自宅のオーディオ環境を整える際におすすめなのが、ホームシアターシステム。スピーカー構成は2.1ch・5.1ch・7.1chの3つが代表的で、数が増えるほど、より立体的なサウンドを楽しめます。

しかし、設置方法や操作性、音の広がりなどはタイプによって異なるため、購入前にそれぞれの特徴を把握しておくことが重要です。そこで今回は、2.1ch・5.1ch・7.1chスピーカーのおすすめモデルをご紹介します。

2.1ch・5.1ch・7.1chの違い

2.1ch

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「2.1ch」は、前方左右2本のスピーカーとサブウーファーがセットになったタイプです。設置がしやすいほか、価格帯もリーズナブル。コストをかけずにホームシアターシステムを導入したい方や、設置スペースをコンパクトにまとめたい方におすすめです。

5.1ch

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ホームシアターの基本型といえるのが「5.1ch」です。もともとは、劇場用の立体音響をDVDに盛り込むときに業界標準として策定されたのがはじまり。スピーカーは前方左右に2本とセンターに1本、後方に2本、さらに重低音専用のサブウーファーで構成されます。

センターと後方にスピーカーが加わることで、サウンドの広がりを感じられるのがポイント。設置場所にはややスペースを要しますが、没入感を得られるのが特徴です。

7.1ch

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「7.1ch」は、スピーカーを前後左右にそれぞれ1本の計4本をセットし、センターに1本、後方に2本、さらに重低音専用サブウーファーをセットしたタイプ。5.1chの上位構成です。5.1chと比較して、臨場感をより感じやすいのが特徴。

なお、7.1chをより向上させた「9.1ch」や「11.1ch」といったスピーカー構成も存在しますが、一般的な用途であれば7.1chまでで十分臨場感のあるサウンドを楽しめます。

バーチャルサラウンドって何?

聴覚の錯覚を利用した仮想的なサラウンド

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「バーチャルサラウンド」とは、後方にスピーカーを配置することなく、360°方向から聴こえる5.1ch以上のサラウンドを仮想的に再現する音のこと。聴覚の錯覚を利用してサラウンドを再現しています。

一方、従来のサラウンドは「リアルサラウンド」と呼ばれ、後方にスピーカーを配置して、立体的な音響と高い臨場感を生み出す仕様です。

実際に後ろから音が放射されるバーチャルサラウンドも登場

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実は後方にスピーカーを設置せずとも、後ろから音を放射させて立体音響を実現するバーチャルサラウンドスピーカーもラインナップされています。

ビーム状の音を壁に反射させて後方から聴こえるようにする仕組みで、ヤマハが2004年に「デジタル・サウンド・プロジェクター技術(YSP)」として実用化しました。一般家庭におけるホームシアターシステムの導入に、大きく貢献したといわれています。興味がある方は、チェックしてみてください。

2.1ch・5.1ch・7.1chってどれが初心者におすすめ?

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2.1ch・5.1ch・7.1chのうち、初心者の方におすすめなのは「2.1ch」です。設置するのはスピーカーが2本とサブウーファーだけなので、テレビなどの横へも手軽にセットでき、設定も比較的容易。リーズナブルな製品が多いのも魅力です。

2.1ch・5.1ch・7.1chスピーカーの選び方

入力端子と対応サラウンドフォーマット

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4Kやブルーレイ、「Ultra HD ブルーレイ」の普及により、最近のホームシアタースピーカーには汎用性の高さが求められています。そのため、コンテンツに対応する端子を備えているか、サウンド規格に対応しているかなどのチェックが必要です。

ブルーレイを観る場合は、HDMI入力が必要。4Kを観るなら、4Kパススルーに対応した4K/60p・HDCP 2.2以上の、いわゆる4K対応HDMI入力が必須です。

また、各種サラウンド信号に対応しているかどうかも重要。ほとんどのスピーカーはDVDと放送波で標準採用されている「Dolby Digital」に対応しています。さらに、「Dolby TrueHD」や「DTS-HD」などのHDオーディオにも対応していれば、よりリアルで密度感の高いサウンドが楽しめるのでチェックしてみてください。

音楽関連の機能

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ホームシアターシステムをスマートに整えたい方には、ワイヤレス接続に対応するスピーカーがおすすめ。ただし、Bluetooth対応のモノは圧縮した際に音質劣化が懸念されるため、注意が必要です。

ワイヤレス接続で高音質を求める場合は、LAN経由で聴けるネットワーク機能に対応した製品に注目してみてください。圧縮せずにそのままの音質で聴けるので、サウンドクオリティが良好です。

