日本酒発祥の地といわれる「島根県」。今なお多くの蔵元が日本酒造りを行っており、個性豊かな味わいを持つお酒を楽しめるのが魅力です。出雲杜氏と岩見杜氏、主に2つの杜氏によって技術の継承と発展が行われている点にも注目してみてください。
今回は島根県で造られるおすすめの日本酒をご紹介します。辛口から甘口、セット商品まで幅広くピックアップ。魅力あふれる銘酒ばかりなので、要チェックです。
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。
島根の日本酒の特徴
島根県は、日本酒発祥の地ともいわれている全国有数の酒処です。1300年前に書かれた「出雲国風土記」によれば、出雲市の佐香神社が日本酒の生まれた場所とされています。自然に恵まれており、酒造りに欠かせない米や水の品質がすぐれているのも、酒処としてのポイントです。
高い技術を有する優秀な杜氏が多く集まっているのも島根県の特徴。各蔵元が伝統を大切に受け継いでいます。新しい酒造りにも積極的。個性豊かな味わいを楽しめます。
出雲杜氏と石見杜氏の2系統から成り立っている点にも注目。2つの日本酒を飲み比べて違いを味わうのもおすすめです。ぜひこの機会に、気になる島根県の日本酒をチェックしてみてください。
島根の日本酒の選び方
日本酒造りに影響を与える「杜氏」に注目
出雲杜氏
出雲杜氏は、須佐之男命(すさのおのみこと)が出雲国で酒を醸し、八岐大蛇(やまたのおろち)を退治したという伝承にルーツがあります。退治の際に使われたのは「やしおりの酒」です。
やしおりの酒は、熟成させたもろみをろ過し、再び酒として仕込むという製法によって造られます。その製法から濃厚な味わいであったといわれているのがポイント。今なお、出雲地方には濃醇な日本酒が多く存在しており、はるか昔から製法が受け継がれてきた証となっています。
出雲杜氏の日本酒は酸度が高く、アミノ酸による旨みや甘み、渋みなどと調和して複雑な味わいを持っているのが特徴。濃い日本酒が好きな方は、出雲杜氏の日本酒に注目してみてください。
石見杜氏
石見杜氏は、昭和初期に3つの杜氏が合流してできた杜氏です。具体的には、浜田市美浜地区の美浜杜氏・周布地区の周布杜氏・益田市喜阿弥地区の喜阿弥杜氏が一緒になっています。
出雲杜氏と比べ、もともと数の少ない石見杜氏は今や10人以下に。そのため、石見杜氏の手がけるお酒自体が数少ないのがポイントです。島根県の日本酒を選ぶなら、ぜひ岩見杜氏のお酒にも注目してみてください。
有名な酒蔵をチェック
島根県には個性豊かな蔵元が多数存在しています。250年以上の歴史を持つ吉田酒造は、島根県東部に位置する老舗の蔵元。代表銘柄の「月山」は、かつてその年の最も良質な樽を月山と名づけて藩主に献上していたことに由来しています。
桑原酒場は、南側に岩見の山々がそびえ立つ場所に位置する蔵元。数少ない地元出身の岩見杜氏を中心に、丁寧な酒造りを行っているのが特徴です。簸上清酒は、現代の名工・松本年正杜氏が所属する蔵元。江戸中期から、奥出雲で誠実な酒造りを続けています。
李白酒造は、島根の食文化発展にも注力する蔵元。出雲神話に出てくる酒造りの伝統を守り続けています。代表銘柄「李白」のなかには、神話に登場する怪物・やまたのおろちの名を冠したお酒もあります。
島根ならではの酒米をチェック
島根県では、独自に開発した酒米を使用した日本酒が多く作られています。島根県の日本酒を選ぶ際は、使用されている酒米をチェックしてみるのがおすすめです。たとえば、「改良雄町」は雄町の改良品種。栽培難度の高さが難点ですが、すぐれた酒米として知られています。
「改良八反流」も栽培難度が高く、幻の酒米と呼ばれている品種です。「神の舞」は、五百万石と美山錦の交配品種。中山間地域での栽培に適しているのが特徴です。「佐香錦」は、改良八反流と金紋錦の交配品種。山田錦に勝るとも劣らない吟醸用酒米として注目されています。
