく伸び、低音がより厚みを増すのが特徴です。外形寸法は直径30×高さ17mmと少し小さめ。6個一組で、スピーカーの3点支持から、コンポの4点以上の支持まで幅広く使えます。

山本音響工芸 アフリカ黒檀材インシュレーター QB-3

立方体形状の木製インシュレーターです。こちらはオーボエやクラリネットなど管楽器に使用される「アフリカ黒檀無垢材」を使用。外形寸法は1辺が34mm、耐荷重は4個で約50kgです。

1.4と重い比重が作用し、締まりがありクリアな音になる傾向になります。スピーカーやコンポで低音を中心に音が緩いと感じる場合に有効です。木管楽器に加え、ピアノ、バイオリンのような木製楽器を多数使用したクラシック音楽鑑賞にもおすすめ。

オヤイデ(OYAIDE) インシュレーター 4個1組 INS-SP

高剛性ステンレス削り出し製の円形インシュレーターです。上面はスパイク受けになっており、同社のスパイクタイプインシュレーター、INS-BSやINS-USと組み合わせるのに最適。直径は20mm、高さ6mmです。

高精度切削により、ガタつきのないスパイクとの完璧な点接触が可能です。もちろん、他社製のスパイクにも使え、単体使用も可能。その際は上下の向きでの音の違いも楽しめます。

高性能なスパイク受けタイプとしてはリーズナブルで高音質なので、ハイコスパな定番モデル。使い道の広さでもおすすめ。

オーディオテクニカ(audio-technica) インシュレーター 4個1組 AT6091

特殊防振ゴム「ハネナイト」を採用した円形インシュレーター。不要な振動を効果的に吸収する優れた防振特性を持つ素材です。

外形寸法は直径36×高さ9.5mmでスピーカーにもコンポにも使え、耐荷重が1個当たり約20kgあるので、重量級の高級機にも安心して使用できます。音は低音のボリューム感を維持したまま、クリアさを増す方向性。低音域に特化した「サブウーファー」用にもおすすめです。

付属の透明シールを本モデルの上面に貼り、保護シートを下に敷くと、ゴム跡が付くのを防げるのも特徴。

山本音響工芸 ブチルゴム製スペーサー20枚入り GS8

直径20mm、厚さ1mmという薄型の円形インシュレーターです。ゴム類の中でも振動の吸収性が高い「ブチルゴム」を使用。劇的に変わるというより、穏やかな効き具合で、全体的なクオリティーアップにつながります。

他のインシュレーターと併用して使うのも効果的で、それぞれの素材固有の音を中和。20枚1セットで700円程度とリーズナブルなので、スピーカー、コンポ用にと一気に対応でき、初心者にもおすすめです。

ウエアハウス商会 金属製インシュレーター スパイク 受け 8個セット

金属製スパイクとスパイク受けのセットです。8セットで3,000円以下という低価格が魅力。ステレオスピーカーにもこれひとつで対応できます。

音の輪郭が明瞭になり、奥行き感のあるサウンド傾向です。小型スピーカーの音を全体に引き締めたい方におすすめ。リーズナブルなので、コンポをたくさん持っている方やスパイクタイプ初心者にもおすすめです。

オーディオテクニカ(audio-technica) ハイブリッドインシュレーター 4個1組 AT6087

スピーカーにもコンポにも使えるインシュレーターです。素材と硬度が異なる3層構造で、3層の接合面に凹凸加工、本体下部に凸凹構造を施し、荷重を分散、振動を抑制し、音質を改善します。内部劣化を軽減させる「ABS樹脂モールド」の使用で耐久性も高いです。

金属を使用していないこともあり、音は高音がきつくなりにくく、滑らかで美しい音になります。外形寸法は直径31×高さ16.5mmの円筒型で、耐荷重は1個当たり約4kgとやや少な目。スピーカーなら小型機、コンポも中級クラスに向いています。

オヤイデ(OYAIDE) マルチベースインシュレーター INS-BS

カーボンFRP底面+高純度真鍮のクロームメッキ仕上げのハイブリッド型インシュレーター。中心に4.2mm径の穴が設けられ、機器へのネジ留め固定も可能です。振動を軽減させつつも、音楽に必要な響きと躍動感を損なわないようにチューニング。

同社のインシュレーター・INS-CF/INS-US/INS-SP/INS-BD/INS-SQをはめ込み可能な設計もポイントです。併用することで、それぞれの特徴もミックスしたサウンドに調整できます。

初心者から上級者まで幅広く使えるインシュレーターです。

エーイーティー(AET) スパイク 4個 SH-3046SA

高価なインシュレーターもラインナップするメーカーで、そのなかではリーズナブルなスパイクタイプモデル。直径30mm、高さ4.6mmで、強度にこだわった設計が特徴です。インシュレーターによって力強さや定位感を改善するには、素材の強度が重要という考えに基づいています。

マグネシウムと比較して強度が約200%と高強度なA2000系合金を使用。素材の特定共振を理論的に押さえ込める独自の「無理数応用設計」により、素材の持つ癖を極限まで減らしています。