よりリアルな音を楽しみたいなら、高音質なハイレゾ音源に対応しているかどうかも要チェック。ライブ会場の空気感や繊細な楽器音を堪能したい方は、ぜひ確認しておきましょう。

大きく分けて2種類のスピーカーがある

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ホームシアターのスピーカーは同じチャンネル数であっても、形状によって大きく2種類に分けられます。

1つは、複数のスピーカーがケースにおさめられている一体型モデル。「サウンドバー」とも呼ばれるタイプで、設置しやすく、比較的価格がリーズナブルなのもメリットです。バーチャルサラウンドに対応した製品であれば、サウンドも立体的。また、サブウーファーが一体化したタイプなら、重低音もしっかりしています。

もう1つは、スピーカーがひとつひとつ独立しているタイプ。一体型よりも設置は面倒なものの、スピーカーの間隔を自分で調節できます。好みに合わせて自由にアレンジできるのが魅力です。

2.1chの場合

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2.1chのスピーカーは、前方へ2つスピーカーを配置するため場所をとらないのがメリットです。テレビ横など狭いスペースにも収納できます。

比較的安いモデルが多く、コストを抑えられるのも魅力。機能もシンプルなモノが多く扱いやすいので、スピーカーを初めて購入する方や、設置スペースが限られている方などにおすすめです。

5.1chの場合

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5.1chのスピーカーは、左右にもスピーカーを設置するため、より立体感を味わえるのがメリットです。高価なモノも多くありますが、その分機能が充実しており、Bluetooth対応のモノもラインナップされています。

コストを抑えたい方には、パッケージ売りされているモノがおすすめ。ワイヤレスタイプなら簡単に設定できるモノが多く、手軽に扱えます。

一方、価格より音質を重視する方は、AVアンプとスピーカーを別々に購入するのがおすすめです。設置や設定に手間がかかりますが、自分好みの音質を追求できます。

7.1chの場合

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7.1chのスピーカーは、音をより立体的に感じられるのがメリットです。必要な設置スペースが広く、設置の手間もかかりますが、高い臨場感が得られます。

しかし、パッケージ売りされているモノはほとんどなく、AVアンプとスピーカーをそれぞれ別途購入する必要があるので留意しておきましょう。特にこだわりがない方は、スピーカーのメーカーが推奨しているAVアンプと組み合わせを参考にしてみてください。

2.1chのおすすめスピーカー

デノン(DENON) サウンドバー DHT-S216

臨場感のある立体音響が味わえる

臨場感のあるサウンドが手軽に楽しめる2.1chスピーカーです。75mmサブウーハーを2基内蔵しており、サウンドバー型ながら豊かな低域を再生できるのが特徴。コスパにも優れているため、オーディオ初心者の方にもおすすめです。

バーチャル3Dサラウンド技術「DTS Virtual:X」に対応しており、後方や頭上も含む立体音響が味わえます。また、Movie・Music ・Night の3種類のサウンドモードを搭載しているのもポイント。モードを切り替えるだけで各コンテンツにぴったりの設定でリスニングが楽しめます。

HDCP 2.2の4K対応HDMI入出力を備えているのも魅力。ARCにも対応しているので、同じくARC対応のテレビならケーブル1本で接続することが可能です。また、Bluetooth接続にも対応しているため、スマホやパソコンの音楽も楽しめます。

デノン(DENON) ホームシアターサウンドバー DHT-S316

重厚で迫力のあるサウンドが楽しめる

リーズナブルながら本格シアターサウンドが味わえる2.1chスピーカーです。2Way4スピーカーのサウンドバーと独立したワイヤレスサブウーハーで構成。テレビの音が明瞭かつ重厚に聴こえるので、映画も迫力のサウンドで楽しめます。

人の声をはっきりさせる「ダイアログ・エンハンサー」を搭載しているのもポイント。セリフやナレーションが聴き取りにくくて困っていた方にもおすすめです。また、Dolby Digital・DTS・AACなどのサラウンド形式にも対応しています。

テレビとHDMIや光デジタルのケーブルで繋ぐだけで簡単にセットアップできるのも魅力。ワイヤレスサブウーハーはサブウーハーとペアリング済みで出荷されるため、初心者の方でも電源を入れるだけで簡単に使い始められます。

パナソニック(Panasonic) シアターバー SC-HTB250-K

省スペースに設置できる小型シアターバー

設置の自由度が高い2.1chスピーカーです。サウンドバーは幅45×奥行き13.5×高さ5.1cmと小型なので、スタンドの間に収まりやすいのが特徴。ワイヤレスサブウーハーは縦横両方で使用できるため、設置スペースが限られている場合にもおすすめです。

接続端子にARC対応のHDMI出力と光デジタル入力を搭載しているのもポイント。HDMI-CECに対応しているので、テレビとスピーカーの電源のオン・オフが連動するのも便利です。