新潟県で開発された「五百万石」は、島根県内における酒米の作付面積を多く占めているのが特徴。島根県オリジナルの品種ではありませんが、使用されることの多い酒米です。
プレゼントには飲み比べセットも人気
島根の日本酒をプレゼント用に考えている方は、飲み比べセットにも注目してみてください。同じ銘柄で、純米吟醸・純米・本醸造といった造り方の違いを飲み比べられたり、精米歩合の細かな違いを味わえたりします。
蔵元の個性を理解するだけでなく、日本酒初心者の方に製法による違いを感じられるのも魅力。飲み比べセットは、贈答用の化粧箱に入っている商品も多く存在します。初心者から上級者まで、お酒好きな方へのプレゼントとして使い勝手のよい商品です。
島根の日本酒のおすすめ|辛口
吉田酒造 月山 芳醇辛口純米
出雲らしい日本酒造りの味わいを楽しめる、常用純米酒。芳醇な味わいとキレのある後味が特徴です。多様な料理と相性ぴったり。綺麗に広がる旨みを堪能してみてください。
酒造好適米を精米歩合70%まで磨き上げています。アルコール度数は15%。幅広い温度帯で楽しめるのも魅力のひとつです。
手がけているのは、老舗蔵元の吉田酒造。「月山」は同蔵元を代表する銘柄です。地域のシンボルである月山の名を冠して、藩主に献上していたのが始まりとされています。日々の晩酌で気軽に楽しめる島根の日本酒を探している方におすすめの1本です。
簸上清酒 玉鋼 大吟醸
現代の名工・松本年正杜氏が信念を持って仕上げている島根の日本酒です。兵庫県産の山田錦を使い、丁寧に手作業で仕込んでいます。華やかな香りと芯にある荒々しい味わいが特徴です。
商品名にも使われている「玉鋼」は、日本刀の原料となる鉄のこと。奥出雲地方で昔から伝えられてきた製鉄法「たたら製鉄」によって生み出されます。日本酒度は+5です。精米歩合は35%。アルコール度数は15%です。
松本年正氏は、全国新酒鑑評会において金賞を7回、出雲杜氏自醸酒品評会最優秀賞を7回受賞した、島根を代表する杜氏のひとり。職人が手がけた日本酒を味わいたい方におすすめです。
李白酒造 李白 特別純米 やまたのおろち 超辛口
神話に登場する竜・やまたのおろちの名を冠した島根の日本酒です。本商品は、同蔵元を代表する「やまたのおろちシリーズ」の超辛口タイプ。キレのある辛口の味わいに、やさしく広がる旨みがクセになる1本です。
原料米には、島根で作付面積の広い酒米として知られる五百万石を使用。精米歩合は58%というこだわりにも注目です。日本酒度は+13。アルコール度数は15%です。
やまたのおろちは島根と深い関係のある怪物。ユニークな名前の付いた日本酒を探している方は、ぜひチェックしてみてください。
日本海酒造 環日本海 純米大吟醸 水澄みの里
青色を基調とした美しいラベルが印象に残る島根の日本酒です。原料米の山田錦を精米歩合40%まで磨き上げて仕込んだ1本。豊かな香りとなめらかな口当たりが楽しめる純米大吟醸酒です。
フランス「KURA MASTER」の2019・2020でプラチナ賞を連続受賞。さらに、2021年には金賞も受賞しています。アルコール度数は15%。日本酒度は+3です。
冷酒で飲むのがおすすめ。手がけているのは、浜田市三隅町に明治21年創業した日本海酒造。商品の持つ真価を大切にした酒造りを続けているメーカーです。海外でも評価されている島根のお酒が気になる方はチェックしてみてください。
若林酒造 開春 純米超辛口
日本酒度+15の飲み飽きしない超辛口純米酒です。辛口純米酒として歴史を有する若林酒造の銘柄「開春」。中取り部分を使うことで、キレのある後味に仕上がっています。酸度やアミノ酸度が高いのも特徴です。辛口ながら、飲み応えのある豊かな味わい。純米の深い香りや、芳醇な旨みも感じられます。
原料米は山田錦・神の舞。精米歩合は60%です。アルコール度数は15%。使用している酵母は協会9号です。