機器が本来持つ音を引き出したい方におすすめ。スパイク受けとしては同社のSH3046Aがおすすめです。

アコースティック・リヴァイブ(ACOUSTIC REVIVE) 天然クォーツレゾネーター 8個1組 QR-8

「振動吸収法」を採用したインシュレーターで、共振を起こしている対象物に貼る事により、対象物の共振周波数が変わり、共振そのものが止まるという原理を利用。従来のように機器の下に敷くのではなく、機器に張り付けて使います。そのための粘着シートも付属。

スピーカー、コンポだけでなく、共振していると思われる部屋の戸や窓に貼るのも効果的。インシュレーターを下に敷けないカーオーディオ機器にも使えます。本体は固有の共振音や音色を持たないという天然スモーキークォーツ(煙水晶)を採用。見た目にも美しいのも利点です。

オーディオテクニカ(audio-technica) ハイブリッドインシュレーター 8個1組 AT6089CK

小型スピーカー、コンポ向けの円筒形インシュレーターです。8個一組で、コルクと真鍮の2層ハイブリッド構造。真鍮削り出しの本体下部にコルクが付いており、明るい音色と明瞭な音が体験できます。

外形寸法は直径18×高さ11.5mmと小さめで、1個当たりの耐荷重は約5kgです。フルサイズコンポだけでなく、コンパクトなUSB-DACやDAPを机上に置いて使う場合にも効果的。音がモヤモヤしていると感じている方にもおすすめです。

クライナ(KRYNA) インシュレーター D-PROP extend DPX1

円筒の中に2つのスパイクタイプインシュレーターを封入した構造が特徴の製品です。内部には特殊な液体を満たし、振動吸収効果を増大、使いやすさや安定性も確保しながら2段重ねスパイクによる圧倒的な効果を実現。

特に回転メカを持つCDやレコードプレーヤーに適しており、機器本来の音を引き出し、歪みや濁りのないピュアなサウンドを聴かせます。高速回転するBlu-rayプレーヤーにもおすすめです。

オーディオテクニカ(audio-technica) スパイクベースインシュレーター 4個1組 AT6294

スパイク受けタイプの円筒形インシュレーターです。真鍮ベース+制振ゴム「ハネナイト」の組み合わせ。金属的なきつさは抑えつつも、明確な定位と厚みのある中音域が特徴です。

外形寸法は直径39×高さ7.5mmと十分な大きさで、1個当たりの耐荷重は約80kgもあります。これが4個一組なので、スピーカーには最低2組必要です。

先端角が120度未満、高さが4mm以上のスパイクと組み合わせるのがおすすめですが、スパイクと組み合わせず単独でも使えます。超重量級のパワーアンプにも適した製品です。

クライナ(KRYNA) スパイクインシュレーター T-PROP ネジ経6mm 4個1組 TP4-M6

特許出願中の「ツイスト&ドロップイン機構」により、スパイクとスパイク受けが一体化したインシュレーター。

機器を移動した際に、通常はスパイク受けが下に残ります。すると、スパイクはそのまま露出してしまうので、機器を慎重に動かさないと床や置台を傷つけてしまう場合も。本モデルなら持ち上げた時にスパイク受けごと移動できるので、その心配がありません。

スパイクのネジ径は10mm、8mm、6mm、4mm、3mmの5種類あり、機器に合わせて幅広く使えるのも魅力。スパイクタイプは先端が尖っているのが危なくて、という方にもおすすめです。

エーイーティー(AET) インシュレーター 4個 VFE4005H

振動吸収に優れる「粘性」と「発泡」を両方備えた、粘性発泡エラストマー「VFE」を採用した角形インシュレーター。これによりにより、粘性と発泡の2種類の素材の振動吸収性能を発揮します。

全体的に刺激を抑えた柔らかめのサウンド傾向です。厚みと振動吸収性の異なる製品を多数ラインナップしており、価格や音質傾向の好みから選べます。安価で薄い手軽な外観ながらも、耐久性に優れた素材なので長く使えるのもポイント。

アイシン高丘(TAOC) インシュレーター 3個1組 TITE-25GP

スパイクとスパイク受けがセットになった製品。黒鉛の形状が外側は細かく内部へ行くほど大きくなる鋳鉄である「グラデーション鋳鉄」を使用。高密度、高硬度、振動減衰性の高さを兼ね備えています。これにより、厚みと締まりのある高情報量のサウンドに変身。

「鋳鉄」にこだわったインシュレーターを他にも多く販売しています。特にスピーカーの低音を締まらせたいという方にはイチオシのメーカーです。

クリプトン(KRIPTON) HRハイブリッドインシュレーター 4個1組 ISHR5

特許取得の制振素材「ネオフェード」を使用した円形インシュレーター。ネオフェードは構造体の共振を抑え、振動エネルギーを効率良く吸収して熱エネルギーに変える効果があります。

これを、2枚のCERP(カーボン繊維強化プラスチック)で挟み込むことにより、振動吸収特性をコントロール。ハイレゾ音源のような豊富な情報量を極限まで引き出します。上下には特殊シリコンゴム素材のOリングを埋め込み。滑り止め効果も抜群です。