スタンダード・ミュージック・シネマの3種類から選べる「サウンドモード」を備えているのも魅力。対応するサラウンド形式はDolby Audio・DTS・AACで、Bluetoothを使ってスマホからの音楽転送も可能です。

ソニー(SONY) サウンドバー HT-S400

迫力の大音量とサラウンド音響が手軽に体感できる2.1chスピーカーです。2基の80Wスピーカーを内蔵したサウンドバーと、大口径16mmユニットを備えた100Wのサブウーハーで構成。合計260Wの大出力サウンドがリーズナブルな価格で楽しめます。

独自のバーチャルサラウンド技術「S-Force PROフロントサラウンド」を採用しているのもポイント。前方のスピーカーだけで臨場感豊かなサラウンドを再現できるため、スペースの限られた部屋での設置にもおすすめです。

聴き取りやすいクリアな音を実現する「X-Balanced Speaker Unit」の搭載も魅力。接続端子にARC対応HDMI出力と光デジタル入力を備えているほか、ソニーの対応テレビとはBluetoothによるワイヤレス接続も可能です。

クリエイティブ・メディア(Creative) Creative Pebble Plus SP-PBLPL

コスパに優れたパソコン向けの2.1chスピーカーです。USBポートから給電を受けられるUSBバスパワーに対応。パソコンのUSBポートに接続するだけで簡単に使用できます。音楽や映画のパーソナルリスニングにおすすめです。

2基のサテライトスピーカーはドライバーが上向き45°に配置されており、サウンドをダイレクトに伝えやすいのもポイント。加えて、同梱のサブウーハーはバスポートを搭載。コンパクトながら迫力のある低音を再生できます。

市販のUSB電源アダプターを接続し、ゲインをHighに設定することで総合出力を平均8Wまで増強できるのも魅力。電源のオン・オフや音量調節は右スピーカー前面で行えるので、使用中でも手元でスムーズに操作が可能です。

5.1chのおすすめスピーカー

ヤマハ(YAMAHA) サウンドバー YAS-109

使いやすい5.1chスピーカーです。バーチャルサラウンド技術「DTS Virtual:X」に対応。前後と左右に加えて、上方からも包まれるような音響が味わえます。比較的リーズナブルなので、コスパを重視するホームシアター初心者の方にもおすすめです。

Bluetoothを搭載しているのもポイント。独自の音質改善技術「ミュージック・エンハンサー」によって、スマホの音楽をワイヤレス再生する場合でも高音質が楽しめます。加えて、有線によるネットワーク接続にも対応。音楽ストリーミングサービスの音源も音質を保ったまま再生が可能です。

音声アシスタント「Amazon Alexa」を内蔵しているのも魅力。スピーカーに話しかけるだけでサウンドバー本体や連携したスマートデバイスの操作が行えるため、料理中など手が離せないシーンでも重宝します。

ヤマハ(YAMAHA) サウンドバー YAS-209

迫力のある低音が魅力の5.1chスピーカーです。ケーブルを使わずにサウンドバー本体と自動で接続できるワイヤレスサブウーハーが付属。バーチャル3Dサラウンド技術「DTS Virtual:X」にも対応しており、簡単な配置で臨場感あふれる低音を味わえます。ライブ映像やアクション映画などの視聴にもおすすめです。

クリアボイス技術によって、セリフやナレーションがより聴き取りやすいのも特徴。音質を再生するコンテンツに応じて最適化できる5種類のサウンドモードも搭載しています。

Wi-FiやBluetoothでの音楽のワイヤレス再生に対応しているのもポイント。また、Amazon Alexaを使った音声操作も利用が可能です。

ヤマハ(YAMAHA) スピーカーパッケージ NS-P41

豊かな高音質が楽しめるコンパクトな5.1chスピーカーセットです。センター・フロント2基・サラウンド2基・サブウーハーからなる合計6基で構成。各スピーカーに7cmコーン型フルレンジユニットが搭載されており、長時間の使用でも聴き疲れしにくいバランスの取れたサウンドを再生できます。

豊かな重低音を実現する独自技術「A-YST II」がサブウーハーに採用されているのもポイント。ノイズの原因となる気流の乱れを抑える「ツイステッドフレアポート」構造との相乗効果により、コンパクトながらクリアでスピード感のある重低音再生を味わえます。

各スピーカーには、光沢を生かした高品位なグロスブラック仕上げを採用。薄型テレビのデザインにマッチしやすいのも魅力です。手頃な価格もポイント。初心者向けの本格的なホームシアターシステムとしてもおすすめです。