純米超辛口のもろみを袋取りした雫酒「開春 純米超辛口 袋取り生原酒」もあるので、気になる方は要チェック。辛さだけではなく、味わい深い純米酒を探している方におすすめです。
桑原酒場 純米吟醸 佐香錦
島根県産の酒造好適米「佐香錦」を使用した、島根県で造られる日本酒です。佐香錦特有の繊細でふくらみのある旨みに、適度な酸味が利いているのが特徴。冷やして飲むとキレのある味わいですが、ぬる燗にすると少し芳醇な味わいを堪能できます。
精米歩合は55%。日本酒度は+5.5です。酵母には9号系を使用。仕込み水には、高津川からの清冽な伏流水を使っています。
桑原酒場は1903年に創業した島根県の蔵元です。手間を惜しまず丁寧に下処理をする酒造りが特徴。華やかな香りよりも米本来の味わいを大切にしています。島根県が独自に生み出した酒米「佐香錦」の特徴を知りたい方もチェックしてみてください。
板倉酒造 R4BY 純米吟醸 馨
板倉酒造の銘柄「天穏」から発売されている純米吟醸です。米は、麹米「五百万石」と掛米「縁の舞」のパターンと、麹米「縁の舞」と掛米「五百万石」の2パターン。さらに、酵母は速醸・k1酵母、速醸・k101、水もと・速醸・k1の3パターンを使用し、組み合わせているのが特徴です。
香りにはバナナやバラのニュアンスがあり、やわらかくあたたかさがあります。穏やかな味わいが魅力で、飲み飽きしません。
アルコール度数は14.7%。精米歩合は60%です。日本酒度は+6。原料米や酵母の使い方にこだわっている島根の日本酒を飲んでみたい方におすすめです。
一宮酒造 純米吟醸 理可 改良八反流
島根県の酒米「改良八反流」を用いて造られた日本酒。一宮酒造の銘柄「理可」の純米吟醸です。改良八反流は栽培が難しく、幻の米とも呼ばれています。濃醇辛口の味わい。本商品は女性杜氏・理可氏が、はじめて設計から携わった記念すべきお酒です。
キレのよい味わいですが、余韻に甘さを感じる仕上がり。アルコール度数は16%。精米歩合は60%です。常温〜熱燗の温度帯で味わってみてください。
・720ml
・1800ml
簸上清酒 七冠馬 純米
簸上清酒の銘柄「七冠馬」の定番として知られる純米酒です。奥出雲産の酒米を、精米歩合65%まで磨き上げています。芯のある味わいとキレのよさが魅力。濃厚な味わいの料理と合わせて、食中酒としても活躍します。
鮮やかな緑のラベルが印象的。ブランドロゴ「七角形の蹄鉄」をベースに、七冠馬の由来となった「シンボリルドルフ」のオーナー・シンボリ牧場を象徴しています。スタイリッシュなデザインで、贈答用にもぴったりです。お酒と馬が好きな方へのプレゼントにも適しています。
日本酒度は+4の辛口。アルコール度数は15%です。島根県の食文化を意識している日本酒が気になる方はチェックしてみてください。
奥出雲酒造 奥出雲 純米
コクのある味わいを楽しめる島根の純米酒です。濃醇辛口タイプ。冷やせばキレがあり、ぬる燗ならふくらみのある風味を堪能できます。
アルコール度数は15%。精米歩合は70%です。使用する酒米は、すべて蔵元のある奥出雲町産。自家精米で磨き、若い出雲杜氏が丁寧に仕上げています。
奥出雲は、島根県内でも特に米作りに適した土地と考えられているのがポイント。島根県内の酒造で使用する酒米の約7割を生産しているともいわれている土地です。
島根の日本酒のおすすめ|甘口
加茂福酒造 死神
キャッチーな名前が特徴の日本酒です。一度飲むと憑りつかれたように好きになってしまうお酒と謳われています。平成12年に、雑誌「特選街」の全国日本酒大賞コンテスト純米酒部門で9位に入賞した実績のあるお酒です。
古代酒を混ぜることで、旨口に仕上げているのがポイント。常温か少しぬるい温度で飲むと、ふくよかな味を堪能できます。インパクトのあるネーミングなので、贈答用にもぴったり。風変わりなお酒を飲みたい方や、吟醸香の強いお酒に飽きてしまった方にもおすすめの1本です。