ヤマハ(YAMAHA) スピーカーパッケージ NS-PA41

自然で臨場感あふれるシアターサラウンドが味わえる5.1chスピーカーセットです。フロントスタンディング型のフロントスピーカー2基を含む合計6基のユニットで構成。本格的なホームシアターシステムをリーズナブルな価格で揃えたい方にもおすすめです。

フロントスタンディング型フロントスピーカーには、2.5cmバランスドーム型ツィーターと7cmコーン型ウーハー2基を搭載。豊かな低音からクリアで聴き取りやすいセリフやボーカルの中高音まで、幅広いレンジで高音質な音声を再生できます。

設置の自由度が高いのも魅力。フロントスピーカーは直径23×高さ100cmのスリムデザインを採用しており、配線は背面に隠せます。また、センタースピーカーとサラウンドスピーカーは壁掛けでの設置も可能です。

レイザー(Razer) サラウンドサウンドバー Razer Leviathan RZ05-01260100-R3A1

プレイ中の没入感が向上するゲーミング向けの5.1chスピーカーです。ゲーム用に最適化された各2基のフルレンジドライバとツィーターを搭載。深みのある重低音を生み出す付属の専用サブウーハーと組み合わせることで、バトルシーンを壮大に感じられる豊かなサウンドを再現できます。音質にもこだわるゲーマーの方におすすめです。

ステレオ音源が、複数のDolbyテクノロジーによって5.1chバーチャルサラウンドに変換されるのもポイント。より臨場感あふれるゲームサウンドが再生できます。

Bluetoothでスマホの音楽をワイヤレス再生できるのも魅力。1度ペアリングした機器は記憶するため、次回からは1タップで高速連携が可能です。また、3段階の角度調節機能も備えています。

ソニー(SONY) サウンドバー HT-A5000

臨場感のある音場を実現する5.1.2chサウンドバーです。本体中央のセンタースピーカーの両側にデュアルサブウーファーを搭載しているのが特徴。加えて、天井に音を反射させる「イネーブルドスピーカー」を2基、壁からの音の反射を実現する「ビームトゥイーター」を2基備えており、立体感のあるバーチャルサラウンドを体験できます。

音の歪みを低減する「X-Balanced Speaker Unit」を搭載しており、高音質でクリアなサウンドを再生できるのもポイント。立体音響技術「Dolby Atmos」に対応しているほか、「ハイレゾ音源」の再生も可能なので、高品質なコンテンツを堪能するのに活躍する製品です。

おしゃれなデザインに仕上がっているのも魅力。シンプルでスタイリッシュな見た目で、部屋のなかに自然に溶け込みます。壁掛けにも対応しており、レイアウトの自由度が高いのもメリット。機能性とデザイン性を兼ね備えたおすすめの1台です。

7.1chのおすすめスピーカー

ヤマハ(YAMAHA) デジタルサウンドプロジェクター YSP-2700

リアルサラウンドがコンパクトに楽しめる7.1chスピーカーです。独自技術「YSP」を採用。サウンドバーに搭載したスピーカー16基の音をビーム化させて壁に反射させるため、複数個のスピーカーを設置しなくても7.1chサラウンドが実現できます。スペースの関係でホームシアターシステムを構築するのが難しい方にもおすすめです。

3入力と1出力のHDMIポートを搭載しており、レコーダーやゲーム機を複数台接続できるのもポイント。また、HDCP2.3・4K/60p映像伝送・HDR映像伝送が可能なので、Ultra HD Blu-rayで高画質な映画を鑑賞する際にも重宝します。

独自のワイヤレスネットワーク機能「MusicCast」に対応しているのも魅力。専用アプリを使用して、ストリーミングサービスなどのネットワーク音源を楽しめます。Bluetooth接続にも対応し、スマホの音楽もワイヤレス再生が可能です。

ソニー(SONY) ホームシアターシステム HT-A9

リビング全体に広がる立体音響を楽しめる7.1ch対応のホームシアターシステムです。スピーカーには、ウーファー・トゥイーター・イネーブルドスピーカーの3Way構造を採用。しっかりと低音の効いたクリアなサウンドを再生できるのが特徴です。

ワイヤレス接続のため、部屋に合わせて自由に4つのスピーカーを配置できるのもメリット。内蔵の計測用マイクと測距音でスピーカー間の距離と天井までの距離を自動で計測し、環境に適した音場を作ることができます。

ソニー独自の立体音響技術「360 Spatial Sound Mapping」を体験できるのもポイント。4つのスピーカーの音の波面を合成し、最大12個のファントムスピーカーを生成します。音に包まれ、映画やゲームの世界に入り込んだかのような感覚を味わえるのが魅力です。音にこだわる方におすすめなので、ぜひチェックしてみてください。