一宮酒造 発泡清酒 雪香 YUKIKA
シャンパンのような飲みやすい味わいが特徴の日本酒です。メーカー独自の瓶内発酵技術を使って仕上げたスパークリング日本酒。アルコール度数は5%で、甘酸っぱく飲みやすい点も魅力です。
一般的なにごり酒と比べると薄めの乳白色。やさしい甘さと適度な酸味のバランスを楽しめます。炭酸でキレよく味わえるのもポイントです。原料米には改良八反流を使用。2013年の国際味覚審査機構で優秀味覚賞を受賞しています。
食事と合わせる際は、ぜひ酸味の利いた料理をチョイスしてみてください。サイズのラインナップは、720mlと200mlの2種類。複数人で楽しむなら720ml、ひとりで飲み切るなら200mlがおすすめです。普段あまり日本酒を飲まない方にも適した島根の日本酒です。
・1本
・3本セット
隠岐酒造 隠岐誉 室町の純米酒 90
室町時代後期に造られていたお酒を再現した商品です。強い甘口で琥珀色の色合いが特徴。生もと造りで仕上げられており、現代の純米酒のイメージとは異なる1本です。
原料米は隠岐産「神の舞」を使用。精米歩合は90%です。日本酒度は-55。アルコール度数は17%です。ロックやソーダ割りで飲むのもおすすめ。「KURAMASTER」の2019年・2020年でプラチナ賞を受賞しています。
さらに、2021年の「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」でプレミアム純米部門の金賞に輝いている点にも注目。ぜひワイングラスで楽しんでみてください。
・720ml
・1800ml
島根の日本酒のおすすめ|飲み比べセット
隠岐酒造 隠岐誉 純米大吟醸720ml ペアセット
隠岐酒造を代表する銘柄「隠岐誉」の純米大吟醸と大吟醸をセットにした商品です。隠岐誉の純米大吟醸は、気軽に楽しめる純米大吟醸を目指しているのが特徴。穏やかな香りと旨み、酸味とのバランスにすぐれた1本です。
ライトな飲み口で、飲みやすい日本酒を楽しみたい方にもぴったり。一方、大吟醸はフルーティーな香りと豊かな味わいが特徴です。キレのよい味わいを楽しめます。いずれも辛口のお酒で、原料米は山田錦を使用。化粧箱入りなので、贈答用にもぴったりです。
隠岐誉は、蔵元が初代より受け継いできたノウハウを用いて仕込んでいる銘酒。島根県の日本酒を飲み比べたい方におすすめです。
吉田酒造 純米吟醸・純米・本醸造 720ml 3本セット
吉田酒造の銘柄「月山」の純米吟醸・純米・本醸造がセットになった商品です。純米吟醸は、繊細な旨みとアロマに満ちた綺麗な味わいが特徴。バランスのよい味わいを楽しめるお酒です。
純米酒は、山陰限定の万能純米酒。やさしい香りと味わいで、さまざまな料理と合わせやすいのが魅力です。冷から熱燗まで、幅広い温度帯で味わってみてください。本醸造は、純米・純米吟醸などの出来立てを瓶に詰めたモノです。
シックなラベルと化粧箱で、目上の方へのプレゼントにもぴったり。容量は各720mlです。同じ銘柄で特徴の異なるお酒を飲み比べたい方はチェックしてみてください。
一宮酒造 石見銀山 改良八反流 セット
原料米「改良八反流」から造った2種類の日本酒を飲み比べられるセットです。それぞれの違いは精米歩合。純米吟醸は精米歩合50%、特別純米は精米歩合60%です。精米歩合10%の違いが、どのような違いを生み出すのかを楽しめるセットです。
容量は各720ml。アルコール度数は16%です。専用の化粧箱入りなので、贈答用にも適しています。日本酒に興味を持ち始めた方へのプレゼントに検討してみてください。
日本酒発祥の地とされている島根県には多くの蔵元があり、オリジナリティのある商品を生み出しています。出雲杜氏と石見杜氏、島根県が独自に開発した多様な酒米などに注目して、気になる商品を選ぶのがおすすめです。ぜひ、島根で造られているお気に入りの日本酒を探してみてください。